「はい。あなたたちのポケモンは、責任を持って回復させるわ。二人とも、本当に素晴らしいバトルだったわよ!」
ポケモンセンターのカウンターで、ジョーイさんが優しく微笑んだ。
「ありがとうございます、ジョーイさん」
「よろしくお願いします」
シンヤとサトシは、それぞれボールを預ける。
セキエイリーグ決勝戦。
長く、激しく、そして忘れられない戦いを終えた二人は、ようやく一息つくことができた。
今、この場にいるのは家族や友人などの関係者だけだ。
激闘の余韻が残る中、オーキド博士が満足そうに口を開いた。
「いやぁ、シンヤの戦術・戦法は見事じゃった。相手の動きを先読みし、状況に応じて的確に対応する。まさに積み重ねてきた経験の賜物じゃな」
「ありがとうございます、博士」
「それにサトシも、最後までよく諦めずに戦い抜いたの。初めてのリーグで準優勝とは、大したものじゃ」
「ええ。初めてのポケモンリーグで準優勝なんて、ママは誇らしいわ」
ハナコが微笑みながらサトシの頭を撫でる。
「ありがとう、ママ!」
サトシは少し照れくさそうに笑った。
一方、その隣では――。
「いやぁ、さすが俺の息子!」
「うちの息子!」
『誇らしい!』
シンヤの両親、マサユキとミサキが、左右から息子を抱きしめていた。
「ぐえっ……!」
「いやぁ、本当に立派になったなぁ!」
「小さい頃から見てきたけれど、まさかここまで強くなるなんてねぇ!」
「やかましい! 大声で言わなくても聞こえているわ!」
両親の腕から抜け出そうとするシンヤ。
しかし、二人はまったく離す気がない。
「ははは! 照れるな照れるな!」
「そうよ。今日は思いっきり褒められる日なんだから!」
「だからって抱きしめすぎだ!」
その様子を見て、周囲から笑い声が上がった。
そんな中、ミサキがふとレンへ視線を向ける。
「ふぅ~~ん?」
「……?」
「シンヤは、私たちに抱きしめられるのは嫌みたいだけれど……これがレンちゃんなら喜ぶのかしら?」
「ふぁっ?!」
突然話を振られ、レンの顔が一瞬で赤くなる。
「な、何を言っているんですか、ミサキさん!」
「ん? どうしたの?」
一方のシンヤは、何のことか分からず首を傾げていた。
その反応を見たミサキは、悪戯っぽく笑う。
そしてレンの耳元へ顔を近づけた。
「ムッフッフ。レンちゃん。あなたはシンヤのお嫁さん候補だからね?」
「っ!?!?!?!?」
ボフンッ!
レンの頭から湯気が出そうなほど、顔が真っ赤に染まった。
「お、お嫁さん……!?」
「ふふっ。可愛い反応ねぇ」
「お、お母様! 何を言っているんですか!」
「ええ? 私はただ、将来のことを考えているだけよ?」
「将来って……!」
レンはシンヤの方をちらりと見る。
しかし、当の本人は相変わらず状況を理解できていない。
「……?」
「もうっ!」
レンはますます顔を赤くした。
そしてミサキは、今度はリーフの方へと視線を移す。
「ちなみにぃ……」
「は、はい?」
「うちの人が色々と特許を持っているおかげで、制度にも多少は口出しできるのよねぇ」
「……?」
「だから、一夫多妻も可能よ?」
ボフンッ!
「!?!?!?!?」
今度はリーフまで真っ赤になった。
隣で見ていたブルーは、呆れた顔でミサキを見る。
「ちょっとミっちゃん! うちの娘になんてことを言うのよ!」
「ええ? だって、可能性の話じゃない?」
「一夫多妻なんて、そんなの……わからないわよ言葉の意味を―――そんなことは!」
言い返そうとしたブルーだったが、そこでリーフの顔を見た。
「……?」
リーフは顔を真っ赤にしたまま、俯いている。
その様子を見て、ブルーは何かを察した。
「あ、あらぁ……」
ブルーは頬に手を当てる。
「私の子供、おませさんねぇ……」
「ふふっ。それを言ったら、レンちゃんもだと思うわよ?」
ミサキがそう言ってレンを見る。
レンは視線を逸らした。
しかし、その頬はまだ赤い。
そして、気づけば二人はシンヤの両側に立っていた。
レンは右側から。
リーフは左側から。
二人とも恥ずかしそうにしながら、シンヤの袖を小さくつまんでいる。
「……?」
シンヤは左右を見た。
右にレン。
左にリーフ。
二人とも何も言わない。
ただ、袖をつまんだまま俯いている。
「……えっと?」
シンヤはどうすればいいのか分からず、視線を泳がせた。
(何だ、この状況……)
そして、少し離れた場所では――。
「グギギギギ……!」
タケシがハンカチを噛みしめていた。
(何だ、この複雑な気持ちは……!)
