個性チャクラで影分身 作:切って捨てて
なんか寝る前とか目が赤くなるみたいで
たまに手裏剣っぽい瞳孔になるんで
むんってやったら黒い炎とかでちゃうタイプなんで
誠にすみませんが解してください
「しもしも~? こちらはエチチバニーヒーローのミルコさんのお電話でよろしいでござるか?」
『おーう! 良く電話してきたなバカ弟子! 何の用だ?』
自室でミルコに電話を掛けつつ、体をビシバシいじめてる儂様でござる!
なんというか、ミルコの声を聴きながら鍛えるとやる気になると言うか、滾るでござるな!
「これが生存本能を刺激される感覚にござるか……」
『めちゃくちゃ失礼なこと考えてるだろ』
「インターンの話でござるが、ミルコは受けてくれるでござるか?」
『おう、いいぜ! こいよ! またボッコボコにしてやっからよ!』
うーん。今回もボコられる感じにござろうか?
それはそれでいいでござるな。ヒーロー活動に興味ないでござるし。
「一個疑問にござるが、ミルコって働いているでござるか?」
『あん? 私を舐めてんのか?』
「だって……ござる?」
『ようし! インターンじゃボコボコにプラスして、私の仕事っぷりを見せてやるよ!』
「無理しなくていいでござるよ? シゴデキよりも、野生児っぷりがイメージに合うでござる」
『……』
ぷつッと電話が切れてしまったでござる。
うーむ。儂様なりのアドバイスにござったが、図星をランスで牙突してしまったでござるか。
塞がらない穴を穿ってしまったでござるか。
「さ~て。相澤先生に話を通すでござるか」
自室を出て、共有スペースを通って相澤先生の場所に向かおうとすると、そこでは切島たちが残念気に項垂れていた。
「どうしたでござる?」
「どうしたもこうしたもねえよ。インターンの話、フォースカインドさんとこ募集してなくてなー」
「私も、ガンヘッドさんのところ行きたかったんだけどねー」
「ケロ。私も……」
「なるほど。大変そうにござるな。となると、インターンは緑谷だけにござるか?」
そう、この場にいる中でインターンが決まったのは緑谷だけである。
力なく笑う緑谷でござるが、周りからは羨ましいと言われているでござるよ。
「インターンにはそれ相応の責任が伴うからな」
自然と会話に入って来たのは、儂様が会いに行こうとしていた相澤先生にござる。
「相澤先生、丁度いいとこ」
パリィンッ!!
おかしい。儂様は相澤先生にミルコのインターンについて話をしようとしていたはず。
「よう馬鹿忍者! 優しいミルコ様が直で来てやったぜ、泣いて喜べよ?」
なぜミルコの声が聞こえて、首回りに強い圧迫感を感じているでござる?
「おら、分身体出せよオラ!」
か、体が震えるでござる。
ウサギに睨まれた人ってこんなんになるでござる。
大人しく分身体を出すと、ミルコはそれはもう笑顔でござった。
「じゃ、説明もろもろはお前がやれ。本体は私とランデブー、決まりな!」
「た、助けるでござる分身体……!」
「諸行無常にござるよ本体。儂様が雄英生徒の職務を全うする故、頑張るでござる」
「おかしいでござる! 分身体に身代わりにされたでござる! お前がこっちでござろう!」
「私とのランデブーが嫌だってのか? アア?」
ひぐっ!? く、首がぁ……!!
「す、すごい。こんなに必死な忍堂君は初めて見た……!」
「けっこーレアじゃね?」
「バニーにヘッドロックで顔にたわわだと……。オイラ、アイツ、コロス」
「というわけで先生。儂様の本体はこれからミルコのところにインターンに行くでござる。授業はこれまで通り分身体が出るでござるよ」
「そうか……。ま、なんだっていいや。お前が必要な資料書いてくれれば」
せ、先生? 生徒を護るのが先生の役割ではござらぬのか!?
