ポケットモンスター~波動の眼を持つ少年~   作:レイザル

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うちの主人公のシンヤ君はどんどん、初めて会うポケモンは全部捕まえていってます。
まあ、図鑑埋めも目的という感じですね。
そして捕まえたメンツからメインにするポケモンを決める→育成
実家のポケモン達の育成もしっかりします。しかも実家には両親のポケモン達がいるので
訓練は問題ないのです。


第7話「22番道路の新たな出会い!ポッポ、初めての6連戦!」

◆ポケモンセンターから実家へ!増えていく仲間たち

 

 

トキワシティのポケモンセンター。

ヒトカゲとポッポ、そしてコイキングを連れて戻ってきたシンヤは、まずジョーイさんにヒトカゲの状態を確認してもらうことにした。

 

 

今日だけで、ヒトカゲは水ポケモンたちとの5連戦を経験している。

炎技が通りにくい相手もいたが、地形を利用したり、相手の動きを観察して攻撃を避けたりと、得るものは多かった。

だからこそ、疲労を放置するわけにはいかない。

 

 

「ヒトカゲ、今日は本当によく頑張ったな。しっかり休んでくれ」

 

 

「カゲェ!」

 

 

ヒトカゲは元気よく鳴いたものの、シンヤは念のため休ませることにした。

その間、彼は父親からもらった通信機器を取り出し、実家へ連絡を入れる。

 

 

画面がつながると、母親が笑顔で出迎えてくれた。

 

 

「もしもし、シンヤ? どうしたの?」

 

 

「母さん、ちょっとお願いがあってさ」

 

 

「お願い?」

 

 

「うん。今日捕まえたポケモンたちなんだけど、コイキング以外の4匹を実家に送ろうと思うんだ」

 

 

「……えっ?」

 

 

母親の表情が固まった。

 

 

「4匹って……ちょっと待って、シンヤ。あなた、もうそんなに捕まえたの!?」

 

 

「うん。トキワシティの近くに小さな池があってさ。そこでコダック、ヤドン、コイキング、ニョロモ、トサキントを捕まえたんだよ」

 

 

「5匹も!?」

 

 

「そうそう。で、コイキングは今の手持ちにすることにしたから、残りの4匹をお願いしたいんだ」

 

 

母親は驚いた表情のまま、しばらく画面越しにシンヤを見つめていた。

 

 

「……あなた、旅に出てまだそんなに経っていないわよね?」

 

 

「まあ、そうだね」

 

 

「それなのに、もうポケモンがこんなに増えているなんて……」

 

 

「いやあ、出会いがあったら仲間にしたくなるだろ?」

 

 

シンヤが笑って答えると、母親は困ったように笑いながらも、すぐに頷いた。

 

 

「もちろん、いいわよ。こちらで大切に預かるわ」

 

 

「ありがとう、母さん!」

 

 

シンヤは早速、4匹のモンスターボールを父親の発明したバッグの転送機能で実家へ送る準備を始めた。

コイキングを手元に残し、コダック、ヤドン、ニョロモ、トサキントは実家で預かってもらう。

 

 

捕まえたポケモンを単にボールの中へ入れたままにするのではなく、それぞれに合った環境で暮らせるようにするためだ。

 

 

「そういえば、母さん。これからポケモンリーグの入り口がある22番道路にも行こうと思っているんだ」

 

 

「22番道路?」

「うん。あっちにも野生のポケモンがいるだろうし、もしかしたら新しい仲間が増えるかもしれない」

 

 

母親は一瞬だけ目を丸くし、それから楽しそうに笑った。

 

 

「まあ! いいじゃない。たくさんのポケモンと出会えるのは素敵なことよ」

 

 

そして、まるで何でもないことのように、こう続けた。

 

 

「うちの庭なら、どれだけ増えても大丈夫だから」

 

 

「……え?」

 

 

シンヤは思わず聞き返した。

 

 

「どれだけって、どれくらい?」

「そうねえ。400匹でも500匹でも……何だったら1000匹だろうと、ちゃんと暮らせる環境は用意してあるわよ」

 

 

「…………は?」

 

 

シンヤは固まった。

 

 

「いや、母さん。400とか500、1000匹ってわかってる?ポケモンの数の話だよな?」

 

 

「もちろんよ?」

 

 

母親は不思議そうに首をかしげた。

 

 

「うちの土地には、ポケモンたちのタイプや生態に合わせた環境を用意してあるもの。水辺で暮らす子たちの場所もあるし、草地や森で過ごす子たちの場所もあるわ。暑い場所が好きな子も、涼しい場所が好きな子も、できるだけ快適に暮らせるようにしてあるの」

 

 

「…………」

 

 

「だから、シンヤが旅先でたくさんのポケモンを仲間にしても、そこは心配しなくていいわ」

 

 

シンヤはゆっくりと天井を見上げた。

 

 

(……マジで、うちの庭ってどのくらい広いんだ?)

 

 

そもそも、家の敷地が広いことは知っていた。

大きな家に、父親の研究や発明のための工房。ポケモンたちが暮らすための土地。さらに、まだ入ったことのない地下室まである。

だが、400匹、500匹という数字を聞くと、もはや普通の家庭の庭という規模ではない。

 

 

そして、シンヤには思い当たる話があった。

 

 

「……そういえば、父さんと母さんって、実家の後ろに見える山とか川とか、海までうちの土地だって言ってなかった?」

 

 

「ええ、そうよ?」

 

 

「…………本当に?」

 

 

「本当よ?」

 

 

(いやいやいやいや……!)

