『天雲星系・銀河の記憶』 作:DanhDu_Chronicle
老人は尋ねた。
「では、なぜ腹が立つのか分かるか?」
「ミー・チャウですよね?」
「ミー・チャウが原因で、僕たちの軍隊が趙佗に負けたから。」
「半分は正解じゃ。」
「しかし、それだけでは正しくない。」
「どういうこと?」
「では、お前たちはなぜ、ミー・チャウが原因で我々が趙佗に負けたのか分かるか?」
子供たちは首を傾げながら尋ねた。
「どうして?」
「それは、ミー・チャウが敵に我々の国の秘密を教えてしまったからじゃ。」
子供の一人が尋ねる。
「その秘密って何?」
「神弩じゃ。」
子供たちはそれを聞いて首を傾げた。
顔には「?」が浮かんでいる。
老人は穏やかに続けた。
「お前たちは、神弩が何十万本もの矢を放ち、趙佗の軍に大きな損害を与えたことを知っているな?」
「うん!」
「何度も我々の軍に敗れたため、趙佗の将軍は講和を申し出た。」
「使者を送り、戦いをやめたいと申し出たのじゃ。」
「その時、趙佗は自分の息子、チョン・トゥイのために王女との結婚を申し込んだ。」
子供たちは、
「おお……!」
と声を上げた。
「今初めて知った!」
「チョン・トゥイって趙佗の息子だったんだ!」
老人は笑って尋ねる。
「では、その王女が誰なのかは、もう分かるな?」
子供たちは一斉に答えた。
「ミー・チャウ!」
老人は優しく笑った。
「そうじゃ。よくできたな。」
「結婚を申し込んだ後、趙佗はチョン・トゥイをこちらへ送り、婿として住まわせた。」
「そして、純粋で夫を愛していたミー・チャウの心を利用し、チョン・トゥイは彼女を騙して神弩とその秘密を見せてもらったのじゃ。」
「じゃあ、その秘密ってどこにあるの?」
一人の子供が尋ねた。
「それこそ、先ほど話した、金亀神の爪で作られた弩の引き金じゃ。」
「おお、秘密はそこにあったんだ。」
「それで、その後どうなったの?」
「秘密を知ったチョン・トゥイは、偽物の骨で弩の引き金を作らせ、本物を自分の国へ持ち帰った。」
「そして神弩の引き金を手に入れた趙佗は、軍をこちらへ送り込んだ。」
「その結果は、お前たちが学校で習った通りじゃ。」
一人の子供は話を聞き終えると、怒ったように足を踏み鳴らした。
「全部チョン・トゥイのせいだよ!」
「もしチョン・トゥイがいなかったら、僕たちの国は負けなかったのに!」
老人はしばらく考え込んだ。
そして静かに答えた。
「いや……それも、すべてチョン・トゥイのせいというわけではない。」
「なぜなら、彼はミー・チャウを本当に愛していたからじゃ。」
「たとえ、それに気づいたのが、愛する人が死んだ後だったとしてもな。」
「その証拠が、チョン・トゥイが井戸へ飛び込み、自ら命を絶ったことじゃ。」
「もし愛していなかったのなら、なぜそんなことをする必要があったのじゃろう?」
「そう思わんか?」
子供たちは、それも確かにそうだと思い始めた。
そのうちの一人が尋ねる。
「じゃあ、その後、神弩の引き金は趙佗の軍に使われたの?」
「いや、違う。」
「趙佗の軍には、その神弩の引き金を使うことはできなかったのじゃ。」
「どうして?」
「神弩の引き金は、我々の国にある時だけ、その力を本当に発揮する。」
「そして、国の領土を守る時にだけ、その力を発揮するのじゃ。」
「じゃあ、その神弩の引き金は、その後どうなったの?」
「神弩の引き金を使えなかった趙佗は、それを南越国の宝物庫へしまい込んだ。」
「そして王朝が滅びた後――」
「神弩の引き金もまた、行方が分からなくなったのじゃ。」
「じゃあ、消えちゃったの?」
老人はゆっくりと白い髭を撫でた。
その目は静かに伏せられ、しばらく考え込んだ後、答えた。
「わしにも分からん。」
子供たちはがっかりした。
しかし老人は続けた。
「だがな。」
「わしは、神弩の引き金が消えたとは思っておらん。」
「今もここにある。」
「金亀神とともに、この土地を守っているのじゃ。」
老人がさらに何かを話そうとした、その時――
子供たちの両親が観光客の一団からやって来て、子供たちを呼んだ。
「帰るよ!」
子供たちは、
「はーい!」
と返事をした。
去る前に、子供たちは老人のほうを振り返り、一斉に言った。
「おじいちゃん、金亀神のお話をしてくれてありがとう!」
老人は優しく微笑み、子供たちを温かな眼差しで見つめた。
「どういたしまして。」
子供たちが走り去った後、そこには老人だけが残った。
ヴァン・ティエンはずっとそのそばに立っていた。
すると老人が声をかけた。
「なあ、若いの。」
「お前は、この話をどう思う?」
ヴァン・ティエンは少し戸惑った。
「さっきから、わしが子供たちに話しているのを聞いておったじゃろう?」
「お前は、この物語をどう思った?」
ヴァン・ティエンは答えた。
「とても面白い話でした。」
「僕もいろいろ勉強になりました。」
老人は小さく笑った。
その笑顔はとても穏やかだった。
「そうか。」
「お前が面白いと思ったのなら、それでいい。」