まだこの頃のタケシには、年上のお姉さんへの憧れが芽生えていない。
それでも、目の前で繰り広げられる光景には、何とも言えない感情を抱かずにはいられなかった。
シゲルはそんなタケシを横目に、呆れたように肩をすくめる。
「やれやれ。こうして同期四人が揃っているのに、昔からこういうところはみんな変わらないね」
「いいじゃん! 仲良くって!」
サトシは屈託なく笑った。
「……君は本当に何も分かっていないな」
シゲルは小さくため息をつく。
一方、その少し後ろでは、ラムとレムが小声で話していた。
「(そういえば姉様)」
「(何よ、レム。小声で声をかけて)」
「(いえ、私たちがミサキ様に雇用される際、好きな人はいるのかと聞かれましたよね)」
「(そうね。いないって答えたら、何か悪い顔をしていたわね)」
「(先ほど聞こえたのですが、一夫多妻制にするとか何とか……)」
「(…………)」
ラムは一瞬、黙り込んだ。
「(……レム。私、凄く嫌な予感がするのだけど)」
「(はい。レムもそう思います)」
二人はそっとミサキを見た。
続いてマサユキ。
最後に、当の本人であるシンヤ。
((まさか……))
二人の脳裏に、よくある小説で描かれるような、雇用主がメイドに手を出す展開がよぎった。
((いや、まさかね……?))
しかし、二人の視線は自然とシンヤへ戻る。
そして、再びミサキを見る。
どうにも嫌な予感が拭えなかった。
そんな周囲の思惑など知る由もなく、シンヤは左右の少女たちに挟まれたまま、困惑していた。
「……誰か説明してくれ」
その呟きに、周囲からまた笑い声が上がった。
やがて、関係者たちがそれぞれ談笑する中、ポケモンリーグの閉幕が近づいていた。
夜。
セキエイ高原のスタジアムでは、閉会式が行われていた。
大勢の観客が見守る中、タマランゼ会長が壇上へ上がる。
「それでは、今大会の表彰を行います!」
まず名前を呼ばれたのは、サトシだった。
「準優勝、マサラタウン出身、サトシ!」
「はい!」
サトシが壇上へ進む。
会長から銀色のメダルを受け取ると、少し照れくさそうに笑った。
「おめでとう、サトシ!」
観客席から大きな拍手が響く。
そして――。
「優勝、マサラタウン出身、シンヤ!」
「はい!」
シンヤが壇上へ進む。
タマランゼ会長から金メダルを受け取り、続いて優勝トロフィーを手渡された。
「おめでとう。見事な優勝だったよ」
「ありがとうございます」
シンヤはトロフィーを受け取る。
その重みを確かめるように、しばらく見つめた。
ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。
数々の出会い。
仲間たちとの旅。
強敵との戦い。
そして、最後に待ち受けていたサトシとの決勝戦。
そのすべてが、この結果につながっている。
シンヤは客席へ目を向けた。
そこには、両親やレン、リーフ、ブルー、オーキド博士たちの姿がある。
みんなが笑顔で手を振っていた。
シンヤもまた、笑顔で応える。
やがて、会場の照明が落とされた。
「それでは、最後に――」
タマランゼ会長が空を指し示す。
次の瞬間。
ドォン!
夜空に大輪の花火が咲いた。
続けて、赤、青、黄色、緑。
色鮮やかな光が、セキエイ高原の夜空を埋め尽くしていく。
観客たちから歓声が上がる。
サトシも、シンヤも、その光景を見上げていた。
こうして――。
第○回ポケモンリーグ・セキエイ大会は、盛大な花火とともに幕を閉じた。
翌朝。
ポケモンセンター。
「みんな、調子はどうだ?」
シンヤは戻ってきたボールを受け取り、一匹ずつ仲間たちの様子を確認していた。
「よし。みんな元気そうだな」
ボールから出てきたポケモンたちは、それぞれ元気な鳴き声を上げる。
シンヤは一匹ずつ声をかけた。
「昨日は本当にありがとう。みんなが最後まで戦ってくれたから、俺たちは優勝できた」
リザードンが力強く鳴く。
ギャラドスが大きく吠え、荒々しい仕草で胸を張るコノヨザルも、満足そうに拳を打ち合わせた。
ドサイドンは喜ぶと少しだけ地面が揺れ、フーディンは静かに目を瞑り頷き、ピカチュウはいつもの番長スタイルのように腕を組んでいる。
シンヤは苦笑しながら、仲間たちの頭や体を撫でていく。
「もちろん、勝ったから終わりじゃない。今回のバトルで見えた課題もあるし、もっと強くなれる部分もある。これからも一緒に頑張ろうな」
ポケモンたちは一斉に返事をした。
その様子を見ていたレンが、柔らかく微笑む。
「みんな、本当に嬉しそうね」
「ああ。俺も嬉しいよ」
シンヤはボールを腰に装着していく。
そして、窓の外へ目を向けた。
セキエイ高原での大会は終わった。
優勝という大きな結果を手に入れた。
けれど、旅はまだ続いている。
これからどこへ向かうのか。
どんなポケモンと出会うのか。
どんな強敵が待っているのか。
考えるだけで、胸が高鳴った。
「さて……次はどうするかな」
シンヤは小さく笑う。
「次の旅のことも考えないとな」
セキエイ高原に、サヨナラバイバイ。
けれど、シンヤと仲間たちの冒険は、まだまだ終わらない。
大発明をする父マサユキなら、政府などに制度の改定なども言える立場であると勝手な解釈。しかもシンヤに関しては各地方の博士が注目するほどのポケモンの知識や、進化条件などがわからないポケモンであったコノヨザルの生態調査などをオーキドに提出しているので
マジな話、そういう制度をシンヤには特別に許可される可能性があるという
そう、作者の妄想が話である
原作ではないチャンピオンリーグをするべきか、それともその後の話を進めてジョウトなどに行くか
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チャンピオンリーグやっていくか
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いいやここはジョウトなどにいくだろう