 

 

シンヤは心の中で叫んだ。

 

 

(田舎に分類されるマサラタウンだからって、そんなに土地を持ってていいのか!?)

 

 

もちろん、マサラタウンが都会ではないことは知っている。

だが、山も川も海も敷地に含まれるとなると、もはや「庭」という言葉の意味が分からなくなってくる。

 

 

「……俺、旅から帰ったら、まず実家の敷地を一周してみようかな」

 

 

「ふふっ。そうね。帰ってきたら案内してあげるわ」

 

 

母親は楽しそうに笑った。

 

 

シンヤは苦笑するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

◆実家の秘密!数百人以上のスタッフがいる!?

 

 

「ところで、母さん。さっきから気になっていることがあるんだけど」

 

 

「なあに?」

 

 

「うちの土地って、母さんと父さん、それに俺しか住んでいないよな?」

 

 

「ええ。家族で暮らしているわね」

 

 

「じゃあ、あの広大な土地の管理って、誰がやっているんだ?」

 

 

母親は、ああ、と納得したように頷いた。

 

 

「そのことね。普段は専門の人たちにお願いしているのよ」

 

 

「……専門の人?」

 

 

「ええ。ポケモンブリーダーやポケモンドクター、それに助手の方たち。お父さんの発明を手伝ってくれている人たちもいるわ」

 

 

「…………は?」

 

 

シンヤはまたもや固まった。

 

 

「ちょっと待って。そんな人たち、いたの?」

 

 

「いたわよ?」

 

 

「いや、俺、一度も会ったことがないんだけど!?」

 

 

「だって、最近はお父さんの研究も落ち着いていたし、あなたも旅に出る前だったでしょ

う? だから、みんなにまとまった休暇を取ってもらっていたのよ」

 

 

母親は、まるで当たり前のことを説明するように続けた。

 

 

「お母さんの実家には、昔からポケモンの飼育や健康管理を専門にしている人たちがいたの。そこから来てくれているブリーダーやドクターがいるでしょう?」

 

 

「う、うん……」

 

 

「それから、お父さんの発明を手伝う人たち。ポケモンたちが自然に落とす素材を集めたり、素材の品質を調べたり、ポケモンたちが暮らす環境を整えたりしているの」

 

 

「……つまり、うちにはポケモンの世話をする専門家と、父さんの研究を支える技術者がいるってこと?」

 

 

「そういうことね」

 

 

シンヤは額に手を当てた。

 

 

(俺の知らないところで、実家がとんでもない組織になっていた……)

 

 

「それで、何人くらいいるんだ?」

 

 

「ええと……数百人以上かしら」

 

 

「数百人以上!?」

 

 

シンヤは思わず声を上げた。

 

 

母親は楽しそうに笑う。

 

 

「まだまだ増えると思うわよ。ブリーダーやドクターの方たちには、それぞれ人脈があるでしょう? お父さんの発明に興味を持っている研究者や技術者もいるし、必要になれば協力してくれる人を紹介してもらえるの」

 

 

「……うちって、そんなに大きな家だったっけ?」

 

 

「大きな家よ?」

 

 

「いや、それは知ってるけどさ……!」

 

 

シンヤは深く息を吐いた。

父親が優秀な発明家で、母親もポケモンに詳しい。それは知っていた。

しかし、両親の活動を支える人々が数百人以上もいるとは、さすがに想像していなかった。

 

 

「……分かった。とにかく、今回送る4匹のことをよろしく頼むよ」

 

 

「もちろん。みんなにきちんと紹介するわね」

 

 

母親は微笑んだ。

 

 

「それに、シンヤが旅に出たら、また忙しくなると思っていたから。ちょうどいい時期に

休暇を取ってもらったのよ」

 

 

「……まさか、俺が旅に出ることも関係していたのか?」

 

 

「ええ。あなたがたくさんのポケモンを仲間にするかもしれないでしょう? だから、受

け入れる準備もしておきたかったの」

 

 

(……母さん、俺のことをどれだけ捕獲する人間だと思っているんだ?)

 

 

そう思いつつも、シンヤは反論できなかった。

実際、旅に出て間もないのに、すでに複数のポケモンを仲間にしているのだから。

 

 

「じゃあ、4匹を送るね。みんなによろしく伝えておいて」

 

 

「分かったわ。シンヤも、ポケモンたちを大切にね」

 

 

「もちろん!」

 

 

シンヤは通信を終える前に、送る予定のモンスターボールを並べた。

 

 

「コダック、ヤドン、ニョロモ、トサキント。これからは実家で、父さんと母さんのポケモンたち、それから先に送ったコラッタとも仲良くするんだぞ」

 

 

それぞれのボールを見つめ、シンヤは優しく声をかける。

 

 

「俺が旅を続けている間、みんなが快適に過ごせるようにお願いしてあるからな。また一緒に旅をしたくなったら、そのときは迎えに行くよ」

 

 

そして、父親の発明したバッグを使い、4匹のボールを実家へ送った。

画面の向こうでは、母親が受け取ったボールを大切に抱えている。

 

 

「みんな、いらっしゃい。ここでゆっくり過ごしてね」

「コダック、ヤドン、ニョロモ、トサキント。父さんと母さんのポケモンたち、コラッタ、それからこれから送られてくる仲間たちとも仲良くするんだぞ!」

 

 

シンヤの言葉に応えるように、母親の後ろから何匹かのポケモンが顔をのぞかせた。

 

 

「……よし。これで安心だな」

 

 

通信を終えたシンヤは、バッグを背負い直した。

 

 

(それにしても、帰ったら本当に敷地を一周してみよう。山と川と海まであるなら、いったいどこまでがうちの土地なんだ……?)

