ポケットモンスター~波動の眼を持つ少年~   作:レイザル

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ここでついにメタモンが仲間になった本当の意味が発覚ゥ
ですが今回は短いです。


第65話 メタモン限界突破!? メガシンカポケモンたちとの鏡合わせ!

◆メガシンカ同士のミラーマッチ!

 

 

ナナシマ・5のしま。

 

 

別荘の訓練場に、シンヤの主力ポケモンたちが集まっていた。

その中央にいるのは、いつもの紫色の体をしたメタモン。

 

 

そして、その向かい側にはリザードン、ギャラドス、スピアー、フーディン、ゲンガー、ハッサムが並んでいた。

 

 

いずれも、メガシンカに興味を示したことがあるポケモンたちだ。

ただし、全員が今日メガシンカするわけではない。実際に変身するのは、シンヤとポケモン自身が合意した組み合わせだけだ。

 

 

シンヤはメタモンの前にしゃがみ込む。

 

 

「今回は、メタモンに頑張ってもらうぞ」

 

 

「メタ!」

 

 

「相手の姿をコピーして、メガシンカポケモンとのミラーマッチをする。相手の姿や技を模倣したとき、どこまで能力を再現できるのか。それを調べたい」

 

 

レンが目を丸くした。

 

 

「ちょっと待って。メガシンカしたポケモンと何度も戦うってこと?」

 

 

「ああ」

 

 

「……メタモンの負担、相当なものにならないかしら?」

 

 

「そこは俺も気にしてる」

 

 

シンヤは苦笑する。

 

 

「だから、体調を確認しながら一戦ずつ行う。無理だと判断したら中止だ」

 

 

メタモンはシンヤの顔を見上げた。

そして、胸を張るように体を膨らませる。

 

 

「メタモン!」

 

 

その反応に、シンヤは少しだけ目を細めた。

 

 

 

 

 

――お前、昔からそういうところは変わらないな。

 

 

 

 

 

前世で一緒に旅をしたメタモン。

その記憶は、シンヤにとって特別なものだった。

 

 

もちろん、今ここにいるメタモンがどこまで前世の個体と同じなのか、完全に証明できたわけではない。

 

 

それでも、初めて再会したときから感じていた不思議な親しみと、こちらの意図を理解しているような反応。

 

 

そして、普通のメタモンとは思えないほどの粘り強さ。

シンヤは、そのすべてを確かめるようにメタモンの頭を撫でた。

 

 

「よし。それじゃあ、最初の相手は――ハッサムだ!」

 

 

「ハッサム!」

 

 

ハッサムは大きなハサミを打ち鳴らし、やる気を示した。

メガシンカに対する意欲は、今日も変わらない。

 

 

「まずは通常の姿で一戦。その後、互いの状態を確認してからメガシンカを使う」

 

 

シンヤは訓練場の安全装置を確認し、開始の合図を出した。

 

 

「バトル、開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆第一戦――ハッサム対メタモン

 

 

ハッサムが地面を蹴った。

一気に間合いを詰め、バレットパンチを放つ。

対するメタモンは、即座にハッサムの姿へ変身した。

 

 

同じ赤い装甲。

同じ大きなハサミ。

 

 

そして、同じ構え。

二匹のハッサムが向かい合うという、奇妙な光景が生まれた。

 

 

レンが思わず声を上げる。

 

 

「本当に見分けがつかないわね!」

 

 

「外見だけならな」

 

 

シンヤは二匹の動きを観察していた。

本物のハッサムがバレットパンチを繰り出す。

 

 

メタモンも同じように拳を振るった。

金属音が響き、二匹が弾き飛ばされる。

 

 

着地と同時に、ハッサムは間合いを変えた。

今度は真正面から攻めず、横へ回り込む。

 

 

メタモンも追従するが、わずかに動きが遅れた。

その隙を逃さず、ハッサムが再びバレットパンチを当てる。

 