とはいえ、ここで暴れたところで逃げられると自惚れてはいないでござるよ。あと柔いのは嬉しいでござるし。
「さすが雄英だな。話が早くていい!」
ニカっと笑ったミルコに連れられて、別れの挨拶すらする間もなく儂様は連れ去られたのだった。でござる。
連れ去られた先、前回の職場体験で散々殴り合った空き地でござった。
「さ! やろうぜ!」
「まだ儂様制服にござる。ちょっと待つでござるよ」
インターンになろうがミルコとやることが変わらないことぐらい、とっくに分かっていたでござる。
でも、近接馬鹿なミルコだからこそ、今の儂様にはちょうど良かったでござる。
「ほう! いつもの逃げ腰はどうした?」
「新技にござるよ。丁度サンドバッグが欲しかったでござる」
忍衣装に着替えた儂様は、分身体も出さずミルコと向かい合う。
「威勢がいいじゃねえか、生意気だな!」
「我流忍法! 奇門遁甲蝶蜂の陣!」
チャクラが高速で体を駆け回る。
軋みを上げながら、過剰な力が全身を包む。
一歩、地面を穿ち。
二歩、大地を壊し。
三歩、宙を舞い音速の壁を超える。
「破拳!!」
小細工のない正面からの正拳。
当たる瞬間、ミルコが驚異的な反応速度で上体を反らす。
だが止まらない。全身の関節が軋みを上げながら連動、全身に張り巡らせていたチャクラが突き出した拳に集まる。
新しい強大な術もいいが、俺が最も鍛えたチャクラコントロールによる、螺旋丸を超えた一撃必殺の技。
轟音。
拳を突き出した先のことごとくを破壊。
地を削り、木々を根からへし折り、山に深い洞窟を穿つ。
「流石ミルコ、避けてくれたでござるか」
AFOやオールマイトを想定した必殺の技。
そのプロトタイプを向ける相手をずっと探していた。
ミルコがインターンを受けてくれて本当に助かった。
「お前……」
儂様が作った惨状を見て、ミルコが呆然とこちらを見て。
「おもしれえじゃねえか!」
めっちゃ笑ってきた。え、コワ。
「見た感じ試作段階ってところだろ。私で慣らしたアやってくれるじゃねえか!!」
ミルコが飛ぶ。
あ、ダメ。チャクラの大量消費と反動で十秒ぐらい動けんでござるよ。
どこぞのバッタライダーみたいなドロップキックを目の前に、儂様は。
「解!」
右ケツにストックしていたチャクラを解放。
無理やりに回避。
「なんだ動けんじゃねえか! オラァ!」
「奥のケツにござるよ。まだ左ケツがあるでござる!」
「野郎のケツに興味なんざねえ!」
ガハハと楽しそうに蹴り込んでくるミルコと、儂様は熱い青春を語らったでござる。
☆
「よし! 次は私の仕事っぷりを見せてやるクソガキ!」
一撃必殺の技と、継続戦闘に合わせた技。他にも試せそうな技を織り交ぜたミルコとの戦闘は大変有意義にござった。
結果、前のように一方的にボコられはしなかったでござるが。お互いに打撃痕が痛々しいでござる。
「ミルコ、コレだと虐待を疑われるでござるよ」
「オラ行くぞ!」
「あーれー」
街に繰り出すミルコでござったが、正直参考にならんでござる。
ミルコは適当に街をぶらついては、耳をピンってさせて「こっちだぜ!」と駆け出す。追いかければあら不思議、敵が一般市民を脅しているでござるよ。
「お前! 悪い奴だな!」
なんて確認にもならない掛け声でドロップキック。
気絶させた敵を警察にポイ。
「み、ミルコお姉さま! ありがとうございます!」
「おう! なんかあったら私に言え! 強い敵だったらもっと私に言え!」
助けた人からは絶大な感謝を受け、次の敵を探す。
そんなことを繰り返せば短時間でいくつもの事件を解決しているでござるよ。
「どうだ! 弟子! 私シゴデキだろ!」
「参考にならんでござるよ」
「かー、これだからインテリ君は」
「致命的に儂様とスタイルが合わないでござるよ、ミルコ」
「確かにな。こんな弱エ連中じゃつまんねえよな」
「会話がしたいでござるよ」
とはいえ、全部が参考にならないかで言えば違うでござるが。
ミルコが本気で走れば街のコンクリートなんていくらでも破壊できるでござる、しかしミルコの移動跡を見れば、ものの見事に破壊されていない。
それなのに速い。とにかく速い。
「ミルコって褒めたらいいのか、馬鹿にしたらいいのか謎にござる」
「よおし喧嘩だな! 買った!」
「違うでござる。ヘッドロックは止めるでござるぅう~」
それから、儂様のインターンはミルコとのボコし合いと、休憩&小遣い稼ぎの敵狩り。このサイクルにござるよ。
だが、ここで儂様とある発見をしたでござる。
「お前のそのチャクラだっけか。精神と身体エネルギーを掛け合わせたものってんなら、私に寄越してみろよ」
「何言ってるでござるこのウサギは」
ソレは戦闘訓練が終わり、自分の傷をチャクラ強化で癒していたところを見たミルコの言葉に、儂様は大いに呆れたでござる。
足が飛んできたので回避。
「これはチャクラで治癒しているわけではないでござる。あくまでチャクラによる身体強化、それに伴う自己治癒力の強化でござる」
