七海千秋(別人)のようこそ実力至上主義の教室へ。   作:ろやる

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 思ったより続きを求める声が多かったので、これからも続きをぼちぼち書いて行きます。

 番外編はハッピーエンド(◯イランドモード)の世界線のためこんなことも起きているのでは…と妄想しながら書いています。



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番外編2(第十三話?) ゲーマー少女と黒髪女教師

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 私ーー茶柱佐枝は困っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メチャクチャ、困っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むー………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色んな意味で今後も含め注目されているAクラスの生徒ーー七海千秋が、頬を膨らませながらこちらをーー睨んでいるんだよな?うん、そうに違いない、はずーー睨まれていた。

 

 背中に冷や汗が流れるのを感じながらも、どうしてこんなこと(状況)にしまったのかを現実逃避しながら思い出す。

 

 

 全ては、ある1人の(目の前にいる)生徒が職員室へと訪ねてきたのが始まりだったーー

 

 

 

 

 

ーー

 

 

 その日、職員室では今年度の1年生のバカンスーーいや、本当はそこで行われる2つの特別試験について、1年生の担任達による最終的な打ち合わせが行われていた。

 

 

「…こっちの資料の3ページ目が見当たらないが、知らないか?星之宮、茶柱」

 

「3ページ…私は知らないな。チ(・)エ(・)は?」

 

「…ん?…3ページ?…ああー!それなら、坂上先生が何か確認することがあるって言って昨日持ち出してたわよ?」

 

「何…そうなのか、星之宮。教えてくれて助かった、ありがとう。通りで昨日から忙しそうにしていたわけか」

 

「いいのよー真嶋くん。彼もその場にいた私にだけ言って、「もしもの時は説明をお願いします」って言われてたし。何でも、急ピッチで作業が行われてる試験の場所のカメラの設置場所について、これだと不十分だとか言ってた気がするわー」

 

 

 どうやら、坂上と呼ばれる教師は今ここにはいないようである。

 現在は真嶋智也(Aクラスの担任)・星之宮知恵(Bクラスの担任)・茶柱佐枝(Dクラスの担任)の3人で、どこか旧友のような雰囲気を出しながら作業を行っている。

 

 

「…ああ…坂上先生のクラスは…そういうこと(あのCクラス)か」

 

「そういうことよ、サエちゃん。はーそれにしても、今年は4(・)月(・)か(・)ら(・)大忙しで休む暇も無いくらいよ。誰か変わってほしいくらいだわ…トホホ」

 

 

 教師というのは大抵、学期数にもよるが殆どの場合、年度の終わり(3月)から始め(4月)にかけて最も忙しいのは変わらない。

 が、ここ(高育)では忙しさの度合いが違う。

 最も、続く真嶋の言葉から今年はそういう意味では無さそうだが。

 

 

「仕方あるまい。今年は4月から色々とあった…本当に…色々あった…」

 

「…あれ?真嶋くん、もしかして疲れてる?」

 

「…当たり前だ」

 

「えっ珍し…いつもなら『このくらい、教師としては当然のことだ』とか、言いそうなのに。てか言ってたわよねそんなこと、今年の3月くらいまでは…ねえ、サエちゃん?」

 

「…たしかにそうだな、チエ。私も人のことは言えないが、真嶋…お前は私達(同期)の中で、一番の仕事人間だと思っていたんだが…」

 

「お前たちの言うことも否定はしないさ、星之宮、茶柱。これは性分でもある。…だが…だがな?こんな事を言っても仕方ないのはわかってはいるが…いくら何でも…こう、限度があるだろ?限度が」

 

「「…あー」」

 

 

 真嶋の疲れるような言い方に、他2人も思い当たることがあるのか、つい作業の手を止める。

 

 

「今年からのAクラス(うちの生徒達)は…優秀なのは嬉しく思うが、いくらなんでもやりすぎだ………そう思うだろう?2人とも」

 

「…いやー」

 

「…まあ」

 

「「そりゃ、ねえ/それは、そうだろうな」」

 

 

 そう、学年主任でもある真嶋の愚痴るような言葉に、か(・)つ(・)て(・)は(・)歪(いが)みあっていたーー主に、片方が片方に一方的に敵意を抱いていたーー星之宮と茶柱は思わず顔を見合わせ、頷き同時に賛成の言葉を口にする。

 

 

「いくら優秀であっても、あそこまでとは聞いてないぞ…。なんで初日に、しかも説明を聞いて質問をして答えられないと言っただけで、あそこまで完璧に答えられる……?俺は何か悪いことをしたか……?なあ」

 

 

