ドラコ・マルフォイ♀メインヒロイン化計画   作:楽手疎素

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思っていたより長くなった為、前後編に分けました
ラブコメ感マシマシでお送りします


4冊目 ~炎のゴブレット 前編~

●隠れ穴にて(ハリー、ロン、ハーマイオニー)

 

 

「パーシーに上司の話をするなよ?クラウチさんがこうおっしゃっただの、クラウチさんはこう考えてるだの…まるで新婚夫婦だぜ?」

「……むしろ、親子じゃない?」

「いや、親子って感じじゃないなあ…ハリー、もしかしてマルフォイを想像したかい?」

「うん。…そういえば、去年のドラコは『お父様がこう言ってた』って言わなくなってたなあ」

「そうなのかい?それなら親離れしたか、もしくは…」

「もしくは?」

「……別の執着先が出来たとか?」

「別の、かあ…でも、誰だろう?」

「そりゃあ………ほんとにわかってないのかい!?」

「……ロン。気持ちはわかるけど、落ち着いて」

「マーリンの髭!!!」

 

 

 

 

 

●クィディッチW杯前、テント内にて(ハリー、ドラコ、アーサー、ルシウス、ナルシッサ)

 

 

「失礼する」

「る、ルシウス・マルフォイ!?…一家揃って何の用だ?」

「こちらのテントに、ハリー・ポッター…ハリーくんが入っていくのを娘が見たそうでな。ご挨拶に伺った。アーサー・ウィーズリー。貴様に用はない」

「貴様のような奴がハリーに―」

「時間の無駄だ。…詳しく知りたいなら、ダンブルドアにでも聞きたまえ」

「なっ…きさまは―」

「…あっちは放っておきましょう。ごきげんよう、ハリー」

「あっ…や、やあ、ドラコ。…こんなところで会うとは、思わなかったよ」

「そう?わたくしはお父様に聞いてウィーズリーが来ることは知ってたから、あなたも来るだろうと思っていたわ」

「……それでも、わざわざテントに来なくても」

「わたくしもそう思ったのだけど―」

「ハリー・ポッター…ハリーくん!お久しぶりね!」

「え?はい。えっと…ドラコの、お母さん?」

「落ち着いて、お母様。ええ、そうよ。ハリー、紹介するわ。わたくしのお母様のナルシッサ・マルフォイ」

「よろしくね、ハリーくん。是非、一度ちゃんとお礼とお話をしたかったの」

「……ここに突撃することになった、原因よ」

 

 

 

 

 

●混沌とするテント(ハリー、ドラコ、ルシウス、ナルシッサ)

 

 

「やあ。久しぶりだ、ハリーくん。アポイントも取らずに訪ねてしまって申し訳ない。驚いたことだろう」

「あ、いえ…ルシウスさん…」

「いつも学校で娘と仲良くしてくれているようで、ありがとう。娘からはいつも楽しそうに―」

「お父様!余計なことを仰らないで!!」

「そうよ、あなた。私がハリーくんと話したくて来たのだもの。あなたは出しゃばらないで」

「む、むぅ…」

「ところでハリーくん。貴族の暮らしに興味はあるかしら?よかったらうちのドラコと―」

「お母様!?!?」

「ナルシッサ。そういうことは本人の意思が大事なのだから勝手に進めては―」

「あら?だからこそじゃないの!」

「お母様!?」

 

 

 

 

 

●混沌とするテントその2(ハリー、ハーマイオニー、ドラコ、アーサー、ナルシッサ)

 

 

「ちょっと!ダメ!ダメよ!!ハリーの意思も確認せずに進めるなんて許さないわ!」

「グレンジャー…」

「……ちょっと、アーサー・ウィーズリー。これはどういうつもりかしら?年頃の男女を同じテントに泊めるだなんて、ふしだらでなくて?」

「い、いや。泊まるのは別のテントだよ。まあ、小さめのテントだから手狭ではあるが…」

「まあ!?それはいけないわ!ハリーくん、今からでもうちのテントに―」

「お母様!うちにも年頃の娘が居ることをお忘れなく!」

「あら、だからこそじゃない!!」

「!?!?!?」

 

 

 

 

 

