シンヤが100人連続バトルを制し、ハナダジムでブルーバッジを獲得。さらに無人発電所でロケット団の野望を阻止し、伝説のポケモン・サンダーを救った頃――。
その一方で、同じマサラタウンから旅立ったもう一人の新人トレーナー、サトシはというと……。
◆ニビジム――初めてのジム戦
「よーし! ピカチュウ! いよいよ初めてのジム戦だ! 絶対に勝つぞ!」
「ピカッ!」
ニビジムのバトルフィールド。
サトシは相棒のピカチュウとともに、ジムリーダーのタケシと向かい合っていた。
サトシにとって、これが初めての公式ジム戦。
旅立ってからまだ日が浅いとはいえ、これまで野生のポケモンとのバトルも経験してきた。ピカチュウとの絆にも自信がある。
だからこそ、サトシは意気揚々と挑戦を申し込んだのだ。
「それでは、ニビジムのジム戦を開始する! 使用ポケモンは双方二匹! 挑戦者のみ、ポケモンの交代を認める!」
審判の宣言が響く。
「先発はこいつだ! 行け、ピカチュウ!」
「ピカッ!」
サトシの肩から飛び降り、ピカチュウがフィールドに立つ。
対するタケシが選んだのは――。
「行け、イワーク!」
「オオオオオッ!」
巨大な岩蛇が地面を震わせながら姿を現した。
「うわっ、でっけえ!」
思わず声を上げるサトシ。
しかし、すぐに気を取り直した。
「大きさなんか関係ない! ピカチュウ、電光石火だ!」
「ピカッ!」
ピカチュウが一気に駆け出す。
だが。
「イワーク、しめつける!」
「グオオッ!」
イワークの巨体が動き、ピカチュウの進路を塞ぐ。ピカチュウは間一髪で回避したものの、攻撃を当てるための有効な手段が見つからない。
「なら、でんきショックだ!」
ピカチュウの身体から電撃が放たれる。
しかし、電撃はイワークに直撃しても、ほとんど効果を示さなかった。
「な、なんで効かないんだ!?」
「イワークはじめんタイプでもある。電気技は通用しないぞ」
タケシが冷静に告げる。
「そ、そんな……!」
「イワーク、いわおとし!」
岩が降り注ぐ。
ピカチュウは必死に走り回って避けようとするが、フィールドを埋め尽くすような岩の攻撃に、徐々に逃げ場を失っていく。
「ピカチュウ、頑張れ! もっと走るんだ!」
サトシは声を張り上げる。
だが、指示はそれだけだった。
どこへ逃げるのか。
どうすれば相手の攻撃を利用できるのか。
電気技が通じない相手に、どうやってダメージを与えるのか。
その答えを、サトシは持っていなかった。
「イワーク、とっしん!」
「グオオオオッ!」
巨体が突進する。
「ピカチュウ!」
直撃を受けたピカチュウがフィールドに転がり、起き上がろうとするものの、足元がおぼつかない。
「もう一度だ、ピカチュウ! 立て!」
「ピ……カ……」
その身体が、ついに崩れ落ちた。
それを見て戦意喪失したサトシ。
「ピカチュウ、戦闘不能! チャレンジャー戦意喪失のためこの勝負はジムリーダー・タケシの勝利!」
審判の宣言が響き渡った。
サトシの初めてのジム戦は――敗北に終わった。
◆タケシの指摘――ジムリーダーを舐めていたのか?