 そう、真嶋は例の事件が起こった後、七海が翌日再び職員室へやってくるまで他の教師に訝しげな表情を向けられ続けていた。

 彼は決して悪くない。悪いのは…強いていえば変える必要が無いからと見直されることのなかったマニュアル(ネタバレ要素は答えられないと言っておけ)だろうか。

 

 久しぶりに口にしたからなのか、1年の学年主任による愚痴は続く。

 

 

「七海のおかげで早々にそういった視線は無くなったが、偶にじっと見られる時はあるんだ……はあ……どうしてこんなことに……いや、俺も悪かった……俺が悪かったんだ……うぅ」

 

 

 真嶋の目尻に、光るものがーーどうやら涙まで滲んできている。

 その様子に気づいた星之宮はなんとか止めようとする。

 

「真嶋くん、ちょっと…ここで泣かな「泣いてない…まだ泣いてないさ…なんだか具合が悪くなってきた気がするが」…真嶋くん、朝からお酒飲ん「飲む暇なんてあるわけないだろ…冗談はよせ」そ、そうよね。うん…ごめん、それは私も同じだし…。まあ、そのおかげでBクラスの子達には、美人で可愛い先生っていうイメージのままここまできちゃった「ふっ」し…なあに、チエちゃん?何か言いたいことでもあるの?」

 

 

 星之宮が冗談を交えながら頑張って止めようとしても止まらない中、その様子をじっと見ていただけの茶柱に急に笑われ、遠い昔によく言っていた言葉をイイ笑顔で彼女が返すもーー

 

 

「くっくっ…いやなに、私もだが…ここにいる3人、いや坂上先生も含めて、すっかり"あいつ"の影響を受けてしまったなと思ってな…」「「あ……」」

 

 

 笑い声を漏らした後、そう言葉を繋いだ茶柱に、真嶋も星之宮も話を止める。

 

 例の事件があった翌日に七海からの提案を聞いた教師の中でも3人…いや4人(1年のクラスを受け持つ者達)は、クラスのポイントが関わるものに関しては別として、それ以外で歪(いが)み合い続けているのがなんだか馬鹿らしくなったのだ。

 

 

 

 

ーーただ、4人のうち2人の女性は未だに過去の話を思い出す度お互いに思うところはあるものの、少なくともそれを自分のクラスの生徒を立てて代理戦争のようなことを行うのはおかしな事だとどちらも思うようになった。

ーーいつか、2人の過去にも決着がつく時がくる日もそう遠くはないのかもしれないーー

 

 

 

 

 そんなこともあり、今では男性側は男性側でわずかな時間を見つけては食事や銭湯へ行き、女性側は女性側で一緒にエステへ行ったり生徒の恋愛話(殆ど一方的に星之宮が茶柱に妄想だったりを言っているだけ)をしたりまで行っている。

 教師さえもある意味実力至上主義の世界の中、一般の高校教師のように…かはわからない。が、こうして教師同士の関係が深まるのは最初はどうかと思っていたが、なかなかどうして悪くない。

 寧ろ、最近は楽しいとすら4人は思っていた。

 

 

「…いや、わかってはいるんだ。俺もさっきは最近までのあまりの忙しさについ言って(愚痴って)しまったが…あいつらは…あいつは悪くない。いや、それどころか感謝しているくらいだ。寧ろ、学校側の(答えられないで済ませる)対応が悪かった…あいつの言ってたように、もしかしたら本当に…来年度からの入学生への対応も変わるかもしれないな」

 

「今も頻繁に上で話し合いが行われてるわよね。まーこれまでの伝統(お決まり)をぶち壊すようなものだし…あれ?そう考えると…」

 

「どうした、チエ?」

 

 

 これからの学校に思いを馳せていると、星之宮がふと、何か思いついたように顔を上へ向けてポツリと呟く。

 

 

「…うーん、"あの子"が知ったらどういう反応するかちょっと楽しみ…いや怖くもあるかな」

 

「…?星之宮、誰の話をしているんだ?既にいる生徒(上級生の誰か)か?」

 

「ふふーん。2人には内緒♪」

(あの金髪オレ様系男子くんが、自分よりも先に学校のシステムに改革…改変が行われるかもしれないきっかけを作ったって知ったらどう思うかなー…いや、確か彼の改革の目標はそういうのとは別か。いやーそれでも知った時の顔が楽しみー♪)

 

 

 そんな会話(休憩)を挟んでいると、職員室のドアがノックされる。

 今日は1学期の終業式の前の日であり、上級生の先生方は翌日の式の準備や段取りを生徒会も一緒になって行なっているため、必然的に1年生の担任しかいなかった。

 先程まで3人が私語をしていても誰も何も言わなかったのはそういうことである。

 