 

 

旅の目的とは別の疑問が、ひとつ増えたのだった。

 

 

 

 

 

 

◆22番道路へ!ポッポの空中偵察!

 

 

ヒトカゲの回復が終わると、シンヤはジョーイさんに礼を言い、ポケモンセンターを出た。

 

 

「よし、みんな。次は22番道路に向かうぞ!」

 

 

「カゲーッ!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

シンヤはヒトカゲをボールに戻し、ポッポと並んで歩き始めた。

今回の目的地は、トキワシティから西へ進んだ先にある22番道路。ポケモンリーグへ続く大きなゲートがある場所だ。

 

 

「ポッポ、少し上空から周囲を確認してくれるか?」

 

 

「ポッポ!」

 

 

ポッポは翼を広げ、空へと舞い上がった。

 

 

「今の手持ちにいないポケモンを見つけたら、その数だけ鳴いて知らせてくれ。無理に近づく必要はないからな。危なそうな相手がいたら、距離を取ってくれよ!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

ポッポは一度旋回してから、道路の先へ飛んでいった。

シンヤは歩きながら、空を飛ぶポッポの姿を見上げる。

 

 

(ポッポの技は、たいあたり、すなかけ、かぜおこし。今のところ、これが確認できている技だ)

 

 

どれも一見すると基本的な技だが、使い方によっては十分な戦術になる。

たいあたりは接近戦での攻撃。すなかけは相手の視界を乱し、攻撃を当てにくくする。かぜおこしは飛行中の相手への攻撃や、風を利用した牽制に使える。

 

 

特に、空を飛べるポッポにとって、相手の頭上や側面から風を起こす戦い方は重要になるだろう。

 

 

(まずは、ポッポ自身がどう戦いたいのかを見てみたいな。空中から攻めるのが得意なのか、地上に降りてからの動きも優れているのか。それとも、すなかけで相手を翻弄するのが得意なのか……)

 

 

そのときだった。

 

 

「ポッポー!」

 

 

上空から、ポッポの鳴き声が響いた。

シンヤは足を止め、指を折って数える。

 

 

「……1回、2回、3回、4回、5回、6回!」

 

 

ポッポは、あらかじめ決めた合図どおり、6回鳴いて知らせてきた。

 

 

「なるほど。今の手持ち以外のポケモンが6匹いるってことか!」

 

 

シンヤは笑みを浮かべた。

 

 

「よし、ポッポ! 案内してくれ!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

ポッポは翼を傾け、道路脇の草むらへと向かっていった。

シンヤもその後を追う。

やがて、大きなゲートが見えてきた。

 

 

その周辺には草むらが広がり、木々や岩場も点在している。ポケモンが隠れて暮らすには、十分な環境だった。

 

 

「ここか……」

 

 

ポッポが少し低く飛び、ある場所の上空で旋回した。

そして、シンヤの近くへと降りてくる。

 

 

「ポッポ!」

 

 

「ありがとう、ポッポ。よく見つけてくれたな!」

 

 

シンヤはポッポを優しく撫でた。

 

 

「ポッポー♪」

 

 

さて、いったいどんなポケモンがいるのだろうか。

シンヤが草むらを観察すると、そこには6匹の姿があった。

ニドラン♂、ニドラン♀、オニスズメ、マンキー、ポニータ、ドード。

 

 

「おお……! これはまた、面白い顔ぶれだな!」

 

 

シンヤの目が輝いた。

ニドラン♂とニドラン♀は、見た目だけでなく性別によっても違いがあるポケモンだ。オニスズメは空中戦が得意そうだし、マンキーは身軽さと気性の荒さに注意が必要だろう。

ポニータは炎をまとったたてがみが特徴的で、ドードは二つの頭を持つ独特な鳥ポケモンだ。

 

 

「よし……今回はポッポに任せてみよう!」

 

 

シンヤはポッポに向き直った。

 

 

「ポッポ。今度はお前の実力を見せてくれ。6匹とのバトル、順番に挑戦してみよう!」

 

 

「ポッポーッ!」

 

 

ポッポは翼を大きく広げ、力強く鳴いた。

ヒトカゲの5連戦に続き、今度はポッポの6連戦が始まる。

 

 

シンヤは決して、ポッポに無理をさせるつもりはなかった。途中で疲労が強くなれば休憩を挟むし、傷を負えばすぐに中断する。

勝つことだけが目的ではない。

 

 

この6匹とのバトルを通じて、ポッポの得意なこと、苦手なこと、そして今後伸ばせる可能性を見極めるのだ。

 

 

「それじゃあ、まずはニドラン♂からだ!」

 

 

 

 

 

 

◆第一戦!ニドラン♂――すなかけで隙を作れ!

