ブルーロック 〜もう1人の天才MF〜   作:真神楽

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皆さんどうもお世話になっております。
残業地獄も何とか乗り切り、インスピレーションもありましたので投稿致します。
元々7000字超えで投稿する予定でしたが、一度寝落ちしてしまって途中で消えてしまったのでキリがいい場所で区切ってます。
ご了承くださいませ。


世界選抜

ブルーロックの先制点によって、試合は動き出した。

ゴールを決めた凛は、何事もなかったかのように踵を返す。その隣で、蜂楽が楽しげに笑った。

 

「ナイス、凛ちゃん!」

「……次だ」

 

凛の視線は、すでに世界選抜へと向けられていた。

 

世界選抜のボールで、試合が再開される。

白瀬がロキにパスを出し、ロキが静かにボールを受け取った。

 

 次の瞬間――。

 

「……っ!?」

 

ブルーロックの選手たちが反応するよりも早く、ロキの姿が前方へと消える。

 

 速い――。

 

ただ速いというだけではない。初速から一気にトップスピードへと達する加速は、相手が反応した時にはすでに手遅れになっているほどだった。

 

「なっ、速……!」

 

潔が声を上げる。

 

進路を塞ごうとした選手たちを、ロキはあっさりと置き去りにしていく。追いつこうと足を伸ばしても、その背中に触れることすらできない。

 

 そして――。

 

ゴール前まで一気に駆け抜けたロキが、迷いなくシュートを放った。

ボールはゴールへと突き刺さる。

 

 世界選抜、同点――。

 

「……マジかよ。あの加速、反応する暇もねぇ……!」

 

潔は思わず息を呑んだ。

一方、ゴールを決めたロキは、涼しい顔で仲間たちのもとへ戻ってくる。

すると、ルナが呆れたように声をかけた。

 

「Hey, Loki. You scored all by yourself? That’s not fair.」

(おい、ロキ。一人でゴールを決めるなんて、ずるいじゃないか)

 

ブレイクも肩をすくめる。

 

「Come on, kid. You could’ve left one for the rest of us.」

(おいおい、坊主。俺たちにも一本くらい残してくれよ)

 

シウバも不満げに口を開いた。

 

「You didn’t even give us a chance.」

(俺たちに出番すら与えなかったな)

 

ロキは三人の顔を順番に見て、きょとんと首を傾げた。

 

「Huh? You were all watching, weren’t you?」

(え? 皆さん見てたじゃないですか)

「That’s not the point.」

(そういう問題じゃねぇだろ)

 

ブレイクが呆れたように返す。

ロキは特に気にした様子もなく、首を傾げたままだった。

その様子を見て、ルナは小さく息を吐く。

 

「Well, whatever.」

(まあ、いいか)

 

そして、ふと思いついたように続けた。

 

「Since this is our first match together, why don’t we each score one goal?」

(せっかくの初めての試合だ。全員が一ゴールずつ決めるのはどうだ?)

「Sounds good to me.」

(俺は構わねぇぜ)

 

ブレイクが笑う。

 

「I like that idea.」

(いい考えだな)

 

シウバも賛同し、ロキは特に口を挟まず、静かに成り行きを見守っていた。

白瀬もまた、仲間たちのやり取りを面白そうに眺めていた。

誰がゴールを決めるか。誰が相手を圧倒するか。

それぞれの選手が持つ武器を、実際の試合で確かめられる。

それだけで、白瀬にとっては十分に興味深かった。

 

 

 

 

 

次のゴールを決めたのは、ダダ・シウバだった。

世界選抜の攻撃が始まると、シウバは迷いなく前線へと進み、空中戦へと持ち込む。

 

「させるか……!」

 

蟻生がボールへと跳び上がった。

その高さとリーチは、ブルーロックの中でも際立っている。空中で自由に振る舞うことこそ、蟻生の強みだった。

 

 しかし――。

 

シウバは、その上をいった。

 

「なっ……!?」

 

