『天雲星系・銀河の記憶』   作:DanhDu_Chronicle

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第48話 川に残された足跡

翌朝。

 

朝の光が窓から差し込む。

風は……穏やかだった。

 

でも……

 

空気の中には……

何かが違っていた。

 

ヴァン・ティエンは目を開けた。

 

また……

あの感覚。

 

かすか……

でも、はっきりと。

 

首に掛けたペンダントが……

温かくなっている。

 

「……またか……」

 

彼はそっとペンダントに触れた。

 

鼓動。

 

ゆっくり。

 

でも……

確かに。

 

「ティエン兄ちゃん……」

 

隣からバオ・ウエンの声が聞こえた。

 

彼女はいつの間にか起きていて、ベッドの上から彼を見ている。

 

「……兄ちゃんも感じてるんだよね?」

 

ヴァン・ティエンは彼女を見る。

 

「……ああ。」

 

しばらくの沈黙。

 

「……今日は行こう。」

 

彼は言った。

 

迷いはなかった。

 

バオ・ウエンは頷く。

 

「……うん。」

 

しばらくして……

 

二人は家を出た。

 

電動バイクが走り出す。

 

朝の道は静かだった。

 

朝風が……

水の匂いを運んでくる。

 

泥の匂い。

 

そして……

 

川の匂い。

 

「この道をまっすぐ……」

 

バオ・ウエンが指を差す。

 

「……遺跡地区に着くよ。」

 

ヴァン・ティエンは頷いた。

 

電動バイクは、木々に覆われた道を走っていく。

 

堤防を越え……

 

朝露の残る田畑を抜ける。

 

遠くに……

 

バクダン川が姿を現した。

 

静か。

 

でも……

 

深い。

 

さらにしばらく走ると……

 

二人は遺跡地区へと到着した。

 

中へ入ると、周囲には広々とした庭園が広がっていた。

 

寺院を囲む緑。

 

広い境内。

 

塀。

 

山門。

 

そして……

 

大きな古木が、涼しい木陰を作っている。

 

二人は電動バイクを降り、歩いて中へ入っていく。

 

その時――

 

ヴァン・ティエンは、屋外に展示された杭の跡を見つけた。

 

川沿いには……

 

チャン・フン・ダオ廟。

 

そして……

 

バ・ミュー廟が、チャン川のほとりに並んでいる。

 

二人はそのまま……

 

チャン・フン・ダオ廟へ向かった。

 

境内に入る。

 

目の前には……

 

チャン・フン・ダオの像。

 

その像は川の方を向き……

 

まっすぐチャン川を指差している。

 

その姿は……

 

とても威厳に満ちていた。

 

その瞬間――

 

ヴァン・ティエンのペンダントが……

 

一瞬、光った。

 

ヴァン・ティエンは俯く。

 

何が起きたのか分からない。

 

その時……

 

彼は一瞬だけ……

 

像の後ろに立つ人影を見た。

 

古い鎧。

 

川を見つめる瞳。

 

そして――

 

消えた。

 

「……?」

 

ヴァン・ティエンは呆然と立ち尽くす。

 

その時……

 

「兄ちゃん?」

 

バオ・ウエンの声。

 

ヴァン・ティエンは我に返った。

 

「……何考えてるの?」

 

「……なんでもない。」

 

彼は一度、像を見た。

 

「……中へ入ろう。」

 

「うん。」

 

二人はそのまま廟の中へ入っていく。

 

中は……

少し暗かった。

 

瓦屋根の隙間から差し込む光が……

 

石畳の床に、細い線のように落ちている。

 

線香の煙が……

 

ゆっくりと漂っていた。

 

そして――

 

奥の間。

 

そこには……

 

聖者チャン・フン・ダオの像が立っていた。

 

動かない。

 

それなのに……

 

その瞳が……

 

まるで二人を見透かしているようだった。

 

ヴァン・ティエンが足を止める。

 

首のペンダントが……

 

熱くなった。

 

もう……

 

かすかなものではない。

 

はっきりと。

 

「……!!」

 

彼は手を強く握る。

 

バオ・ウエンも立ち止まった。

 

「……ティエン兄ちゃん……」

 

彼女は自分の首に掛かっているペンダントへ手を伸ばす。

 

それも……

 

光っていた。

 

青い光。

 

そして……

 

桃色の光。

 

二つの光が……

 

空気の中で、かすかに揺れる。

 

まるで……

 

お互いを……

呼び合っているように。

 

――川の下。

 

黒い戦艦の内部。

 

チー・ニャン・ハク・ロンは、ホログラムモニターを見上げていた。

 

一人の兵士が報告する。

 

「報告します。」

 

「計画の最終段階……完了しました。」

 

チー・ニャン・ハク・ロンはモニターを見つめる。

 

その瞳が……

 

赤く輝いた。

 

そして――

 

「……行動開始だ。」

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