個性チャクラで影分身   作:切って捨てて

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 モニタールームに戻ると、意外や意外。

 犬猿の仲、水と油、混ぜるな危険、関係性を表現する語彙に困らない、緑谷と爆豪がいたでござる。

 

「爆豪も見ていたでござるか、意外にござるな」

 

「テメェ、舐めプもいい加減にしやがれ」

 

「ウソ、試験を終えた儂様に対する言葉がこれって本当にござるか?」

 

 きゃー、と怖がってみるでござるが、なにやら爆豪の雰囲気が普段と違うでござるな。

 困惑している緑谷を置いて、爆豪が儂様の胸倉を掴んできたでござる。

 

「さっきの試験、テメエ一人でどうとでもできたはずだ……っ! 舐めてんのか、アア!!?」

 

「に、忍堂君。かっちゃんの言ってることって本当なの……?」

 

「アハハ。デク君、それは本当だよ」

 

 答えたのは麗日にござる。

 

「それに、私が断らなければもっと別のやり方もあったんだよね。でも、忍堂君が」

 

 ふむ、それを麗日に言わせるのは酷でござるな。

 

「此度の勝ち負け、それは協力にござるよ。対人戦闘然り、雄英が用意する壁は個人技能のみならず、他との協調も重視されているでござる。それはなぜか」

 

 リカバリーガールが「あら、意外と見てるさね」とつぶやいたでござる。

 爆豪は知らぬでござるが、緑谷はオールマイトにヒーロー像を見ているでござるからな、いざという時は撤退よりも抵抗を選びがちな気がするでござるよ。

 

「一人で全ての物事を解決できるヒーローはいないでござる。たとえオールマイトであっても、地球の裏側に駆け付けるなんて無理でござるよ。自分が不利、相手が自身より強い状況ならどうするのか、緑谷は経験済みにござろう」

 

「あ……」

 

 冷静に状況を分析する緑谷は、ステインの時にその手段を取っていたでござる。

 

「仲間を集めて対応するでござるよ。しかし、そんなときに仲間が気に食わないなどと、ガキみたいな考えで動く奴を何と呼ぶでござる?」

 

 ギリっ。爆豪が歯を食いしばる。

 

「足手まとい、でござるよ」

 

 というか、服が伸びるので手を離すでござる。

 この忍び服はNARUTOの上忍が着る素晴らしいものでござるぞ! 無礼者めが!

 

「今回の試験において重要なのは、儂様一人で対応することではないでござる。少しでも安全で、確実な方法があるのなら協力して事を成す。仕事とは、そういうものでござる。相澤先生が言っていたでござろう、いつまでガキのつもりでいるでござるか?」

 

 USJ襲撃、そしてヒーロー殺し。ネットではステインの背後に敵連合があるとも言われているでござる。

 恐らく、この世界は漫画か小説の世界にござれば、物語の中心はオールマイトがいる雄英高校にござろう。

 儂様の中二な思い込みでなければ、これから世が乱れるかもしれぬでござる。

 そんな世界で爆豪のソレは致命的な欠点になるでござる。

 体育祭を見れば爆豪が協力に適した能力を有しているのは明白、だからこそ今なのでござる。

 

「お主が儂様より強く、オールマイトに届く存在ならとやかく言わぬでござるよ」

 

 主人公候補はオールマイト、それと彼から関心を集める緑谷、その幼馴染で確執がある爆豪。

 飯田や轟の線もあるでござるが、今一番不安定なのは爆豪でござるよ。

 爆豪の成長になるのなら、憎まれ役ぐらい安いものでござる。

 

「儂様より弱いお主が、弱い犬が吠えるなでござる」

 

 ドンッ。というのは、爆豪に突き飛ばされ壁にぶち当たった儂様の音にござる。

 普段の爆発させた感情を見せず、無言で出ていく爆豪。

 

「か、かっちゃん!」

 