●混沌とするテントの傍観者(フレッド、ジョージ、アーサー)

 

 

「どうするよ、フレッド。困ったことになった。俺、この一家のこと好きになりそうだ」

「なにいってんだよジョージ。俺なんてとっくに手遅れさ」

「「面白すぎるだろ、この一家」」

「…ああ。実は、パパもだ」

「「!?」」

 

 

 

 

 

●去り際の不穏なアドバイス(ハリー、ルシウス)

 

 

「さて、では我々はこれにて失礼。…ああ、そうだ。言い忘れていた、ハリーくん。W杯後の夜はとても冷えるそうだ。厚着をして、暖かくして寝ると良い。…杖は、懐かね?」

「…?いえ、その。ポケットに…」

「それはいけない。ふとした拍子に落としてしまうかもしれない。しっかりと懐にしまっておきなさい。胸に杖が当たるから、落としてもすぐに分かる。寝る時もその方が良いだろう。ただし、寝返り打って、杖を折らないように気をつけたまえ。…実は、私は昔やってしまったことがあってね」

「はい、ありがとうございます…?」

 

 

 

 

 

●貴賓席にて(ハリー、ウィンキー)

 

 

「……ドビー?」

「今あたしのことをドビーとお呼びになりましたか?」

「あー、ごめんね。知り合いと間違えたみたい」

「いいえ。でも、あたしもドビーをご存じです!」

「そうなの?」

「あたしはウィンキーです。旦那様は―まぎれもなく、ハリー・ポッター!!」

「うん。そうだよ……すごい、まともだ」

「はい!ドビーは元から頭がおかしいのでございます」

「……屋敷しもべ妖精が全員あんな風じゃなくて安心したよ」

 

 

 

 

 

●貴賓席にて その2(ハリー、ドラコ)

 

 

「あら、ハリー。ごきげんよう。あなたたちもこの席だったの?テントにお邪魔する必要無かったわね」

「やあ、ドラコ。……突然なんだけどさ、君の家にも屋敷しもべ妖精っているのかい?」

「?…ええ、居るけれど、それが何か?」

「もしかして、ドビーって名前だったりするかい?」

「……どうして知っているの?」

「えっと……うちに、遊びに来たことがあって」

「そう。主人に無断だなんて、またお仕置きしなければならないわね」

「……それは、やめておいた方が良いと思うよ」

「やめてあげて、ではなく、やめておいた方が良い?変な言い回しをするのね?」

「うん。…知らない方が幸せな事ってあるんだなあ」

 

 

 

 

 

●貴賓席にて その3(ハリー、ドラコ、フレッド、ジョージ、アーサー、ナルシッサ)

 

 

「あっ、まずい!ヴィーラだ!!」

「なんですか?ヴィー―」

 

「ハリー、ハリー。落ち着きなさい。わたくしの声が聞こえる?」

「―ドラコ?…苦しいよ。首を絞めないでくれ。というか、顔が近―」

「仕方ないでしょう。こうでもしないと、あなたスタジアムに飛び降りそうだったから…ウィーズリーなんて、今にも飛び降りそうよ?」

「ロン!?戻って来なさい!ローン!?」

「その…もう、大丈夫だから。離れてくれるかい?」

「あら、そう?…もっと堪能しなくていいのかしら?」

「なっ、何を―」

「冗談よ。…冗談だから!写真を撮ろうとしないでお母様!!」

「あら、無理よ。…もう撮っちゃったもの」

「お母様!?」

「凄いな。やっぱり面白すぎるな、あの親子」

「ヴィーラにも家族のやり取りにも動じず虚無顔のルシウスさんもな」

 

 

 

 

 

●W杯後、仮面の軍団の襲撃(ハリー、ロン、ハーマイオニー、ドラコ)

 

 

「ハリー。また会ったわね」

「ドラコ!…優雅に見物かい?」

「ええ、そうよ。…ウィーズリーズならあっちに行ったわ」

「君も、ルシウスさんも…味方なの?信じて良いのか!?」

「好きにしなさい。どちらにせよ、あの軍団に追いつかれないようにしなさい。特に、グレンジャーはね」

「私?…どうして?」

「あなたがマグル出身だからよ」

「何を馬鹿なっ!?ハーマイオニーは魔女だ!」

「ご高説は結構よ。あの軍団がそれを聞き入れてくれると思うなら、止めはしないわ」

「……行こう、二人とも。ドラコ、後で詳しく聞かせてもらうよ」

「ええ、構わないわ。…いってらっしゃい、ハリー」

 

