個性チャクラで影分身 作:切って捨てて
とは言いつつもう結構書き溜めしちゃってるからどうしようもないんですけどね!!
面白いと思ってもらえることを願ってソォイ⤵︎
二回戦に進出したのは以下の生徒と、対戦表。
緑谷VS轟
塩崎VS飯田
忍堂VS常闇
切島VS爆豪
緑谷VS轟。緑谷が両腕を自壊しながらも善戦するが、炎を使用した轟と衝突し、会場を半壊させながらも場外負け。轟が3回戦に進出。
塩崎VS飯田。塩崎がツルを展開するよりも早く、飯田が塩崎を外に押し出して3回戦に進出。
切島VS爆豪。切島が持ち前の堅牢さで持久戦に持ち込むも、爆豪がそれを読み逆手に取ることで爆豪が3回戦に進出。
そして、残る2回戦最後の試合。
忍堂VS常闇が始まった。
「騎馬戦の時はお前の術中に嵌ってしまったが、今回はそう上手くいかないぞ」
「その意気や良し、掛かってくるでござる」
『試合開始!』
「ダークシャドウ!」
「アイヨ!!」
常闇の個性、ダークシャドウによる遠隔攻撃。
ダークシャドウ自身攻撃に対する耐性が高く、生半可な攻撃は全て無効にしてしまう。
第一回戦、強力な後出し個性を持つ八百万を完封した強個性。
1対1の戦闘でダークシャドウに勝つのは難しい。一人なら。
「分身の術!」
白煙が巻き起こり、忍堂が20人という莫大な数で現れる。
「数が多すぎるっ! だ、ダークシャドウ!」
「ケチラシテヤルゼ!」
ダークシャドウが複数の忍堂に襲い掛かる。
「ふむ。強力な個性にござるが、やはり直線的にござるよ」
強力故大ぶりなダークシャドウの攻撃を、分身体の忍堂達が避けていく。
一度に攻撃に含めるのは3,4体が限度。
チャクラ感知能力があれば、分身体と本体を見分けること自体は容易。しかし、この世界でチャクラを扱う存在は忍堂一人。
NARUTOの世界では誰でも対策できる忍術だが、この世界では比類ない強さを発揮した。
「ほらほら。どうしたでござる、大振りでは儂様に当たらないでござるよ!」
「クッソー! バカニスンジャネー!」
「熱くなるな! ダークシャドウ!」
ダークシャドウは確かに強い。
しかし、本体はただの人間だ。
「本体が未熟では、弱点を晒しているようなものでござるよ」
「しまっ!?」
忍堂からあえて距離を離すため、ステージ端にいた常闇の耳に忍堂の声が聞こえる。
ダークシャドウを戻そうとするよりも、腹部の衝撃で逆流する胃液を押えるのが早かった。
『またまた圧勝しちまったぜ! 勝者、1年A組忍堂! こいつを止められる奴はいんのかア!?』
『ダークシャドウは強力だが、本体である常闇を狙われたらひとたまりもない。複数人を相手にしたときが課題だな』
「ぐっ……!」
「放課後、たまに尾白と体術訓練をしているでござる。いつでも参加OKでござるよ」
手を差し出され、常闇が立ち上がる。
悔しさと、どこかスッキリとした顔だ。
「感謝する。俺も弱点をそのままにするつもりはない」
『戦いを経て深まる友情! いいわね!』
忍堂。第3回戦進出。
終盤に差し掛かった第三回戦。
飯田VS轟。トルクオーバーという奥の手を出し、勝利が見えた飯田だったが、轟が機転を利かせて勝利を収めた。轟、決勝進出。
そして、忍堂VS爆豪の試合が始まった。
「ようやっとテメエをぶっ殺せるぜ。忍者野郎!」
「とてもヒーローの言葉には聞こえないでござるよ、爆豪」
『さあやってきたぜ第三回戦最後の試合! 爆破の強個性と戦闘センスでここまで勝ち上がって来たぜー! 対するは分身に変身なんでもござれ! トリッキーな技で勝ち上がって来た忍堂! こいつは熱い試合が見れそうだぜイレイザー!』
『熱い試合ね……』
最終戦に進む試合ともなり、スタジアムの熱気がどんどん高まる中、相澤の声は落ち着きを見せていた。
