個性チャクラで影分身   作:切って捨てて

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更新遅れましたねー
ストックが尽きたとかじゃないんですよ
ただ、普段使いしてるヤホーメイルのアドレスが不正利用うんたらで使えなくなりまして
スチームやらアバゾンとかでも使ってまして、色々大変だったんです、ハイ
とりま一区切り付いてほっとし始めて、まだ他に何かあったっけ?と寝る前に過去の自分がどんなサイト巡りしてたかを思い出す日々です。
皆さんも二段階認証とかもしもの時の設定はちゃんとしましょう(余計なお話)
私ですか? そっこうそこら辺の設定しました。ハイ
私は一生グローバルメイル使うことにします。


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「お父さああああああん! お母さあああああああん!」

 

「うっせトビ黙ってろ!」

 

「ひゅうおあわああああああ!?」

 

 どもども、敵連合所属のトビっす。

 いきなりですけど、オイラ今死にかけてまっす!

 今も目の前で小さな山みたいな男が腕を振り下ろして。

 

「うわああああ、秘儀穴モグラあああああ!」

 

 両手の封印術で土を掘っては外に出してを繰り返して、地面の中をほりほり。

 2,3メートル掘った直後に頭上からやばい衝撃が襲ってくる。

 

「ふぅ。助かったぁ……」

 

「お、生きてた」

 

「コンプレスセンパイ酷くないっすか!? もっと後輩を心配して欲しいっす!」

 

「あっはっはっは。信用してるってことだよ」

 

 ギガントマキア。

 今オイラ達敵連合が対峙している怪物の名前。

 突如襲ってきたそれは、オイラが今まで探してたAFOに繋がる存在だった。

 襲撃後に割って入った氏子達磨と名乗る男、聞けば右腕に近い存在らしく、魔王同様いかれた思想を持っていた。

 彼が持ちかけた提案を受けた死柄木たちと共に、AFOの隠し玉であるギガントマキアを屈服させる戦いが行われていた。

 

(ようやく掴んだ足掛かり! トカゲの尻尾どころか両手足の男! あとはアイツ以外の幹部の有無、そして奴に接触してマーキングを施せれば……!)

 

 AFOから始まる闇の深部。それらを一斉に始末できるチャンスがやっとめぐって来た。

 まさか本体での実戦が敵としてだとは思わなかったすけど、もうひと踏ん張りってところっすよ!

 

「センパイがんばってー! フレーフレー! セ、ン、パ、イ!」

 

 両手の封印術じゃどうあがいてもダメージなんて狙えない。

 そう言った意味も込めて全力で応援っす! 氏子に連れていかれた時、場所にマーキングはしてあるので最悪はここで朽ちてもいいっすけど。

 死柄木たちに会うための別アジトかもしれないし、やっぱり本体にマーキングが安パイ。

 

「トビ、応援してる暇があったらおとりの一つでもしろ」

 

「おじさんの個性の下位互換とはいえ、容量は上なんだからさ。木でも岩でも上から落とせば多少ダメージ入るんじゃない?」

 

「なるほど! 流石コンプレスセンパイ! 見た目以外は意外と常識的!」

 

「あれ。おかしいな、おじさん優しくアドバイスしたよね?」

 

「いくっすよーーー!」

 

「おーい。おじさん無視されると寂しいんだけどー?」

 

 マキアの狙いが死柄木だけとはいえ、死地であることには変わりない。

 制限された個性と心身共に酷使するこの環境は、今まで以上にオイラを成長させているのが分かる。

 

「オラ、食らうっすよ!! 巨岩メテオ!!」

 

「おー。結構大きいの出せるじゃん。おじさんも頑張らないとね」

 

「戦ってる時ぐらい静かにやれよ」

 

「そう言いなさんなって、あの大声でマキアの注意を多少引けてたりするんだからさ」

 

「羽虫、ジャマ」

 

「どわああああああ! しぬ、しぬっすううううう!!!」

 

「トビ君個性はあれだけど、身のこなしはかーなり良くなったよね」

 

「そうだな。奴の攻撃を上手く避けてやがる」

 

「もともと攻撃的な個性じゃないし、逃げに全振りって感じ」

 

 あれ、オイラもしかして一人で頑張ってる?

