ポケットモンスター~波動の眼を持つ少年~   作:レイザル

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第93話 ライバル対決! フルバトル! サトシVSシゲル! 前編

準決勝第一試合――サトシVSシゲル

 

セキエイリーグのバトルフィールド。

 

 

観客席には大勢の人々が詰めかけ、会場全体が熱気に包まれていた。

 

 

今日行われるのは、準決勝。

 

 

残った四人のトレーナーは、全員がマサラタウン出身という異例の顔ぶれだ。

 

 

その第一試合。

 

 

フィールドの両側に、二人の少年が向かい合っていた。

 

 

「とうとうここまで来たね、サトシ」

 

 

「なんだよ、シゲル。いつもみたいな変な言い方はしないのかよ?」

 

 

サトシが少し不満そうに返す。

 

 

シゲルはいつものように余裕のある笑みを浮かべた。

 

 

「ここまで来て君をバカにすることなど、失礼に値するだろう?」

 

 

「へぇ? 今まではそうだったってことだよな?」

 

 

「実際、旅立ちの日に寝坊などをしていた君には反論できないだろう?」

 

 

「うっ……。まあ、な」

 

 

サトシは少し言葉に詰まった。

 

 

確かに、あの日の寝坊は否定できない。

 

 

だが、すぐに足元のピカチュウへ視線を向けた。

 

 

「けど、あの寝坊があったからこそ、ピカチュウに出会えたしな!」

 

 

「ピッカ!」

 

 

ピカチュウが元気よく鳴く。

 

 

シゲルはその姿を見て、少しだけ目を細めた。

 

 

「だろうね。今の君があるのは、ある意味、あの日の寝坊が全ての引き金だったと思うよ」

 

 

「なんだよ、それ!」

 

 

「褒めているんだよ」

 

 

「本当かぁ?」

 

 

二人の間に、いつものような軽口が交わされる。

 

 

しかし、その空気は以前とは違っていた。

 

 

互いにここまで勝ち上がってきた。

 

 

そして、これから戦う相手が誰なのかも分かっている。

 

 

シゲルはボールを構えた。

 

 

それを見て、サトシもボールを手にする。

 

 

「認めるよ。君は僕のライバルだ!」

 

 

シゲルの表情から、いつもの余裕が消える。

 

 

「だからこそ、君には全力をもって勝ちに行かせてもらうよ!」

 

 

「望むところだ! 俺だってお前には負けないぜ、シゲル!」

 

 

二人の視線が交差する。

 

 

こうして、準決勝第一試合が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いに、これまでの旅で鍛え上げてきたポケモンたち。

 

 

誰を出すのかはトレーナーにしかわからないのである。

 

 

そして、サトシとシゲルの戦いを見守る者たちも、期待を隠せない。

 

 

控室ではシンヤ、リーフたちが試合開始を待っていた。

 

 

「サトシとシゲルのバトルだね」

 

 

リーフがモニターを見つめる。

 

 

「ああ。あいつらにとっては、ずっと続いてきたライバル同士の戦いだからな」

 

 

シンヤは腕を組んだ。

 

 

「どちらも、ここまで勝ち上がってきた。簡単には決まらないだろうな」

 

 

そして、フィールドでは審判が両者を確認していた。

 

 

 

「それでは、両者ポケモンを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一戦――ピジョットVSオニドリル

 

 

「行け! ピジョット!」

 

 

「ピジョォォォ!」

 

 

サトシの先発はピジョット。

 

 

大きく翼を広げ、フィールド上空へと舞い上がる。

 

 

「オニドリル!」

 

 

「カァァァァァ!」

 

 

シゲルの先発はオニドリル。

 

 

鋭い嘴を持つ飛行ポケモンが、ピジョットと向かい合う。

 

 

「それでは、試合開始!」

 

 

「ピジョット! でんこうせっか!」

 

 

「オニドリル! こっちもでんこうせっかだ!」

 

 

二匹が同時に動いた。

 

 

空中で互いの身体が交差する。

 

 

素早く距離を取り、再び接近。

 

 

飛行ポケモン同士らしい、速度を重視した戦いだ。

 

 

しかし、サトシのピジョットは違った。

 

 

「ピジョット! でんこうせっかから、つばめがえし! そのままこうそくいどうだ!」

 

