『天雲星系・銀河の記憶』   作:DanhDu_Chronicle

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第19話 空の戦場

古螺の空に、夜風が轟いていた。

破壊された戦艦の残り火が、今もあちこちへと降り注ぎ、黒い夜空に長い赤い軌跡を描いている。

 

空中の中央――二つの人影が向かい合っていた。

 

一方はヴァン・ティエン。

その身体から淡い青い光が放たれている。

 

もう一方は、黒いマントをはためかせる段鉄。

その手に握られた戦槌から、暗赤色のエネルギーが放たれている。

 

二人の距離は、わずか数十メートル。

 

空気そのものが、凍りついたかのようだった。

 

地上では、古螺城の中にいる人々が空を見上げていた。

 

何人かは震えている。

 

「うそ……人が……飛んでる……」

 

「あれは……本当に人間なのか?」

 

湖のほとりでは、ミンが二本の水を持って走って戻ってきた。

 

だが、目の前の光景を見た瞬間、彼はその場に立ち尽くした。

 

「兄さん……ティエン……?」

 

空の上で、ヴァン・ティエンの身体はまだ小さく震えていた。

 

8%の力によって、身体中の血管が焼けるように熱くなっている。

 

それでも、彼は立っていた。

 

その瞳は、目の前の敵だけを見つめている。

 

段鉄が笑った。

 

「だんだん面白くなってきたぞ。」

 

彼が戦槌を軽く回す。

 

その瞬間、周囲の空気が激しく震えた。

 

「見せてもらおう……」

 

「お前が、どこまで強いのかをな。」

 

次の瞬間――

 

彼の姿が消えた。

 

ドォン!!!

 

二つの人影が、空中で真正面から激突する。

 

拳。

 

戦槌。

 

青と赤のエネルギーがぶつかり合い、衝撃波が雷鳴のように炸裂する。

 

周囲の戦艦までも激しく揺れた。

 

シュッ!

 

ヴァン・ティエンが戦槌をかわす。

 

そのまま、すぐに反撃。

 

バキッ!

 

拳が段鉄の脇腹を捉え、空気が爆発する。

 

段鉄の身体が数メートル吹き飛ぶ。

 

だが、彼はただ笑った。

 

「悪くない。」

 

戦槌を横薙ぎに振る。

 

ドォン!

 

ヴァン・ティエンが腕で受け止める。

 

衝突の瞬間、再び空中が爆発した。

 

神金亀は空を見上げ、二人の戦いを静かに見つめていた。

 

古代から続くその瞳には、何の感情も浮かんでいない。

 

そして――

 

神金亀は艦隊の方へと振り向いた。

 

残された戦艦は、依然として砲口をこちらへ向けている。

 

「撃つ準備をせよ。」

 

神金亀がゆっくりと口を開く。

 

その喉の奥に、青い光が集まり始めた。

 

グオオオオ!!!

 

巨大な青いエネルギーの柱が、まっすぐ空へ放たれた。

 

ドォン!!!

 

三隻の戦艦が一瞬で貫かれた。

 

巨大な火球となって爆発する。

 

戦艦の兵士たちは混乱した。

 

「カメが艦隊を撃っているぞ!!」

 

「撤退――!」

 

だが、もう遅かった。

 

空では、ヴァン・ティエンと段鉄が戦い続けている。

 

ドォン!

 

ドォン!

 

ドォン!

 

一撃一撃の衝突が、雷鳴のような爆発音を生み出す。

 

不運な戦艦が一隻、二人の激突によって貫かれた。

 

そして――

 

そのまま大爆発を起こした。

 

段鉄が突然、後方へ下がる。

 

戦槌を回す。

 

赤いエネルギーが、彼の身体の周囲で激しく爆発した。

 

「どうやら……」

 

「そろそろ、俺も本気を出す必要があるようだな。」

 

戦槌が光り始める。

 

赤いエネルギーの線が、戦槌の表面を走っていく。

 

「アイアン・ドミニオン。」

 

段鉄が戦槌を振り下ろす。

 

巨大なエネルギーの斬撃が、ヴァン・ティエンへ向かって飛んでいく。

 

それは空を切り裂き、雲までも引き裂いた。

 

ヴァン・ティエンは拳を強く握る。

 

そして――

 

真正面から突っ込んだ。

 

「ハッ!」

 

拳を突き出す。

 

ドォォォン!!!

 

斬撃の波が爆発する。

 

だが、その反動によってヴァン・ティエンの身体は数十メートルも吹き飛ばされた。

 

身体が震える。

 

口元から再び血が流れた。

 

8%の力――

 

今の身体には、あまりにも重すぎる。

 

段鉄はそれを見て、口元を歪めた。

 

「お前は……自分自身を殺しているぞ。」

 

その時――

 

地上で、神金亀がヴァン・ティエンの方へ振り向いた。

 

何かを感じ取ったのだ。

 

ただの力ではない。

 

それは――

 

古代の精力。

 

かつて神々の時代から存在していた、古き力だった。

 

神金亀の声が、ヴァン・ティエンの頭の中に響く。

 

「少年よ……」

 

「お前は、ただの精力の持ち主ではない。」

 

ヴァン・ティエンの動きが、一瞬止まった。

 

「お前は……」

 

しかし、その言葉が最後まで届くことはなかった。

 

段鉄が、すでに目の前に現れていた。

 

「おい、よそ見するなよ。」

 

戦槌が振り下ろされる!!!

 

ドォォォォォォォン!!!!!

 

ヴァン・ティエンは地面へ叩き落とされた。

 

古螺城の中央に巨大な穴が開く。

 

煙と砂埃が巻き上がった。

 

段鉄は空中に浮かびながら、深い穴を見下ろす。

 

そして、軽く息を吐いた。

 

「これで……終わったか?」

 

しかし――

 

穴の中の煙が、ゆっくりと動き始めた。

 

青い光が、爆発するように輝く。

 

そして穴の中から――

 

一人の人影が立ち上がった。

 

ヴァン・ティエン。

 

その瞳には、まだ強い光が燃えていた。

 

段鉄が微笑む。

 

その瞳には、殺気が宿った。

 

「いいぞ。」

 

彼は戦槌を高く掲げる。

 

赤いエネルギーが、これまで以上に激しく爆発する。

 

「ならば、俺たちは……」

 

「死ぬまで戦おう。」

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