ポケットモンスター~波動の眼を持つ少年~   作:レイザル

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ついにあの娘が出るよ!


第38話 再会!幼馴染リーフとレンの対決!!

タマムシジムでエリカとの激闘を制し、レインボーバッジを手に入れたシンヤ。

ジム戦で活躍したフシギバナ、カメックス、リザードンの三匹をポケモンセンターで回復させた彼は、約束どおりレンと一緒にタマムシシティの有名な喫茶店を訪れていた。

この店は、ハナダシティで訪れたケーキのお店とは趣が異なる。

 

 

ショーケースには、香ばしく焼き上げられたクッキーや、ふんわりとしたマフィンが並んでいる。紅茶の種類も豊富で、落ち着いた雰囲気の店内には、ゆったりとした時間が流れていた。

 

 

「まあ、素敵なお店ね。焼き菓子の種類も豊富だわ」

 

 

レンはショーケースを眺めながら、楽しそうに微笑んだ。

 

 

「だろ? 紅茶と一緒に楽しむなら、こういうお店もいいと思ってさ」

 

 

「ふふっ。シンヤはこういうお店も知っているのね」

 

 

「まあ、いろいろ調べるのは好きだからな」

 

 

二人は紅茶と焼き菓子を注文し、窓際の席に向かい合って座った。

レンは紅茶を一口飲むと、満足そうに目を細める。

 

 

「ん……。香りがよくて、おいしいわ」

 

 

「こっちのマフィンもなかなかだぞ」

 

 

「本当? それなら、そちらもいただこうかしら」

 

 

ハナダシティのケーキ店で見せたような「あーん」の応酬こそなかったものの、二人は旅先での出来事やポケモンたちの成長について、和やかに談笑していた。

 

 

「それにしても、今日のジム戦はすごかったわね。フシギソウもカメールもリザードも、みんな進化するなんて」

 

 

「俺も驚いたよ。まさか一度のジム戦で三匹も進化するとはな」

 

 

「フシギバナもカメックスも、リザードンも、とっても格好よかったわ」

 

 

「本人たちに伝えたら、きっと喜ぶよ」

 

 

 

そんな穏やかな時間を過ごしていた、そのときだった。

 

 

「あれ、シンヤ君?」

 

 

聞き覚えのある声がした。

シンヤは紅茶のカップを置き、声のした方へ振り返る。

そこに立っていたのは、茶色の長い髪を持つ少女だった。

白いキャップに水色のノースリーブシャツ。赤いミニスカートにルーズソックスを合わせ、斜めがけのショルダーバッグを身につけている。

明るく柔らかな雰囲気をまとった、見覚えのある少女。

 

 

「あれ、リーフじゃないか」

 

 

そう、彼女はマサラタウン出身の少女、リーフだった。

 

 

「やっぱりシンヤ君だ! 久しぶり!」

 

 

リーフは嬉しそうに笑いながら、シンヤの席へ近づいてくる。

 

 

 

その瞬間。

 

 

 

 

レンの指が、ピクリと動いた。

 

 

 

(……あら? この子、確かマサラタウンの近所に住んでいた女の子だったわよね?)

 

 

 

 

レンは静かにリーフを観察する。

確かに美少女だ。

柔らかな茶色の髪に、親しみやすい笑顔。活発そうな服装もよく似合っている。

 

 

 

 

(なるほど……。確かに可愛らしい子ね)

 

 

 

 

一方、リーフもまた、レンの存在に気づいていた。

 

 

 

 

(……えっ? 何、この子?)

 

 

 

 

リーフの視線がレンに向かう。

整った顔立ちに、紫系統のクラシカルなロリータ服。丁寧に整えられた髪と、上品な仕草。

まるでお人形のような少女だった。

 

 

 

 

(お人形みたいに可愛い……! じゃなくて!)

 

 

 

リーフはハッとした。

 

 

 

 

(なんでシンヤ君と一緒にお茶してるわけ!?)

 

 

 

 

リーフの笑顔が、ほんの少しだけ引きつった。

対するレンも、リーフの視線に気づいている。

 

 

 

 

(ふふっ……。なるほど。そういうことかしら?)