 

「…あら?今日って誰か来る予定あった?」

 

「いや、俺は知らないが…茶柱、お前の方は?最近は何かと生徒が尋ねてくることが増えているようだが」

 

「私も特に…今日は誰も来る予定は聞いてないな。とはいえノックがあった以上、誰か尋ねてきたのには違いない。ーー聞こえてるか?開いているから入っていいぞ」

 

 

 その言葉を聞いた生徒は、挨拶をしながら扉を開く。

 

 

「失礼しまーす。ふわぁ…」

 

 

「「「!?(ま、まさか…)」」」

 

 

 

 少し間延びした声と共に職員室の扉を開け、入ってきたのはつい先程まで話題に上がっていた人物ーー

 

 

 

「えーっと…七海千秋です。超高こ…間違えちゃった。…その、お聞きしたい事があって来ました。今、お時間……ん?大丈夫ですか?動きが止まっているようですが」

 

 

 

 そう、教師達の間でも学校に変化をもたらす可能性をもった…いや、既にい(・)く(・)つ(・)か(・)変化をもたらした話題の有名人(七海千秋)であった。

 

 

 

ーーAクラス(主に坂柳と葛城)は、七海を通して生徒会へと掛け合い(とのパイプを利用して)、色々と学校に変化をもたらしていた。

 監視カメラのない場所への増設申請に、暴力への厳重な処罰要請など…なぜか匿名だったが、目の前にいる彼女が関与していることは明らかだった。

 

 学校側はその対応もあり、4月からずっと忙しかった。6月半ばに全てが終わる頃にはやり切ったという思いと、疲れたという声が職員室のそこかしこで散見された。

 

 

 尚、そのせい(おかげ)でどこか(Cクラス)の誰かが相当歯痒い思いをしていることは、彼の所属しているクラス以外の生徒は知る由も…いや、少数ならば察している者も中にはいる(各クラスのリーダー格)ーー

 

 

 そんな、高育にとって台風のような存在の(色々とやらかしてきた)少女が尋ねてきたということは…

 

 

「…私は自分の担当部分のチェックも終わったから式の準備を手伝ってくるわ」

 

「…俺も。残る問題の、例の足りない資料についての確認は坂上先生待ちだからな」

 

 

 きっと、何かとんでもないことを聞きにきたに違いない。

 そう思った3人のうち、2人の行動は速かった。

 

 

「「…と、いうわけで」」

 

「後は頼んだぞ、茶柱!」「チエちゃん、後は頼んだわよ〜!」

 

 

 と言い残し、真嶋と星之宮は職員室から出て行った(逃げた)。

 いくら七海が良い意味でも悪い意味でもやらかす(怖い)とはいえ、失礼な話だ。

 とはいえ、その文句を言う相手も、言うつもりも七海にはなかった。

 丁度ここでのお仕事が終わったのかな?と思うばかりーーが、目の前に残っている黒髪美人教師の表情を見て、考えを改めることとなる。

 

 

 

「…」

 

「…」

 

 

 思わず、無言で見つめ合う2人。

 

 

「あの…」

 

「…なんだ」

 

「苦労?…と思うんですけど…されてるんですね」

 

「…わかってくれるか」

 

 

 七海の脳裏に、かなり苦労させられた者のシルエットが思い浮かぶ。

 "彼"も、その者に色々と苦労していたなあと思い出す。

 

 

「…私も、そういう人…かはわかりませんが、似たような人(某超高校級の幸運)を知ってるので…」

 

「…そうか」

 

「…そうです」

 

「「…はあ」」

 

 

 1人の教師と1人の生徒は、同時にため息をこぼす。

 お互い、苦労している(た)ようだ。

 気を取り直して、何処か似た波長を感じた2人は暫し世間話に興じる。

 

 

「…そういえば、学校生活はどうだ?」

 

「楽しいですよ。新しく綾小路くんってゲーム友達もできましたし」

 

「何、あいつが…?それは本当か?」

 

「ええ。案外、彼も楽しんでますよ?…まだ表情に出すのは苦手そうですけど」

 

「ほおー、それは良いことを聞いたな。…あいつも、すっかり立ち直れたというわけか」

 

「…?」

 

 

 茶柱は何か思うところがあったのか、目を瞑りながら口元に少し笑みを浮かべつつ、目の前にいる女子生徒(救世主)へそう返す。

 七海は、何のことかわからなかった。

 

 