「手の平とかで出せんだろ。さっきの小玉螺旋丸っつうやつとか」
なお、その小玉螺旋丸を受けて「イテエ! やったなー!」と、脚が飛んできたでござる。
文字にすると可愛らしいかもしれぬでござるが、儂様は玉ヒュンしたでござる。
「さっき木の枝をチャクラで強化できんなら、人間にもできんだろ?」
「アレはあくまで枝をチャクラで覆い補強しただけにござる」
ちなみに、「いい硬さ!」の評価と共にへし折られたでござる。
色々試してみた結果、ミルコみたいな脳みそ筋肉系には、真正面からの一撃が最も有効打でござった。
「ごちゃごちゃウッセー! いいから私にチャクラを寄越せ!」
「爆散しても知らないでござるよ?」
ま、これはこれで試せなかったことの一つにござる。
チャクラは純粋なエネルギーにござれば、自分以外の人体に直で流した時にどうなるのかは気になっていたでござるよ。
これで単純な強化ではなく、ミルコが大怪我を負うようなら、それはそれで新たな強い技に昇華するでござる。
「では」
差し出してきたミルコの手を使って、チャクラを流す。
そして気づく。儂様のチャクラがミルコの中に入り、ミルコの全身を駆け巡るのが分かる。
「おお! これいいじゃねえか!」
えいって感じでミルコが地面を蹴る。
バシュッ。という音とともにミルコが視界から消えたでござる。
次いで、バゴォオ!!! という音で近くの木がなぎ倒されていったでござる。
「調整ミスった!」
バシュッと現れたミルコは、額から血を流しながら嬉しそうにしていたでござる。
しかも、身体強化が上手くいっているおかげで、額の傷も瞬く間に治っていくでござる。
あれ、儂様よりも効果が。
「なるほど。もともとウサギの個性で身体が強化されていて、儂様のチャクラが上乗せされたでござるか」
「わーっはっはっは! 全身から力がゴホァ!!」
うーん。喀血。
「強すぎて内臓が耐えれてねえなこれえゴボボボ!」
うーん。めっちゃ喀血。
でも、これはこれで新発見にござるな。
動かないでいれば内臓の傷もすぐに治ったようでござるし。
「うめえ! 飯がめっちゃうめえ!」
なお、反動で体内のエネルギーを多量に消費するようで、突然「飯だ!」と言って牛丼屋に連行されたでござる。
おそらくチャクラが無理やりミルコの身体エネルギーを吸い取って、出力を上げているのかもしれぬでござるな。
「感覚としては、お前の手が離れたとたんに制御を失ってる感覚だ。慣れればちったア制御できんかもしれねえけど、使い道としては……」
そして新発見。
ミルコって意外と頭いい。
普段の言動が知能指数をめっちゃ下げてるのが分かってしまった儂様、ミルコをただのお馬鹿キャラとして扱っていいのか分からなくなったでござる。
「つまり、儂様が触れた状態でチャクラコントロールによって身体を強化すれば、疑似的に治癒が行えるでござるか……」
食後、ミルコと実験を繰り返した儂様達は一つの結論に到達したでござる。
「あくまで治癒を行う資源はお前のチャクラが担う。だから渡したチャクラが切れるまで……ハッ!!」
ガタッ。とミルコが名案とばかりに儂様の首根っこを掴み、背中におんぶ。
「合体! スーパーラビットモード!」
そして、コントロールを失うのなら、儂様が常時ミルコと密着することで、ミルコの内臓を傷付けることなく超強化する、文字通り外付けバッテリーが儂様の新技になったでござる。
うーん。チャクラの使い勝手が良すぎるでござるよ。
あと、合法的にエチチバニーミルコに抱き着けるのは役得……。
意外にも女性の甘い匂いが香しいでござるぅ。
「ハッハア! これが音速を超えた速さア!」
役得……かなぁ?
この胸の高鳴りが、死の恐怖から来るものではないと信じたいでござる。
「でもダメだな。速いのに動きづれエ!」
「安心したでござる。この術は禁術にござるよ、一生誰にも使わないでござる」
「おいバカ弟子、変化した状態でチャクラとか術を使えんのか?」
「使えるでござるよ。でなければ螺旋丸を維持したまま手裏剣になれないでご」
儂様は全力で走ったでござる。
「まぁ、待てよダァーリィン……」
「嫌でござる! これじゃ本当に外付けバッテリー扱いにござる! 人権! 人並みの喜びを要求するでござるゥ!」
「ここならどうよ?」
「な、なんと……そんな場所。許されるでござるか!? 儂様、色々とやばくないでござるか!?」
「なぁに言ってんだ。Win-Winってやつだろ? 変化はダメージで解けんだろ? ここなら衝撃を物理的に吸収してやんよ」
「意外にもマジで実用的だった!? ミルコの姉貴! 一生ついていくでござる! 卒業後はここに就職させてくださいでござる!」
完全にネタなんだけど、ガチで強い戦法が生まれた瞬間にござった。
多分お披露目したら色々殺されるでござるが、本望にござる。
なわけねえよ、絶対やだわ。マジのがちの緊急時以外禁術!