 

 

 

 

●W杯後、仮面の軍団の襲撃 その2(ハリー、アーサー、エイモス、クラウチ・シニア、ウィンキー)

 

 

「しもべよ。今、『闇の印』が打ち上げられた。お前は杖を持って、その真下で発見された。言いたいことはあるか!?」

「あ…あたしはなさってません!やり方を存じません!!」

「あれ?…その杖!僕のだ!!」

「なんだって?…自白してるのか?」

「誰に向かって言っている!エイモス!!」

「あ…いや、すまない。…そうだ。それはあり得ない」

「でも…僕、杖を落としてません。懐に仕舞っていたから、落とす訳が無いんです」

「…では、杖が無いと気づいたのはいつかね?」

「ついさっき、森に入ったところで。…だけど、W杯の時にウィンキーと話した後には、もう杖の感触が無かった気がする」

「……決まりだな。ハリーの杖を盗んだのはこのしもべだ!!」

「エイモス。君は今、この場で最もあり得ない2人に嫌疑をかけている!ハリー・ポッター、そしてこの私だ!」

「いや、しかし…私はクラウチさんを疑うなど―」

「それならば…ウィンキーは服従の呪文に掛かっていた可能性がある」

「確かに…そういうことになるか」

「それであっても、だ。私はお前にテントに居ろと命令した。しかしこやつは従わなかった!仮に服従の呪文だったとして、それに掛かっている者を近くに置くことは出来ん!これは『洋服』に値する」

 

 

 

 

 

●テントに戻った後(ハリー、ロン、ハーマイオニー)

 

 

「ルシウスさんは…この襲撃を知っていたのかな?」

「そりゃ、知って無ければハリーにあんな的確なアドバイスできないだろ!?」

「でも、それって変よ。どうして、『敵』であるハリーに、襲撃の事をほのめかす必要があるの?」

「……あと、杖だよ。杖のありかを懐に誘導したのもルシウスさんだ。ここに居る以外で、僕が杖をどこに仕舞っていたのか知ってたのはマルフォイ家の3人しか居ない」

「ウィンキーの身長なら、ハリーの内ポケットが見えるかもしれないし、こっそり抜き出せそうだけどな」

「いいえ!そもそも、杖を盗んだのがウィンキーだってところから疑うべきよ!」

「うーん。…確かに、ウィンキーと話すまではちゃんと胸に杖の感触があったんだよ。ただ、その後って言われると……」

「ヴィーラに夢中になって、マルフォイに夢中になって、クィディッチに夢中になって、覚えてない?」

「うぐっ…ど、ドラコに夢中になってなんか―」

「なってたわよ。ヴィーラの魅了解けてたもの」

「……今は杖の話だろ!?」

「あ、誤魔化した」

 

 

 

 

 

●9と3/4番線ホームにて(ハリー、ハーマイオニー、フレッド、ジョージ、ルシウス、ナルシッサ)

 

 

「我ら二代目イタズラ仕掛け人。ちょっとした日常のドキドキを産むような素敵なイタズラグッズを取り揃えております!」

「今なら実働サービス付き!さらにまとめ買いで手紙での進展報告まで付けましょう!」

「なるほど…いいわ、買いましょう」

「「まいどありー!」」

「ふむ…アーサーの息子とは思えん、良い商談の腕をしている。品物の筋も悪くない…店を開くなら、多少の資金援助をしてやってもいい」

「「え?本当に??」」

「ああ…後ほど契約書をホグワーツに送ろう。確認したまえ」

「「ありがとうございます!!」」

「……フレッドとジョージが、マルフォイ家と仲良くなってる」

「あんな事件の後だっていうのに!」

「でも、ルシウスさんの立場はまだわからないし…」

「まだ!わからないから、危険だと言っているのよ!…あ。おばさまが突撃したわ」

 

 

 

 

 

●ホグワーツ特急にて(ハリー、ロン、ハーマイオニー、ドラコ)

