個性チャクラで影分身 作:切って捨てて
PC立ち上げて、ハーメルンのサイトまで行って、書きためしてるテキストファイルを開いて、コピペして、投稿
書くだけなら
PC立ち上げて、サイト開いて、書く
うん、やっぱり投稿ってすっごい疲れますね。皆凄いですわ
A組、そしてB組生徒が個性伸ばしから、新必殺技を考案する日々。
中には自身の個性のメリット、デメリットに合わせたコスチュームの改良も行い、来るヒーロー仮免試験に向け寝ても覚めても訓練の日々が続いた。
「それじゃ、儂様は寝るでござるよー」
「忍堂っていつも寝るの早いよな」
夜、宿所の共有スペースで談笑していたA組の輪から、忍堂が立ち去っていく。
爆豪はともかく、大体が1日の成果や今後についての情報交換もあり、多くの生徒が共有スペースに集まっている。
そんな中で、決まって早く自室に戻る忍堂に、他の面々は意外に感じていた。
「確かにな、忍堂ってなんか夜までひたすら訓練! みたいな感じに見てたわ」
「実際、分身体はチャクラが切れるまで色々やっているらしいな」
「デク君、どうしたの?」
個性の話になればがっつく緑谷が反応せず、むしろ心配げに指いじりをする姿に、麗日が少し距離を詰める。
「うん。ちょっとね……」
(多分、忍堂君はあれをやってるんだと思う。正直止めたい、でも)
「ふっふっふ。緑谷、オイラには分かるぜ?」
「え、み、峰田君?」
良くないオーラをまとった峰田が、ソファーの後ろからヌッと現れる。
「アイツのことだ、どうせ夜な夜な隠れてお宝鑑賞してんに決まってんだぜ。流石忍者ってところだな」
「多分、違うと思うよ……?」
明らかに緑谷とは別の方向で考えている峰田は、緑谷の否定が耳に入っていないのか、他のクラスメイトにも素早く話を回している。
曰く、超が付くお宝を独り占めしている。これを聞いた瀬呂たちは面白がり賛同。
曰く、秘密の特訓を自室でしている、防音部屋が証拠だ。これを聞いた尾白と八百万たちが興味を示す。
曰く、個性訓練のため一人でうまい菓子を食っている。これを聞いた芦戸たちが目を輝かせた。
「峰田君、こういうときの動きってホントに早いよね……」
こうなっては止まらない。
願わくば、忍堂の秘密がバレないことを緑谷は祈るしかできなかった。
(いや、むしろバレた方があんな特訓ができなくなるから、むしろいいのかも?)
色々図太い忍堂に当てられたのか、日中の特訓の疲れからか、緑谷は都合の良い方向に思考を回しはじめた。
「作戦はこうだ。鍵が掛かっていた場合、オイラがこのピッキングツールで開ける」
「なんでそんなもん持ってんだよ。終わったら回収して先生に預かってもらうからな」
「部屋に入ったらまず忍堂の身柄を拘束だ。瀬呂、テープでまずは奴の指を封じろ。分身体を作られちゃ失敗だからな」
「おう! 任せろ!」
「とどめにオイラのモギモギで完全に動けなくすれば、後はこっちのもんだぜ!」
「凄い。忍堂君の個性の特徴を的確に潰す作戦だ……!」
「はぁ。授業中でもこれぐらい真剣に臨んでいただければ、先生からの評価もまだましだったでしょうに」
口では言いながら、お嬢様故こういったイベントに縁がなかった八百万は、ぷりぷりしながら指先からピッキングツールとライトを取り出した。
「カウント行くぜ、3,2,1……。GOGOGOGOGO!」
カギは掛かっていなかった。
扉を開け、峰田たちが突入していく。
しかし、
「あれ、忍堂の奴いねえぞ?」
「えー! お菓子はー!?」
「秘密の特訓……」
部屋どころか防音室にすら忍堂の姿はなく、皆が困惑し、失敗だと急降下したテンションで部屋を後にする。
それからしばらく共有スペースに集まっていた緑谷達の前に、忍堂が姿を現す。