 

「ハッサム!」

 

 

「なるほど。技は再現できても、動きの細かい癖までは完全に一致しないか」

 

 

シンヤは記録を取る。

 

 

「メタモン、相手の動きをそのままなぞるだけじゃ駄目だ。コピーした能力を使って、お前自身がどう戦うかを考えるんだ!」

 

 

「メタ!」

 

 

メタモンは立ち上がる。

今度は本物のハッサムが動くのを待たず、先に横へ踏み込んだ。

 

 

ハッサムが反応する。

二匹は互いにバレットパンチを放ち、再び正面からぶつかった。

 

 

今度は、ほぼ互角。

しかし、ハッサムはそこで攻撃を止めた。

 

 

相手の体調を気にするように、少し距離を取る。

シンヤも頷いた。

 

 

「ここまで。通常状態でのミラーマッチは十分だ」

 

 

メタモンが元の姿へ戻る。

少し息が上がっていたが、まだ余裕はありそうだった。

 

 

「よし、次は本番だ」

 

 

シンヤは左手のキーストーングローブを確認する。

 

 

「ハッサム。メガシンカの準備はいいか?」

 

 

「ハッサム!」

 

 

ハッサムは力強く頷いた。

シンヤはメタモンにも視線を向ける。

 

 

「メタモン、相手がメガシンカした姿をコピーできるかは、やってみないと分からない。無理だと思ったら、すぐに変身を解いていいからな」

 

 

メタモンは短く鳴いた。

そして、再びハッサムの姿へ変身した。

 

 

「いくぞ、ハッサム!」

 

 

キーストーンが輝く。

ハッサムのメガストーンが応える。

光が二匹を包み込んだ。

 

 

本物のハッサムは、メガシンカの光に包まれて姿を変える。

 

 

一方、メタモンの体も激しく揺れた。

一度、二度。

 

 

その輪郭が大きく変化する。

 

 

そして――。

 

 

二匹のメガハッサムが、訓練場に並び立った。

 

 

「成功した……!」

 

 

レンが驚きの声を上げる。

シンヤも目を見開いた。

 

「メガシンカした姿まで再現したのか!(その辺の仕様は違いなしか)」

 

 

ただし、メタモンの体は本物のメガハッサムよりも細かく震えていた。

明らかに負担が大きい。

 

 

「メタモン、状態はどうだ?」

 

 

「メタ!」

 

 

まだ戦える。

その意思を感じ取ったシンヤは、短い一戦に限って続行を許可した。

 

 

「よし。短期決戦だ! 開始!」

 

 

二匹が同時に動く。

メガハッサムの巨大なハサミが交差し、火花が散った。

 

 

本物のハッサムはテクニシャンを活かしたバレットパンチを繰り出す。

メタモンも同じ技で応じる。

攻撃の速さも、威力も、ほとんど互角。

 

 

しかし、わずかな差があった。

 

 

 

本物のハッサムは、長年の訓練で身につけた間合いの感覚を使っている。

対するメタモンは、その姿と技を再現しているものの、メガシンカした体を扱う経験がほとんどない。

 

 

一度、足がもつれた。

 

 

その瞬間、本物のハッサムが攻撃を止める。

シンヤも即座に判断した。

 

 

「そこまで!」

 

 

メタモンは変身を解除し、元の姿に戻った。

 

 

「メタ……」

 

 

疲労は大きい。

 

 

だが、メタモンは嬉しそうにシンヤを見上げた。

 

 

シンヤはすぐに駆け寄り、その体を抱き上げる。

 

 

「よく頑張った! メガシンカした姿までコピーできるとは思わなかったぞ!」

 

 

「メタモン!」

 

 

「でも、無理はするな。お前の負担が大きいことも分かったからな」

 

 

シンヤはメタモンを休憩場所へ連れていった。

本物のハッサムも、心配そうに後を追う。

 