 

 

草むらから、紫色の小さなポケモンが姿を現した。

頭には小さな角。大きな耳をぴんと立て、ポッポを警戒している。

 

 

「ニドッ!」

 

 

「ニドラン♂か。よし、ポッポ。まずは相手の動きを観察しよう!」

 

 

「ポッポ!」

 

 

ニドラン♂は地面を蹴り、ポッポへと突進した。

 

 

「ニドラン、たいあたり!」

 

 

シンヤはすぐに指示を出す。

 

 

「ポッポ、上へ!」

 

 

ポッポは翼を羽ばたかせ、突進をかわした。

ニドラン♂は勢いのまま通り過ぎ、すぐに振り返る。

 

 

「なるほど、地上での突進が得意そうだな。ポッポ、無理に降りなくていい。かぜおこし!」

 

 

「ポッポーッ!」

 

 

ポッポが翼を大きく動かすと、風がニドラン♂へと吹きつけた。

ニドラン♂は前足を踏ん張り、風に押されながらも耐える。

 

 

「おっ、思ったより踏ん張るな!」

 

 

ニドラン♂は風が弱まった瞬間、再び突進した。

だが、ポッポは真正面から逃げるのではなく、斜め上へと飛び上がった。

 

 

「いいぞ! そのまま旋回して、すなかけ!」

 

 

ポッポは低空を飛びながら、地面近くを通過する。

翼が巻き上げた砂が、ニドラン♂の顔の近くへと舞い上がった。

 

 

「ニドッ!?」

 

 

ニドラン♂は驚いて足を止め、目を細めた。

 

 

「今だ、距離を取れ!」

 

 

ポッポはすぐに高度を上げる。

ニドラン♂は見失った相手を探そうと首を振ったが、ポッポはその間に位置を変えていた。

 

 

「よし、もう一度かぜおこし! 今度は正面からじゃなく、横から風を当ててくれ!」

 

 

「ポッポーッ!」

 

 

風が横から吹きつけ、ニドラン♂の体勢を崩す。

ニドラン♂は踏ん張ろうとしたが、視界が乱れていることもあって、うまく足を運べなかった。

 

 

「よし、ポッポ。たいあたり!」

 

 

ポッポは高度を落とし、ニドラン♂の側面へと体当たりを仕掛けた。

 

 

ドンッ!

 

 

ニドラン♂は地面を転がり、すぐに立ち上がろうとしたものの、戦意は弱まっていた。

 

 

シンヤはモンスターボールを取り出した。

 

 

「ニドラン♂、よかったら俺と一緒に来てくれ!」

 

 

ボールがニドラン♂を包み込む。

 

 

一回、二回、三回。

 

 

カチッ!

 

 

「よし! ニドラン♂、ゲット!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

「よくやった、ポッポ! 相手の突進を無理に受けず、空中から動きを見て、すなかけで隙を作った。いい戦い方だったぞ!」

 

 

ポッポは嬉しそうに胸を張った。

 

 

(なるほど。ポッポは空中から相手の動きを見て、攻撃のタイミングを選ぶのが得意なのかもしれないな)

 

 

シンヤはニドラン♂のボールをバッグにしまい、ポッポの状態も確認した。

大きな疲労は見られない。

 

 

「よし、次に行こう!」

 

 

 

 

 

 

◆第二戦!ニドラン♀――素早い動きを見極めろ!

 

 

続いて、草むらの奥から姿を現したのは、青い体のニドラン♀だった。

 

 

「ニドッ!」

 

 

ニドラン♀はニドラン♂よりも小柄に見えたが、シンヤは体格だけで強さを判断しなかった。

波動の眼で観察すると、体調は良好。動きに無駄が少なく、周囲への警戒も強い。

 

 

「今度はニドラン♀か。ポッポ、相手の動きをよく見ていこう!」

「ポッポ!」

 

 

ニドラン♀は左右に小さく動き、ポッポとの距離を測っている。

 

 

「なるほど、正面から突っ込むつもりはなさそうだな……」

 

 

シンヤがそう考えた瞬間、ニドラン♀が地面を蹴った。

低い姿勢から一気に距離を詰める。

 

 

「ポッポ、上へ逃げろ!」

 

 

ポッポが羽ばたく。

しかし、ニドラン♀はその場で跳び上がり、ポッポの飛行経路へと迫った。

 

 

「おっと! 地上からでも、かなり跳べるのか!」

 

 

ポッポは空中で体をひねり、ぎりぎりのところで回避した。

 

 

「ポッポ!」

 

 

「大丈夫か!? よし、無理に低空へ戻らなくていい!」

 

 

ニドラン♀は着地すると、すぐにポッポの方を見上げた。

シンヤは考える。

 

 

(ニドラン♀は、相手が飛んだからといって攻撃を諦めない。なら、空中で距離を取るだけじゃなく、相手の視線や動きを誘導する必要があるな)

 

 

「ポッポ、かぜおこし! ニドラン♀の正面に風を当てて!」

 

 

ポッポは翼を動かし、風を吹きつける。

ニドラン♀は体を低くして風を受け止めた。

だが、今度はすぐに突進してこない。

むしろ、風の弱まる瞬間を待っているようだった。

 

 

「……なるほど、慎重な子だな」

 

 

シンヤは口元を緩めた。

 

 

「だったら、こっちも工夫しよう。ポッポ、少しだけ低く飛んで、相手が動いたらすぐ上昇だ!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

ポッポはニドラン♀の正面へと低く飛んでいく。

ニドラン♀が動いた。

 

 

「今だ、すなかけ!」

 

 

ポッポは地面すれすれを通過し、砂を巻き上げた。

ニドラン♀は目を細め、足を止める。

その瞬間、ポッポは急上昇した。

ニドラン♀は上を見上げたが、すでにポッポは頭上を通り過ぎていた。

 

 

「よし! かぜおこし!」

 

 

今度は横から風が吹きつける。

ニドラン♀は踏ん張ったものの、視界が乱れた状態では、ポッポの位置を正確に捉えられない。

 

 

「ポッポ、たいあたり!」

ポッポは上空から勢いをつけて急降下し、ニドラン♀の側面に体当たりした。

ニドラン♀は地面へ倒れ込み、しばらくして立ち上がったものの、もう一度突進する様子はなかった。

 

 

「よし、ここまでだ!」

 

 

シンヤはモンスターボールを投げた。

 

 

ボールがニドラン♀を包み込む。

 

 

一回、二回、三回。

 

 

カチッ!