 緑谷の制止も聞かず、爆豪の去った後のモニタールームはシンとしたでござる。

 しかし、爆豪が爆発しないとなれば緑谷がこぶしを震わせて儂様に詰め寄ってきたでござる。

 わーい。儂様大人気。

 

「なんで、なんであんなことを言ったんだよ。あんまりだよ、忍堂君……!」

 

「事実にござろう。今の爆豪は実力も考えもガキのそれにござるよ」

 

「もっと、他に何か言い方が」

 

「慰めればよかったでござるか? ライバル宣言でもしろと? 儂様、爆豪を何も知らんでござれば、親でも何でもないでござる。声がでかいだけの三下でしかないでござるよ」

 

「何も知らないのに、あんなこと言ったのかよ……! かっちゃんのこと、何も知らないのに!」

 

 爆豪の一方的な感情かと思えば、これは違ったでござるか。

 緑谷にとっても、爆豪の存在は大きいようでござるな。

 

「知らぬよ。しかし、幼馴染で、稀有なほどに強個性でいつもお山の大将だった爆豪。最近になって個性を発現、他人の個性を深く分析してしまうほどに個性が大好きな緑谷。爆豪は緑谷を見下した発言があり、緑谷は半ば認めた反応を示す。だが、かっちゃんとデクの愛称蔑称で呼び合う。爆豪が馬鹿にされれば憤りを感じる」

 

 知らぬが、ここまで情報があれば推測は可能にござる。

 

「お主、爆豪に強い思い入れがあるでござるな?」

 

 憧れなのか、目標なのかは分からぬでござるが、驚いた緑谷の表情を見れば程度の差にござろう。

 

「今回、緑谷と爆豪がチームになったのはコレのためにござろうよ。それだけ、学校側がお主達の関係を問題視しているでござる」

 

「それは……」

 

「デク君……」

 

「ステインにすら立ち向かったお主が、爆豪相手に尻すぼみとは滑稽にござるよ。お主は爆豪のあの状態がアヤツらしいと思っているでござるか」

 

「違うんだ。本当にかっちゃんは凄いんだ、強い個性だけじゃない、もっと……」

 

「なぜ、爆豪に立ち向かわないでござる。逃げるのでござるか? ソレが、緑谷の目指すヒーローでござるとは、へそで茶が沸かせそうでござるよ。友のために動けぬ奴がヒーローになれると? バカにしているのはどっちでござる」

 

 緑谷の性格は善性の物にござる。

 自分のためよりも、他者のための時こそ動けるはずにござるよ。

 胸ぐらを掴み、鼻先まで顔を近づける。

 

「お前のヒーロー名はなんでござる」

 

 ハッとした緑谷が、モニタールームを飛び出す。

 

「ありがとう、忍堂君」

 

 捨て台詞にしては行儀が良いでござるな。

 手間のかかる学友をもって儂様大変にござる。

 

「まったく、劇薬にもほどがあるさね」

 

「忍堂君、さっきのってわざと煽るように言ったの?」

 

「言葉は本意にござる。あえて口にしたのは、麗日も立ち止まってウジウジしてるより、前を向いた緑谷の方が好きにござろう?」

 

「ヘアッ!?」

 

「おやおや~、そうなのかい?」

 

「ちゃちゃちゃうから! 変なこと言わんといてよ!!!」

 

 関節技を綺麗に決められた。

 

 

 

☆

 

 

 

「待ってよ! かっちゃん!」

 

 廊下、緑谷は出て行った爆豪に追いつき、声を掛ける。

 しかし、爆豪は緑谷を無視して歩みを止めない。

 

「かっちゃん! 無視しないでよ! 僕達の相手はオールマイトなんだよ、無策で勝てるわけがないじゃないか!」

 

 BOOOM!!

 緑谷の顔、そのすぐ隣が爆破される。

 

「黙れよォ……! ぶち殺すぞ、クソナード!」

 

(怖い。どうしてもかっちゃんに苦手意識が。でも……!)