 

「今回の結果は大きいな」

 

 

シンヤは記録を見直す。

 

 

「メガシンカした姿まで模倣できる可能性がある。ただし、体の扱いに慣れていない分、実際の戦闘では本物のポケモンに分がある」

 

 

レンも頷いた。

 

 

「姿と技を真似できても、経験までは真似できないのね」

 

 

「ああ。そこが大事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆第二戦――メガリザードンとの空中戦

 

 

メタモンが休憩を終えると、シンヤは次の相手を選んだ。

 

 

「次はリザードンだ」

 

 

「リザードン!」

 

 

リザードンは翼を広げ、力強く咆哮した。

シンヤはリザードンの前に立つ。

 

 

「メガシンカするかどうかは、お前の意思次第だ。今日はどうする?」

 

 

リザードンは、迷うことなく頷いた。

自分も、メガシンカした姿で戦う。トキワジム以来だと。

その意思は明確だった。

 

 

「分かった。だが、メタモンに合わせて短時間で終わらせるぞ」

 

 

「リザードン!」

 

 

メタモンも再びリザードンの姿へ変身する。

そして、二匹が同時にメガシンカした。

 

 

シンヤのリザードンは、黒い体に青い炎を宿したメガリザードンXへと変化する。

メタモンも、その姿を模倣した。

二匹のメガリザードンXが、訓練場の空へ舞い上がる。

 

 

「始め!」

 

 

本物のリザードンが翼を大きく広げ、上昇する。

メタモンも同じように上昇するが、動きがわずかにぎこちない。

 

 

本物のリザードンは、その違いを見逃さなかった。

空中で旋回し、相手の死角へ回り込む。

 

 

メタモンが追いかける。

 

 

二匹の距離が縮まった瞬間、本物のリザードンがドラゴンクローを放つ。

メタモンもドラゴンクローで応じた。

 

 

爪と爪がぶつかり、火花が散る。

二匹は反動で距離を取った。

 

 

「すごい……! どちらもメガシンカしているから、迫力が段違いね!」

 

 

レンの声が響く。

しかし、シンヤは冷静に観察していた。

 

 

本物のリザードンは、空中での姿勢制御が非常にうまい。

メタモンは能力を模倣していても、翼の動かし方や重心の調整にわずかな遅れがある。

 

 

その差が、徐々に広がっていった。

本物のリザードンが急上昇し、反転する。

メタモンは追従しようとするが、旋回が遅れた。

 

 

「そこまで!」

 

 

シンヤはすぐに終了を指示した。

二匹は着地する。

メタモンは元の姿へ戻ると、その場にぺたりと座り込んだ。

 

 

「メタ……」

 

 

「お疲れさま。よくやったぞ」

 

 

シンヤはメタモンの体調を確認する。

リザードンも近づき、心配そうに顔を覗き込んだ。

 

 

「リザー」

 

 

「大丈夫だ。少し疲れているだけだよ」

 

 

シンヤはメタモンを休ませながら、記録をまとめた。

 

 

「空中戦では、単純な能力だけじゃなく、飛行経験や姿勢制御が大きな差になる。リザードンの動きを真似できても、長年の経験まで一瞬で身につくわけじゃない」

 

 

リザードンは納得したように頷いた。

メタモンも、疲れながら満足そうに鳴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆第三戦――メガゲンガーの奇襲

 

 

次の相手はゲンガーだった。

ゲンガーは、メタモンの前で不気味に笑う。

 

 

「ゲンゲン!」

 

 

「お前もやる気か」

 

 

シンヤが尋ねると、ゲンガーは頷いた。

ただし、シンヤはメタモンの疲労を確認してから判断した。

 

 

「今回も短時間。変身後の状態を確認したら、攻防を一度ずつ行って終了だ」

 

 

メタモンは元気よく鳴いた。

ゲンガーがメガシンカすると、その姿はさらに不気味なものへと変化する。

 