「二人のあいだすりぬけて~。ブラックホールに消えた奴がいるぅ~」
聞いたことのない歌を口ずさみながら、やって来た忍堂に峰田が恨めし気に声を掛けた。
「オメー! どこ行ってたんだよ!」
「ござる?」
「さっき、峰田君たちと忍堂君の部屋に行ったんだけど、中にいなくて」
「あ~。そうでござったか。すまぬでござるよ、寝る前のちょいとした散歩に行ってたでござる」
ガハハと笑う忍堂に後ろ暗い様子はなく、皆がなんだと納得する中、芦戸が手を挙げる。
「ねえねえ! 峰田が忍堂君がお菓子持ってるって言ってたけど本当?」
やべっ。と峰田が緑谷の後ろに素早く隠れた。
だが、忍堂はポケットから巻物を取り出し、中から菓子を出す。
「まあ、あることにはあるでござるが。欲しいでござるか?」
「やったー! ありがとー!」
「ま、この時間の食事は正直太るでござるが」
ピシリと芦戸が石化する。
芦戸なら問題ないでござるな、と続けた忍堂に芦戸は頬を膨らませる。
「芦戸の場合、多分胸に栄養が集まるでござるよ。普段から動いているゆえ、腹の脂肪にはならんでござる。いやはや、スタイルも良いでござるし、将来が楽しみでござるな~」
「お前、それ普通にセクハラだぞ。ござる変態」
「マジでござる? 褒めたつもりなのに、世知辛いでござるな」
言葉とは裏腹に気にした様子も見せず、忍堂は用事を済ませるとスタスタと自室に戻っていった。
しばらく固まったままの芦戸に、麗日と蛙吹が声を掛けるが、ビクッ! と反応した反応に、アレ? と顔をニヤっとさせた。
「あっれ~? 三奈ちゃんもしかして嬉しかったんかな~?」
「ケロ。確かに、忍堂ちゃんの言い方は峰田ちゃんと違って、全然邪じゃなかったものね。純粋に褒めてたわ」
「え!? あ! ちち、違うからね! 別に遠回し気にしながら真っ直ぐ褒められて嬉しかったとかじゃないから!」
もう寝るー! と足早に去っていった芦戸に、ほんわかする女子。
「~~~~ッ!?!?!?!」
音にならない峰田の悲鳴が心情を露わにしていた。
「忍堂の奴、変態なのは変わんねえけど。嫌な感じさせないのずりーよな」
「天使と悪魔。二極の面を使い分けるか」
(よかった。とりあえず忍堂君のアレがバレなくて……。それにしても、散歩ってどこに行ってたんだろ)
☆
そして数日後、いよいよヒーロー仮免許試験当日。
会場に到着して、バスから降りた緑谷達にいくつもの視線が集まる。
「ござる、儂様たちは有名人になってしまったでござるか……」
傑物学園と名乗る人と握手をしながら、忍堂は面倒だと肩を落とした。
人気商売なヒーローを目指す者にとって、知名度が今のうちから持てる意味は大きい。
しかし、忍堂にとっては面倒な話でしかなかった。
「相変わらずだよね、忍堂君は」
「くっそぉ。忍堂達ばっかり人気で、俺とか尾白なんかそっちのけだぜ?」
「砂藤、俺を巻き込まないでくれよ。惨めになるだろ……」
「そう卑下することはない。注目がないなら、今後集めればいいだけのこと」
砂藤、尾白、障子が拳をグッと握る。
「はぁー! やっぱいいよなこういうの! 他校の女子がいっぱいいやがんぜ!」
「ござるござる。眼福にござるよ」
峰田は目を血走らせ、はあはあと涎をたらし。
忍堂は観察するように周囲を見回している。
「お前の学校ってホントに倍率300倍? 何基準で絞った?」
「聞くな」
「ブッハ! 自覚あんのかよウケる!」
傑物学園の教師、Ms.ジョークと面識を持つ相澤は見ないふりをした。
しかし、一歩。また一歩と試験会場に足を踏み入れた忍堂達の顔つきが、変わる。
一次試験、体に張り付けた3つのターゲットに、一人6個配給されるボールを当て、2人分のターゲットにボールを当てた者が試験突破。