「ああいや、"こちらの話"だ。それで、七海はどうしてここへ?何か質問があったのだと思うが…担任の真嶋は今はいない(逃げやがった)が、私が聞いても大丈夫なもの(内容)か?」

 

「それなら、はい。…誰でも大丈夫…だと思います。1年の先生方であれば、誰でも」

 

 

 そう言って、七海は続けて聞いた。

 

 

「どうしても、有栖ちゃ…坂柳さんはバカンスに連れて行けないんですか?」

 

 

 とーー

 

 坂柳がいないということは、必然的に船上でゲームをする友達が綾小路のみとなる。

 最近は何処かの黒髪女子も一緒になって遊ぶことは増えたが、まだまだ染まってはいない(ゲームの沼に落ちてない)。

 

 しかも、普段は男女で部屋がわかれていることもあり、またお互いのクラスでの付き合いがあるため、そんなにはできない。

 七海にとって、とても悲しいことなのは想像に難くない。

 そして、七海にとって坂柳と離れ離れになる意味とは、それだけではないーー

 

 

 

 

ーー七海千秋にとって、坂柳有栖はこの世界で初めて出来た親友だった。

 きっかけは己の黒歴史とも言うべきものだが、そんなものは気にならなくなるくらいに仲良くなった。今では、坂柳の時間がある(が時間を作った)日は毎日のように遊んでいるくらいだ。

 買い物にだって一緒に行った。ほぼお揃いのような服を買ったり、あのアクセサリーが似合うとかそういった普通の女子高生のやり取りもいっぱい行った。

 

 そんな坂柳(親友)と、この先一番の思い出になるかもしれないバカンスに一緒に行けない。

 それは七海にとって、ゲーム友達が1人減るのと同じくらい、いやそれ以上に…とっても悲しい話だったーー

 

 

 

 

「…坂柳については、前から決まっていたことだ。今更変えるのは、時間的にも厳しい。」

 

 

 茶柱はそう言葉を返すも、七海の寂しそうな表情は変わらない。

 

 

「む……船に乗る事も無理なんですか?船の上では、私が常に付き添いますけど…他の、Aクラスの仲間も」

 

「ふむ…出来なくは…ない。とは言っても今から、はいすぐに、とは難しい。お前も、急に予定をガラッと変えられたら困るだろう?それと同じだ」

 

「それは…そう、思いますけど」

 

 

(よしよし、何とかなりそう(納得してくれそう)だ…。それにしても、何を聞いてくるかと思えば、思ったよりも可愛い理由だったな。それだけに心苦しいが…わかってくれ、七海)

 

 

 そう、心の中で思っていた茶柱だったがーー

 

 

「なら、もう1つ案があります」

 

 

 そう言葉を返され、七海と茶柱の議論(反論ショーダ◯ン)が始まった。

 

 

ーー今から船に乗るのが無理に近いなら、電話なりビデオ通話なりで、"バカンス中も含めて"彼女と連絡を取るつもりですけど…そっちなら、いいですよね?

 

ーーふむ、それなら……あ、いや待て。船での通話は構わないが、"バカンス中は"駄目だ。

 

ーーえ?…どうしてですか?せめて、綺麗な景色を見せてあげたいのに。同じ時間に、同じ思い出を分かち合いたいのに…それすらも駄目なんですか?

 

ーー……どうしてもだ。駄目なものは駄目だ。

 

ーー…船に乗るだけならどうなんですか?さっき先生も言ってましたよね、"出来なくはない"…って。

 

ーーだが、そっちは時間的に難しい。

 

ーー無理ではなく、"難しい"ということは対策を行えば可能ということですよね?

 

ーーそれは…だがかなり"無茶"だぞ?

 

ーー"無理"では無いんですよね?私も手伝える事は手伝いますから…どうにかお願いできませんか?

 

ーーだが…今からだとギリギリで…

 

ーーなら、やっぱり"バカンス中に"ビデオ通話を…電話だけでもお願いできませんか?

 

ーーそっちは"もっと無理"だ。

 

ーーむー……納得いかない……納得いきません…

 

 

 

 そうして互いに言葉(コトノハ)を交わした後、冒頭の光景に戻るーー

 

 

 

 

 

ーー

 

 

 せめてバカンスの景色だけでも直接声で届かせたいと、全く引く様子のない七海に、同じくそこだけは譲れない茶柱先生の鍔迫り合いが続く。

 

 やがて七海からの視線に耐えきれなくなった彼女は、つい言葉を漏らす(ウィークポイントを晒す)。

 

 

「……"それだけは駄目なんだ"」

 

「…それだけ"は"?」

 

