『天雲星系・銀河の記憶』 作:DanhDu_Chronicle
古螺の空に、夜風が轟いていた。
破壊された戦艦の残り火が、今もあちこちへと降り注ぎ、黒い夜空に長い赤い軌跡を描いている。
空中の中央――二つの人影が向かい合っていた。
一方はヴァン・ティエン。
その身体から淡い青い光が放たれている。
もう一方は、黒いマントをはためかせる段鉄。
その手に握られた戦槌から、暗赤色のエネルギーが放たれている。
二人の距離は、わずか数十メートル。
空気そのものが、凍りついたかのようだった。
地上では、古螺城の中にいる人々が空を見上げていた。
何人かは震えている。
「うそ……人が……飛んでる……」
「あれは……本当に人間なのか?」
湖のほとりでは、ミンが二本の水を持って走って戻ってきた。
だが、目の前の光景を見た瞬間、彼はその場に立ち尽くした。
「兄さん……ティエン……?」
空の上で、ヴァン・ティエンの身体はまだ小さく震えていた。
8%の力によって、身体中の血管が焼けるように熱くなっている。
それでも、彼は立っていた。
その瞳は、目の前の敵だけを見つめている。
段鉄が笑った。
「だんだん面白くなってきたぞ。」
彼が戦槌を軽く回す。
その瞬間、周囲の空気が激しく震えた。
「見せてもらおう……」
「お前が、どこまで強いのかをな。」
次の瞬間――
彼の姿が消えた。
ドォン!!!
二つの人影が、空中で真正面から激突する。
拳。
戦槌。
青と赤のエネルギーがぶつかり合い、衝撃波が雷鳴のように炸裂する。
周囲の戦艦までも激しく揺れた。
シュッ!
ヴァン・ティエンが戦槌をかわす。
そのまま、すぐに反撃。
バキッ!
拳が段鉄の脇腹を捉え、空気が爆発する。
段鉄の身体が数メートル吹き飛ぶ。
だが、彼はただ笑った。
「悪くない。」
戦槌を横薙ぎに振る。
ドォン!
ヴァン・ティエンが腕で受け止める。
衝突の瞬間、再び空中が爆発した。
神金亀は空を見上げ、二人の戦いを静かに見つめていた。
古代から続くその瞳には、何の感情も浮かんでいない。
そして――
神金亀は艦隊の方へと振り向いた。
残された戦艦は、依然として砲口をこちらへ向けている。
「撃つ準備をせよ。」
神金亀がゆっくりと口を開く。
その喉の奥に、青い光が集まり始めた。
グオオオオ!!!
巨大な青いエネルギーの柱が、まっすぐ空へ放たれた。
ドォン!!!
三隻の戦艦が一瞬で貫かれた。
巨大な火球となって爆発する。
戦艦の兵士たちは混乱した。
「カメが艦隊を撃っているぞ!!」
「撤退――!」
だが、もう遅かった。
空では、ヴァン・ティエンと段鉄が戦い続けている。
ドォン!
ドォン!
ドォン!
一撃一撃の衝突が、雷鳴のような爆発音を生み出す。
不運な戦艦が一隻、二人の激突によって貫かれた。
そして――
そのまま大爆発を起こした。
段鉄が突然、後方へ下がる。
戦槌を回す。
赤いエネルギーが、彼の身体の周囲で激しく爆発した。
「どうやら……」
「そろそろ、俺も本気を出す必要があるようだな。」
戦槌が光り始める。
赤いエネルギーの線が、戦槌の表面を走っていく。
「アイアン・ドミニオン。」
段鉄が戦槌を振り下ろす。
巨大なエネルギーの斬撃が、ヴァン・ティエンへ向かって飛んでいく。
それは空を切り裂き、雲までも引き裂いた。
ヴァン・ティエンは拳を強く握る。
そして――
真正面から突っ込んだ。
「ハッ!」
拳を突き出す。
ドォォォン!!!
斬撃の波が爆発する。
だが、その反動によってヴァン・ティエンの身体は数十メートルも吹き飛ばされた。
身体が震える。
口元から再び血が流れた。
8%の力――
今の身体には、あまりにも重すぎる。
段鉄はそれを見て、口元を歪めた。
「お前は……自分自身を殺しているぞ。」
その時――
地上で、神金亀がヴァン・ティエンの方へ振り向いた。
何かを感じ取ったのだ。
ただの力ではない。
それは――
古代の精力。
かつて神々の時代から存在していた、古き力だった。
神金亀の声が、ヴァン・ティエンの頭の中に響く。
「少年よ……」
「お前は、ただの精力の持ち主ではない。」
ヴァン・ティエンの動きが、一瞬止まった。
「お前は……」
しかし、その言葉が最後まで届くことはなかった。
段鉄が、すでに目の前に現れていた。
「おい、よそ見するなよ。」
戦槌が振り下ろされる!!!
ドォォォォォォォン!!!!!
ヴァン・ティエンは地面へ叩き落とされた。
古螺城の中央に巨大な穴が開く。
煙と砂埃が巻き上がった。
段鉄は空中に浮かびながら、深い穴を見下ろす。
そして、軽く息を吐いた。
「これで……終わったか?」
しかし――
穴の中の煙が、ゆっくりと動き始めた。
青い光が、爆発するように輝く。
そして穴の中から――
一人の人影が立ち上がった。
ヴァン・ティエン。
その瞳には、まだ強い光が燃えていた。
段鉄が微笑む。
その瞳には、殺気が宿った。
「いいぞ。」
彼は戦槌を高く掲げる。
赤いエネルギーが、これまで以上に激しく爆発する。
「ならば、俺たちは……」
「死ぬまで戦おう。」