『天雲星系・銀河の記憶』   作:DanhDu_Chronicle

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第43話 流れの底の鼓動

ドォォン!!

 

大地が……爆発した。

 

三つの影が、同時に飛びかかる。

 

速い。

 

あまりにも速い。

 

ヴィン・ティエンが構えた、その瞬間――

 

ドゴッ――!!

 

左から拳が飛んできた。

 

彼は身体をひねり、受け止める。

 

だが――

 

ドォン!!

 

二発目。

 

巨体の男の拳が、まるでハンマーのように叩き込まれる。

 

足元の地面が……大きくひび割れた。

 

「……ゴホッ!」

 

圧倒的な力に、身体が沈む。

 

盾を持つ男が、すぐさま距離を詰める。

 

ガキン!!

 

横からの体当たり。

 

ヴィン・ティエンの身体が弾き飛ばされる。

 

息をつく暇もない。

 

反撃する隙もない。

 

「……クソッ……」

 

まだ体勢を立て直す前に――

 

シュッ!!

 

影が横切った。

 

速度の男。

 

ドゴッ!!

 

横蹴りが、脇腹を直撃する。

 

今度は――

 

バキッ!!

 

乾いた音が響いた。

 

ヴィン・ティエンの身体が吹き飛び、地面へ激しく叩きつけられる。

 

「ティエン兄ちゃん――!!」

 

バオ・ウエンの声が……震える。

 

風が……止まった。

 

空間そのものが、押し潰されるようだった。

 

ヴィン・ティエンは地面に倒れたまま、荒い息を吐く。

 

「……まず……い……」

 

身体が……重くなっていく。

 

傷のせいではない。

 

圧力だ。

 

巨体の男が近づいてくる。

 

一歩。

 

そのたびに、地面が沈む。

 

盾の男は背後へ回る。

 

速度の男は――完全に姿を消した。

 

「……終わりだ。」

 

歪んだ声が響く。

 

「いや――!!」

 

バオ・ウエンが立ち上がった。

 

彼女はバイクから飛び降りる。

 

「……彼に触らないで!!」

 

一歩。

 

二歩。

 

彼女の足元の地面が……震え始めた。

 

地の底から――

 

一つの鼓動。

 

……ドクン。

 

そして――

 

……ドクン。

 

「……何……?」

 

三人の男が動きを止める。

 

赤い瞳が……わずかに明滅した。

 

バオ・ウエンも立ち止まる。

 

両手が……震えている。

 

「……私……」

 

首にかけたペンダントが……激しく輝き始めた。

 

もう、淡い光ではない。

 

一筋のエネルギーが流れている。

 

首元から腕へ。

 

そして――

 

大地へと触れる。

 

ドォン!!

 

地面が裂けた。

 

水が……噴き出す。

 

川からではない。

 

大地……そのものから。

 

ヴィン・ティエンが目を開く。

 

「……ウエン……?」

 

彼は必死に顔を上げる。

 

その目の前に――

 

バオ・ウエンが立っていた。

 

髪が風に舞う。

 

青と桃色の光が、彼女の身体を渦巻いている。

 

水流が足元に絡みつき、まるで彼女を守っているかのようだった。

 

「……来ないで……」

 

彼女の声が震える。

 

「……近づかないで……」

 

三人の男が――

 

同時に後退した。

 

初めてだった。

 

奴らが……ためらった。

 

「……このエネルギー……」

 

盾の男が低く唸る。

 

「……普通じゃない……」

 

その瞬間。

 

速度の男が――

 

彼女の背後に現れた。

 

シュッ!!

 

刃が、真っ直ぐ首へ向かう。

 

「ウエン!!」

 

ヴィン・ティエンが叫ぶ。

 

その瞬間――

 

水流が……爆発した。

 

ドォォン!!

 

巨大な水柱が立ち上がり、攻撃を防ぐ。

 

男の身体が弾き飛ばされ、地面へ激しく叩きつけられた。

 

「……!!」

 

三人全員が……動きを止める。

 

バオ・ウエンは、その場に立ち尽くしていた。

 

両目を大きく見開く。

 

「……私……」

 

彼女は自分の手を見つめる。

 

水流は……まだ手の周りで渦巻いている。

 

「……これは……」

 

「……ウエン……」

 

声が……彼女の頭の中に響いた。

 

「……怖がるな……」

 

地面が……さらに激しく震え始める。

 

二人の足元に――

 

小さな水の渦が生まれた。

 

川の……はるか深く。

 

赤い瞳が……さらに大きく開く。

 

その頃。

 

潜水艦の中で――

 

セキガン・ヘイリュウが立ち上がった。

 

その瞳が……鋭く輝く。

 

「……これは……」

 

再び地上。

 

三人の黒殺団が、同時に構えた。

 

「……あの女を、これ以上……力を使わせるな。」

 

巨体の男が吠える。

 

三人が――

 

同時に飛びかかった。

 

バオ・ウエンはそこに立っている。

 

避けない。

 

逃げない。

 

水流が……さらに激しく渦巻く。

 

ヴィン・ティエンが拳を強く握る。

 

「……ダメだ……」

 

彼は手を地面につき、立ち上がる。

 

身体中が……激しく痛む。

 

それでも――

 

「……お前を……一人にはしない……」

 

彼のペンダントから、光が……爆発した。

 

青と桃色。

 

二つの光が……交差する。

 

風が……爆発する。

 

大地が……震える。

 

三つの影が――

 

一気に突っ込んでくる。

 

ドォォォン!!!

 

すべてを引き裂くような衝撃が――

 

空間を……揺るがした。

 

大地が……大きく裂ける。

 

水が……

 

空へ向かって……噴き上がった。

 

土煙が……すべてを覆い尽くす。

 

残されたのは――

 

ただ、水の唸り声だけだった。

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