(確かに爆豪は高い戦闘のセンスを持つ。しかし、それは忍堂も同じだが加えて戦闘スキルがある。戦術戦略の視点もUSJの時に見せていた。忍堂に比べ、爆豪は明確な弱点が存在している。そこを突かれれば)
『どうした、イレイザー?』
『いや。なんでもない』
『なにはともあれ試合開始だぜ!』
「死ねェエエ! 爆殺!」
「あらよっと」
試合開始の速攻。
高火力な爆破を見舞うが、忍堂は余裕とばかりに回避する。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ねシネエエエ!!」
連打連打連打。全てが最高の1撃を持つ爆破の連打が繰り出される。
しかし、
「ぬわはははは! 甘い、甘いでござるよ爆豪!」
避ける、避ける。
全ての攻撃を忍堂は避け続けていく。
「チィ! なんで当たらねえ!」
爆破の衝撃で空中に飛び、回し蹴り。
爆破による変則軌道からの攻撃。
類まれなる戦闘センスを見せる爆豪の攻撃だが、忍堂はそのすべてを余裕を持って回避してしまう。
「ど、どうしてかっちゃんの攻撃が当たらないんだ……っ!」
「やべーって忍堂の奴! 全部避けちまってるぞ!?」
忍堂のまさかの姿に、A組生徒の中でもざわめきが起きる。
しかし、尾白だけは驚くことなく、冷静に忍堂の動きを見ていた。
それに気が付いた緑谷が尾白に問う。
「忍堂は体術のプロなんだ」
「プロってどういうことだよ」
「最近、尾白君って忍堂君と一緒に訓練してるって言ってたよね」
「あぁ。忍堂とはずっと実戦形式の訓練をしてる。だけど、俺は一度も忍堂に攻撃を当てられたことがないんだ」
尾白と言えばUSJ襲撃事件の時、黒霧によって単身でヴィラン達と戦う羽目になったが、結果として軽傷で10人近くのヴィランを倒していた。
轟や爆豪のような派手な個性ではないが、強力な尻尾を織り交ぜた尾白の近接戦闘はA組でもトップに位置する。
そんな尾白の攻撃が一度として当たらない事実に、緑谷達が驚く。
「あいつ言ってた。起こりが分かれば大抵の攻撃は大したことないって」
その言葉にピンと来たのは、爆豪を誰よりも見てきた緑谷だった。
「そうか! それでかっちゃんの攻撃が全部避けられてるのか!」
「お、おい緑谷。一人で勝手に納得してんじゃねえよ、オイラ達にも教えろよ」
皆から送られる疑問の視線に、緑谷は一度爆豪の様子を見て頷く。
「かっちゃんは手から爆破の個性を出す。だから普通に殴るワンアクションと比べて、爆破をするためのもうワンアクションのタメが入るんだ」
思い出すのは戦闘訓練の時。
爆破はその性質から力は四方八方に向かう。
手りゅう弾などの爆破物が危険とされるのは、爆破よりも爆破によって吹き飛ばされる破片が直接的なダメージになるから。
ロケットランチャーが戦車の分厚い装甲を打破するのは、爆破の力を一点に集中させるから。
爆破の個性である以上それは変わらない。だからこそ、爆豪は自らの手を使って爆破に指向性を持たせている。そしてその衝撃に耐えるための構えも必要になる。
普段の言動から勘違いされがちだが、爆豪の個性はピーキーなもので、それを扱えているのは精密な動作を難なくこなす爆豪の才能が大きく関わっている。
「つまり、爆破のタイミングが分かるから避けられるってか? そんな無茶だぜ」
「それだけじゃない。緑谷」
ここまでは爆豪を知るからこそ緑谷は推測できた。
しかし、それだけでは説明がつかないのも事実。
それを引き継いだのは尾白だった。
「あいつ、俺の攻撃を受けながらなんて言ったと思う。”尻尾があるならそう動くよな”って言ったんだ」
「おいおいおい。勘弁してくれよ尾白。それってつまり、爆破の個性ならそう動くって分かるし、起こりも見えるぞってことかよ。なんの冗談だよおい……っ!」