蟻生の伸ばした頭上を越え、シウバが先にボールへと触れる。

圧倒的な体格と跳躍力。競り合いの中で蟻生の身体が押しのけられ、シウバはそのままゴールへとヘディングで叩き込んだ。

 

「蟻生が自由に飛ばせてもらえない……!?」

 

潔が目を見開く。

空中戦で優位に立つはずの蟻生が、完全に競り負けた。

その事実は、ブルーロックの選手たちに世界選抜との実力差を突きつけるものだった。

 

 

 

 

 

三点目は、アダム・ブレイクが決めた。

今度は時光が、真正面からその進路を塞ぐ。

 

「こ、この距離なら……! クリアできるぅ……!」

 

自分に言い聞かせるように呟きながら、時光は身体をぶつけにいった。

だが、ブレイクは一歩も引かない。

衝突した瞬間、時光の身体が大きく弾き飛ばされた。

 

「えっ……!?」

 

時光は目を見開いたまま、バランスを崩す。

 

「時光が肉弾戦で押し負けた……!?」

 

潔の声が響いた。

フィジカルの強さには自信がある時光でさえ、ブレイクとの正面衝突では勝てなかったのだ。

ブレイクはそのままボールを運び、豪快にシュートを叩き込む。

ゴールを決めたブレイクは、倒れた時光をちらりと見た。

 

「Sorry, kid. I’m not interested in men’s bodies.」

(悪いな、坊主。男の体には興味ねぇ)

 

そう言って、ブレイクは笑いながら背を向けた。

 

 

 

 

 

四点目は、レオナルド・ルナが決めた。

ロキの圧倒的なスピードとも、シウバの空中戦とも、ブレイクのパワーとも違う。

 

ルナは相手の動きを見極め、余裕のある身のこなしで守備をすり抜けていった。

フェイントに反応した選手の逆を取り、わずかに生まれた隙間へとボールを通す。

 

 気づいた時には、もう遅い――。

 

ルナのシュートがゴールネットを揺らした。

 

「……っ、くそ!」

 

凛が舌打ちする。

世界選抜の四人が、それぞれ異なる武器でゴールを奪っていく。

速さ、空中戦、フィジカル、そして技術。

どれもが、ブルーロックの選手たちの想像を超えていた。

 

 そして――世界選抜の中で、まだゴールを決めていないのは白瀬だけになった。

 

白瀬は仲間たちを見回すと、軽く口を開いた。

 

「I’m the only one who hasn’t scored yet. Let me take the next goal.」

(まだゴールを決めていないのは僕だけだね。次は僕に決めさせてよ)

 

ルナが興味深そうに眉を上げる。

 

「That was the plan from the start. So, what are you up to?」

(元々その話だったけど、何かやるの?)

 

わざわざ自分から申し出た朔の様子に、ルナは何か企んでいるのだと察したようだった。

白瀬は、向こう側にいる五人へと視線を向ける。

 

「I’d like to take on all five of them by myself.」

(ブルーロックの五人全員を、僕一人で相手にしてみたいんだ)

 

 糸師凛。蟻生十兵衛。時光青志。蜂楽廻。そして潔世一。

 

それぞれ異なる武器を持つ選手たちだ。

彼らを一度に相手にしたら、どんなサッカーになるのだろう。

考えるだけで、胸の奥がくすぐられる。

 

「If I fail, anyone can take the fifth goal. I don’t mind.」

(もし決められなかったら、五点目は誰が決めてもいいよ。僕は構わない)

 

ブレイクが愉快そうに笑った。

 

「You wanna take on all five alone? That’s a bold move.」

(五人全員を一人で相手にするって? ずいぶん大胆じゃねぇか)

「All right. Let’s see what you’ve got.」

(いいだろう。君の実力を見せてもらおうじゃないか)

 

ルナがあっさりと承諾する。

シウバも反対する様子はなく、ロキは何も言わずに白瀬を見ていた。

白瀬がどんなプレーをするのか。それを確かめるつもりなのだろう。

白瀬の提案を受け、攻める際に四人はゴール前に残り、手を出さないことを誓った。

 

 

 