 

 

 

 

二人の間に、目に見えない火花が散った。

もちろん、シンヤは気づいていない。

 

 

「そうだ、紹介するよ。こっちはレン。ニビシティで知り合って、オツキミ山を越えたあたりから一緒に旅をしているんだ」

 

 

「へえ……そうなんだ」

 

 

リーフはレンを見つめ、それからシンヤへ視線を戻した。

 

 

「どうも。シンヤ君の幼馴染で、昔からの付き合いがあるリーフです!」

 

 

「えっ? そこまで付き合いがあったわけじゃ――」

 

 

「まあ、幼馴染なのね?」

 

 

レンはにっこりと微笑んだ。

その笑顔は優雅で、どこにも不自然なところはない。

しかし、シンヤはなぜか嫌な予感を覚えた。

 

 

「どうも。シンヤとはニビシティで出会って、オツキミ山からずっと一緒に旅をしているレンよ。ええ、2人っきりで」

 

 

「えっ、そこまで詳しい情報はいらないんじゃ――」

 

 

「そうなの? でも、大切なことだと思うわ」

 

 

「……そ、そうか?」

 

 

シンヤは首を傾げた。

その横で、リーフとレンは笑顔のまま見つめ合っていた。

 

 

 

バチバチッ。

 

 

 

なぜか、そんな効果音が聞こえてきそうだった。

 

 

 

(……気のせいだよな?)

 

 

 

シンヤは二人を交互に見た。

どう見ても、気のせいではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆幼馴染と旅の仲間、火花散る!

 

 

「それで、リーフ。今日はどうしたんだ?」

 

 

シンヤが尋ねると、リーフは思い出したように手を叩いた。

 

 

「あっ、そうそう! シンヤ君、まだタマムシシティにいたんだね?」

 

 

「ん? ああ」

 

 

「私たちよりずっと早く旅に出たのに、意外と進みが遅いんだね。もうシゲル君には先を越されているんでしょう?」

 

 

「まあ、いろいろあってな」

 

 

シンヤは苦笑した。

実際、旅の進行速度だけなら、シンヤはシゲルに先を越されている。そして、リーフもすでに追いついてきたらしい。

ただし、シンヤにはシンヤの事情があった。

ポケモンを数多く捕獲し、育成し、自宅にいるポケモンたちの成長も確認する。

 

 

そのうえ、ロケット団による事件やトラブルにも何度か遭遇している。

さらに、サント・アンヌ号の大会では多くのトレーナーとバトルを繰り広げた。

単純にジムだけを巡る旅とは、進め方が違うのだ。

 

 

「俺はポケモンをゲットしたり、育成したりするのにも時間を使っているからな。事件に巻き込まれることもあったし」

 

 

「へえ~? 私は気に入ったポケモンだけをゲットしているけどね」

 

 

リーフは得意げに笑った。

 

 

「なるほどな。ところで、今はどんなポケモンを連れているんだ?」

 

 

「それは秘密! バトルすれば分かるよ」

 

 

「お、バトルする気か?」

 

 

「もちろん!」

 

 

リーフは元気よく答えた。

その会話を聞きながら、レンの胸中では、少しずつ何かが膨らんでいた。

 

 

 

 

(……シンヤ、随分と楽しそうに話すのね)

 

 

 

 

もちろん、幼馴染と久しぶりに再会したのだから、話が弾むのは当然だ。

レン自身も、それくらいは理解している。

 

 

 

 

しかし――。

 

 

 

 

 

(でも、せっかく二人でお茶を楽しんでいたのに……)

 

レンは紅茶を一口飲んだ。

そして、カップを静かにソーサーへ戻す。

 

 

「ねえ、シンヤ?」

 

 

「ん?」

 

 

「これからの二人での旅について、少し相談したいのだけれど」

 

 

「これからの旅?」

 

 

「ええ。タマムシジムも攻略したことだし、次はどうするのかしら?」

 

 

「そうだな……。タマムシのゲームコーナーに、いろいろな景品があるらしいんだ。ちょっと見に行ってみたいと思っていたんだけど」

 

 

「そう。なら、行きましょう」

 

 

 

レンはすっと立ち上がった。

 