ヴァン・ティエンは老人を見つめた。
何か言おうとした、その時――
後ろからミンの声が聞こえた。
「ティエン兄ちゃん……!」
ミンが走ってくる。
「はぁ……はぁ……」
「ごめん、兄ちゃん。」
「トイレが遠すぎて、ちょっと時間かかっちゃった。」
「気にするな。」
ミンは顔を上げた。
「じゃあ、二人でまた見て回ろうよ。」
「ああ。」
二人が歩き出す前、ヴァン・ティエンは一度だけ振り返った。
老人はまだそこに座っていた。
そして、その穏やかな眼差しは、去っていく若者の背中を静かに見つめ続けていた。
---
その後、ヴァン・ティエンとミンはコー・ロア城のヴォン湖周辺を歩いていた。
ヴァン・ティエンは湖のほとりに立ち、水面を見つめる。
突然――
ネックレスが反応した。
今度は、これまでより少し強かった。
彼はすぐに下を見た。
「どうして、こんなに強く反応するんだ……?」
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その頃。
古城の最も高い城壁の上。
ドアン・ティエットが立っていた。
その背後に、黒服の男が現れる。
「閣下、すべて準備が完了しました。」
ドアン・ティエットは口の片側だけを吊り上げた。
赤い目が鋭く光る。
「それなら……」
「……計画を始めよう。」
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湖のほとり。
ミンがヴァン・ティエンに声をかけた。
「ティエン兄ちゃん。」
「もう疲れたよ。」
「ちょっと休もうよ。」
ヴァン・ティエンは頷いた。
「そうだな。」
二人は湖のそばにある石のベンチに腰を下ろした。
ミンは息を切らしながら言った。
「この城、広すぎるよ。」
「さっきからずっと歩いてて、もう両足が折れそう。」
ヴァン・ティエンは小さく笑った。
「まだこれくらいで文句を言うのか?」
ミンは頬を膨らませた。
「兄ちゃんは細いから歩くのが楽なんだよ。」
「僕はこんなに太ってるんだから、兄ちゃんみたいに歩けなくて当然だよ。」
ヴァン・ティエンは笑った。
「分かった、分かった。」
「それより、ずっと歩いてたから喉が渇いた。」
「水を買ってきてくれ。」
「お前の分もな。」
ミンはすぐに反対した。
「なんで兄ちゃんが自分で買いに行かないの?」
「なんで僕を行かせるの?」
ヴァン・ティエンはミンの肩を軽く叩いた。
「いいから行ってこい。」
「戻ってきたら、お菓子を買ってやる。」
ミンは首を傾げて兄を見る。
「僕をそれで釣ろうとしても無駄だよ。」
「でも、何のお菓子を買ってくれるの?」
「先に言っておくけど……一個だけだったら、僕は納得しないからね。」
ヴァン・ティエンは指を三本立てた。
「じゃあ、三つ買ってやる。」
「一つはバイン・チャー。」
「一つはバイン・スー・テー。」
「そしてもう一つはバイン・チン・タン・マイ。」
「どうだ?」
ミンは少し迷った。
数秒考えた後――
「分かった。」
「僕が買ってくる。」
「でも、あとでちゃんと買ってよ。」
ヴァン・ティエンは笑った。
「分かった、分かった。」
「水を買ってこい。」
ミンはそのまま水を買いに走っていった。
ヴァン・ティエンはミンの後ろ姿を見ながら、微笑んだ。
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古城の頂上。
ドアン・ティエットは手に持った装置を見つめていた。
彼は遺跡全体を見下ろしながら、笑った。
「起動準備。」
ヴァン・ティエンは湖のほとりに座っていた。
風が静かに水面を撫でている。
その上――
ドアン・ティエットが呟いた。
「3……」
「2……」
その瞬間。
ヴァン・ティエンは突然、何かを感じ取った。
彼は勢いよく立ち上がった。
「……?」
ドアン・ティエットは続ける。
「……1。」
「……起動。」
その瞬間――
大地が激しく揺れ始めた。
ゴゴゴゴゴゴ――!
ヴァン・ティエンはすぐに石の手すりを掴んだ。
コー・ロア城にいた観光客たちはパニックになり、悲鳴を上げながら逃げ始めた。
「ああああっ!逃げろ!」
「どいて!通して!」
外の首都ハノイもまた、非常に強い地震に襲われていた。
人々は混乱し、道路へ飛び出していく。
街全体が混沌に包まれていく。
ヴァン・ティエンはまだ何が起こっているのか理解できなかった。
その時――
まるで雷のような音が聞こえた。
彼は空を見上げた。
そこには――
ドアン・ティエットが立っていた。
男はヴァン・ティエンを見下ろし、笑っている。
ヴァン・ティエンには、何が起こっているのか分からなかった。
すると――
ドアン・ティエットの立っている空中に、一本の巨大なエネルギー柱が現れた。
それは空から城へ向かって、まっすぐ突き刺さるように伸びていく。
ヴァン・ティエンは目を見開いた。
同じ頃――
ハノイのランドマーク72の屋上にも、一本の巨大なエネルギー柱が現れた。
その柱は、青い電撃のような光を放っていた。