「そ、そんな……ピカチュウ……」
サトシは駆け寄り、ピカチュウを抱き上げた。
「ごめんな、ピカチュウ。俺がもっと頑張っていれば……」
ピカチュウは疲れ切った様子で、サトシの腕の中に身を預ける。
その様子を見ていたカスミが、ため息をついた。
「だから言ったじゃない。ニビジムの相手は岩タイプなのよ? ピカチュウだけでどうにかできると思ったわけ?」
「うっ……」
「私のポケモンを貸そうかって言ってあげたのに、それも断っちゃうし」
「それは……自分のポケモンで勝ちたかったんだよ!」
「気持ちは分かるけど、だったら勝つための準備くらいしなさいよ!」
カスミの言葉に、サトシは何も言い返せなかった。
そこへタケシが口を開いた。
「サトシ。ひとつ聞きたいことがある」
「……なんだよ」
「お前は、俺がどんなポケモンを使うジムリーダーなのか、事前に調べたか?」
「えっ?」
「じめん・いわタイプのイワークに、電気技が通じないことは知っていたか?」
「そ、それは……」
「それなら、なぜ対策をしてこなかった?」
タケシの声は静かだった。
だが、その目は真剣そのものだった。
「タイプ相性で不利なピカチュウを先発に選んだんだ。俺はてっきり、何かしらの作戦があるのだと思っていた」
「……」
「ところが、実際に始まってみれば、電気技を撃ち、ひたすら走り回らせるだけ。イワークの動きや技を利用しようとする工夫もなかった」
タケシは腕を組む。
「俺を、ジムリーダーを舐めていたのか?」
「ち、違う!!」
サトシは大声で否定した。
「そんなつもりじゃない! 俺は本気で勝ちたかったんだ!」
「ならば、なぜ準備をしなかった?」
「それは……!」
答えられなかった。
サトシに勝つ気がなかったわけではない。
ピカチュウを信頼していたし、自分たちなら勝てると本気で思っていた。
だが、その自信を支えるために何をすべきなのか、考えていなかったのだ。
タケシはしばらくサトシを見つめたあと、ゆっくりと話し始めた。
「ここ最近、マサラタウンから来た新人トレーナーが何人か、俺に挑戦してきた」
「えっ?」
「お前より先に挑戦したトレーナーのうち二人は、草タイプと水タイプのポケモンを使ってきた」
サトシは目を見開いた。
タケシは、二人の名前を出さなかった。
その二人がシゲルとリーフであることを、サトシはまだ知らない。
「もちろん、草や水のポケモンを使えば簡単に勝てるという話じゃない。タイプ相性が有利でも、育成や戦術が不十分なら勝てないからな」
タケシは続けた。
「だが、少なくとも二人は、俺のポケモンに対して何が有効なのかを考えていた」
そして――。
「その二人よりも先に、俺とバトルしたトレーナーがいた」
タケシは、はっきりとその名を告げた。
「シンヤだ」
「……え?」
サトシの表情が固まった。
「シ、シンヤ!?」
思わず声が裏返る。
「マサラタウンのシンヤって……あの、いつも黒い服を着てる奴か!?」
「そうだ。黒いジャケットに白いTシャツ、灰色の長ズボンを着ている少年だ」
「うそだろ……!」
サトシは愕然とした。
シンヤ。
同じマサラタウン出身で、幼い頃にはサマーキャンプなどで顔を合わせたこともある。
だが、親しい友人というほどの関係ではなかった。
むしろサトシにとってシンヤは、少し苦手な相手だった。
なぜなら――。
「シンヤは昔からポケモンに詳しかったからな……」
サトシは小さく呟く。
まだ幼かった頃から、シンヤはポケモンの種類や生態、技についてよく知っていた。
サトシがポケモンを見て「かっこいい!」と興奮している横で、シンヤはそのポケモンの特徴や得意な戦い方を説明していた。
もっとも、当時のシンヤはまだ前世の記憶を取り戻していない。
それでも彼は、もともとポケモンへの興味が強く、知識を蓄えることが好きな少年だった。そして、旅立ち直前に前世の記憶を取り戻したことで、その知識はさらに膨大なものになっていたのだが……サトシはもちろん、そんな事情を知る由もない。