 

「ちょうど、お茶もお菓子もなくなったところだもの」

 

 

「えっ、もう行くの?」

 

 

リーフが声を上げた。

 

 

「ちょっと待ってよ。まだ私、シンヤ君と話しているんだけど?」

 

 

レンは振り返り、にっこりと微笑む。

 

 

「そうなの? でも、レンとシンヤは二人でお茶を楽しんでいたのよ。そこへ割って入ってきたのは、あなたでしょう?」

 

 

「幼馴染がいたから、声をかけちゃいけないのかな?」

 

 

「そんなことは言っていないわ。ただ、二人で過ごしている時間を、もう少し尊重してもいいんじゃないかしら?」

 

 

「ごめんね。私、空気が読めないみたいで」

 

 

「ふふっ。自覚があるなら、次から気をつけるといいわね」

 

 

 

バチバチッ!

 

 

 

再び火花が散った。

シンヤは額に手を当てた。

 

 

 

 

(なんだこれ……。どうしてこんなことになっているんだ?)

 

 

 

 

そして、ついにレンが言い放った。

 

 

「とにかく、レンとシンヤの二人旅を邪魔するんじゃないわよ、お邪魔虫!」

 

 

「なっ……! 誰がお邪魔虫よ! この泥棒猫!」

 

 

「まあ、泥棒猫ですって?」

 

 

「そうよ!」

 

 

「それはそっくりそのままお返しするわ!」

 

 

「なんですってぇ!?」

 

 

「何よ!?」

 

 

 

 

 

ワイワイガヤガヤ。

 

 

 

 

 

二人の声が喫茶店に響き渡った。

店員たちが困惑した顔でこちらを見ている。

そして、シンヤは完全に置いてけぼりだった。

 

 

 

 

(頼むから、ここは喫茶店なんだから静かにしてくれ……!)

 

 

 

 

しかし、二人の勢いは止まらない。

 

 

「そもそも、あなたもトレーナーなんでしょう?」

 

 

レンがリーフを指さした。

 

 

「そうだけど?」

 

 

「なら、ポケモンバトルで決着をつけましょうか」

 

 

「望むところよ!」

 

 

リーフは即答した。

そして、レンを睨みつける。

 

 

「それに、私だってシンヤ君にいろいろ教えてもらっているんだから! 簡単には負けないよ!」

 

 

「……へえ?」

 

 

レンの目が細くなった。

ゆっくりと、シンヤへ顔を向ける。

 

 

「シンヤ?」

 

 

「は、はい?」

 

 

「今の話、あとで詳しく聞かせてもらえるかしら?」

 

 

「いや、別に変な意味じゃ――」

 

 

「詳しく、ね?」

 

 

「……はい」

 

 

 

(なぜ俺が睨まれる羽目に!?というか多分教えてたの記憶思い出す前の俺?!)

 

 

シンヤは心の中で叫んだ。

理不尽だった。

あまりにも理不尽だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆タマムシシティ、ポケモンバトル開幕!

 

 

場所は移り、タマムシシティのポケモンセンター裏にあるバトルフィールド。

そこでは、二人の少女が向かい合っていた。

 

 

片や、不敵な笑みを浮かべるレン。

片や、少し険しい表情のリーフ。

 

 

そして、その中央には、困惑しきったシンヤが審判役として立っていた。

 

 

「……えー、それじゃあ、四対四のバトルを始めます」

 

 

シンヤはため息をついた。

 

 

「ルールは、どちらかのポケモンが四匹とも戦闘不能になった時点で敗北。交代は自由。これでいいな?」

 

 

「ええ、問題ないわ」

 

 

レンは涼しい顔で答えた。

 

 

「もちろん!」

 

 

リーフも力強く頷く。

ただし、二人の間には、もう一つ妙な取り決めができていた。

 

 

 

――タマムシシティにいる間、負けた方はシンヤに近づくのを自重すること。

 

 

 

 

(……なんでそんなルールが必要なんだよ)

 

 

 

 

シンヤは頭を抱えた。

しかし、もう始めるしかない。

 

 

「それじゃあ、始め!」

 

 

「行くよ! サンド!」

 