 

「オールマイトにこのままで、勝てるって思ってるの!?」

 

「中盤まで翻弄して、疲弊したところをぶっ潰せば勝てんだろ!」

 

「経験も場数も違うんだ、翻弄なんて無茶だよ! こっちの方が先に疲弊しちゃうよ!」

 

 逃げない。立ち向かう。

 その思いを潰すように、爆豪が緑谷の胸倉を掴む。

 

「ちったア個性が使えるようになったからって、調子乗ってんじゃねえぞデク!」

 

「調子になんか乗ってない。僕は試験に合格したいだけで、そのためにはオールマイトと戦うんじゃなくて、作戦を練って脱出するしかないって」

 

「勝てねエから逃げるなんざ、俺が目指すヒーローじゃねえ。んな雑魚のやり方じゃねエ真正面から一点突破、完膚なきまでの勝利ィ……! それが、ナンバーワンなんだよオ!」

 

 気圧された。

 幼い頃からの関係性がそうさせたのか、爆豪の怒気がそうさせたのか、緑谷の体から力が抜ける。

 

「逃げてエならテメーだけ逃げりゃいいクソナード。だが、俺の邪魔はすんじゃねエ。一番になるんだよ。テメーだけじゃねえ、半分野郎も、あの忍者野郎もぶち殺して、俺がここでトップになるんだ……!」

 

「君がここでトップになるのはいいよ。でも、今回の相手はオールマイトだ。平和の象徴で、本当のナンバーワンなんだよ。僕達が勝てるわけがないじゃないか……かっちゃんだって、分かってるでしょ」

 

 言わないつもりでいた。勝ちに異常なこだわりを持つ爆豪にとって、明確な地雷だと分かっていたから。

 それでも、自分のヒーロー名は頑張るって感じなんだ。

 口が、動いていた。

 

「負けたじゃないか……」

 

「アァ?」

 

「雄英体育祭。忍堂君に、負けたじゃないか……! 影分身だって、忍術だって使わなかった忍堂君に負けて、なんでオールマイトに勝てるって言えるんだよ!」

 

「~~~っ!!!!!!」

 

「認めろよ! 今のかっちゃんじゃ、忍堂君にすら勝てないのに、一人でオールマイトに勝てるわけがないだろ!」

 

 口だけではなかった。

 いつのまにか、爆豪の胸倉を掴み、押し倒していた。

 

「わか、ってん……だよ……!」

 

 そこに普段の傲慢で、太々しい爆豪はいなかった。

 涙を腕で隠し、弱弱しく嘆く、敗北を知った男がいた。

 

「忍者野郎に、舐めプされて負けたってことぐれエ。だから、勝つんだろ。今度こそ、完璧に……完膚なきまでに……。クソォ、クソナードが……」

 

「なら何が何でも勝とうよ! どんなに泥臭くても、何を使っても勝とうよ!」

 

 視界が歪んでいた。

 爆豪を押さえつける手に、涙が滴っていた。

 

「僕が憧れたのは今のかっちゃんじゃない……! 上級生二人を倒したときみたいに、どんな時でもオールマイトみたいに立ち向かって、苦しくても最後には勝つ。それがかっちゃんだろ……!」

 

「うるせェ……」

 

「僕を使ってよかっちゃん。それでオールマイトに勝ってよ! オールマイトに勝って、轟君にも、忍堂君にも勝ってよ!」

 

「手ェ、放せ……」

 

 腕が万力で掴まれたようだった。

 そこには普段の傲慢で、太々しい爆豪はいなかった。

 涙で目を腫らして、それでも強い闘志を、敗北を知り、それでも立ち上がり勝とうとする男がいた。

 体をどけると爆豪はゆっくりと立ち上がった。

 

「一度だ、一度だけ使ってやる……クソ雑魚」

 

 掴まれた手首がジンジンと痛かったのに、心は全然痛くなかった。

 

「ただで逃げんのもなしだ。オールマイトの機動力ならソッコー掴まんのが落ちだ。一人で気を引いたところで何秒もモタねえ」

 

 目の前に憧れの人が現れたから。

 嬉しくてたまらなかった。

 