「シンヤはどんなポケモンを使ったんだ?」
サトシが尋ねると、タケシは答えた。
「マンキーとヒトカゲだ」
「ヒトカゲ!?」
サトシは思わず声を上げた。
「シンヤはオーキド博士からヒトカゲをもらったのか!?」
自分がピカチュウをパートナーにしたように、シンヤも博士からポケモンを受け取って旅立ったらしい。しかし、驚きはそれだけではなかった。
「それに……ニビシティの時点で、もうマンキーも捕まえてたのかよ……!」
サトシ自身は、まだピカチュウを中心に旅をしている。
もちろん、仲間のポケモンを増やすことだけが強さではない。
それでも、シンヤがすでに複数のポケモンを育て、ジム戦に臨んでいたと知ると、焦りが胸の奥に生まれた。
タケシは、あの日のバトルを思い返すように語り始めた。
「最初に出てきたのはマンキーだった」
「マンキー……」
「俺のイシツブテが岩を投げれば、それを回避するだけじゃなく、岩場の地形まで利用して動いていた。こちらの攻撃で生まれた隙も、きちんと攻撃の機会に変えていたんだ」
タケシは感心したように続ける。
「マンキー自身も、相手の動きを見て判断していた。シンヤはただ指示を出すだけじゃない。
ポケモンが何をしようとしているのかを理解し、それを活かす指示を出していた」
「……」
「次にヒトカゲが出てきた。こちらとの相性は不利だ。だが、シンヤはヒトカゲを無理に下げようとはしなかった」
サトシは黙って耳を傾けた。
「ヒトカゲは複数の技を使い分けて、イワークに少しずつダメージを与えていた。もちろん、それだけでイワークを倒せるほどではなかったがな」
「炎タイプで……イワークに……」
「そうだ。そして、バトルの途中でヒトカゲはリザードに進化した」
「リザード!?」
サトシの目が大きく見開かれる。
「バトルの中で進化したのか!?」
「ああ。トレーナーの思いに応えようとするように、ヒトカゲは最後まで立ち向かった。進化によってパワーも上がり、その力でイワークを打ち破ったんだ」
タケシは、そこで一度言葉を切った。
「ただし、進化したから勝てたというだけではない。マンキーとのバトルも含め、シンヤは最初から戦術を考えていた。ポケモンの特徴を理解し、地形を利用し、相手の技を見て行動を変えていた」
その言葉を聞いたカスミが、驚いた表情を浮かべた。
「ちょっと待って。炎タイプのヒトカゲで、イワークに挑んだの?」
「ああ」
「バカじゃないの!? 普通なら水タイプや草タイプを使うところでしょ!」
カスミらしい率直な反応だった。
しかし、タケシは首を横に振った。
「シンヤも、ヒトカゲが不利だということは分かっていたはずだ。それでも、彼はヒトカゲを信頼していた」
「信頼……?」
サトシが小さく呟く。
タケシは、シンヤがバトル中に語った言葉を思い出していた。
『最初のジム、最初の相棒で締めたいんで』
そして、もうひとつ。
『何よりも――俺はこいつを信じているんですよ!』
「……そう言っていた」
タケシは静かに締めくくった。
「相性の不利を理解したうえで挑み、対策を考え、最後までポケモンを信じて戦った。それがシンヤだった」
サトシは、何も言えなかった。
ピカチュウを信頼していなかったわけではない。
むしろ、誰よりも信頼しているつもりだった。
けれど、自分はその信頼を理由に、準備や対策を怠っていなかっただろうか。
相手を知ろうとしていただろうか。
ピカチュウの力をどうすれば活かせるのか、真剣に考えていただろうか。
「……俺とシンヤは、何が違うんだ?」
思わず漏れた呟きに、カスミはすぐには答えなかった。
タケシもまた、サトシを責めるようなことはしなかった。
「サトシ。お前には、お前の良さがある」
「……」
「ポケモンを大切に思う気持ちも、勝ちたいという熱意も本物だろう。だが、気持ちだけでは勝てない相手もいる」