 なんで二人とも休憩モード?

 

「せ、センパーイ! ヘイバトンタッチ!」

 

 マキアの攻撃を回避しながら、休憩モードの二人の間を駆け抜ける。

 もともとマキアの狙いは死柄木。つーまーりー。

 

「トビ! こっちに擦り付けんじゃねえ!」

 

「お前なんでコッチに連れてきてんだよ、ふざけんな」

 

「アイツめっちゃ怖いんすよ!? 皆で苦楽を味わいましょうっす!! 仲間外れは良くないっす!」

 

 マキアの驚異的な継続戦闘能力は、数日寝ずの戦闘と3時間睡眠のサイクルと聞けば、その異常性は誰だって分かる。

 そのため、直接狙われていない死柄木以外は、定期的に交代することでマキアに対抗していた。

 

「トビ、もっかいアイツの頭に岩を落としてこい」

 

「嘘でしょ……?」

 

「ほらほら、おじさんも手伝ってあげるから。ボスの言った通りにするよ」

 

 それから数時間、マキアが眠りにつくまでひたすら戦った。

 

「弔君生きてます?」

 

「あぁ」

 

 交代のトガ、スピナーがやって来た。

 ちなみに、2人1ペアで、トゥワイスとマグネが次の交代になるっす。

 

「トビの野郎ぶっ倒れてんぞ」

 

「私達の時もいましたからね、どうしてトビ君はそんなに頑張るんです?」

 

 トガの言葉から分かる通り、オイラはコンプレスとペアではあるのだが、可能な限り戦闘に参加している。

 目的? 死を前にしての修行っすけど、なにか?

 

「オイラ敵連合の中で下っ端で、個性もコンプレスセンパイの下位互換っす。戦闘もアレっすけど、その分体張りたいって思っただけっす」

 

「逃げ虫のくせによくやってくれている」

 

「センパイ、そういうならもう少し優しくしてくださいっす」

 

 なんというか、戦闘が始まってからほぼ休みのない状態が続いているせいか、死柄木の態度が柔い。

 こちらとしては、コイツにもマーキングしたいからありがたいことではあるけど。

 

「とはいっても、流石に疲れたっす。次のマグネセンパイまで休憩するっす」

 

 戦闘中に少し身を隠しては分身体を出して、学校とミルコのところに派遣している。

 学校は分身体を了承してくれてるので、問題はないが。ミルコのところに本体が何日もいないのは問題になる。本体が学校でさぼってるなんて思われて、突撃しようとしたミルコを必死で止めたので、それ以降はこうして本体が出向くようにしている。

 学生、敵連合、ミルコ。チャクラという万能個性持ちですらギリギリなのだ、他の個性だったら破綻してるね。

 

「ゆっくり休め」

 

「お、早速センパイが優しくなったっす!」

 

 何十人という人をいたずらに殺しているとは思えない精神性だ。

 味方すら殺す裏ボス的な存在をよく作品で見るが、実際のところそんな奴の下にいたいと思うやつはいない。

 敵にはいくらでも残忍に、しかし味方には慈愛の一面を見せる。そういうギャップと身内の安全性にこそ、人は集まるのだ。

 俺がコレに絆されることはないが、他の奴だと違うのかもな。

 

「じゃセンパイ! オイラ失礼するっす! 生きてたらまた会いましょう!」

 

 一旦寝て、そこからミルコのところに向かうか。

 

☆

 

「ち、もう燃料切れか。もっと気張れや」

 

 スーパー野菜人みたいな感じになっていたミルコが、青色のオーラを四散させる。

 胸元から一枚の紙切れをポイっと捨てると、紙切れがボフンと干からびた分身体に戻る。

 

 うーん。儂様の分身体よ可哀そうにでござる。

 