 

 

「ニドラン♀、ゲット!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

シンヤはポッポを褒めながら、ニドラン♀のボールを回収した。

 

 

「よく頑張ったな、ポッポ。さっきは相手が跳び上がってきたけど、慌てずに距離を取れた。相手が動いた瞬間を狙えたのもよかったぞ」

 

 

ポッポは嬉しそうに鳴いた。

 

 

(ニドラン♂とは違って、ニドラン♀は動きが慎重だった。同じ種類のポケモンでも、性格や戦い方は違うんだな)

 

 

シンヤは改めてそのことを心に留めた。

 

 

 

 

 

 

◆第三戦!オニスズメ――空中戦でポッポの実力を試せ!

 

 

次に姿を現したのは、茶色い体と鋭いくちばしを持つ鳥ポケモンだった。

 

 

「オニスズメ!」

 

 

オニスズメはポッポを見つけると、翼を広げて鳴き声を上げた。

 

 

「オニィーッ!」

 

 

ポッポも負けじと鳴き返す。

 

 

「ポッポーッ!」

 

 

「おお、やる気だな。だけど、無理はするなよ!」

 

 

シンヤが声をかけると、ポッポは一度こちらを見てから、オニスズメに向き直った。

オニスズメは地面を蹴り、勢いよく空へ舞い上がった。

そのまま、ポッポへと一直線に飛んでくる。

 

 

「速いな……!」

 

 

シンヤはすぐに指示を出した。

 

 

「ポッポ、正面からぶつからない! 横へ旋回しろ!」

 

 

ポッポは翼を傾け、相手の突進をかわした。

オニスズメはすぐに旋回し、再びポッポを追いかける。

 

 

「なるほど、空中での追尾も得意なのか!」

 

 

オニスズメは何度も角度を変え、ポッポの後ろを取ろうとする。

ポッポは高度を変えながら逃げるが、オニスズメも簡単には振り切られない。

 

 

(同じ鳥ポケモンでも、飛び方が違う。オニスズメは直線的な加速と追いかける力が強いのかもしれない)

 

 

シンヤは周囲を見渡した。

近くには木々が立ち並び、その間には狭い空間がある。

 

 

「ポッポ、あの木々の間へ飛び込め!」

 

 

「ポッポ!」

 

 

ポッポは木々の間をすり抜けるように飛んだ。

オニスズメも後を追う。

だが、勢いをつけていたオニスズメは、木々の間で急な方向転換をすることが難しかった。

 

 

翼を大きく動かし、木の枝を避けるために高度を変える。

その瞬間、ポッポは反転した。

 

 

「今だ! かぜおこし!」

 

 

ポッポが翼を大きく動かす。

狭い木々の間に風が吹き抜け、オニスズメの体勢が崩れた。

 

 

「オニッ!?」

 

 

オニスズメは枝にぶつからないように必死に翼を動かし、なんとか体勢を立て直した。

しかし、ポッポはすでに木々の外へ飛び出していた。

 

 

「よし! そのまま距離を取って、相手が出てくるのを待て!」

 

 

オニスズメが木々の間から飛び出した瞬間、ポッポはすぐに高度を上げた。

 

 

「すなかけ!」

 

 

ポッポは地面近くをかすめるように飛び、巻き上がった砂をオニスズメの進行方向へと飛ばした。オニスズメは目を細め、飛行の勢いを緩める。

 

 

「今だ、たいあたり!」

 

 

ポッポは方向を変え、オニスズメの横から体当たりを仕掛けた。

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

オニスズメは空中で体勢を崩し、地面へと降り立った。

まだ飛び立とうとしたが、ポッポを追いかけ続ける余裕はなさそうだった。

 

 

「よし、ここまでだ!」

 

 

シンヤはモンスターボールを投げる。

 

 

ボールがオニスズメを包み込んだ。

 

 

一回、二回、三回。

 

 

カチッ!

 

 

「オニスズメ、ゲット!」

 

 

「ポッポーッ!」

 

 

ポッポが嬉しそうに空を旋回する。

 

 

「よくやった! 相手の速さに付き合わず、木々を使って動きを制限したのはよかったぞ!」

 

 

シンヤはポッポを見上げた。

 

 

「ただし、今の戦いは少し負担が大きかったかもしれないな。次の相手に行く前に、少し休憩しよう」

 

 

ポッポはシンヤの肩へと降り立った。

シンヤは水を用意し、ポッポが落ち着くまで待つ。

 

 

(空中戦はポッポにとってもいい経験になったはずだ。でも、6連戦だからな。体力の管理はしっかりしないと)

 

 

ポッポが元気を取り戻したのを確認してから、シンヤは次の相手へと目を向けた。

 

 

 

 

 

 

◆第四戦!マンキー――怒りに任せた突進をかわしきれ!