タケシは、傍にいるイワークを見やった。
「トレーナーはポケモンと一緒に成長するものだ。今日の敗北から何を学ぶかは、お前次第だ」
サトシはピカチュウを抱きしめた。
「……俺、もっと強くなる」
ピカチュウが顔を上げる。
「ピカ?」
「もっとポケモンのことを知って、もっと考えて……次こそ勝つ!」
その決意は本物だった。
だが――サトシはまだ、勝つために必要なことを本当の意味では理解しきれていなかった。
そして、その夜。
サトシは思いもよらない方法で、リベンジを目指すことになる。
◆ニビシティの夜――怪しげな岩売りの老人
その日の夜。
ニビシティの街外れを歩いていたサトシは、奇妙な老人に声をかけられた。
「おやおや。そこの坊や、ずいぶんと元気がないのう」
「え?」
老人は、怪しげな漬物石のような岩を売っていた。
「ポケモンを強くしたくはないかね?」
「ポケモンを……強く?」
その言葉に、サトシは反応した。
「そうじゃ。そこのピカチュウ、もっと強くしてやれるぞ」
「本当か!?」
老人はにやりと笑い、奇妙な機械を見せた。
そこには、スピンバイクのような発電装置が取り付けられている。
「この装置を使えば、電気を蓄えさせることができる。うまくいけば、今まで以上の電撃を放てるようになるかもしれん」
サトシは機械を見つめた。
タケシの言葉が頭をよぎる。
――もっとポケモンのことを知って、もっと考えて。
だが、今のサトシが求めていたのは、まず目の前の敗北を覆す力だった。
「やるよ! ピカチュウを強くしてくれ!」
「ピカッ!?」
ピカチュウは不安そうにサトシを見上げた。
それでもサトシは、老人の説明に従って機械を動かし始める。
「よし、ピカチュウ! もっと電気をためるんだ!」
発電機が唸りを上げる。
ピカチュウの身体に電気が走った。
「ピ、ピカ……!」
「頑張れ、ピカチュウ! これで強くなれるんだ!」
機械がさらに稼働し、電気が蓄積されていく。
やがて、ピカチュウの頬から強い火花が散った。
「おお! すごいぞ、ピカチュウ!」
老人は満足そうに頷いた。
「これなら強力な電撃も放てるじゃろう」
サトシは喜んだ。
これなら、タケシにも勝てるかもしれない。
だが、サトシは気づいていなかった。
ピカチュウが本当に必要としていたのは、無理に電気を蓄えることだったのだろうか。
それとも、今持っている力をどう使えばよいのか、一緒に考えることだったのだろうか。
サトシは、まだその答えを知らなかった。
◆リベンジマッチ――ピカチュウVSイワーク
翌日。
再びニビジムに姿を現したサトシは、強い決意を宿した目でタケシを見つめていた。
「タケシ! もう一度、勝負してくれ!」
タケシは一瞬驚いたものの、すぐに頷いた。
「いいだろう。昨日の敗北から、何を学んだのか見せてもらおう」
「今度こそ勝つぞ! ピカチュウ!」
「ピカッ!」
バトルが始まる。最初は前回とは違い、イシツブテとピジョンでのバトル開始だったが
飛行タイプの技は岩にほとんど効果がないこと知らなかったサトシに呆れるタケシにカスミ。
戻してピカチュウがイシツブテを撃破。
そして
「行け、イワーク!」
「オオオオオッ!」
「ピカチュウ、行け!」
再び対峙する二匹。
サトシは昨日の敗北を思い出しながら、声を張り上げた。
「10まんボルトだ!」
「ピカアアアアッ!」
強烈な電撃がジム内を走る。
しかし――。
「無駄だ! イワークには電気技は効かない!」
タケシの言葉どおり、電撃はイワークに有効なダメージを与えられなかった。
「くっ……!」
サトシは歯を食いしばる。
「なら、もう一度だ!」
ピカチュウが電撃を放つ。
その瞬間、電撃の一部がジム内の設備へと飛び散った。
火花が散る。
発電機の近くから煙が上がり、暖房設備の周辺にも火が燃え移った。
「な、なんだ!?」
ジム内が騒然となる。
次の瞬間――天井に設置されていた防災用スプリンクラーが作動した。