 

リーフが最初に繰り出したのはサンドだった。

 

 

「マリル、お願い!」

 

 

レンのマリルが、元気よくフィールドへ飛び出す。

 

 

「マリル?」

 

 

リーフは初めて見るポケモンに首を傾げた。

 

 

「見たことのないポケモンだけど……。サンド、ひっかく!」

 

 

サンドが地面を蹴り、マリルへと飛びかかる。

 

 

「マリル、かわして!」

 

 

マリルは小さな体を横へずらし、サンドの攻撃を紙一重で回避した。

 

 

「続けて、アクアテール!」

 

 

マリルの尻尾に水が集まる。

次の瞬間、強烈な水の一撃がサンドを捉えた。

 

 

「サン?!」

 

 

サンドは吹き飛ばされ、地面を転がった。

 

 

「サンド、戦闘不能! マリルの勝ち!」

 

 

「えっ、うそ!?」

 

 

リーフは目を見開いた。

マリルは嬉しそうに跳ね、レンのもとへ戻ってくる。

 

 

「よくできたわね、マリル」

 

 

レンは優しく頭を撫で、ボールへ戻した。

 

 

 

(サント・アンヌ号での大会を経験して、レンもポケモンたちもかなり成長しているな……)

 

 

 

シンヤは感心していた。

レンの指示は簡潔だが、的確だった。

マリルの素早い回避と、相手の攻撃直後を狙ったアクアテール。

無駄のない動きで、サンドに反撃の機会を与えなかったのだ。

 

 

「次はこの子! ロコン!」

 

 

リーフが二匹目を繰り出した。

 

 

「クチート、お願い!」

 

 

レンのクチートがフィールドに現れる。

 

 

「また知らないポケモン……。でも、ロコンなら大丈夫!」

 

 

リーフは気を取り直して指示を出した。

 

 

「ロコン、ひのこ!」

 

 

ロコンの口から炎が放たれる。

 

 

「クチート、がんせきふうじ!」

 

 

クチートは地面を砕き、岩を浮かび上がらせた。

岩がロコンの周囲へと飛び、進路を塞ぐ。

炎を吐いたロコンは、迫る岩を避けようと横へ動いた。

 

 

「今よ、ふいうち!」

 

 

クチートが一気に距離を詰める。

 

 

ロコンが体勢を立て直すよりも早く、クチートの一撃が決まった。

 

 

「ロコン、頑張って!」

 

 

リーフの声に反応し、ロコンが再び炎を吐こうとする。

しかし、クチートはひるまなかった。

 

 

「アイアンヘッド!」

 

 

鋼の力をまとった頭突きが、ロコンに直撃する。

 

 

「コン?!」

 

 

ロコンは地面に倒れ、そのまま目を回した。

 

 

「ロコン、戦闘不能! クチートの勝ち!」

 

 

「そんな……!」

 

 

リーフは驚きながらも、ロコンをボールへ戻した。

 

 

「二匹とも、初めて見るポケモン……!」

 

 

「ふふっ。ポケモンの種類を知らないからといって手加減はしないわよ?」

 

 

レンは余裕たっぷりに微笑んだ。

 

 

「相手の動きを見て、こちらの技を適切に使えばいいだけよ」

 

 

「くっ……!」

 

 

リーフは悔しそうに唇を噛んだ。

 

 

「次は絶対に負けないんだから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆イーブイ対ピカチュウ!人気者同士の対決

 

 

「行くよ、ピカチュウ!」

 

 

リーフが繰り出したのは、黄色い体に長い耳を持つピカチュウだった。

 

 

「ピカピカ!」

 

 

「ピカチュウね」

 

 

レンは微笑み、三匹目のボールを取り出した。

 

 

「イーブイ、お願い!」

 

 

「ブイッ!」

 

 

イーブイが軽やかに飛び出す。

 

 

ピカチュウとイーブイ。

 

 

カントーでも人気の高いポケモン同士の対決に、周囲で見ていたトレーナーたちも注目した。

 

 

「ピカチュウ、でんこうせっか!」

 

 

ピカチュウが素早く地面を蹴り、イーブイへと迫る。

 

 