 

 

「お邪魔するわ」

「やあ、ドラコ。久しぶり」

「ええ。ごきげんよう、ハリー」

「……それで、あの襲撃についてちゃんとした弁明が頂けるのでしょうね!?」

「いいえ。それは無理よ。…だって、わたくし何も知らないもの」

「はあ!?そんな訳あるか!素敵な君にルシウス・マルフォイが何も教えないなんて―」

「ロン。真面目な話をしてるんだ。黙っててくれないか?」

「僕と話すときは真面目じゃないって!?」

「……それで、どういうことだい?」

「簡単な話よ。わたくし、お父様から何も聞かされてないの。それこそ、お父様があなたにしたような『ほのめかし』くらいよ」

「嘘よ!それなら何で襲撃の時、あんなところに居たの!?」

「お父様がハリーを逃がしたがっているように見えたから、勝手に手助けしただけよ」

「…つまり、君もルシウスさんの真意を知らないってこと?」

「そうね。…ただ、真意を知らされないことの真意だけなら、お母様から聞いているわ」

「ふうん。それを教えてくれるかい?」

「それはだめ。…今回の件には、関係のない事だもの」

「それを判断するのは私たちだわ!」

「いいえ。…既に、あの場で約束した『詳しい話』自体は話したでしょう?…伝えるべきことは伝えたから、これで失礼するわね」

「うん……ばいばい」

「……結局、何も解決しなかったわね」

「……」

「……ロン、もう話して良いよ」

「マーリンの髭!!!」

 

 

 

 

 

●魔法生物飼育学にて(ハリー、ロン、ドラコ、ハグリッド)

 

 

「先生。答えてくださらない?魔法生物飼育学とは、何のための授業なのか」

「そりゃあ、お前。魔法生物の生態を知ることだろうが?え?その為にこいつの餌やりを―」

「いいえ。違いますわ、先生。魔法生物の生態を知ることで、『万が一遭遇したり襲われたりした時の対処法を知る』ことが目的なのです。新種の魔法生物を自分たちの手で育てるだなんて、本末転倒なのでは?」

「うぐぐ…それは…だなあ」

「すごいな、ハグリッドが完全にやられっぱなしだぜ」

「いや、多分…こいつの世話をしたくない一心なんだと思う」

「僕、流石にこいつの処刑が決まっても擁護しないよ…痛っ、噛みつきやがった!」

 

 

 

 

 

●占い学の後の一幕(ハリー、ドラコ、ムーディ、マクゴナガル)

 

 

「ハリーっ!」

「ドラコ?…そんなに慌てて―」

「ちょっと、匿って頂戴」

「え?え?どういうこと?」

「ポッター!そこをどけ!!」

「…えっと、ムーディ先生?」

「その小娘を躾けなければならん!人の背後で杖を構えおって!!」

「ピーブスが居たから追い払ったのよ!」

「そんなことでわしは騙されんぞ!」

「あー、先生。きっと、何かの間違いです。ドラコは、そんなことしません」

「フン。貴様は知らんだろうがな、そいつの親父は―」

「ムーディ先生!?なにをなさっているのです?」

「やあ。マクゴナガル先生。実はだな―」

「…助かったわ」

「いや。その…運が悪かったね」

「……スネイプ先生に対するあなたの気持ち、少しだけ分かった気がするわ」

「そりゃありがたいね」

 

 

 

 

 

●シリウスに手紙を出した直後の一幕(ハリー、ドラコ)

 

 

「あら、ハリー。ごきげんよう…こんなところに居るなんて、珍しいわね」

「おはよう、ドラコ。そういう君は?」

「わたくしはお父様とお母様に定期的に近況報告しているの。だから、あなたが手紙を出すことが『珍しい』ことも、ちゃんと知っているのよ」

「…別に、なんでもないよ」

「嘘ね。昨夜、眠れてないでしょう?目を見ればわかるわ。…あなたの弱った姿なんて、見慣れてるの。ほら、言いなさい」

「……シリウスに、心配をさせてしまったんだ。それで、危険なのに帰ってきてしまうかもしれない」

「そう。…それで?」

「え?それでって?」

「あなたのことだから、『心配しなくていい』って手紙を出したのでしょう?それは良いの。問題はあなたのおじさまを心配させてしまうことが、あなたに起こったのでしょう?」