 

 

草むらから現れたのは、丸い体と短い手足を持つサルのようなポケモン。

マンキーだった。

 

 

「マンキー!」

 

 

マンキーはポッポを見るなり、怒ったように声を上げた。

 

 

「……なんだか、最初からかなり怒っているな」

シンヤは苦笑した。

マンキーは地面を蹴り、ポッポへと突進する。

鋭い動きで腕を振り下ろすマンキー。ポッポは急上昇してかわした。

 

 

「おおっ、近接攻撃が得意そうだな!」

 

 

マンキーは攻撃を外しても、すぐに跳び上がり、ポッポを追いかけようとする。

 

 

「ポッポ、無理に近づくな! まずは相手の動きを見て!」

 

 

ポッポは距離を取り、上空からマンキーの動きを観察する。

マンキーは地面を走り回り、時には木の幹を蹴って跳び上がるなど、予想以上に動きが激しかった。

 

 

「なるほど、足場を利用するのも上手いのか……!」

 

 

マンキーは木の幹を蹴り、斜め上へと跳躍した。

 

 

ポッポへ向かって腕を振り下ろす。

 

 

「ポッポ、右へ!」

 

 

ポッポはぎりぎりでかわしたが、マンキーの攻撃が翼の近くをかすめた。

 

 

「ポッポ!?」

 

 

「大丈夫か!? 距離を取れ!」

ポッポは急いで高度を上げた。

シンヤは波動の眼でポッポの状態を確認する。大きな負傷は見られないが、これ以上の接近戦は避けた方がよさそうだった。

 

 

(マンキーは怒りに任せているように見えるけど、動きそのものは速い。無理にたいあたりを当てに行くと、反撃を受ける危険があるな)

 

 

シンヤは戦い方を変えることにした。

 

 

「ポッポ、かぜおこし! マンキーを押し返すんじゃなくて、足元の砂を巻き上げるんだ!」

 

 

「ポッポーッ!」

ポッポが翼を動かすと、地面の砂や枯れ葉が舞い上がった。

マンキーは目を細め、腕で顔をかばう。

 

 

「今だ、すなかけ!」

 

 

ポッポはさらに低く飛び、砂をマンキーの前方へと散らした。

マンキーは怒って飛び出そうとしたが、足元が見えにくくなり、踏み込む位置を誤った。

 

 

「マンキー!?」

 

 

体勢が崩れた瞬間、ポッポは上空へと逃れた。

 

 

「よし、今度は相手の正面を避けて、たいあたり!」

 

 

ポッポは横から急降下し、マンキーの側面へ体当たりを仕掛ける。

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

マンキーは後ろへよろめいた。

それでも、まだ戦う気力は残っている。マンキーは再び拳を構えた。

 

 

しかし、シンヤはここで無理に攻撃を続ける必要はないと判断した。

 

 

「ポッポ、距離を取って。相手の動きを見ていこう」

 

 

ポッポは上空で旋回し、マンキーの様子をうかがう。

マンキーはしばらく拳を握りしめていたが、やがて攻撃をやめ、荒い息を吐いた。

 

 

「……よし、ここまでだな」

 

 

シンヤはモンスターボールを投げた。

 

 

赤い光がマンキーを包み込む。

 

 

ボールが地面に落ち、揺れ始めた。

 

 

一回。

 

 

二回。

 

 

三回。

 

 

カチッ!

 

 

「マンキー、ゲット!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

「よく頑張ったな、ポッポ。相手の勢いに飲まれず、距離を取って戦えたのは大きいぞ」

 

 

ポッポは少し疲れた様子だったが、嬉しそうに鳴いた。

シンヤはすぐにポッポを休ませ、水を飲ませた。

 

 

「残りは2匹だ。疲れが強くなったら、そこで終わりにしよう。無理して続ける必要はないからな」

 

 

「ポッポ!」

 

 

ポッポは再び翼を広げた。

まだ戦う気持ちは十分にあるようだ。

 

 

 

 

 

 

◆第五戦!ポニータ――炎のたてがみを持つポケモン!

 

 

次に現れたのは、美しい炎のたてがみを持つポケモンだった。

 

 

「ポニータ……!」

 

 

ポニータは草むらの向こうから姿を現すと、軽やかに地面を蹴った。

そのたてがみと尻尾は炎のように揺れ、周囲の空気がわずかに熱を帯びている。

 

 

「綺麗なポケモンだな……」

 

 

シンヤは思わず見とれた。

だが、すぐに気を引き締める。

 

 

「見た目に気を取られている場合じゃないな。ポッポ、相手の動きをよく見て!」

 

 

「ポッポ!」

 

 

ポニータは地面を蹴り、勢いよく走り出した。

その速度は、これまでの相手とは明らかに違った。

 

 

「速い!」

 

 

ポニータは草むらを駆け抜け、ポッポの下を通り過ぎるように走る。

そして、急に方向を変え、再びポッポへ向かってきた。

 

 

「ポッポ、上へ!」

 

ポッポは翼を羽ばたかせて上昇した。

ポニータはその下を通り過ぎ、地面を蹴って跳び上がる。

 

 

ポッポは空中で体をひねり、なんとか回避した。

 

 

「なるほど、地上でのスピードだけじゃなく、跳躍力もあるんだな……!」

シンヤはポニータの動きを観察する。

 

 

(正面からかぜおこしを当てても、走りながら避けられるかもしれない。まずは、進路を制限する必要がある)

 

 

「ポッポ、低く飛んでポニータを誘導しよう。あの岩場の方へ!」

 