会場は受験生の多種多様な個性を発揮できる、USJのようないくつもの条件が設定された演習場。
シンプルながらも一次試験の合格上限が100人と設定されていることもあり、会場の空気がどんどんと締め付けられていく。
『では、1次試験。スタートです』
本試験に向けての調整やらで疲労困憊な試験官の合図で、すぐに試験が開始された。
「みんな集まって!」
試験の内容を聞いた瞬間から、勝つ方法を考えていた緑谷の声にA組生徒が集まる。
しかし、それに迎合しない者もいる。
「遠足じゃねえんだクソデク!」
もともと一匹狼気質を持つ爆豪が単独行動を開始、つられるように切島と上鳴も後を追った。
「俺の個性は大人数での共闘に不向きだ」
轟が個性のメリットデメリットを天秤にかけ、単独行動を取る。
そして、
「え!? 忍堂君も!?」
最もチーム戦に長けている忍堂が単独行動を宣言した。
爆豪、轟まではA組生徒も納得していたが、忍堂の離反には懐疑的だった。
だが、続く忍堂の言葉で変わる。
「プロを目指す者が、初めから他者を当てにするなでござるよ。実戦ならともかく、今回は試験にござる。チームプレイは弱点を補うものではなく、互いの個性のシナジーを高めるものにござれば、足手まといは現場において邪魔なだけにござる」
忍堂なりの、チームのためを思っての言葉だった。
緑谷は期末試験でのやり取りを思い出し、頷く。
「なんでも一人で出来るわけじゃないけど、はなから一人で何もできないんじゃ意味がない。分かったよ忍堂君、君の力を借りなくても試験に合格してみせる!」
「ちっ。完全格上目線だぜ」
「実際そうだろうよ。あいつの万能ぶりに胡坐じゃ俺達も成長できないってことだろ」
皆が一様の納得をすると、忍堂は単独行動を開始した。
「これでアイツだけ落ちたら馬鹿にしてやろうぜ」
「そりゃいい。そんためにまずは俺らが合格しねえとな!」
直後、緑谷達を囲むように他校の生徒がゾクゾクと集まった。
「ふいー。さてと儂様も色々試すでござるよー」
仮免試験恒例の雄英潰しに奮闘するA組から離れ、忍堂はビルの屋上に立っていた。
巻物から一枚のタブレットを取り出す。サポート科と共同で作った、GPS写真をリアルタイムで取得、画像形式で書き込みができる”だけ”のアイテムに、試験会場を映す。
円形の会場を4分割し、タブレットに備え付けられている装置から紙にプリント。地面に並べ簡易的なマップを用意する。
「さてさて、新アイテムの試験運用にござる」
紙に大まかなマス目を書いていき、上辺にアルファベット、左辺に数値を書く。
「多重影分身の術!」
偵察用の数十体の分身体を出し、マップのマス目にそれぞれ配置していく。
少し待てば、通信機を通して分身体からの報告が集まる。
「ふーむ。儂様一人でやるには情報量と手がやはり足らないでござるな」
マップを見て、エリア地区ごとに分身体を出していく。
矢継ぎ早に指示を出し、通信機のチャンネルとマップへの書き込みをエリア地区で分けていく。
直後、緑谷達がいる場所の地面が割れた。
「うひょー。派手にやってるでござるな。状況は?」
「傑物学園の攻撃にござる。緑谷達が分散した模様、追加の人員要請にござる」
「5,6体でいいでござるか?」
「十分にござる」
林間合宿では音声のみによる情報伝達だけを、忍堂と八百万で処理していた。
地図を使い、それらを視覚情報に落とし込む。忍堂だからこそできる戦線把握技。
「即席分身情報網。技にしては安直にござる、儂様にネーミングセンスはないでござるな」
後日、ミッドナイトに相談して、分身体衛星情報網(サテライトクローンネットワーク)と命名された。
派手ではないが、本家にはない忍堂だけのメリットを使い潰すオリジナルの技が、拙いながらも形を帯びた瞬間だった。