「それは…君には、関係な―」

「また、首を絞められたい?…今度は、正面からがお好みかしら?」

「わ、わかった!言うよ!…夏休みに、夢を見たんだ。弱ったヴォルデモートと、ワームテール…ピーター・ペティグリューが、誰かを殺してる夢。すごく、リアルだった。そして目が覚めた後…傷が、痛んだんだよ」

「……それから、痛みはあるかしら?」

「ううん。なにも」

「そう。…あいにく、わたくしでは力になれそうにないわ」

「うん、大丈夫だよ」

「……眠れないなら、添い寝でもしてあげましょうか?」

「は、はあ!?何を言って―」

「冗談よ。…手紙を書き直さなくてはならないから、失礼するわね」

 

 

 

 

 

●選手決定前、ビクトール・クラムとの一幕(ハリー、ドラコ、クラム)

 

 

「ド…ドラヴ。君ほど利口で、綺麗、な女性を、ヴォクは知らない」

「あら、ありがとう。でも、ごめんなさい。わたくし、認めた相手にしかファーストネームで呼ぶことを許していないの」

「あー、すまない。ま、マルフヴぉイ」

「…まずは、発音をしっかり覚えるところからね」

「あ。ドラコ」

「あら、ハリー。ごきげんよう」

「うん。おはよ。…そっちは、クラム?」

「そうよ。クィディッチの優秀なシーカーだから、あなたと話が合うんじゃないかしら?」

「……ハリー?ハリー・ポッター、かい?」

「えっと、はい。初めまして。ハリー・ポッターです」

「……おまえは、ヴォクの、ライヴァルだ」

「え!?」

 

 

 

 

 

●代表選手決定後(ハリー、ドラコ、セドリック)

 

 

「僕たちはまた戦う訳だ!…君は、いったいどうやって、ゴブレットに名前を入れたんだい?」

「入れてない。僕、入れてないんだよ」

「ふーん…そっか」

「あら、不満そうね?」

「ドラコ!?どうしてここに…?」

「あなたを待ってたのよ。…ハリーを疑うってことは、あなたよりも年下のハリーが、ダンブルドアも欺ける実力の持ち主だと考えてると見なして良いのかしら?…戦う前から、負けた時の言い訳を見つけようとしてるみたいで滑稽よ?」

「僕は、そんなつもりは…っ」

「なら、どんなつもりで、ハリーを嘘つき扱いしたのかしら?…不愉快よ」

「……すまない、ハリー。それに、君も。気を悪くさせた」

「ううん。…気にしないで」

「ありがとう…僕は、先に帰るよ」

「うん。ばいばい」

「……ふんっ」

 

 

 

 

 

●代表選手決定後 その2(ハリー、ドラコ)

 

 

「えっと…助かった。ありがとう、ドラコ」

「わたくしが不愉快だっただけよ。気にしないで」

「……うん。それで、僕を待ってたって?」

「ええ。…お父様から、あなたに言伝があるの」

「僕に言伝…?」

「『マルフォイ家として、ピーター・ペティグリューを見つけ出す。これを以て礼とさせてもらいたい』だそうよ」

「ピーターを…ってことは!?」

「ええ。あなたのおじさまの冤罪は晴らせる可能性があるわ」

「本当に!?ありがとう!ルシウスさんにも、僕がお礼を言ってたって伝えて!」

「ええ。もちろん。…先生方は、あなたの名前を入れた犯人について何と仰ってるの?」

「…ムーディは、僕を死なせたい人が犯人だって」

「そう。…ええ、そうね。それが自然ね」

「君は、僕を疑わないんだね」

「あなたには不可能だもの。双子のウィーズリーズが名前を入れられていたなら、可能性はあったのでしょうけど。それ以外、あなたに名前を入れるだけの実力も、コネクションも無いでしょう?」

「ふっ…あはは、そこは信用してる、とかじゃないんだ?」

「仮にウィーズリーやグレンジャーと一緒なら、やっていたでしょう?」

「……そうだね、入れてたかも」

「ほら。…あなたの行動程度、お見通しなのよ」

「……そっか」

「ええ、そうよ」

 