 

「ピジョォォ!」

 

 

ピジョットは急加速しながら身体をひねる。

 

 

つばめがえしの軌道を重ね、さらにこうそくいどうで速度を引き上げた。

 

 

「何っ?!」

 

 

オニドリルが反応しようとする。

 

 

だが、ピジョットの動きが速い。

 

 

上空へ抜けたと思えば、次の瞬間には背後。

 

 

追いかけようとしても、すでに別の方向へ移動している。

 

 

「スピードならこっちが上だぜ!」

 

 

サトシが自信満々に言う。

 

 

「中々いい育て方をしたね、そのピジョット」

 

 

シゲルは冷静に分析する。

 

 

正面から追いつこうとしても無駄だ。

 

 

速度を上げたピジョットに、オニドリルの機動力では対応しきれない。

 

 

「戻れ、オニドリル!」

 

 

シゲルは無理に続けず、オニドリルをボールへ戻した。

 

 

「次はお前だ! ニドキング!」

 

 

「ニドォォォ!」

 

 

大きなニドキングがフィールドへ現れる。

 

 

「試合再開!」

 

 

「ピジョット! さっきと同じだ!」

 

 

「ピジョォ!」

 

 

ピジョットが再び速度を上げる。

 

 

だが、シゲルは落ち着いていた。

 

 

「ニドキング、十万ボルト!」

 

 

「ニドォォォ!」

 

 

電撃が空へ向かって放たれる。

 

 

「かわしていけ!」

 

 

ピジョットは翼を大きく傾け、雷撃を紙一重で回避する。

 

 

しかし、シゲルはすぐに次の指示を出した。

 

 

「続けて、いわなだれ!」

 

 

「ニドキング!」

 

 

地面から岩が次々と浮かび上がり、空中へ向かって飛んでいく。

 

 

単純にピジョットを狙うのではない。

 

 

先ほどの十万ボルトで、ピジョットが回避する方向をある程度限定していた。

 

 

そこへ岩を配置し、逃げ道を塞いでいく。

 

 

「ピジョット!」

 

 

サトシは一瞬、ピジョットの動きを見た。

 

 

このままでは、いずれ岩に囲まれる。

 

 

「戻れ、ピジョット!」

 

 

サトシはピジョットをボールへ戻した。

 

 

シゲルの戦術を見て、無理に続ける必要はないと判断したのだ。

 

 

「次はお前だ!」

 

 

サトシが次のボールを投げる。

 

 

「行け、ゼニガメ!」

 

 

「ゼニィ!」

 

 

小柄なゼニガメがフィールドに現れた。

 

 

ニドキングと比べれば、体格差は大きい。

 

 

だが、小柄であることは弱点ばかりではない。

 

小回りが利き、狭い場所でも動きやすい。

 

 

「十万ボルト!」

 

 

「ゼニガメ、こうそくスピン!」

 

 

「ゼニィ!」

 

 

ゼニガメは甲羅に手足を引っ込め、回転しながら電撃をかわす。

 

 

そのまま回転の勢いを利用し、身体を斜めに傾けた。

 

 

「ハイドロポンプ!」

 

 

「ゼニィィィ!」

 

 

甲羅の穴から水流が噴き出す。

 

 

予想外の攻撃方法に、ニドキングが目を見開いた。

 

 

「ニドッ?!」

 

効果抜群の水流が直撃する。

 

 

しかし、ニドキングも黙ってはいない。

 

 

「ヘドロばくだん!」

 

 

「ニドォォ!」

 

 

毒の塊が放たれる。

 

 

「ゼニガメ!」

 

 

爆弾が命中し、ゼニガメは吹き飛ばされた。

 

 

だが、地面へ叩きつけられる直前。

 

 

「みずでっぽう!」

 

 

「ゼニッ!」

 

 

ゼニガメは地面へ水を噴射し、その反動で身体の向きを変えた。

 

 

 

 

 

そして――。

 

 

 

 

ニドキングが作り出していた、いわなだれの岩の上へ着地する。

 

 

「やるね、サトシ」

 

 

「そっちこそ、シゲル!」

 

 

二人が笑う。

 

 

互いに、相手の戦い方を楽しんでいるようだった。

 

