AIを使ってますが誤字脱字、設定誤りがあればご指摘お願いします
..お豆腐メンタルなので出来れば優しくして頂けますと...
春の風が、国立魔法大学付属第一高校の校舎を吹き抜けていた。
明日に入学式を控えた校内は朝から慌ただしい。
体育館の設営、新入生用の案内板、受付場所の確認などで生徒会や各委員会の生徒たちが、明日の準備に追われていた。
そんな中、体育館の入口で大きな備品を運んでいる少年がいる。
千影刀狼。
第一高校の二年生の風紀委員を務める青年。
制服の着こなしはどこかラフだが腰には他の生徒と違い黒紫色の刀を携えていた。
「おーい、そっちもうちょい右! そうそう、そこだ!」
「千影、指示するだけじゃなくて手も動かせ!」
「動かしてるだろうが! ほら、これも運んじまうぞ!」
刀狼は笑いながら備品を軽々と持ち上げた。
その様子を見ていた同級生が呆れたように肩をすくめる。
「お前、こういう作業になると妙に張り切るよな」
「そりゃ、さっさと終わらせて帰りてぇからな!」
「だったら最初から真面目にやれ」
「俺はいつだって真面目だぜ?」
『「どこがだよ」』
「ひでえなぁ、おい!」
周囲から笑い声が上がる。
刀狼は大雑把で細かいことを気にしない。
だが、誰かが面倒な仕事を抱えていれば何も言わずに手を貸し、
口では適当なことを言いながら、結局は自分が一番動いている。
それが千影刀狼という男だった。
「……相変わらず騒がしいな、千影」
背後から落ち着いた声がした。
振り返ると、そこには十文字克人が立っていた。
「おっ、十文字先輩! お疲れっす!」
刀狼は敬礼のポーズをしながら、気軽に挨拶する。
「準備は順調か?」
「見ての通りっすよ。俺の活躍で、もうすぐ終わります!」
「お前以外の働きも忘れるな」
「ははっ! 分かってますって!」
十文字は小さく息を吐いた。
次期十師族の一角を担う十文字家の人間であり、実力と責任感を兼ね備えた先輩。
だが、刀狼は彼を尊敬しているが必要以上に畏まることはしない。
十文字もまた、刀狼の気安い態度を咎めることはあっても、その実力と面倒見のよさは認めている。
「明日は入学式だ。新入生も多い。風紀委員として、校内の警備と案内を頼むぞ」
「了解っす。校内を回って、迷子を拾って、不審者を見つけたら対処。そんなところですかね?」
「迷子を拾うという表現はどうかと思うが……概ねそうだ」
「任せてくださいよ。困ってる新入生がいたら、俺が何とかします!」
「その前に、お前自身が問題を起こさないようにな」
「俺、そんなに信用ないですか?」
「自覚がないところが問題なんだ」
「ひでえ!」
刀狼は大げさに肩を落とした。
十文字はそんな彼を一瞥すると、少しだけ表情を和らげた。
「だが、お前が周囲をよく見ていることは知っている。明日は頼んだぞ」
「……おう。任せとけ」
今度は茶化さず、刀狼は力強く頷いた。
十文字が別の準備場所へ向かうのを見送ると、刀狼は腰の黒刀に目を落とした。
「だとよ、夜凪。明日は忙しくなりそうだな」
『お前が余計な騒ぎを起こさなければ、平穏に終わるだろう』
頭の中に、聞き慣れた声が響いた。
千影家に代々受け継がれてきた、古の霊装。その声は刀狼にしか聞こえない。
『もっとも、お前に平穏という言葉が似合うとは思えんがな』
「おいおい、俺は平和主義者だぜ?」
『どの口が言う。問題を見つければ首を突っ込み、売られた喧嘩は買い、挙げ句の果てには自分から厄介事を背負い込む』
「ははっ! よく分かってんじゃねえか!」
『褒めていない』
「分かってるって!」
刀狼は愉快そうに笑った。
近くを通りかかった生徒達は怪訝そうな目で見てるが、
刀狼は何事もなかったように咳払いをした。
「……さて、もうひと頑張りするか!」
『今、誰もお前には話しかけていなかったぞ』
「うるせえ!」
春の陽射しの下、準備は着々と進んでいく。
明日から始まる新しい一年。
刀狼はまだ知らなかった。
その春が、いつも以上に騒がしく、そして忘れられないものになることを。