よくある話だ。
見知らぬ子供を助けようとしてトラックに轢かれる。
よくある話だ。
気づいたら真っ白な空間に来ている。
よくある話だ。
そこで出会うのはイカレタ悪魔か、優しい神様か。
*****
俺は見知らぬ子供が、ボールを拾うために道路に飛び出すのを、偶然見てしまった。
正直迷ったが、俺は道路に向かって駆け出した。
結果は滑り込みでセーフだった。まあ子供はだが。
俺はトラックに直撃し、視界が真っ赤になって俺は死んだ。
次に気付いた時、真っ白な空間に立っていた
確かに俺は死んだはずだ。
身体中から血が流れ出ていって、トラックに轢かれた時の衝撃で全身の骨は砕けた。
だが今の俺はどうだ。
血はおろか五体満足で地面に足をつけていた。
そんなとき、不意に後ろから声をかけられる。
「おお、やっと気ぃつきよったか!」
そいつは胡散臭い関西弁に信用できない笑顔、真っ白な服、信用できる要素が見当たらない奴だった。
「ここは天国か?」
「ここ来て第一声がそれとか面白すぎやろ」
****
「……つまり要約すると、あんたは自称神様でここは天国との中間地点ってとこか」
「キミ、死んだってのに冷静なんやね」
「ばか言え、死んだからこそ冷静なんだろうが」
「なんやそれ。まあええわ、じゃあ本題に入るで」
胡散臭い自称神様が元々細い目をさらに細めて言う。
「キミ、生き返りたい思わんか?」
「思わん」
「えぇぇぇ!いやいや即答過ぎるやろ!もうちょい考えてぇな!」
「いや、別に生き返りたいとは思わねえし。あんな世界」
特にいい思い出もないあの世界を思い出す。まあ最後に良いことしたからいいか。
「ああ~、すまんすまん。大事なこと言い忘れとったわ」
手をポンッ!と叩いて言う自称神。
「なに言おうが嫌だぞ」
「……生き返るんやなくて転生やったわ」
「よし行こう」
転生なら喜んで行ってやるさ。
「結局即答やな……。まあ行ってくれんならどっちでもええわ」
俺の変わり身の早さには自称神も呆れ顔になっていた。
「それで行く所なんやけどな、ウチの担当しとる『とある魔術の禁書目録』っちゅう世界になるんや」
「まじか!よし行こう今すぐ行こうさっさと行こう!!」
「ちょ、ちょい待ちや!生身の身体じゃ直ぐにくたばってまうで!」
「関係ねぇ!!学園都市が俺を待ってるんだ!邪魔するなぁ!!」
~30分後~
「ハァ……ハァ……ええかげん落ち着いたか?」
「ハァ……ハァ……っく!いろいろすまん。何か自分を見失ってたぜ……」
「……ふぅ、とりあえず転生特典の話に移るで。まぁ既に決まっとるんやけど」
「決まってるのかよ……」
少し不満げに言う。
実を言うと使ってみたい能力ってのはあったから残念だ。
少しもったいぶるように自称神はゆっくりと口を開く。
「『ワンピース』に出てくる悪魔の実を3つと、覇気でどうや?」
「よっしゃぁ!」
そして一年後、
「やっと行ってくれんやな……修業が長すぎやで」
「ありがとな自称神」
「結局その呼び方なんやな……。まあええわ、何か会ったら念話で報告せえや」
「おう!じゃあ行ってくるぜ」
燃えるような赤髪を腰あたりでゴムで縛り、自称神に貰ったスーツを着こなして準備完了とばかりにアピールする。
「ほんなら、行ってきぃや!」
自称神、ルーフィスの掛け声で青年、