「イーブイ、ぎりぎりまで引きつけて!」

 

 

イーブイは動かず、ピカチュウの接近を待つ。

 

 

 

そして、攻撃が届く寸前――。

 

 

 

「右にかわして、あくび!」

 

 

イーブイは紙一重で攻撃をかわしながら、ピカチュウへあくびを浴びせた。

 

 

「ピカ?」

 

 

ピカチュウの動きが、少しずつ鈍くなる。

 

 

「ピカチュウ、どうしたの? もう一度、でんこうせっか!」

 

 

ピカチュウは再び突進した。

しかし、足取りがどこかおぼつかない。

リーフはすぐに異変に気づいた。

 

 

「まさか……眠気が来ているの!?」

 

 

その通りだった。

あくびの効果が、ピカチュウに迫っていたのだ。

 

 

「イーブイ、ハイパーボイス!」

 

 

イーブイは大きく息を吸い込み、強烈な音波を放った。

 

 

「ピカピカッ!?」

 

 

大きな音に驚いたピカチュウは、思わず目を見開く。

 

 

眠気が吹き飛び、完全に目を覚ました。

 

 

「よし、ピカチュウ! 今よ!」

 

 

リーフが反撃を命じようとした、その瞬間。

 

 

「シャドーボール!」

 

 

イーブイの目の前に、黒いエネルギーの球体が生み出されていた。

 

 

「えっ!?」

 

 

ピカチュウが反応するよりも早く、シャドーボールが炸裂した。

爆発音が響き、黒い煙が立ち込める。

煙が晴れると、ピカチュウは目を回して倒れていた。

 

 

「ピカチュウ、戦闘不能! イーブイの勝ち!」

 

 

「そ、そんなぁ……!」

 

 

リーフは愕然とした。

三匹目も敗北。

これで残るポケモンは、あと一匹だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、レンはイーブイを優しく撫でる。

 

 

「よく頑張ったわね、イーブイ。戻って休んでいてね」

 

 

「ブイッ!」

 

 

イーブイは満足そうに鳴き、ボールへ戻った。

 

 

「……レン、強くなったな」

 

 

シンヤは素直に感心していた。

単純な技の威力だけでなく、あくびで相手の動きを崩し、ハイパーボイスで一度目を覚まさせたうえで、シャドーボールを当てる。

相手が目を覚ました瞬間を、次の攻撃につなげた見事な連携だった。

 

 

 

 

(サント・アンヌ号での大会経験が、しっかり身についているんだな)

 

 

 

 

レンはシンヤへ顔を向け、誇らしげに笑った。

 

 

「ふふっ。まだまだ、こんなものではないわよ?」

 

 

その言葉を聞いたリーフは、悔しそうにボールを握りしめた。

 

 

「……次こそは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆最後の一匹!ラルトスの実力

 

 

「お願い、フシギソウ!」

 

 

リーフが最後のボールを投げた。

現れたのは、頭に大きなつぼみを持つフシギソウだった。

 

 

「フシギソウ!」

 

 

リーフはフシギソウを見つめ、真剣な表情で頷く。

 

 

「ここまで三連敗だけど……あなたなら大丈夫! 最後まで頑張ろう!」

 

 

「フシギソウ!」

 

 

フシギソウが力強く鳴いた。

 

 

対するレンは、最後のボールを手に取った。

 

 

「それじゃあ、最後はあなたにお願いするわね」

 

 

「ラルトス、お願い!」

 

 

「ラル!」

 

 

 

ラルトスがフィールドへ現れる。

リーフは目を丸くした。

 

 

「えっ……また知らないポケモン!?」

 

 

これで三匹目。

リーフは、マリル、クチート、ラルトスも知らなかった。

 

 

一方のレンは、落ち着いた様子でラルトスに指示を出す。

 

 

「ラルトス、いつもどおりでいいわ。相手をよく見てね」

 

 

「ラル!」

 

 

「フシギソウ、つるのムチ!」

 

 

リーフは先手を取ろうと指示を出した。

フシギソウの蔓が、ラルトスへ向かって伸びる。

 

 

「テレポート!」

 

 

ラルトスの姿が消えた。

 

 

「えっ!?」

 

