七海千秋(別人)のようこそ実力至上主義の教室へ。 作:ろやる
ここまで長い入学初日になってしまいましたが、悔いはありません。
※注意※
・引き続き教師達へのアンチヘイト気味です。
・捏造設定、ご都合主義全開です。
「…"どこの"クラスで卒業したのか、です。」
「!?」
そう、SNSで呟かれている文章のどこにも無かったのだ。
ーー祝!高育卒業!!憧れの◯×株式会社に就職します!!クラスのみんな、いつか会おうな!!! #高育卒業生
ーー高育卒業しました!友達もたくさんできて充実した毎日でした!!クラスのみんなありがとう!!! #高育 #高育ありがとう
ーー高育卒業。まぁ楽しかった、かな。クラスの友人達、ありがとね。
ーー高育卒業しました。苦しいことも多かったけど、かけがえのない毎日でした。みんな、ありがとう。 #高育
一つ二つなら、わかる。半分くらいでも、わかる。一つでもあれば、違和感はあっても、今日の坂柳の質問まででは気づかなかっただろう。
「「答えられない」は、答えを言っているのと変わらないように、「意図的に隠されている情報があるとわかった」なら、答えは半分くらいは出たようなもの、だと思います。」
きっと、高育側は学校の真の制度がバレるのを恐れたのだろう。
もしも、その年に卒業した生徒のうち、有名企業に受かったクラスがAクラスのみだったら…逆にDクラスは、誰一人としてどこに就職したのか一切わからないような事になったら…
そこから、バレる事になるだろう。最初は小さな疑問でも、膨らみ続ければそれはやがて火種になる。かつて、七海自身が過去に見たSNSのようにーー
ーー
七海は、クラスに関するものが一番怪しいと見当をつけ、この高育に来てからそれとなく周囲を観察し続けた。
『クラス表』、『廊下の至る所に設置されている監視カメラ』、『教室にも存在する2台の監視カメラ』。
そして、
『この学校には学年ごとのクラス替えが存在しない。卒業までの3年間、私が担任としてお前達全員と学ぶことになるだろう』
ーー真嶋先生のコトダマ1
『ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。既にお前たち全員には、平等に10万ポイントが支給されているはずだ』
ーー真嶋先生のコトダマ2
"来月も10万ポイントが支給される"
ーー葛城のコトダマ
"現時点では答えることができない"
ーー真嶋先生のコトダマ3
"ポイント支給額は変動する"
ーー坂柳のコトダマ
"答えることはできない"
ーー真嶋先生のコトダマ4
"個人単位とクラス単位"
ーー七海のコトダマ
"答えることができない"
ーー真嶋先生のコトダマ5
ここまで情報が揃えば、あとは一本の糸で繋げれば簡単だった。
そして、トドメのコトダマーー
ーー
「…以上の証拠と言葉から、私は『仮にクラス単位だとした場合ーー来月から、いえ、既に今月から"クラス間でポイントの競争"などあったりしますか?』と最後に質問しました。
私の推理が正しければ、"5月1日に今月中の生徒の様子に応じて全4クラスに平等に設定された初期ポイントの変動がある"、と思っています。
きっと、"来月に種明かしされるからこそ、今は答えられないとしか言えなかった"んだなって…今ならわかります。
けど……明らかに怪しいとわかれば私みたいに気づく人もいると思うので、来年度からは別の…それこそ最初から種明かしをしてクラスによって初期ポイントを分配したりとか、そういう風にしたほうがいいんじゃないかなって…すみません、余計なこと言っちゃいました。
あとは……あ、ポイントの変動事項に関しては多分…"教室の監視カメラから授業態度の確認"に、"出欠に遅刻"…"廊下の監視カメラで普段の生活態度や生徒間のトラブル確認"、とか…そう言えば"校舎の外にも監視カメラがありましたね。ひょっとしたら街の方にもある"んじゃないかな、と思ってます。
それと……もしかしたら"4月中に抜き打ちテストとか体力測定?で学力や体力を測る"のもあるんじゃないかなぁって思うんですけど…大体はこんなところでしょうか。おかしなところがあれば、言ってください。」
「ふぅ〜、喋りすぎて喉乾いた…」と、先ほどまでの真剣な姿勢はどこいったと言わんばかりに机にぐてーっとなっている七海を尻目にーー堀北学は表情こそほぼ崩していないものの、七海から次々と放たれた
(こいつは…探偵か?いや、未来でも見ているのか?)
