女体化ロンのおっぱいを揉みしだくまで死ねない 作:ハッピーエンド大好きクラブ
ハリーが掲げるスニッチは光に当てられて眩しく光っている。
グリフィンドールチームが一斉にハリーの元に集まり、彼女を持ち上げて胴上げをやり始めた。
観客席からのハリーを讃える声は止まず、ハーマイオニーとロンはお手製のグリフィンドールのシンボルが描かれた旗を腕が千切れそうな勢いで振り回していた。
俺は呼吸がままならなくなっていくのを感じつつも地上に降りる。胴上げが終わったのか、ハリーが俺の方へ真っ直ぐ走ってきた。
「セルシウス私やったよ!スニッチを取ったんだ!」
「あぁ………見てたぜハリー、すげぇカッコよかぁぁあ"あ"!!」
スニッチを取ったことでテンションがぶち上がったハリーに力いっぱい抱きしめられた。
脇腹からベギッと鈍い音が鳴って、俺は激痛のあまり叫んでしまった。
「ご、ごめん!ブラッジャーが当たったところは大丈夫なの?」
「大丈夫じゃない………かも」
俺は脇腹を押さえて蹲った。呼吸をするたびに胸のあたりから水が泡立つような音がする。
担架に乗せられ運ばれた先は我らがマダム・ポンフリーがいらっしゃる医務室。
診察の結果、なんと折れた肋骨が三本肺に突き刺さってました。
大怪我も良いところだ。取り敢えず治療してもらって肺に刺さった骨を元の位置に戻してもらえた。
そんな俺はただいま森の番人「ハグリット」のご自宅にお邪魔しています。
初のクィディッチ戦で勝利した祝いをしたいとハグリットがハリー達を誘い、ロンが「セルシウスも呼んでいい?」と聞いて渋々承諾してくれたそうだ。
ハリー達は度々ハグリットが住む禁じられた森の端っこにある小屋に遊びに行っていたが、彼が俺を誘うことは一度も無かった。
「セルシウス。俺はおまえさんを誤解してた、どうか許してくれ」
濃い紅茶を淹れながら、ハグリットは俺に謝る。どうしてハグリットが俺に謝罪するのか、どうして俺と距離を置いていたのか。
その理由はもう分かっている。
「ハグリット、どうしてセルシウスと関わろうとしなかったの?」
ハリーの質問にハグリットは困ったような顔になって口をモゴモゴさせた。
「ウチのバカ兄貴のせいだよ。そうだろ?ハグリット」
「いや、まあ……そうっちゃそうなんだが………」
ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人は状況を飲み込めていない様子だ。ハグリットも遠慮してるのか言いづらそうだし、ここは俺が話そうか。
理由は単純だ。我がジークハルト家最大の間抜けであるギャラハッド・ジークハルトが、ハグリットをホグワーツから追い出そうと小屋に火をつけたからである。それも18回。
ボケ兄貴が嬉しそうに語っていたのでよく覚えてる。バレないようにやったと言っていたけどハグリットの様子だと犯人の目星は付いてたみたいだな、ただ証拠がなかったから何も言えなかっただけと。
何の証拠もなしにギャラハッドを放火の犯人と言っても疑われるのはハグリットの方だ。
「怒らないで聞いてほしいのだけど、貴方のお兄さんって……ちょっと」
「イかれてるよ。だってホグワーツにいるマグル全員ぶっ殺そうとしてたもん」
場の空気がお通夜のように冷たくなった。ハーマイオニーは信じられないといった表情だ。
「俺が六歳の時にお前もマグル共を血祭りにしないか?って誘われたよ」
「それで、どうしたの?」
「意味分かんなかったから二度とそんな舐めた口きけないようにボコボコにしてやったよ」
鳩尾に正拳突きをみまい、前のめりになった所を顎を蹴り上げ、地面に仰向けで倒れたボンクラ兄貴に乗っかって顔面をひたすら殴り続けた。
「何故か俺だけが親にしこたま怒られちまったけどな。いやほんと、ウチのボケナスがご迷惑をお掛けしました。すみません」
俺は深々とハグリットに頭を下げた。本来ならもっと早くギャラハッドの件で謝らなきゃいけなかった。
ハグリットは慌てて「頭なんか下げんでいい!お前さんはなんにも関係ねぇんだ!」と言ってくれた。
「お前さんとギャラハッドは違う。顔を見りゃ分かる。お前さんは良いやつだ。でなきゃファングが懐くはずがねぇ」
ファングは俺の膝のうえで気持ちよさそうに寝てる巨大な黒のボアーハウンド犬。
ハーマイオニーが紅茶を一口飲み、コホンと咳払いをした。
「ハグリット、さっきの試合の時セルシウスの箒が突然暴れ出したことなんだけど……」
「ああ、ハイトリッキーアルファだったか?操作はかなり難しいと聞く。プロの選手でも難儀する代物だ」
「違うわハグリット。セルシウスは箒を完璧に扱ってたわ、それにあの暴れ方は操作を誤ったじゃ説明がつかないもの」
ハグリットも思うところがあったのか、髭を撫でながら黙り込んだ。
「誰かがセルシウスの箒に呪いをかけてたとか?」