 

「ニドキング、十万ボルト!」

 

 

「ゼニガメ、もう一度こうそくスピンだ!」

 

 

再び電撃が走る。

 

 

ゼニガメは岩の上で回転し、雷撃をかわした。

 

 

その直後。

 

 

「れいとうビーム!」

 

 

「ニドォォォ!」

 

 

冷気が放たれる。

 

 

地面に氷の壁が作られ、ゼニガメの動きを妨害した。

 

 

ゼニガメはスピンを止め、地面へ足をつける。

 

 

だが、小柄な身体に甲羅を背負っているため、氷の上では足元が滑る。

 

 

「今だ、十万ボルト!」

 

 

シゲルが指示を飛ばす。

 

 

「しまっ……!」

 

 

サトシは一瞬だけ考え込んだ。

 

 

 

 

 

そして――。

 

 

 

 

「ゼニガメ! その氷を利用してこうそくスピンだ! 滑るように回れぇぇぇぇ!」

 

 

「ゼ、ゼニィィ?! ガーメメメメメメ!」

 

 

ゼニガメは破れかぶれのように回転を始めた。

 

 

氷の上を滑りながら、回転速度がさらに上がっていく。

 

 

その場で回転するのではない。

 

 

氷の表面を滑走し、遠心力を利用して軌道を変えながら移動している。

 

 

十万ボルトが放たれる。

 

 

しかし、ゼニガメは回転しながらその射線から抜け出した。

 

 

「なにぃぃぃ?!」

 

 

「ニドォォ?!」

 

 

シゲルとニドキングが驚く。

 

 

控室で見ていたシンヤも、感心したように呟いた。

 

 

「うまい。滑る性質を利用して、こうそくスピンの回転率を上げたか」

 

 

場面は再びフィールドへ戻る。

 

 

「ゼニガメ! そのままハイドロポンプだぁぁぁ!」

 

 

「ガーメメメメメメ!」

 

 

ゼニガメの甲羅から水が噴き出す。

 

 

それも先ほどとは比較にならない速度だった。

 

 

四方向の穴から水流が放たれ、回転するゼニガメの周囲を覆う。

 

 

まるで水の砲台が四方へ向けられているようだった。

 

 

「ニドキング!」

 

 

水流が何度もニドキングを襲う。

 

 

正面から一発。

 

 

横から一発。

 

 

さらに背後からも水流が叩きつけられる。

 

 

「ニドォォ!」

 

 

ニドキングが膝をついた。

 

 

「ニドキングっ!?」

 

 

しかし、ニドキングも最後の力を振り絞る。

 

 

「十万ボルト!」

 

 

「ニドォォォ!」

 

 

電撃が放たれた。

 

 

しかも、濡れている自分自身を通じて、ゼニガメが放つ水流にも電撃が伝わっていく。

 

 

 

 

バチチチチチチ!

 

 

 

 

「ゼニニィィィィイ?!」

 

 

ゼニガメの身体に電撃が走る。

 

 

ダメージによってハイドロポンプと回転が止まった。

 

 

ゼニガメは地面に転がる。

 

ニドキングもまた、力を使い果たしたように身体を揺らしていた。

 

 

「ニドォ……」

 

 

 

 

ドスン!

 

 

 

 

「ニドキング、戦闘不能!」

 

 

シゲルが最初に一匹を失った。

 

 

シゲルはニドキングのボールを手に取り、静かに声をかける。

 

 

「ナイスファイト、ニドキング」

 

 

 

 

 

 

 

一方、電撃を受けたゼニガメは、少し息を荒くしていた。

 

 

「ゼ、ゼニィ……」

 

 

「大丈夫か?! ゼニガメ!」

 

 

「ゼ、ゼニガァ」

 

 

全然平気だと言わんばかりに返事をする。

 

 

だが、明らかに疲労が見て取れた。

 

 

「次はお前だ! カイリキー!」

 

 

「リキィィィィィ!」

 

 

四本の腕を持つ格闘タイプのカイリキーが現れる。

 

 

これでシゲルは、早くも三匹をフィールドに出したことになる。

 

 

「試合再開!」

 

 

「行くぜ、ゼニガメ! みずでっぽう!」

 

 

「ゼーニィィィ!」

 

 

