七海千秋(別人)のようこそ実力至上主義の教室へ。 作:ろやる
・処女作です。
・完全に自己満足の作品です。
・キャラ崩壊注意です。
春の柔らかな日差しが降り注ぐ中、七海千秋は高度育成高等学校行きのバスの中に乗っていた。
普通なら、新しい学校生活にそわそわしたり、緊張していたりして顔が強張ったりしそうなものだが……
(〜♪〜〜〜♪)
七海千秋は違った。窓際の席に座っている彼女は、何やらスマホをポチポチと楽しそうにリズム良く叩いている。リズムに合わせてわずかに顔が揺れ、彼女の癖っ毛がゆらゆら揺れる。
(〜〜♪)
通路側の席は空いているため、誰か来た時、声をかけられた時に対応できるように右耳だけイヤホンをつけている。
残った左耳のイヤホンからは有名POPアーティストの音楽らしきものが聞こえる。どうやらちょうど曲が終わったようだ。
(よしっ!AP!!)
そう、七海千秋は入学の日に音ゲーをしていた。
マイペースに音ゲーを、ゲームをしていた。
ーー
物心ついた頃に、どうやら自分は転生していることに気づいた。と言うのも、その時に丁度前世の記憶と思わしきものがあったのだ。
その中でも最も印象に残っているのはスーパーダンガンロンパ2〜さよなら絶望学園〜というゲームだった。
ネタバレになるため詳しいことは省くが、登場人物の中の一人である七海千秋をすごく推していた。ビジュアルもそうだが、ゲームが大好きなところが同じだった。
流石にオールジャンルとまではいかないが、自分も浅く広く、時には深く色々なゲームを楽しんでいた。
そんな自分と似たところがある少女に惹かれるのは時間の問題だった。が、このゲームはコロシアイ生活であるが故に……
「そんな…嘘だろ……なんで!なんで!うわぁぁぁぁ!!」
七海千秋が殺人事件のクロになってしまった時は泣いた。絶望した。その後の最後の展開でも泣いた。
「神ゲーだった……でも七海は……七海は……」
(せめて、平和とまでは行かなくても楽しい学校生活が送れる世界だったら……なんて、ゲームなのに感情移入しすぎか……流石に)
そう思いながら寝た。それが、自分の前世の最期だった。
ーー
と言うのを今世に生まれ変わって5歳の頃、思い出した。
ふと鏡を見ると、淡いピンク色の髪の先が、癖っ毛のように少しだけ外側にくるんと曲がっている。
瞳の色はピンク色をしていて、眠たそうにとろんとしている。
高校生にもなれば、原作と同じようにあどけなさと透明感のある、おっとりとした癒やし系の美少女になるであろう顔があった。
(俺、七海千秋になっちゃった!?)
言い忘れていたが、転生者は元男である。
これはスーパーダンガンロンパ2の七海千秋に転生しちゃった元男が、実力至上主義の教室でゲーム友達を増やしたり、たまに核心をついた発言をしてクラスにちょっとだけ貢献したり、親友となったとある少女や少年とチェスをしたり、色々なゲームで遊びながら高校生活を駆け抜けていくお話である。
ーー
話は現在に戻りバスの中、七海千秋は次にAPを目指す楽曲を選んでいた。
(前世でも有名だった曲は割りかし今世でもあるのは助かった……良き楽曲に良き譜面……良きかな良きかな♪)
そうして悩んでいると、ふと声が横から届いた。
「失礼します。お隣、よろしいでしょうか?」
その声に七海はスマホの手を止め、顔を上げる。そこにいるのは七海と同じ、いやそれ以上の美少女だった。
(わぉ…これはこれは…物凄い美少女ですなぁ)
おまいう(お前が言うな)案件である。が、七海がそう思うのも無理もない。
質感のある綺麗な銀髪。
色白で、どこか儚げで人形のように可愛らしい容姿。
身長は七海よりも少し下、150センチくらいだろうか、小柄な身体はどこか「おとぎ話の国から来たような」「儚くもミステリアス」な空気をまとっているように見える。
鞄を持つ手とは反対の手には杖を持っており、何かしらの疾患を持っているのかと考えるが、ひとまずは先の言葉への返答だ。
「……うん。どうぞ、座って。鞄預かるよ。」
七海の答えと、裏表のない微笑みに
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて……」
と、七海に鞄を渡し、美少女はゆっくりと席に座る。
(ひとまず音ゲーはおしまいにしよっと)
と七海は思い、スマホの音ゲーアプリを落とそうとするが
「何のゲームをされていたんですか?」
と、その動作は隣の美少女の興味深そうな声によって停止する。
「えっ?えっと……その……」
(おおぅ??これはちょっと想定外だぞ…?けどもしかしたら…ゲーム友達になってくれるかも…こんな美少女が???)
おまいう(2回目)である。しかし、これまた七海がそう思うのも無理は無い。見るからにお淑やかそうなお隣の美少女は音ゲーはおろか、ゲームひとつやった事ないのではないかと失礼な考えが七海の中に過ぎるも……
(まあ世の中にはギャップ萌えってやつもあるし、そこまで考えなくても良いかな。興味が無くなったらそれまでで。)
おまいう()
「これは音楽ゲーム。リズムゲームって言った方がわかりやすいかな?音楽に合わせてボタンを押したり、画面をタッチしたりして遊ぶ、コンピュータゲームのジャンルのひとつで……」
そこまで早口で言ったところで七海はハッとなる。この身体になった影響か、七海は自分の得意なゲームの話題になると、目を輝かせて熱を帯びた表情によく変わるのだ。
(や、やっちゃった〜!?七海千秋、これは初対面イベントバッドコミュニケーションになっちゃいますぞ!!)
これまでの小中の学校生活でも、何度かゲームの話になるとついつい止まらなくなってしまい、相手を困らせてきてしまっていた。その度に相手は赤面して離れるように言われてしまい、すごすごと自分の席に戻っていくのがお決まりであった。
今回もそうなってしまうに違いない、また友達作りに失敗するに違いないと思っていたのだがーー
「ふむふむ、なるほど…」
そこには頬を若干赤つつも顎に手を添えうんうんと頷く美少女の姿があった。
(あ、あるゑ〜?だ、大丈夫だった…?え?ゑ?)
七海はこんらんした。
七海千秋(別人)
よう実の世界に転生した少女(元男)。よう実が存在しない世界から転生してきたため原作の事は何も知らない。
学力:A
知性:B+
判断力:A
身体能力:C
協調性:B
謎の美少女
とある少年の影響によりチェスを始め、ある時とある過去のチェスの世界大会の映像を見て、自分と変わらない歳の子が決勝まで行き見事優勝したのを見て脳を焼かれた。
とある少年
本編未登場。これから始まる学校生活にワクワクしている(機械化はまだしていない)