「馬鹿な。一体誰がそんなことをする必要があるんだ?」
「クィレルだ」
俺の言葉に全員が呆気に取られた。そりゃそうだよな、普段のクィレルは何に対してもおどおどしてる情けない教師だ。
ハイトリッキーアルファが暴れたとき、クィレルがじっと俺を睨んでたことを話すとハグリットが首を振りながら紅茶を飲み干した。
「そりゃお前さんの気のせいだ。クィレル先生にそんな馬鹿な真似出来るはずがねぇ」
「トロールの件。大広間にいなかったのはハーマイオニーとクィレルの二人だけだ。ハーマイオニーは女子トイレにいた。ならクィレルは?そもそもホグワーツはトロールなんて危険な生物入れてるわけがない。クィレルがトロールをどこからか引き連れて騒ぎを起こし、それに乗じてあの三つ頭の怪物犬の所に────」
「なんでフラッフィーを知ってるんだ?」
ハリー達が禁じられた廊下で出くわした怪物犬はフラッフィーっていうのか。
「クィレルはフラッフィーが守ってる物を盗もうとしてるんだ」
「どうしてそうなる?クィレル先生は賢者の石を守るために魔法の罠をかけてくれた一人だってのに」
ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人が同時に「賢者の石?」と口にした。
途端にハグリットの顔が青くなり、勢いよく席を立つと俺たちの首根っこを掴んで外に放り出した。
もうお喋りは終わりだと言わんばかりにピシャリと扉を閉められた。
ハグリットの態度の変わりように困惑しつつも、ロンが「賢者の石って何?」と俺に聞いてきた。
「ニコラス・フラメルが創造した伝説の石だよ。飲むと不老不死になれる命の水の源でもあったかな。ようは手にしたら不死身になれるんだ」
原作だとクィレルはハリーを殺そうと暗躍してた。でも俺が転生したこの世界線のクィレルは違う。俺を脅威と感じ取ってか、ちゃちな小細工を要してきやがった。
やつの優先順位は俺を殺害、次に賢者の石の奪取だろう。
いや、もしかしたら俺を殺すのは諦めて賢者の石奪取を最優先にしてるかも。
とにかく俺がやるべきことはクィレルが大人しいうちにフラッフィーを失神させて賢者の石の場所をあきらかにすることだ。
ハグリットが言ってた通りいくつか魔法の罠があった気がするけど………なんだったかな。
──────────
12月がやって来た。ホグワーツはクリスマス休暇に入り、ほとんどの生徒がお家に帰ることになった。要は冬休みだな。
俺は帰っても良かったんだけど、家族はもういないことを思い出しホグワーツに残ることにした。
クリスマスは大いに楽しんだ。毎年恒例、モリー・ウィーズリーから手編みのセーターが届いた(ハリーの分もあった)。
なんと、ハリーには「透明マント」が贈られていた。これはきっとダンブルドア校長からのプレゼントだな。
クリスマスプレゼントで一番驚いたのは失踪したはずのとっつぁんから手紙が届いていたこと。
どきどきしながら封を切って開けてみると、なんと中身は俺に対しての罵詈雑言を煮詰めた酷い文言だった。
『ギネヴィアが死んだのはお前のせいだ。お前がギネヴィアを殺したんだ。この事実を噛み締めてクリスマスを楽しむといい。お前のような狂った屑を育てたのが悔やまれる。俺がお前にしてやれるクリスマスプレゼントはこの手紙が限界だ。心に刻むといい。クリスマスを楽しめ人殺し』
俺の中にある「何か」がひび割れたような音がした。即座に手紙を引き裂き、談話室にある暖炉に捨ててやった。
「………………」
「セルシウス!みんなで雪合戦しに行こうよ!……………セルシウス?」
ロンが後ろから声をかけてくれた。
「────いいぜ!行くか!」
「………なんで泣きそうな顔してるの?」
「気のせいだろ!いいから早くいこうぜ!」
クリスマスはヘトヘトになるまでみんなと雪合戦を楽しんだ。
夕食はこれまた豪勢で、七面鳥のサンドイッチにワッフル、マフィン、トライフル、クリスマスケーキと、みんなのお腹はすぐに満たされた。
俺はいつも通り眠れないので談話室で日付が変わるまでソファーに座ってぼーっとしていた。
次の日の真夜中、いつものように談話室でくつろいでいると何もないところからハリーの声が聞こえてきた。
「ハリー?」
「セルシウス。見せたいものがあるんだ」
ハリーは透明マントを着てる。だから姿が見えないんだ。ハリーの言う見せたいものが気になった俺は透明マントの中に入り、二人で談話室を出た。
しばらく暗い通路を歩き、古い空き教室に入った。ハリーが透明マントを脱いで、部屋の中央に置かれた天井まで届く高い鏡を指さした。
「お母さんに会えるよセルシウス!鏡の前に立ってみて!」
俺は言われた通り、不気味な鏡の前に立った。
「──────は?」
鏡に写る俺の背後には、母さんが立っていた。