 

 

 

 

●ロンと離別後の一幕(ハリー、ハーマイオニー、フレッド、ジョージ)

 

 

「でも、良かったわ。ハリー、あなたもっと塞ぎ込むかと思っていたもの」

「塞ぎ込むって?」

「あなたとロンがそんな風だから、みんな敵みたいに思ってるんじゃないかって、私気が気じゃ無かったんだから」

「あー…うん。それは、そうなんだけどさ」

「ハリー、知ってるか?『スリザリンの姫君』が手当たり次第に喧嘩売って回ってるらしいぜ?」

「ロンなんて、平手打ちされた上に足蹴されて喜んでたぜ」

「ジョークか本当か分からないわよ」

「……数少ない味方の存在感が大きすぎて、そんな感じしないんだよね」

「被害者が謝りにくるものね…ロン以外…」

「……うん」

 

 

 

 

 

●リータ・スキーターの記事掲載後(ハリー、ドラコ)

 

 

「あら。ごきげんよう、ハリー。…今年も、ジメジメ落ち込んでるのね」

「やあ、ドラコ。君は絶好調らしいね。ビクトール・クラムに『僕も蹴ってくれ』って頼まれたって本当かい?」

「……誠に遺憾ながら、本当よ。何を勘違いしたのかしら?」

「どう考えても、最近の君の行動じゃないかな」

「ろくに考えることもしない馬鹿を叩き伏せてるだけよ。…それより、グレンジャーは一緒じゃないの?」

「うん。今は図書室に居ると思うけど…」

「そう。だったら良いの」

「……そうかい?」

「ええ」

「……」

「……」

「……えっと、ドラコ。結局、何の用なんだい?」

「……」

「……?」

「……わたくし、今年は結構、あなたと一緒にいる時間が長いと思うのだけど」

「え?…うん、そうかな?そうかもしれない」

「そうよね。…それでも、グレンジャーの方が長いのよね?」

「そりゃあ…同じ寮だからね」

「ええ、そうよね」

「……」

「……」

「えっ!?今ので会話が終わるの?ほんとに君、いったい何しに痛っ…なにするのさって、これ。…バッジ?」

「ええ。なにやら最近流行っているらしいわ。わたくしは要らないから、あなたにあげるわ…捨てたら、許さないから」

『ハリー・ポッターを応援しよう!』

「……君、もしかしなくても僕のこと大好きだよね?」

「~~っ、知らないわよ!お馬鹿っ」

 

 

 

 

 

●第一の課題直前の日曜日の一幕(ハリー、ドラコ)

 

 

「ハリー、ごきげんよう」

「…なんだい、ドラコ。僕、忙しいんだよ。君と話している暇なんて―」

「ハリー、あなた…昏い目をしているわ。どうしたらいいか全く道筋が見えない、絶望に染まったまなざし」

「……それがなんだよ?」

「ハリー・ポッター!わたくしは、あなたがその目をすることだけは許すつもりがないの。…話しなさい。あなたの抱えてる全てを」

「君はいつも強引だな。…わかったよ。まず、土曜の夜の話だ―」

「……そう。わかったわ」

「へえ。何がわかったんだい?ドラゴンの倒し方でも君は知っているのか?」

「いいえ、ハリー。でも、1つだけ教えてあげる」

「なんだい?」

「今、あなたに必要なのはドラゴンの知識でも、強力な呪文でもない。…『思考法』よ」

「……思考法?」

「ええ。あなたに、蛇の流儀を叩き込んであげる」

 

 

 

 

 

●蛇の流儀(ハリー、ドラコ)

 

 

「何かをするにあたって、最も重要なのは、『己の目的を明確化すること』なの。ハリー、あなたの今の目的は、何?」

「……第一の試練を超えることだろ?だから、ドラゴンを何とかしなくちゃいけない」

「ええ、そうね。そこで、1つ明らかになるの。あなたが必要としているのは『ドラゴンを何とかする手段』。でもあなたが今、実際に集めた情報は『ドラゴンを倒す手段』でしょう?…だから、考えるべきは『何とかする方法』の内訳の方なの」