ゼニガメが水を放つ。

 

 

しかし、カイリキーは軽い足取りで接近していく。

 

 

四本の腕に冷気が集まる。

 

 

「れいとうパンチ!」

 

 

「リッキィィ!」

 

 

カイリキーの拳が、ゼニガメの顔面へ叩きつけられた。

 

 

直前まで水を放っていたゼニガメの顔が、完全に凍りつく。

 

 

「ゼニガメ!」

 

 

手足は動いている。

 

 

戦闘不能ではない。

 

 

だが、これでは甲羅に顔を引っ込めることも、水を放出することもできない。

 

 

「くっ、戻れゼニガメ!」

 

 

流石に、顔が凍った状態のゼニガメをそのまま戦わせるわけにはいかない。

 

 

サトシはボールへ戻そうとする。

 

 

 

 

しかし――。

 

 

 

 

「ゼニィィ!」

 

 

ゼニガメは凍った頭を地面に叩きつけた。

 

 

ガンッ!

 

 

氷が砕け、顔が露わになる。

 

 

「ゼニガメ。お前?!」

 

 

「ゼーニ!」

 

 

まだまだこれから。

 

 

そう言わんばかりに、ゼニガメが構えた。

 

 

だが、サトシには分かっていた。

 

 

残された体力は、あと一撃を繰り出すのがやっとだろう。

 

 

「お前のその気持ち、受け取ったぜ! こうそくスピンで距離を取れ!」

 

 

「ゼニィ!」

 

 

「させるなカイリキー! 接近しろ!」

 

 

「リキィ!」

 

 

離れるゼニガメ。

 

 

近づくカイリキー。

 

 

その攻防が繰り返される。

 

 

しかし、ゼニガメの背後にはフィールドの壁が迫っていた。

 

 

サトシはそれを見て、閃く。

 

 

「ゼニガメ! 壁に向かって最大パワーのみずでっぽうだ! そのままカイリキーに突っ込め!」

 

 

「な、なにっ?!」

 

 

「ゼニガァァァァ!」

 

 

ゼニガメは壁に背を向ける。

 

 

そして、最大出力のみずでっぽうを放った。

 

 

反動で身体が前方へ飛び出す。

 

 

「ロケットずつきだぁぁぁ!」

 

 

「ガメェェェェ!!」

 

 

勢いのついた頭突きが、カイリキーの腹へ直撃した。

 

 

「リキッ?!」

 

 

カイリキーの身体が大きく揺れる。

 

 

しかし、その闘志は消えていない。

 

 

「カイリキー! そのまま、かみなりパンチィィィ!」

 

 

「リッキィ!!」

 

 

 

 

 

 

バチバチ!

 

 

 

 

 

 

 

ズドォォォン!

 

 

 

 

 

至近距離にいたゼニガメへ、カイリキーの拳が叩き込まれた。

 

 

ゼニガメは吹き飛び、地面に転がる。

 

 

目を回している。

 

 

「ゼニガメ、戦闘不能!」

 

 

「よく頑張ったな、ゼニガメ!」

 

 

サトシはゼニガメをボールへ戻す。

 

 

そして、次のボールに手を伸ばした。

 

 

「次はお前だ! いけ、ベトベトン!」

 

 

「ベトォォォォ~~~」

 

 

大きな身体を揺らしながら、ベトベトンがフィールドへ現れた。

 

 

「っ……物理耐久のおかしいベトベトンか」

 

 

シゲルはベトベトンを見て、サトシの試合のデータを思い出す。

 

 

予選四回戦で戦ったカオルコ。

 

 

彼女の、やけに強いマダツボミ。

 

 

そのマダツボミを完封していたのが、このベトベトンだった。

 

 

「戻れ、カイリキー」

 

 

シゲルは即座に判断した。

 

 

「流動体のようなヘドロ相手を、君にさせるわけにはいかない」

 

 

カイリキーをボールへ戻す。

 

 

そして、次のボールを手にした。

 

 

「いけ、オニドリル!」

 

 

「カァァァァァ!」

 

 

先発で出していたオニドリルが再びフィールドへ現れる。

 

 

「試合再開!」

 

 

「オニドリル! でんこうせっかしつつ、ドリルライナー!」

 

 

「カァァァ!」

 