「くっっっっっそ癪だが、勝利条件はオールマイトを倒すことじゃねエ。チャンスはそう多かねえ、だからクソデクテメエが決めろ。ネズミみてえなすばしっこさで、オールマイトの隙を作れ!」

 

「うんっ! 絶対に勝とう!」

 

「うっせエ! 俺様がやんだ、もしも負けりゃテメエの凡ミスが原因だクソナードが!」

 

 いつもはその怒声に委縮してしまった。

 でも、それでも今だけは違った。

 

☆

 

 

 時は進み試験の終盤、9組のテストが終わり残すは1組。

 当初、オールマイトは二人の確執に気づきながらも、いつかはと思い続けていた。

 しかし、ことがそれを許さなくなってきた。

 AFOの存在、そして敵連合の躍動。

 

「多少荒療治になるが、これも必要な壁。さぁ少年たち、私が行くぞ!」

 

「んなチマチマやってられっか! クソガアッ!!」

 

 初撃を決めようとするよりも早く、爆豪が突っ込んできた。

 真正面から、緑谷の姿はなく、愚直で直情的な攻め。

 オールマイトは残念で仕方がなかった。

 

(見たところ専用の手錠を持っていない。緑谷少年が持っているか、捨てて来たか)

 

「私はヴィランだ。ヒーローが単身で突っ込んできて、優しく頭を撫でてやるなんてしないぞ!」

 

 空中から飛来する爆豪の顔面を掴むため腕を伸ばす。

 しかし、爆豪は空中で軌道を変えオールマイトの腕に組みついた。

 

「なんとっ!」

 

「死ねエエエエ!」

 

 腕の上に立ち、両手による集中爆破。

 

「イタ! イタタタタタッ!」

 

 通常の相手なら、爆破の連打に押されダウンするほどの威力。

 しかし、相手はナンバーワンヒーロー。多少の痛みを感じつつも平然ともう片方の手で爆豪の頭を掴み、地面に叩きつける。

 

「ガハッ!?」

 

「多少の威力では私を倒せんぞヒーロー! どうだ、彼我の力量差が分かっただろ。まずは一旦引いて、仲間と」

 

 試験の目的は勝ち負けにあらず、教え導くこと。

 ヒーローにとって大切なことを教えること。

 凶悪なヴィランに対して、時には仲間と戦う道を教えること。

 しかし、

 

「るっせえ! 俺一人で十分なんだよ! あんなクソナードなんざ要らねえ! 俺一人で」

 

 手首が翻り、手のひらがオールマイトに向けられる。

 バチバチとスパークが見えた。

 

「しまっ!」

 

「勝つんだろうガ!」

 

 視界が潰れる程の爆音と閃光が至近距離で炸裂した。

 顔を覆い、思わず爆豪から手が離れる。

 その隙を見逃さず、雄英体育祭で見せた極大火力の爆破を放つ。

 

「ぐ、ぐぬおおおお!?」

 

 超高火力の一撃にオールマイトは全力での防御が間に合い、どうにか踏みとどまる。

 爆発の砂塵から爆豪を探せば、路地裏に逃げ込む姿が映った。

 

「一旦態勢を整えるつもりか。そうはいかんぞヒーロー! ヴィランが弱ったヒーローを逃がすと思うな!」

 

 爆豪を追い、すぐさま路地裏に飛び込む。

 

「やはり先の一撃は相当な負担のようだね、普段よりも機動力が落ちているぞ!」

 

「クッ!」

 

 爆豪も必死で距離を離そうとするが、オールマイトの機動力はハンデがあったとしても優に爆豪に追いつく。

 

「クソガッ!」

 

 爆豪が振り向き、初撃以上の爆破の連打を放つ。

 

「確かにソレは痛かったが、耐えられないほどじゃあない。それに」

 

 狭い空間で巻き上がった黒煙は逃げ場がなく、両者の視界を塞いでいく。

 

「格上を相手に視界を覆えば、有利になるのは格上だぜ。爆豪少年!」

 