大量の水が降り注ぐ。
「うわああっ!?」
サトシもタケシも、ジム内にいた者たちも一斉に水を浴びた。
イワークの巨体も、頭から水をかぶる。
「イワーク!?」
タケシが声を上げた。
その隙を見逃さなかったサトシは、ピカチュウに指示を出す。
「今だ! ピカチュウ、10まんボルト!」
「ピッ……カアアアアアッ!!」
再び強烈な電撃が放たれた。
電撃は濡れた地面や水を伝い、イワークの巨体へと広がっていく。
「グオオオオオッ!?」
イワークが苦しそうな声を上げた。
本来、電気技が無効となるイワーク。
しかし、この状況では電撃が水を介して伝わり、予想外のダメージを与えることになったのだ。
「やった! 効いてるぞ!」
サトシは歓喜する。
「ピカチュウ、もう一度だ!」
「ピカッ!」
だが、タケシはただ見ているだけではなかった。
「イワーク、耐えろ!」
イワークは身体を起こそうとする。
そこへサトシがさらに指示を飛ばした。
「とどめだ、ピカチュウ!」
ピカチュウが再び電撃を放とうとした、そのときだった。
「お兄ちゃん、もうやめて!」
「イワークがかわいそうだよ!」
タケシの弟や妹たちが、涙ながらにバトルを止めようと飛び出してきた。
しかも全員がサトシにしがみついて指示の邪魔をする。
「おい、お前たち!」
タケシは驚いて声を上げる。
子供たちはイワークを心配し、必死に兄へと訴えかけていた。
サトシもピカチュウも、突然のことに動きを止める。
しばらくの沈黙。
やがてタケシは、深く息を吐いた。
「……分かった」
彼はサトシへと向き直る。
「サトシ。お前の熱意は認めよう。昨日の敗北のあと、もう一度挑戦しに来たこともな」
「タケシ……」
「だが、今日の勝負については、反省すべきことも多い。設備を壊しかねない戦い方は危険だし、今回の勝利は偶然の要素が大きい」
サトシは言葉を失った。
「それでも、ピカチュウと一緒に勝とうとした気持ちは本物だ。その熱意を認めて、これを渡そう」
タケシはグレーバッジを差し出した。
「グレーバッジだ。お前の最初のバッジとして受け取ってくれ」
「……!」
サトシの顔がぱっと明るくなった。
「やったああああ! ピカチュウ、勝ったぞ! 俺たち、最初のバッジを手に入れたんだ!」
「ピカ、ピカチュウ!」
サトシはピカチュウを抱きしめ、喜びを分かち合った。
こうしてサトシは、最初のジムバッジを手に入れたのだった。
◆同じグレーバッジ、異なる道
その日の夜。
サトシは手に入れたグレーバッジを、何度も眺めていた。
「へへっ……これで俺もジムバッジを持つトレーナーだ!」
ピカチュウも嬉しそうに鳴く。
しかし、サトシの心には、タケシから聞いた名前が残っていた。
――シンヤ。
自分より先にニビジムへ挑み、マンキーとヒトカゲで勝利した少年。
タイプ相性の不利を理解し、地形や技を利用し、ポケモンを信じて戦ったトレーナー。
「……シンヤは、もう次のジムに挑戦してるのかな」
サトシは遠くを見つめた。
シンヤはすでにハナダジムを攻略し、無人発電所の事件まで解決している。
もちろん、サトシはそんなことを知らない。
彼が知っているのは、幼い頃からポケモンに詳しかった同郷の少年が、自分とは違う戦い方をしていたということだけだった。
「俺だって、負けてられないぞ!」
サトシはグレーバッジを握りしめる。
「もっと強くなって、いつかシンヤにも勝ってやる!」
ピカチュウが元気よく応えた。
「ピカチュウ!」
サトシの旅は、まだ始まったばかり。
その道には、数えきれない出会いと敗北、そして成長が待っている。
一方で、シンヤもまた、自分の仲間たちとともに新たな冒険を続けていた。
同じマサラタウンから旅立った二人の少年。
同じニビジムで手にした、最初の一歩。
しかし、その歩み方は大きく異なっていた――。
というわけでグレーバッジの取得方法を少し変えています。
この辺はシンヤの影響などがあると思ってくださいな