 

オニドリルが急加速する。

 

 

身体を回転させながら、ベトベトンへ突撃した。

 

 

この攻撃なら、いくら流動体のようなヘドロの身体であっても貫ける。

 

 

シゲルはそう考えた。

 

 

「ベトベトン! とけるだ!」

 

 

「ベェトォォ」

 

 

サトシの指示で、ベトベトンの身体がさらに柔らかくなっていく。

 

 

オニドリルが突撃する。

 

 

だが、目標としていた場所にベトベトンの身体はない。

 

 

「カァッ?!」

 

 

オニドリルは回転しながら、ベトベトンがいた場所を通過しようとする。

 

 

その瞬間――。

 

 

「今だ、ベトベトン! れいとうパンチだぁ!」

 

 

「ベェトォォォォ!」

 

 

 

 

ズドン!

 

 

 

 

ベトベトンの拳が、オニドリルの側面を真下から捉えた。

 

 

「アオー?!」

 

 

攻撃を受けたオニドリルは、回転を崩して吹き飛ぶ。

 

 

翼が凍りつき、動きが鈍くなった。

 

 

「まだまだ、そのまま畳みかけろ! どくづきだぁ!」

 

 

「ベトォォォォ!」

 

 

シュドン!!

 

 

毒を込めた一撃が、翼の凍って身動きの取れないオニドリルに突き刺さる。

 

 

息が止まるような衝撃が、オニドリルの全身を駆け巡った。

 

 

身体が紫色に光る。

 

 

毒状態になったようだ。

 

 

「オ……ニィ!」

 

 

それでもオニドリルは、まだ倒れない。

 

 

ギロリとベトベトンを睨みつける。

 

 

この至近距離ならば、と。

 

 

「ダメもとだがいけ、ダメおしだ!」

 

 

「オニィィィィィィ!」

 

 

受けた衝撃をそのまま返すように、オニドリルが嘴を突き立てる。

 

 

その一撃は、ベトベトンの身体を突き破った。

 

 

「ベトォォォォ!?」

 

 

ベトベトンが後退する。

 

 

だが、ダメージを身体全体で受け流したのか、致命傷には至っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、オニドリルは毒と氷のダメージで力尽きた。

 

 

「オニドリル、戦闘不能!」

 

 

シゲルはオニドリルをボールへ戻した。

 

 

「よくやった。あの厄介な身体のポケモンに、確実にダメージを与えてくれたね」

 

 

そして、次のボールを構える。

 

 

「そのダメージでどこまで動けるかな? 出てこい、ウインディ!」

 

 

「ガウ!」

 

 

「今度はウインディか!」

 

 

サトシが身構える。

 

 

「試合再開!」

 

 

シゲルは即座に指示を飛ばした。

 

 

「ウインディ! りゅうのはどう!」

 

 

「えっ?! りゅうのはどう?!」

 

 

「ガァァァオォォォォ!」

 

 

ウインディの口から、竜の形をしたエネルギーが放たれる。

 

 

予想外の技に驚き、サトシの指示が一瞬遅れた。

 

 

 

 

 

シュドォォォォォォン!

 

 

 

 

 

爆発が起こり、ベトベトンが巻き込まれる。

 

 

「ベ、ベトォォォォォーーーー?!」

 

 

煙が晴れる。

 

 

そこには、目を回しているベトベトンの姿があった。

 

 

「ベトベトン、戦闘不能!」

 

 

これでサトシもシゲルも、二匹ずつ戦闘不能になった。

 

 

「ありがとう、ベトベトン。いいバトルだったぜ!」

 

 

サトシはボールを投げる。

 

 

「次はお前だ――オコリザル!」

 

 

「ウキィィィィィ!」

 

 

ここで登場するのは、闘魂ジムから一時的に手持ちへ戻ったオコリザル。

 

 

闘魂ジムで鍛えられたそのフットワークは、サトシのもとにいた頃よりも軽く、素早くなっていた。

 

 

リングに立つ格闘家のように、両腕を構える。

 

 

「試合再開!」

 

 

試合再開の合図。

 

 

それは、まるでリングのゴングだった。

 

 

オコリザルの目が光る。

 

 

瞬時にウインディへ接近した。

 

 