 黒煙を突き破り伸ばされた腕が、爆豪の首を掴み締め上げる。

 

「ガァッ!?」

 

「この通り。狭い場所に視界不良で爆破が四方八方に飛んだおかげで、簡単に捕まえられた」

 

(それにしても煙が多いな。機動力も落ちてたし、感情的になりすぎて調節が上手くいっていないのか)

 

 まだ黒煙は晴れないが、至近距離にいる爆豪の顔は見えた。

 そして、その瞳に強い光を見た。

 

(これは諦めた者の目ではない。まだなにか、この状況を打開できると……?)

 

 ナンバーワンヒーローとしての経験が、たった数秒で考えうる可能性のすべてを導き出す。

 

「そういうことかっ!」

 

 黒煙を突き破って横からワンフォーオールを発動させた緑谷が迫る。

 オールマイトの敗北条件は手錠を掛けられること、即座に緑谷の手足を見る。

 ダメージはこのさい無視だ。

 

(手錠を持っている様子は、ない!)

 

「手を、放してください。オールマイト!」

 

 緑谷の拳がオールマイトの顎をかちあげる。

 本来の力の5%とはいえ、積み重ねられた力がオールマイトの視界を青空に向けさせる。

 

(爆豪少年の突撃はブラフ。目的は狭い路地裏に私を誘い出し、視界を覆っての必殺の一撃! 顎を下から狙ったのは、不意の一撃による脳震盪を狙ってか……!)

 

 パチパチと視界に火花が飛ぶ。

 しかし、不意を突かれても問題はない。

 

「なぜならこの程度ォ! 私にとっては日常だからさ! それに、手錠を使わないなんて舐めてるのかな!」

 

 爆豪から手を離さず、拳を振りぬいた位置にいる緑谷をノールックで蹴り飛ばす。

 

「そんなっ、ぐっ!?」

 

 黒煙を突き抜け壁に衝突する。

 

(いい連携だった。まさかこんな作戦を練って来たとは、試験の間にいったい何が……)

 

 嬉しい誤算。本来クレバーな戦闘をする二人が互いに協力すれば、ハンデ有りとはいえナンバーワンヒーローに不意の一撃を食らわせることすら可能にしたのだ。

 しかし、それでも届かない。

 それほどまでに圧倒的な力量差、そして経験値の差、明確な格の違いが逆転を許さなかった。

 

「残念だが、ここまでのようだな」

 

「アァ。これで……」

 

 カチという音がした。

 なんだろうと思い、独特な締め付けを感じた腕を見れば、特徴的な手錠が自身の腕に巻き付いていた。

 

「勝ちだ!」

 

『試験終了! 緑谷、爆豪チームの勝利』

 

「なななななんですとおおおお!?」

 

 混乱するなか、それでもオールマイトの頭脳は結果から過程を逆算した。

 

(当初、爆豪少年は手錠を所持していなかった。……緑谷少年か! 黒煙で視界を封じ、緑谷少年の一撃を助けると同時に、緑谷少年が爆豪少年に手錠を渡したのか! 顎の一撃は視界を外させ、意識を緑谷少年に向けさせるため!)

 

「か、かっちゃん大丈夫!? 傷が!」

 

「うるっせえ、作戦が決まったからって調子に乗ってんじゃねえクソデク! テメエは最後吹っ飛ばされただけだろうが! テメエなんざいなくたってなア――」

 

(未だ不和の完全解消に至らず、爆豪少年の抱える焦燥が消えたわけでもない……。が、共通の敵を前にして、共に戦うことを選んでくれた。おいおいなんだよなんだよ、めっちゃ成長してんじゃんか)

 

 教え子の個性だけではない、人としての成長を実感し、オールマイトの目に涙が浮かんだ。

 なお、保健室に戻った爆豪のダメージがわりと酷く、緑谷の一撃から手放すまいと強く握った首の痕を見て、リカバリーガールにやり過ぎだと怒られることになった。

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