 

メタモンもその姿を模倣した。

二匹のメガゲンガーが、訓練場に浮かび上がる。

 

 

「開始!」

 

 

本物のメガゲンガーが影へ潜り込む。

メタモンも追いかけようとするが、動きにわずかな迷いが生じた。

 

 

本物のゲンガーは、その隙を突いて背後へ回り込む。

しかし、攻撃する直前で動きを止めた。

 

 

メタモンが無理をしていると察したのだ。

シンヤはすぐに終了を告げた。

 

 

「ここまでだ。ゲンガー、ありがとう」

 

 

メタモンは変身を解除する。

疲労は先ほどよりも大きかった。

 

 

「やっぱり、特殊な動きをするポケモンほど、コピーする負担も大きいのかもしれないな」

 

 

シンヤはメタモンを抱き上げた。

 

 

「今日はこれ以上のメガシンカ模擬戦は中止だ」

 

 

メタモンは少し不満そうに鳴いた。

 

 

「メタ……」

 

 

「気持ちは分かる。でも、今日の目的は限界まで酷使することじゃない。どこまでできるかを確かめて、今後の訓練に活かすことだ」

 

 

シンヤは優しく頭を撫でた。

 

 

「お前が頑張ってくれたおかげで、かなりのデータが取れた。十分すぎる成果だよ」

 

 

メタモンは、ようやく納得したように鳴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆訓練の成果――模倣できるもの、できないもの

 

 

夕方。

 

 

シンヤは、今日の訓練結果をまとめていた。

レンが隣から覗き込む。

 

 

「それで、今回の結論は?」

 

 

「大きく三つだな」

 

 

シンヤは指を立てる。

 

 

「一つ目。メタモンは、メガシンカしたポケモンの姿まで模倣できる可能性が高い。ただし、今回確認できたのはハッサム、リザードン、ゲンガーの三種類だけだ。ほかのポケモンでも同じ結果になるとは限らない」

 

 

「二つ目は?」

 

 

「模倣した姿や技を扱えても、元のポケモンの経験や癖まで完全に再現できるわけじゃない。特に、空中戦や特殊な移動を使う相手では、その差が出やすい」

 

 

レンは頷く。

 

 

「そして三つ目は、メタモンの負担ね」

 

 

「ああ。メガシンカした姿を模倣するのは、通常の変身よりも負担が大きい可能性がある。今回は三戦で中止したけど、今後はもっと慎重に進める必要がある」

 

 

シンヤは、休憩所で眠っているメタモンを見た。

 

 

「……それでも、よく頑張ってくれた」

 

 

かつて前世で一緒に旅をしたメタモン。

その経験が今の個体にどこまで受け継がれているのか、まだ分からない。

 

 

けれど、今日のメタモンの姿には、確かな粘り強さがあった。

シンヤは静かに笑った。

 

 

「リーグまでに、もっといろんな相手と戦ってみよう。ただし、次からは一日に一回のメガシンカ模擬戦を基本にする。連戦で無理をさせることはしない」

 

 

レンは微笑んだ。

 

 

「ふふっ。シンヤにしては、ずいぶん慎重ね」

 

 

「当たり前だろ。大切な仲間を壊すような訓練に意味はない」

 

 

その言葉に、レンは少しだけ頬を赤くした。

 

 

「……そういうところ、嫌いじゃないわよ」

 

 

「ん? 何か言ったか?」

 

 

「な、何でもないわ!」

 

 

レンは顔を背ける。

シンヤは首を傾げながら、再びメタモンの様子を確認した。

 

 

訓練場の片隅では、ハッサムが次の模擬戦に備えて静かに体を動かしている。

メガシンカへの意欲は、少しも衰えていないようだった。

 

 

こうして、メタモンによるメガシンカポケモンとのミラーマッチは、大きな成果と新たな課題を残して幕を閉じた。

 

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