 

蔓は空を切り、地面を叩く。

次の瞬間、ラルトスはフシギソウの背後に現れた。

 

 

「こごえるかぜ!」

 

 

冷たい風が吹きつけ、フシギソウの動きを鈍らせる。

 

 

「フシギソウ、振り向いてはっぱカッター!」

 

 

フシギソウは体をひねり、無数の葉を放った。

しかし、ラルトスは必要最低限の動きで葉を避けていく。

 

 

「サイケこうせん!」

 

 

ラルトスの放った光線がフシギソウを捉え、後方へと吹き飛ばした。

 

 

「フシギソウ、まだまだ! つるのムチで体勢を立て直して!」

 

 

フシギソウは蔓を地面に突き立て、どうにか倒れるのを防いだ。

リーフは必死に指示を続ける。

 

 

「そのまま、はっぱカッター! もう一度、つるのムチ!」

 

 

フシギソウは次々と攻撃を繰り出す。

だが、ラルトスはテレポートを使って攻撃の隙間を抜け、フシギソウの攻撃を巧みにかわしていく。

 

 

 

 

(くっ……! どうして当たらないの!?)

 

 

 

 

リーフは焦っていた。

攻撃を仕掛けても、ラルトスは必要以上に動かない。こちらの攻撃を見極め、避けられるものだけを避け、確実に反撃してくる。

まるで、こちらの動きを読まれているようだった。

 

 

「フシギソウ、もう一度つるのムチ!」

 

 

フシギソウが大きく蔓を伸ばす。

 

 

「ラルトス、テレポート!」

 

 

ラルトスは攻撃の直前に姿を消した。

そして、フシギソウの背後に現れる。

 

 

「チャージビーム!」

 

 

電気を帯びた光線が、フシギソウに直撃した。

 

 

「フシギソウ!」

 

 

フシギソウはよろめきながらも、なんとか立ち上がろうとする。

しかし、すでに体力は限界に近かった。

 

 

「ラルトス、最後よ。サイケこうせん!」

 

 

ラルトスの放った光線が、フシギソウを正面から捉えた。

フシギソウは大きく吹き飛ばされ、そのまま地面に倒れた。

 

 

「フシギソウ、戦闘不能! よって勝者、レン!」

 

 

「……そんな」

 

 

リーフは呆然と立ち尽くした。

結果は四対〇。

レンの完勝だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆完敗したリーフ、余裕のレン

 

 

リーフはしばらく動けなかった。

マサラタウンを出てから、彼女も旅を続け、ポケモンたちを鍛えてきた。

それなのに、知らないポケモンたちに次々と敗れ、最後はフシギソウまで倒されてしまった。

リーフは静かにフシギソウのもとへ歩み寄り、優しく抱きしめるようにしてボールへ戻した。

 

 

「……ごめんね。みんな、よく頑張ってくれたよ」

 

 

その声には、悔しさがにじんでいた。

レンはラルトスを抱き上げ、優しく頭を撫でた。

 

 

「みんな、よく頑張ったわね。ありがとう」

 

 

「ラル!」

 

 

レンはシンヤへ振り返り、満面の笑みを浮かべる。

 

 

「ふふーん♪ どうだったかしら?」

 

 

「……随分強くなったな、レン」

 

 

シンヤは素直に感心していた。

 

 

「サント・アンヌ号の大会で経験を積んだのもあるけど、ポケモンたちの動きもよくなっている。相手の技を見てから判断する力もついてきたな」

 

 

「まあね♪」

 

 

レンは得意げに胸を張る。

 

 

「でも、それだけじゃないわよ?」

 

 

「ん?」

 

 

「シンヤがポケモンの特徴や育成について、いろいろ教えてくれたでしょう? おかげで、みんなに合った戦い方を考えられるようになったの」

 

 

レンはマリル、クチート、イーブイ、ラルトスのボールを順番に見つめた。

 

 

「みんな、それぞれ得意なことが違うもの。だから、その子に合った戦い方を見つけるのが大切なのよ」

 

 

「そうだな。ポケモンの強さは、レベルや技だけじゃないからな」

 

 

「ええ。もちろん、まだまだ勉強中だけれどね」

 