ーー違う、そうじゃない。しかもそれは別のキャラである。
思わず頭に浮かんだ言葉を掻き消すように、ゆっくりと首を左右に振る。
「いや…うむ…」
体力測定以外は全て合っているし、体力測定は無くとも4月は水泳の授業でーークラス内の生徒同士での競争ではあるがーータイム測定はある。
言葉が出てこない、とはこのことかと堀北学は思った。
七海には聞こえなかったのか、「あれ、今何時だろ…有栖ちゃん…流石にもう帰ってるかな?」など独り言をぶつくさ呟いている。
「先生方も聞いてると、思うんですけど…」
七海がよく通る高音で問いかけると、扉が力無く開く。
七海が学の質問に答え出した時、若干だが扉が開いた。七海も学も気づいていたが、問答を邪魔しなければーーどうせ後でまた答える事になるくらいなら、と思い、放っておいたのだ。
教師達は皆一様に顔色は青を通り越して真っ白だった。真嶋先生に至ってはその場に崩れ落ち、涙をこぼしていた。
「えっと…「まて、七海。おそらく先生方、というより真嶋先生がこれ以上は七海の言葉に耐えられない。こうなると校長…いや理事長にー「僕ならいるよ。ここに。」」」「「「「「「「「坂柳理事長!?」」」」」」」」
皆気づかなかった否、気づけなかったが、坂柳理事長は七海と教師の問答とも言えない何かが始まってすぐ、職員室へ訪れていた。
今日は入学式だったため、理事長からも色々とスケジュールの連絡事項や確認事項があったのだ。
しかし、ノックをしても誰も出ない。おや?と思った坂柳理事長は、何を思ったか、そっと扉を開けーー
ーー
(びっくりしたよ…まさか理事長まで来るなんて…頭も下げられちゃったし…すごく、申し訳なさそうに)
坂柳理事長が来てからはあっという間だった。まずは理事長自らが今回の件に関して謝罪し、その場にいた教師達全員にも謝罪を七海にさせた。
その後は今回の件に関しての交渉…もとい学校側からの口止め料だったが、その額なんと…
(合計
まず、坂柳理事長自らが今回の件の口止め料と迷惑料として500万。
その後、堀北学生徒会長から今回の件のお礼(?)と今後の活躍に期待と言って200万(さらに学先輩と名前呼びで良いと言われた。解せぬ。)
そして、学校側からの口止め料と迷惑料及びお詫び料として1500万…これが一番多いかつ、決定した理事長以外の全員(勿論七海も)が驚いていた。
が、理事長のひと睨みと「次何か言えば、わかるよね?」と言わんばかりの無言の圧力に誰も何も言えず、七海も雰囲気に呑まれて思わず受け取ってしまった。
最後には「その2000万で何を買っても自由だよ。返済義務とかは一切無いからね。」と一言を残され、七海と学は職員室を出て、連絡先を交換し別れた。
(絶対にこんなの使いきれない…うーん…もしかして2000万である事に意味がある、のかな?)