「………あっ…いや、今のは気にしないでくれ。"他意はないぞ、他意は"」

 

 

 その発言を聞き、七海は思考の海に潜り(ロジ◯ルダイブ)、ポツリポツリと独り言を漏らす。

 

 

 

「…何か、学校にいながら通話できる状態だとまずいことでもある…?」

 

 

 

ーー茶柱は言えない。2つの試験が行われることを。

 

 

 

「例えば…いつでも自由に調べ物ができて、それを電話越しに口頭でも伝えられるような生徒がいたら、何か不都合が生じる…とか?」

 

 

 

ーー茶柱は言えない。色々と使える知識を調べて伝えられるようなことになったら、試験の公平さが無くなってしまうことを。

 

 

 

「んー…あっ」

 

 

 

 やがて推理が繋がった七海の脳裏に、バカンスと聞いた時から思い浮かんでいたとある記憶(前世のゲーム)を思い出すーー

 

 

 

「もしかして、無人島サ「よーしわかった!そうだな…移動中も常に側にいるというなら、何も…そう、何も問題はないな!ヨシッ!!」…?よくわからないけど、認めてくれるんです「ああ認める!坂柳の乗船も認めよう!!認めさせてくれ!!認めさせてください!!!」ちゃ、茶柱先生?わ、わかったから落ち着い「ヨシッ!そうと決まれば話は早い!!一緒に他の先生方の所へ行くぞ!!!!!」はい…え?私も…?」

 

 

 その後茶柱は、半ばヤケクソ気味に七海を先生達のもとへ連れて行き説明した。

 結果ーー学校側としては仕方なく、本当に仕方なくーー坂柳も乗船させることが決定した。(残業が確定した先生達の目は死んだ。生徒会長は寮の自室に戻って思い返して爆笑した)

 

 無論、船内の移動には車椅子が必須であるのと、バカンスの島で下船することは駄目だと医者からは言われた。

 七海も、後半に関しては少し寂しそうにしていたが…彼女に万が一波に攫われたりすることがあったら困るためそこは彼女側が引いた形になる。

 ただし、ならばせめて声だけでもという所だけは七海も押し通して、バカンス中は坂柳には電話"のみ"できる機能だけついたスマホで取れるようにするとした。

 

 

 

 

 

 

 

ーー

 

 

(RPGの謎解きで昔よくあった、『押してダメなら引いてみろ』作戦成功だね。さ(・)す(・)が(・)有栖ちゃん…計(・)画(・)通(・)り(・)、バカンス中の連絡手段はこれでOKっと…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーそう、全ては坂柳の作戦(計画)通りだった。

 これで、無人島で何か(特別試験)があってもAクラスはほぼ盤石の布陣で挑めることとなる。

 

 

 とはいえ、そこまで詳しい説明(する理由)は坂柳もしていなかった。

 ただ、最初に大きなお願いをした後にこれだけは通してほしいと彼女に言われたことを、七海も実践した形だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(有栖ちゃんも「普通なら早めのほうが良いですが、今回に関してはギリギリのほうがいいですよ」って言ってたけど、本当にそうだった…やっぱりあるんだね…特大イベント(特別試験)が)

 

 

 

 

 

 とはいえ、彼女もただのバカンスではないことは薄々察していた。

 今回の茶柱との問答を経て、七海の中でほぼ確定となったがーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(楽しみだなあ…有栖ちゃんと一緒に船の旅…何のゲーム持っていこうかな?綾小路くんとも遊ぶことを考えると…堀北さんとも遊ぶかも?ふんふふーん♪)

 

 

 

 

 

 それはそれ(試験は頑張る)、これはこれ(それ以外の時間は遊ぶ)と考える七海。

 坂柳も同じことを考えていた。似たもの同士である。

 

 全ては坂柳有栖と七海千秋の手のひらの上であることは、教師達の誰も気づくことはなかった。ーー何処かの男子生徒(原作主人公)なら、そのうち気づくかもしれないが。

 

 

 

 

 

 来(きた)る夏のバカンスに、七海は楽しみにしながら坂柳に報告をしに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 つづく?

 




 滅茶苦茶書きたい(前話の伏線回収)話が筆者の中で思い浮かんだので、一先ずアンケート次第で次か次の次までは、そのうち完成すると思います。

よう実二次創作の女主人公(というより色んなゲームでもよくある?)女性陣の水着試着に綾小路が同行するイベントですが、当作でその話を見たい?見なくてもいい?どっちでもいい?(ちなみに見たい派が過半数の場合、結構お時間いただきます。水着試着イベントは、おそらくほぼ綾小路視点で進むと思います)

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