 

レンは微笑んだ。

その表情は、先ほどまでリーフに対して見せていた勝ち誇った顔とは違っていた。

ポケモンたちへの愛情と、トレーナーとしての自信が感じられる笑顔だった。

 

 

「……レン」

 

 

「何かしら?」

 

 

「ところで、さっきから気になっていたんだけどさ」

 

 

シンヤは首を傾げた。

 

 

「どうして自分の名前を言いながら喋っているんだ?」

 

 

「…………」

 

 

レンの笑顔が固まった。

 

 

「え?」

 

 

「いや、ほら。さっきから『レンとシンヤは』とか『レンはね』とか、たまに自分のことを名前で呼んでいるだろ?」

 

 

「うっ……!」

 

 

レンは顔を赤くした。

 

 

「そ、それは……つい、感情が高ぶると昔の癖が出てしまうのよ!」

 

 

「昔の癖?」

 

 

「そ、そうよ! 昔は自分のことを『私』ではなく、『レンはね』って言っていた時期があって……!」

 

 

「なるほどなぁ」

 

 

シンヤは納得したように頷いた。

 

 

 

 

(……いや、やっぱり英雄伝説のレンそのままじゃないか)

 

 

 

 

もちろん、口には出さなかった。

出したら、間違いなく面倒なことになる。

そして、少し離れた場所では、リーフが二人のやり取りを見つめていた。

 

 

(……シンヤ君とレンちゃん、ずいぶん仲がいいんだね)

 

 

リーフは複雑そうな顔をする。

レンはその視線に気づくと、すっとシンヤの隣へ移動した。

そして、ごく自然な仕草でシンヤの腕に自分の腕を絡める。

 

 

「さあ、シンヤ。ゲームコーナーへ行きましょう?」

 

 

「お、おう……」

 

 

「ちょっと待って!」

 

 

リーフが声を上げた。

 

 

「まだ話は終わってないよ!」

 

 

レンは振り返り、にっこりと微笑む。

 

 

「そう? でも、さっきのバトルで決着はついたでしょう?」

 

 

「それはそうだけど……!」

 

 

「それじゃあ、またね。リーフさん」

 

 

「くっ……!」

 

 

リーフは悔しそうに拳を握った。

レンは満足そうに微笑みながら、シンヤを連れて歩き出した。

シンヤは苦笑しつつも、レンに引っ張られるままついていく。

 

 

 

(……リーフには悪いことをしたかなぁ)

 

 

 

シンヤは少しだけ後ろを振り返った。

しかし、レンが腕を絡めたまま見上げてくる。

 

 

「シンヤ?」

 

 

「な、何だ?」

 

 

「どこを見ているのかしら?」

 

 

「いや、別に……」

 

 

「ふふっ。ならいいわ」

 

 

レンは満足そうに笑った。

シンヤは空を仰いだ。

 

 

 

(……女の子同士の争いって、こんなに大変なのか)

 

 

 

こうして、タマムシシティで偶然再会したリーフは、旅の仲間であるレンに四対〇という完敗を喫することになった。

そしてシンヤは、改めて思い知る。

ポケモンバトルなら、どんな相手でも冷静に分析して対処できる。

 

 

 

 

 

しかし――。

 

女の子同士の火花散る戦いに関しては、どうやらまだまだ修行が必要らしい。

 

 

感想でもあったのですが特性を出すか出さないかについて。期限はある程度表が集まり次第まで

  • 出す。セキエイリーグから出す
  • 出さないか。ホウエンからでいいやろ
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総合評価:973/評価:8.17/連載:31話/更新日時:2026年10月18日(日) 10:03 小説情報

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総合評価:468/評価:8/連載:34話/更新日時:2026年10月17日(土) 20:25 小説情報

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なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


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孫悟空に憧れた青年が転生してサイヤ人になり、大切な人と共にヒーローを目指して、いつか“最強”のヒーローになるまでの物語。▼タイトル思い付かなかった……。※ドラゴンボールの知識が無くても多分問題ないです。


総合評価:753/評価:8.33/連載:7話/更新日時:2026年10月18日(日) 09:00 小説情報


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