「近寄らせるな! かえんほうしゃ!」

 

 

「ウインディ!」

 

 

炎が放たれる。

 

 

「かわせ!」

 

 

「ウキィ!」

 

 

オコリザルは身体を低くして炎をかわし、さらに距離を詰める。

 

 

その手には、不気味なオーラを纏った拳が握られていた。

 

 

「新技、見せてやるぜ! ふんどのこぶし!」

 

 

「プギャァァァァァ!」

 

 

拳の形をした怒りのエネルギーが、ウインディへと放たれる。

 

 

「回避しろ、ウインディ!」

 

 

「ガウ!」

 

ウインディは横へ跳び、攻撃をかわす。

 

 

 

しかし――。

 

 

 

「逃げ道を塞げ! いわなだれだ、オコリザル!」

 

 

「ブギィィィィ!」

 

 

オコリザルが地面へ拳を叩きつける。

 

 

周囲に岩が次々と出現し、ウインディの逃げ道を塞いでいく。

 

 

左右。

 

 

後方。

 

 

そして、上空へ逃げようとする進路にも岩が迫る。

 

 

「なにっ?!」

 

 

ウインディの動きが止まった。

 

 

「もう一回、ふんどのこぶしだぁぁぁ!」

 

 

「プギィィィィィ!」

 

 

 

 

 

シュドォォーーーーン!

 

 

 

怒りを込めた拳がウインディへ直撃する。

 

 

攻撃を受けていないため、ふんどのこぶしの威力はまだ上がっていない。

 

 

それでも十分な威力だった。

 

 

衝撃で周囲に散りばめられた岩まで吹き飛び、ウインディの身体は岩の中へと埋もれていく。

 

 

「ウインディ!」

 

 

シゲルが声を上げる。

 

 

審判が近寄り、岩の隙間から様子を確認する。

 

 

そこには、目を回しているウインディの姿があった。

 

 

「ウインディ、戦闘不能!」

 

 

シゲルのポケモンが先に三匹戦闘不能となった。

 

 

「シゲル選手のポケモンが先に三匹戦闘不能になったため、三分間のインターバルに入ります!」

 

 

「……戻れ、ウインディ」

 

 

シゲルはボールへ戻し、肩を落とした。

 

 

そして、サトシを見つめる。

 

 

「やるじゃないか、サトシ」

 

 

「ヘヘヘ! まあ、この技とかは、シンヤとか他のトレーナーの技を見てて、オコリザルができそうだっていうからやってみただけさ!」

 

 

「ぶっつけ本番とは、君らしいね」

 

 

シゲルは苦笑した。

 

 

サトシはオコリザルを見つめる。

 

 

闘魂ジムで鍛えられた成果。

 

 

そして、オコリザル自身が新たに掴んだ力。

 

 

それが今、確かに実を結んでいた。

 

 

インターバルの開始を告げるアナウンスが会場に響く。

 

 

シゲルは残り三匹。

 

 

サトシも残り四匹。

 

 

数の上ではサトシが有利。

 

 

しかもまだサトシのオコリザルはまだ戦える状態にある。

 

 

そして、シゲルには相棒のカメックスが残されていた。

 

 

まだ勝負は分からない。

 

 

むしろ、ここからが本当の勝負だった。

 

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アニポケのサートシくんに転生した。▼けど、この世界はどうやら前世で見ていたアニポケのものとは違うようで……。▼どうせサートシくんに転生したのなら、全ての種類のポケモンと出会い、ポケモンマスターになる事を目指してもいいよな!▼


総合評価:1069/評価:7.89/連載:31話/更新日時:2026年10月18日(日) 10:03 小説情報

ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド(作者:ガチャガチャクツワムシ)(原作:ポケットモンスター)

サトシと同期の5人目の新人トレーナーとして主人公が旅に出て成長していく物語。▼オリジナルキャラが多めに出る上、原作キャラの強化もしようと考えています。▼生成AI使用して作成してします。


総合評価:187/評価:6.25/連載:156話/更新日時:2026年10月31日(土) 15:15 小説情報

映像機画版携帯獣世界転生物語(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:ポケットモンスター)

なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


総合評価:3059/評価:7.54/連載:45話/更新日時:2026年11月02日(月) 18:05 小説情報


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