 

「ポッポ!」

 

 

ポッポは高度を下げ、ポニータの前方を横切るように飛んだ。

ポニータはポッポを追い、岩場へと向かっていく。

 

 

「よし、そのまま!」

 

 

ポニータが岩場へ差しかかった瞬間、ポッポは急上昇した。

ポニータは急停止しようとしたが、勢いが残っている。岩を避けるために大きく方向を変えた。

 

 

その瞬間、ポッポが翼を動かした。

 

 

「かぜおこし!」

 

 

風がポニータの側面へと吹きつける。

ポニータは足を踏ん張り、なんとか体勢を維持した。

 

 

「おお、さすがだな……!」

 

 

ポニータは風を受けながらも、再び走り出そうとする。

シンヤはポッポの動きを見て、次の指示を出した。

 

 

「今度はすなかけ! ポニータの進路を横切るように!」

 

 

ポッポは地面すれすれを飛び、砂を巻き上げた。

ポニータは驚いて進路を変えた。

だが、速度を完全には落とせず、足元の小石に気づくのが遅れた。

ポニータは転びこそしなかったものの、バランスを崩して足を止めた。

 

 

「よし、今だ!」

 

 

ポッポは上空から降下し、たいあたりを仕掛ける。

ポニータはすぐに体をひねって受け流そうとしたが、完全には避けきれず、肩に攻撃を受けた。

 

 

ポニータは数歩後退し、こちらを見つめた。

シンヤはポニータの状態を確認する。

疲労はあるが、まだ動ける。しかし、ポッポも連戦で疲れてきている。

 

 

「ポッポ、最後にもう一度だけ、かぜおこし!」

 

 

「ポッポーッ!」

 

 

風が吹きつける。

 

 

ポニータは前足を踏ん張ったものの、これ以上の追撃を行う余裕はなさそうだった。

 

 

シンヤはモンスターボールを投げた。

 

 

「ポニータ、俺と一緒に来てくれ!」

 

 

赤い光がポニータを包み込む。

 

 

ボールが地面に落ちる。

 

 

一回。

 

 

二回。

 

 

三回。

 

 

カチッ!

 

 

「ポニータ、ゲット!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

シンヤは大きく頷いた。

 

 

「よく頑張ったな、ポッポ! ポニータのスピードに正面から対抗せず、岩場に誘導したのはよかったぞ!」

 

 

ポッポは疲れた様子ながらも、嬉しそうに鳴いた。

 

 

「よし、次が最後だ。無理はしない。相手の様子を見て、危険だと判断したら中断するからな」

 

 

「ポッポ!」

 

 

シンヤはポッポの状態を確かめ、十分に呼吸が落ち着いたことを確認してから、最後の相手へと向き直った。

 

 

 

 

 

 

◆第六戦!ドード――二つの頭を持つ鳥ポケモン!

 

 

最後に姿を現したのは、茶色い体に二つの頭を持つポケモンだった。

 

 

「ドード!」

 

 

二つの頭がそれぞれ別の方向を向き、シンヤとポッポを観察している。

 

 

「ドードか……。これはまた、独特なポケモンだな」

 

 

シンヤは波動の眼で状態を確認した。

体調は良好。足腰がしっかりしており、走る力がありそうだ。二つの頭が別々に動くため、周囲を広く見渡せる可能性もある。

 

 

「ポッポ、最後のバトルだ。相手の動きをよく見ていこう!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

ドードは地面を蹴り、素早く走り出した。

 

 

「速いな!」

 

 

ドードはポッポの真下を駆け抜け、急に方向を変えて戻ってくる。

その動きはポニータとは違い、短い距離での方向転換に優れているようだった。

 

 

「ポッポ、上へ!」

 

 

ポッポが飛び上がる。

ドードは跳躍し、ポッポへ向かってくちばしを突き出した。

 

 

「ポッポッ!?」

 

 

ポッポは急旋回して避けたが、ドードはすぐに着地し、再び追いかけてくる。

 

 

「なるほど……。二つの頭で別々に周囲を見ているのか。片方がポッポを追い、もう片方

が進路を予測しているようにも見えるな」

 

 

シンヤは慎重に観察を続けた。

 

 

(空中から攻めるだけでは、動きを読まれてしまうかもしれない。ポッポの強みは飛行能

力だけじゃない。相手の視線を誘導して、隙を作ることもできるはずだ)

 

 

「ポッポ、まずは右側へ飛んで!」

 

 

ポッポが右へ旋回する。

 

 

ドードの片方の頭がそちらを追い、もう片方はポッポの着地点を見ているようだった。

 

 

「やっぱり、両方の頭で違う方向を見ているのか……!」

 

 

シンヤは指示を変えた。

 

 

「ポッポ、急上昇してから、すぐに左へ旋回!」

 

 

「ポッポー!」

 

 

ポッポは急上昇した。

ドードは跳び上がろうとしたが、ポッポが予想より高く上がったため、動きを止めた。

その瞬間、ポッポは左へと大きく旋回した。

 

 

「今だ、すなかけ!」

 

 

ポッポは地面すれすれを飛び、ドードの足元に砂を巻き上げる。

ドードは驚いて一瞬動きを止めた。

二つの頭が別々に動き、砂を避けようとする。

そのわずかな隙を、シンヤは見逃さなかった。

 

 

「ポッポ、かぜおこし!」

 

 

ポッポが翼を大きく動かす。

風がドードの正面から吹きつけ、砂がさらに舞い上がった。

ドードは視界を確保しようと頭を振った。

 