 

 

ブルーロックチームのボールで試合が再開される。

ブルーロックに残された時間は、もう多くない。

それでも、潔たちの目から戦意が消えることはなかった。

 

最初の一点。蜂楽のドリブルで相手の守備を崩し、最後は潔の動きで生まれた隙を利用して凛が決めたゴール。

あの形なら、世界選抜の守備を突破できる可能性はある。

 

 もう一度、あの攻撃を――。

 

潔は周囲の状況を確認すると、味方の位置を見ながらボールを運んだ。

 

「蜂楽!」

 

パスを受けた蜂楽は、ボールを足元に収めると、そのまま世界選抜の守備へと仕掛けていった。

凛が前線でゴールを狙える位置を探り、潔もまた、次の展開に備えて動き出す。

もう一度、蜂楽のドリブルで守備を崩す。

そして生まれた隙を、今度こそゴールへとつなげる。

ブルーロックの選手たちは、先ほどの成功を再現しようとしていた。

 

 だが――。

 

白瀬は真正面から蜂楽を止めようとはせず、その動きを見ながら静かに立ち位置を変える。

蜂楽のドリブルを、最初のゴールの場面でも見ていた白瀬には、彼が相手を翻弄しながら自分のイメージを形にしていくことが分かっていた。

だからこそ、無理に動きを封じる必要はない。

 

 突破できると思わせる道を、ほんのわずかに残しておけばいい――。

 

白瀬は蜂楽の進行方向を塞ぎきらず、次に運べる空間を限定するように立つ。

もちろん、蜂楽が必ずその道を選ぶとは限らない。だが、もしそこへ踏み込んでくるのなら――。

 

蜂楽がボールを運ぶ。

白瀬はその動きを追いながら、視線だけをルナへと向けた。

 

 ほんの一瞬――。

 

それだけで十分だった。

蜂楽が残されたスペースへと踏み込んだ瞬間、ルナが素早く距離を詰める。

 

「Got it.」

(もらった)

 

蜂楽が次のタッチへ移るよりも早く、ルナの足がボールを捉えた。

 

「っ!誘われた…!?」

 

ボールを奪われた蜂楽が振り返る。

ルナはすぐさまボールをコントロールすると、前方へと視線を走らせた。

その先では、白瀬がすでに前線へと駆け上がっていた。

仲間たちがゴール前に残るという約束を守る中、白瀬だけがボールを受けるために前へ出る。

ルナは迷わず、その動きに合わせてパスを送った。

 

「Nice setup.」

(いいお膳立てだったよ)

 

短くそう告げながら放たれたボールが、ブルーロックの選手たちの間を抜けていく。

白瀬は走る速度を緩めず、足元へ届いたボールを確実に収めた。

そして、ゆっくりと顔を上げる。

ゴール前には、約束どおり世界選抜の四人が残っている。

 

 目の前には、ブルーロックの五人――。

 

糸師凛が鋭い眼差しで朔を睨み、蟻生十兵衛が長い手足を広げる。時光青志は緊張した面持ちで身構え、蜂楽廻は興味深そうに笑っていた。そして潔世一は、朔の一挙手一投足を見逃すまいと視線を集中させている。

だが、彼らの目には、朔の背後に残る世界選抜の四人の姿も映っていた。

 

「……チッ、舐めやがって……」

 

凛が思わず声を漏らす。

ロキたちはゴール前から動こうとしない。白瀬だけがボールを持って、五人の守備へ向かってくる。

 

「えっ、ええっ!? 一人で来るの……!?」

 

時光が不安げに声を上げた。

蟻生が目を細め、蜂楽は面白そうに笑い、潔は驚きつつもフィールド全体から白瀬見据えている。

 

白瀬は五人を順番に見渡した。

 

 ――さて、どう攻めようか。

 

口元にかすかな笑みが浮かぶ。




前書きでもお伝えしましたが、長くなるので一度ここで切ります。
入力してる途中で寝落ちしてしまい、最初からやり直しにもなりましたので…
続きはすぐ投稿されます。
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