「何とかする方法の内訳…?」

「そう。…でも、まだ試験内容がわかっていない以上、そこを明確化するのは不可能だわ。だから、今度は逆を考えるの。ハリー、あなたがドラゴンを『なんとかできる』としたら、その手段は何?」

「そんなの…無いよ」

「いいえ、ハリー。考えるの。…いいこと?『考える』というのは、目的達成の為に出来る『自分にできること』を探すことなの。ハリー。あなたには、何ができるの?」

「…クィディッチ。守護霊の呪文。あとは…ヴォルデモートに、立ち向かうこと」

「ええ。そうよ、クィディッチ。ならドラゴンは…大きくて、火を吹くブラッジャー、かしらね?」

「…いや、でも駄目だよ。課題には杖しか持ち込めないんだ」

「あら、お忘れかしら?…あなたは魔法使いなの。杖さえあれば、箒だって呼び出せるわ」

「…そっかあ!!」

「忘れないで、ハリー。…目的の明確化と、自分に取れる手段の模索。それが、スリザリンのやり方よ。それを怠った先に、望んだ未来などあり得ないわ」

 

 

 

 

 

●第一の課題突破後(ハリー、ロン、ドラコ)

 

 

「あら。…仲直りしたのね。グレンジャーがぐちゃぐちゃの顔でテントから飛び出してきたから、何事かと思ったわ」

「あっ、ドラコ。…ありがとう、君のおかげだよ」

「勝手に口を挟んだだけ。突破したのは、あなたの実力だわ。…大きなブラッジャーはどうだった?」

「うん。…思ったより簡単だった、なんてね。…ところで、ロン。なんでそんなに挙動不審なんだい?」

「いや、だってさ…ハリー。君は知らないだろうけど、今年のマルフォイのおっかなさときたら、とんでもなかったんだぜ?預言者新聞の記者もセンスが無いよな。『なんであなたが傍に居ないのよ!』って涙ながらに僕にビンタするマルフォイの方がよっぽど愛を―」

「黙りなさい!ウィーズリー!!」




お読みいただきありがとうございます。
後書きです。
ラブコメ感が急に強くなりましたね。
それでは解説していきます。


●マルフォイ家について
ルシウスが2話目の最後に言った後日の礼が、まさかのテントへの襲来からのペティグリュー捜索で回収されました。
原作では絶対にあり得ない、ルシウスによる「ハリーくん」呼びですが、本作において、
「敵対的な同級生に過ぎなかったドラコを、バジリスクや若き闇の帝王を打ち破って命懸けで助けてくれた当時12歳の『生き残った男の子』」、
「生き残った男の子と家ぐるみで親しくしているという噂の価値」、
「有事の際にこの子が再び娘を助けてくれる可能性が高い」
と、真っ当に情報を並べるだけでも仲良くしない理由があまり無かったりします。
問題があるとすれば、ヴォルデモート絡みでしょうか。
当然、ルシウスもメリット・デメリットを把握済みなので諸々暗躍中です。
一方、娘の恋?を全力で楽しんでいるナルシッサ。
本話のラブコメ感が強くなった元凶です。多分、本話で一番良い空気吸ってます。
そして、ハリーに友好的な美人のはっちゃけお姉さまを見て、フレッドとジョージが気に入らない訳ないよなあと考えていたら、気付いたらマルフォイ家がスポンサーになってました。
それはそれとして、ルード・バグマンへの督促は継続中です。


●ビクトール・クラムについて
原作ではハーマイオニーにお熱だった彼ですが、彼の好みって要は「美人で頭のいい女性」ということで、惚れる相手が変わりました。
原作でも最初に交流したのがスリザリンだったので、出会う順番的にこうなるかなと。
ただ、残念ながらタイトル的に彼の恋が実ることはありませんので、今後の彼の活躍は控えめです。


●蛇の流儀
うちのドラコの行動指針にして、本作における「スリザリンらしさ」です。
別名『ぼくのかんがえたさいきょうのスリザリン』。
今後の展開において、様々な場面で重要になってくる為この場面でお披露目することになりました。
ムーディは完全に役割を奪われましたが、おそらく呼び出し自体は行っています。3分で終わっていそうですが。


後書きは以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。
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