「あいつ。マジで同じ一年生かよ……」
上鳴の言葉は、皆の考えを代弁していた。
「クッソガアアアア! 俺はデクも、半分野郎もぶっ飛ばして、完膚なきまでの1位を取んだよォ。いつまでそこに立ってやがる忍者野郎!!」
左右の爆破による不規則な動きから腕を振り下ろす。
しかし、忍堂は手首を掴み背負い投げで爆豪を地面に叩きつける。
「がはっ!?」
受け身すら取れず肺の酸素が押し出される。
芦戸のときと同じ状況。つまり、追撃が来る。
「は……?」
しかし、予想していた追撃は来なかった。
呼吸を取り戻しながら悠然と佇む忍堂を睨みつける。
「テンメェ……。俺相手に、舐めプかましやがったァアアア!!!!」
「おう。舐めプにござる。ほれほれ、普通の攻撃では儂様には効かぬでござるよ~」
爆豪を知る者なら一目でわかった。
爆豪がぶちギレたと。
「殺す……。殺す。殺す、殺す、殺す殺す殺すコロスゴロズゥウ!」
『爆豪選手! もはやヴィランみてーな言動だぜ!! お前本当にヒーロー科か!?』
『忍堂が明らかに挑発していたな。相手の弱点を突いた戦術はヤツらしいが、もしくは逆か』
「いぃぜぇ……。だったら完璧にぶっ殺してやる!」
爆豪が舞い上がる。
空中機動から両手の爆破で回転力を高め、黒煙をまといトルネードとなり忍堂に突っ込む。
「ハウザァ……!」
爆豪が初めて見せるオリジナルの超火力技。
しかし、それを見る忍堂の目は冷ややかなものだった。
「インパクトォ!」
「トロイでござる」
忍堂が一歩前に出て、スタジアムを震わす爆豪の必殺技が炸裂した。
麗日戦で見せた超高火力爆破に勢いを乗せた明らかなオーバーパワー。
誰もが、勝負が終わったと悟る。
『ここで爆豪選手の必殺技炸裂だァアア! こりゃ流石の忍堂選手、ひとたまりもないか!?』
爆豪の勝利。誰の頭にもその言葉が浮かぶ。
相澤と緑谷、そして尾白を除いて。
『……いや。違う』
「爆破の方向が……逆っ!」
黒煙が晴れ、選手二人の姿が現れる。
「けほ。流石にこの量は煙いでござるよ」
少しばかり煤に汚れた忍堂だが、外傷と呼べるものは見受けられなかった。
代わりに、忍堂の両手が掴む腕の先。
本来忍堂に向けられるはずの手の平が、自身に向けられた爆豪の姿だった。
「ク、ソ……ガァ……!」
「おぉ、流石のタフネスにござる。儂様感服でござるが、残念でござったな。儂様を相手にするにはちと基礎が足りな過ぎたでござる」
『ななな、なんとォ! 爆豪選手の必殺技を受けたはずの忍堂選手がぴんぴんしているぞ! そして、爆豪選手がなぜか大ダメージを負っている!』
『爆豪の爆破は手のひらから。どれだけ高機動高火力だろうがソコは変わらない。最後の必殺技を受けた瞬間、爆豪の手をカウンターで反対に向けさせたってことか』
『解説ありがとよイレイザー! ワケワカンネエぜ!』
『お前は分かれよ』
スタジアムが静寂に包まれ、実況解説の声だけが空気を揺らす中、ミッドナイトが爆豪の状態を確認。
『爆豪選手の気絶により、勝者忍堂選手!』
「「「うぉおおおおおおおおお!」」」
しかし、決着が正式に決まれば会場が揺れる。
「あーあ。やっぱ忍堂は強いな」
「いやいや! 強いなんてもんじゃねえよ! アイツ技一個も使ってねえぞ!」
「個性を使って優位に戦う私たちとは、根本的に戦い方が違いましたわね」
「かっちゃん……」
USJ襲撃時、オールマイトと真正面から打ち合い、百発以上の連打を叩きつけてようやく倒した脳無。
相澤と共にアレを相手に時間稼ぎしていた忍堂を知っている。
だからこそ、戦闘能力は幼馴染と同じく高いものだと思っていた、しかし。
「僕達が思っている以上に忍堂君は、強い……!」
忍堂、決勝戦進出。