とりあえず今日はもう頭を使うのはやめようと決め、Aクラスの扉を開ける。
そこには全員が座って待っていた。いや、正確には2人以外、座っていた。
教壇には葛城。自分の机のほうには坂柳。他の生徒は皆座っていた。
七海が扉を開け入った途端、全員の視線が七海に集まる。が、七海は気にせずに自分の席に向かう。
今日は頭を使いすぎて疲れていたので、坂柳が待っていれば一緒に帰ろうかな、くらいにしか考えていて視線には気づいていなかった。
「千秋さん、お疲れ様でした。随分長い"お話"でしたね?」
「…有栖ちゃんやっほー。ごめん。今日は疲れたからもう帰りたい…」
「あら、随分とお疲れの様ですね。まあ…"あれだけ話されれば"当然かと私は思います。見事な反論と立証でしたよ。本当にお疲れ様でした。」
そう。Aクラスは皆、教室にいながら先ほどの七海と教師の問答とも言えない争いに、その後の学生徒会長との問答、さらには理事長が出てきて謝罪したところ"まで"を、しっかりと七海はスマホと坂柳のスマホを通話状態にしたまま、坂柳のスマホの方はスピーカーにしてAクラスの全員に聴かせていた。
「…うん、ありがとう。有栖ちゃんもお疲れ様。」
「いえいえ。千秋さんに比べたら、私のしたことなど些細な事です。ふふっ」
その些細な事に、Aクラスは皆助けられる形になった。
七海と坂柳にとんでもなく大きな恩ができたのだ。
故に、誰も何も声を発せない。葛城ですらも、2人の会話をただ静かに聞くことしかできない。
「申し訳ありません、千秋さん。自己紹介を始めようとしたところで、丁度中断されてしまいまして…簡単な自己紹介だけ最後にお願いしてもよろしいでしょうか?」
「…んーそれくらいなら。これから3年間一緒なわけだし。」
そう言って七海は辺りを見回すと、自分に視線が集中している事にようやく気づく。
が、疲れているのもあり、七海自身マイペースなのも幸いして、ゆるりと自己紹介を行った。
前世で何度も聞いた、あの声でーー
「えーっと……七海千秋です。"自称"『超高校級のゲーマー』でーす。趣味はゲーム、オールジャンルでイケまーす。3年間よろしくお願いします。ふわぁ。」
と、欠伸を噛み殺しながら挨拶を済ませて、七海はAクラスを後にした。
第一章 〜七海千秋(別人)のようこそ実力至上主義の教室へ。〜 完
To Be Continued?
ここまでお読みいただいた方々、誠にありがとうございました。
ひとまず勢いで1日でここまで書き切りました。
一度書き始めたらキャラが勝手に動くというのを経験出来て楽しかったです。
続きを書くかは今の所未定です。(活動報告にてふわっとした内容は載せてます。)
誰か続き書いてください(切実)
以下ここ数話での登場キャラ紹介
七海千秋(別人)
Aクラス最大の功労者の1人。ある意味、今回の件のクロその1。坂柳から電話がかかってきた時に切るふりをして通話状態にしておいた。Q.第一話ラストのちょっとだけ貢献とは?A.知らん。気づいたらこうなってた。
イラっとした時に目がとんでもない絶対零度の視線だった。普段温厚な人がガチギレすると怖いのはお約束。先生方(特に真島先生)は七海の絶対零度の視線がトラウマになった。
2000万についてはやり過ぎたと思っている。(もしかしたら筆者の判断で金額を抑え目に訂正するかも流石に多すぎると思ったので、現在執筆中の次話で上手い具合にこう、なんとかします)
坂柳有栖
策士にしてAクラス最大の功労者1人。ある意味、今回の件のクロその2。なんとなくこの学校のシステムについて勘づいてはいたが、直接的な質問は避けた。決定的な証拠が無かったのもあるが、七海ならきっと何とかしてくれるだろうと信頼しての質問(
坂柳理事長
今回の件のMVP。この人が現場に居なかったら、説明のあれこれ含めてこんなに早く終わらなかった。
教師達が七海に色々と質問攻めしているところにこっそり入室し、(過去の事件と重なり、内心ブチギレながらも我慢しつつ)青筋を立てながら聞いていた。
いつまで経っても話が進まないため、良い加減辞めさせようと動こうとしたら、そこから強烈な反論が始まったため静観。聞いていたら全てが終わったため、タイミングを見て口を開いた。
七海と学を退室させた後は、教師達とたっぷり"OHANASHI"をした。
堀北学
面白そうだと思って(あと生徒1人に対して取り囲む様な形で連れて行っているのを目撃したので気になり)着いて行ったらとんでもない方法で立証されて勝手に脳を焼かれている。
生徒会に是非とも誘いたいが来歴を見るに強引な勧誘をしても意味がないなと思っているため、目下思案中。
帰って生徒会書紀に今回の話をしたら何故か怒られた。
どっかの生徒会書紀
本編未登場。「学呼びだなんて…羨ましい!!」
スキンヘッドの男
ずっと眉間に皺を寄せている。時折揉みほぐしている。
Aクラスの生徒達
「………」口ぽかーん
教師達
へんじがない。まるでしかばねのようだ。