「よし、次!」

 

「ミルコ、もうそろそろやめないでござるか? バッテリー付け替える感覚で分身体を消費しないで欲しいでござるよ」

 

 現在、儂様とミルコが行っているのは、チャクラを使った身体の超絶強化の検証。

 という体の、ミルコが楽しいだけの運動会になっているでござる。

 

「わり。これすっげーテンション上がんだよ。なんつうか個性まで強化されてる感覚でよ、滾んだよ」

 

「ござる。道理で分身体のチャクラ消費が爆速でござるよ。普通に身体の強化だけならもっと持つ計算にござるが、個性まで強化してたらそら数十秒程度しか持たないでござる」

 

 儂様が使えるチャクラ運用で最もコスパが良いのが、チャクラによる身体強化。

 儂様の場合は要所要所で強弱の調整や、強化部位の限定と消費を抑えているから猶更でござる。

 

「ミルコの場合、常時全身全個性の強化。普通に考えて無駄遣いもいいところにござる」

 

「本体のお前がバッテリーになれば永遠にできんだろ?」

 

「言葉を隠してほしいでござる。バッテリー言われていい気分でないでござるよ」

 

「んだよ。いい思いさせてんだから文句言うんじゃねえ」

 

 確かに。フィードバックで送られてくる情報はそらもう最高ですが。あいにくと人権捨ててまで欲しいかと言われれば、小石一つ分の差で否定するでござる。

 

「個性強化はいい話を聞いたでござるよ」

 

「んだ?」

 

「前に横やりした死穢八斎會の事件で保護した壊理ちゃんにござる。彼女の個性はエネルギーが影響しているでござるから、儂様のチャクラから充電てきなのいけるかなーと」

 

 個性のコントロールは儂様との訓練で制御の目途もついた。

 毎回必ず抱っこをせがまれるので、親の愛情を受けていない悲しさを感じて涙が出るでござるよ。

 

「それでどうすんだよ」

 

「決まってるでござる。オールマイトの復活にござるよ」

 

 神野事件で戦えなくなったオールマイト。

 壊理ちゃんの個性が巻き戻しである以上、巻き戻す時間が長ければ長いほど必要となるエネルギーが増える。

 

「本来であればチャージに年単位掛かるやもしれぬでござるが、儂様が外部エネルギーを担えば」

 

「そういうのはやめとくこったな」

 

「む、なぜでござる?」

 

 まさか止められるとは思わなかったでござるよ。

 

「戻しすぎ云々なら心配ないでござるよ。相澤先生の抹消があれば」

 

「そう言うことじゃねえんだよ」

 

 要領を得ないでござる。

 しかし、ミルコの顔は真剣なもので。

 

「人間いつかは死ぬもんだ。私は自分がいつ死んでもいいように生きてる。オールマイトだって長く敵と戦って来た、神野の一件は確かに世間の不安を煽ったかもしれねえ。だがよ」

 

 ぐっと、拳を向ける。

 

「私らは託されたんだよ。次はお前だってな、それなのに時間を戻してまでまた助けてくれって泣きつくんか? んなダセえマネしてどうなる」

 

「あーなるほど。理解したでござるよ。これは平行線にござる、問答の無駄でござるよ」

 

 トビとして得た情報、これらを鑑みればオールマイトという強力な戦力を加えないわけにはいかない。

 ギガントマキアに対抗できるヒーローを儂様は知らないでござる。

 

「確かに、時代を生きる者がその時代を守るのが道理なれば。過去の英雄を引っ張り出す時代に未来がないと思うのも頷けるでござる。だが、そんなのは綺麗ごとであり傲慢そのものでござるよ」

 

「お前、何を知ってやがる」

 

「おっと、話し過ぎたでござるな。しかしやることは変わらないでござる。もちろん、本人には事前確認を取るでござるから安心して欲しいでござる」

 

 というか、壊理ちゃんにもオールマイトにも拒否られたら実現のしようがないでござるよ。

 