 

「よし! たいあたり!」

 

 

ポッポは斜め上から降下し、ドードの側面へと体当たりを仕掛けた。

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

ドードはよろめき、数歩後退した。

だが、まだ戦意は残っている。

ドードは地面を蹴り、再びポッポへと向かってきた。

 

 

「ポッポ、正面から受けるな! 上昇して、相手が通り過ぎたら旋回だ!」

 

 

ポッポは素早く高度を上げる。

ドードはその下を通り過ぎた。

その瞬間、ポッポは旋回して戻り、ドードの側面にもう一度たいあたりを仕掛けた。

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

ドードはついに地面へと座り込んだ。

二つの頭がそれぞれ周囲を見回すが、もう追撃する様子はない。

 

 

「よし、ここまでだ!」

 

 

シンヤはモンスターボールを投げた。

 

 

赤い光がドードを包み込む。

 

 

ボールが地面に落ちる。

 

 

一回。

 

 

二回。

 

 

三回。

 

 

カチッ!

 

「ドード、ゲット!」

 

 

「ポッポーッ!」

 

ポッポは力いっぱい鳴き、空へと舞い上がった。

 

 

「やったな、ポッポ! 6連戦、よく頑張った!」

 

 

シンヤはポッポを呼び戻し、優しく抱き上げた。

だが、すぐに波動の眼で状態を確認する。

 

 

(さすがに疲労は溜まっているな。ここから先は休ませよう)

 

 

「ポッポ、今日はここまでだ。よく頑張った。あとはポケモンセンターでゆっくり休もうな」

 

 

「ポッポ……!」

 

 

ポッポは疲れているはずなのに、誇らしげな表情を浮かべていた。

シンヤはその頭を優しく撫でた。

 

 

「今回の6連戦で、お前のことが少し分かった気がするよ。飛行能力だけじゃない。すなかけで相手の視界を乱して、かぜおこしで位置を制御して、たいあたりで決める。お前には、お前の戦い方があるんだな」

 

 

ポッポは嬉しそうに鳴いた。

 

 

 

 

 

 

 

◆6匹を捕獲!そして、ポッポの成長

捕獲した6匹のモンスターボールを確認し、シンヤは一度深呼吸した。

ニドラン♂。

ニドラン♀。

オニスズメ。

マンキー。

ポニータ。

ドード。

 

 

「……よし、6匹全員、無事に仲間になってくれたな」

 

 

もちろん、捕獲したからといって、すぐに全員の性格や得意技を把握できたわけではない。

 

 

今回のバトルで分かったのは、あくまでも一部の特徴だ。

ニドラン♂は突進を中心に戦い、ニドラン♀は慎重に動きを見極める傾向があった。オニスズメは空中での追尾に優れ、マンキーは近接戦闘と激しい動きが目立った。ポニータは地上での速度と跳躍力、ドードは素早い方向転換と二つの頭を生かした観察力が印象的だった。

 

 

だが、これらは今回の戦いで見えた範囲の話であり、彼らのすべてを知ったわけではない。

 

 

「これから、ゆっくり確かめていこうな」

 

 

シンヤはボールに向かって声をかけた。

そして、ポッポをもう一度見つめる。

 

 

「それにしても、ポッポ。今日は本当に成長したな」

 

 

「ポッポー!」

 

 

「最初は、まだどんな戦い方が得意なのか分からなかったけど、今は少し見えてきた。空

中から相手を観察すること、風を使って動きを制限すること、すなかけで隙を作ること。このあたりは、お前の強みになりそうだ」

 

 

ポッポは胸を張った。

シンヤは笑いながら、モンスターボールをバッグにしまった。

 

 

「よし、ポッポもヒトカゲも今日は休ませよう。コイキングのことも確認したいし、捕まえた6匹のことも実家に連絡しないとな」

 

 

こうして、22番道路での捕獲はひとまず終了した。

旅に出て間もないというのに、シンヤの出会いはどんどん増えていく。

 

 

しかし、彼にとって大切なのは、ポケモンの数を増やすことではない。

出会ったポケモンたちを理解し、それぞれに合った環境を整え、共に成長していくこと。

 

 

それこそが、シンヤの目指すトレーナーの姿だった。

「さて……次は、トキワシティのジムについても調べてみるか」

 

 

シンヤは大きなゲートを振り返った。

ポケモンリーグへの道は、まだ遠い。

だが、その道の先には、数え切れない出会いと経験が待っている。

 

 

 

「行こう、みんな!」

 

 

 

 




【シンヤの手持ち一覧】

・ヒトカゲ LV:13→LV:14
むじゃきな性格(実機で言う両刀型候補な性格)

・ポッポ LV:10→LV:13
せっかちな性格(実機で言う両刀型候補な性格)
ポッポは新たな技にでんこうせっかを覚えた!

・コイキング LV:10→LV:12
いじっぱりな性格(実機で言う物理アタッカーな性格)


【実家のポケモン】
・コラッタ LV:9→LV:10

・コダック LV:10(捕獲時)
ひかえめな性格(実機で言う特殊アタッカーな性格)

・ヤドン LV:10(捕獲時)
のんきな性格(実機で言う物理受けな性格)

・ニョロモ LV:10(捕獲時)
いじっぱりな性格(実機で言う物理アタッカーな性格)

・トサキント LV:10(捕獲時)
おだやかな性格(実機でい言う特殊受けな性格)
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