「体の傷を治療して助けるのは良くて、時間を戻して再び戦ってもらうことの二つに、違いなんてないでござるよ。ミルコ」

 

 過去があって未来がある。

 過去の失敗や傷が未来を創るのは分かっていることでござるが、失敗を回避できるならするべきであり、後に残るほどの傷を歓待するなんて馬鹿でござる。

 

「まぁいい。私がお前の行動にとやかく口出すなんてお門違いだしな。やりたいことをやって、後悔ねエように死ねればなんだっていい」

 

「その通りにござる。価値観なんて人それぞれであれば、敵が生まれるこの世界の道理にござる」

 

 今の社会を守りたいのも、今の社会を壊したいのも、結局は変わらないエゴイズム。

 守りたい側の数が圧倒的に多いからこそ、壊す側を糾弾しているに過ぎない。

 そして儂様の守りたいモノが、前者に集まっているだけのこと。これが後者であったのなら、儂様の立っている場所は容易に変わるでござる。

 

「結局我を通すのは強者にござるよ」

 

 腰を落として構える。

 ミルコがニヤリと笑う。

 

「いいじゃねえか! シンプルで私は好きだぜ!」

 

 ミルコに行った外付けバッテリー、他人に使えて自分に使えない道理はないでござるよ。

 身体強化の度合いは変わらずとも、用意していた分身体を紙に変化させてポケットにしまえば、疑似的に使えるチャクラ量が増える。

 これで何ができるかと言えば、

 

「水遁! 水龍弾!!」

 

 消費チャクラ度外視の超高火力技ぶっぱ!

 ビルほどの大きさを持つ水の龍が二頭、地面を削りながらミルコに襲い掛かる。

 

「シャオラ! 柔えなア!」

 

 水龍がミルコの攻撃で破壊されるが、蒸発以外に水を破壊するなんて不可能。

 即座に修復された水龍がミルコを追いかけまわす。

 

「ならやっぱ本体叩くよな!」

 

「分かってて対応しないわけないでござる」

 

 水龍の隙を突いて突貫するミルコの前に、クナイに変化した分身体を三体投擲。

 そのまま足止めしつつ、水龍と挟撃する。

 

「私が勝ったらお前の隠してること全部話せやバカ弟子ィ!」

 

「え、ヤでござるよ。メリットないでござる」

 

「ならボコって無理やり吐かせる!」

 

「ん~チンピラの所業にござる。少し本気でやるでござるよ。水遁! 水龍弾!!」

 

 三匹目の龍が儂様を包み、空に舞い上がる。

 龍の頭部から地表のミルコを捉え、封印巻物から二体の分身体を出す。

 儂様が指示を出せばすぐさま二体の分身体が印を結ぶ。

 

「「水遁! 水鉄砲の術!!」」

 

 水遁系の術の威力、そして効率は水の有無が地味に大きい。故に、地表より水のある場所でこそ真価を発揮する。

 水なら既に用意済みにござる。

 

 龍が顎を見せ、自身の水を高水圧鉄砲として射出する。

 ビルほどの水を潤沢に使った質量の暴力がミルコを襲う。

 

「ハッハー! やる気になったなア! 興奮しちまうじゃねェかア!!」

 

 ミルコの体が小さく丸まる。それは合金製のバネが軋みを挙げて力をため込むソレだった。

 人一人が大地を蹴ると言うには言葉負けする程のクレーターを生み出し、押し押せる水の砲撃を縦横無尽に回避していく。

 

「うーむ。やはり回避に長けた相手に直当ては狙いすぎにござったか。次からはなにかしらで拘束を……」

 

「反省会は三途の向こう側でやるこったなァアアアアア!!!」

 

 超巨大水鉄砲を避け、二匹の龍を文字通り食い破りながらミルコが高速で向かってくる。

 おかしい、俺空中だよ? ウサギに羽ってあったっけ? いつから敵と戦ってたんだっけ?

 

「殺意ぃー。こえー」

 

 頑張って引き分けに持っていきました。

 

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