性懲りもなく、書きました。見切り列車でふ
『―!―!』
薄暗い広い部屋でアラームが鳴り響く。
―侵入者を感知。本体の電源を起動。3…2…1…
―クリア。続いて活動フレームの高速建造を開始
ガガガッ、ガコン……ガシャン!
―建造完了。続いて意識の覚醒を開始…浮上を確認。
「……」
何やら冷たい場所から身体を起き上がらせる。どうやら侵入者らしき者が来たらしく、緊急で造られた。その出来上がった自分の
幼い子供の身体だ。手足も十歳に満たないくらいの短さ。駆動部分も自由に動くため不自由はない。だが―。
「…コレでどう戦えと?」
なんとも戦いに不向きな貧相な体つき。緊急だからといって、こんな即席ボディで戦えというのか。
『―!―!』
そして、目の前に浮かぶデカい
「
ガコンッ!!
なんか初対面なのに頭を思いっきり殴られた。重量物がぶつかり合ったかなり凄い重低音だったが、頭は陥没してないだろうか?どうやら異常無いらしい。スゲーなこの身体。
「何すんだこの腕ヤロー…!!」
『―!(敵が来てんだよ!)』
赤い光の点滅と機械音で訴えかけてきた。
「敵のおでましだと?もう来たのか?」
そう間もなくして、その
「おや、こんなところに子供が。どうやら侵入を感知して起動したらしいね。中々に興味深いサンプルだ」
「どうしますか?ドクター。捕獲を命じてくれればいつでも」
「そうだね。出来れば捕獲してくれ、トーレ。出来なければ……破壊しろ」
「了解」
なんかあっちで勝手に話を進められてる。なんか破壊とか物騒な単語も聞こえたし、どうやら抵抗した方が良さそうだな。
「なんか知らないけど、お前を装備すれば戦えるのか?」
『―(おうよ、当然だ)!』
「そうかよ。そんじゃ早速…ってオイ!?」
そうこうしている間にデカい巨大右腕が俺の右腕がパキッと取り外した。いきなり何しやがると思われたが、代わりに右腕としてくっつくように関節部分にプシュー!っと繋がれ装着された。指の関節部分もちゃんと動く。やっぱコレカッコいいわ。
「フン、そんな重く無骨な腕をつけたところで私に勝てんぞ」
カチン…!
――アレ?なんで俺
「アァ?誰が無骨だとこのボケ!
「コイツ!」
敵を指差しながら身体が勝手に動き始めた!なんか俺そっちのけで始まってるんだけど!?
「どうしたァ!無骨な腕は戦えないとかほざいたのは!」
「ぐうッ!?」
なんなのだコイツは!トーレがディーにとの戦いの最中に浮かんだのは驚愕だった。今回、管理外世界で発見された遺跡の調査。自身の生みの親であるジェイル・スカリエッティの護衛として連れられた。
遺跡内には当然トラップを配置されていたが難なく突破し、目的地と思われる最深部にあったのは所々が機械化している子供と隣に浮かぶ機械化している巨大な右腕。どうやら今回のターゲットらしい。
(今回もハズレか)
「出来れば捕獲してくれ、トーレ。出来なければ……破壊しろ」
「了解」
どうせ抵抗してくるのだ、ならば破壊するだけ。トーレの思考は既に破壊へと移されていた。いつも通りに破壊すれば良い。その筈なのに…。
「このガキが…ッ!」
「ガキに攻撃が効かない気分はどうだよ!」
体術で決めようとすれば躱され、光刃を展開すれば難なく機械の身体が刃を受け止める。
埒が明かないと悟ったトーレは自身に備わった
(コレでどうだ!)
距離が10mを切った時点で、―ディーはトーレに右腕を向けた。
「
「ガァッ!?」
向けられ様にトーレの頬にディーの巨大腕が飛んできた。俗に言う、ロケットパンチ。勢いよく飛んできた鉄拳に吹き飛ばされたトーレはスカリエッティの近辺の壁に全身をめり込ませた。
「さて、自慢の護衛はやられちまったが、お前はどうするよ?」
飛んだ右腕を戻しながら、ディーの視線はスカリエッティを捉えて右腕を向ける。…が、当人は不敵に微笑みながら彼に拍手を送っていた。
「素晴らしい!トーレを難なく撃退するとは、非常に興味深いデータが取れた。君に礼を言おう」
「頭おかしいのかテメェ。護衛はやられてんのによ」
「その心配は無用だ。既に―」
パチン!
「こういう事だからな」
スカリエッティが指を鳴らすと、遠い場所で爆発音が起こり、彼とトーレを結界が包み込む様に展開される。遺跡の爆破装置と脱出用の転送装置が起動したらしかった。
「チッ!逃げる算段も出来てた訳か!」
「君には感謝しているよ。今後も付き合いが長くなりそうだ。是非とも私の下に来て欲しいくらいだ」
「ハッ!やなこった」
右腕が赤い点滅とともに中指を立てる。
「フッ、残念だ。…私は天才ジェイル・スカリエッティ。再び会おう、ディー・クロス」
「ディー・クロスだ。儂は天才が大っ嫌いでね。今度会ったらぶっ潰してやるよ、ジェイル・スカリエッティ」
二人が向かい合う中、ボロボロになったトーレは恨みの籠った視線をディーに向ける。
「貴様は私が討つ…!覚えておけ…!」
「腕を上げておけ」
そう言い残して、二人は遺跡から消え去った。
(どうすんだよ!俺達逃げられないじゃねぇか!)
頭に響くもう一人のディー―表ディーに対して、彼、裏ディーは鼻で笑う。
「ハッ、儂を誰だとおもっていやがる。儂はディー・クロス!儂に出来ねぇ事なんか無いんだよ!」
裏ディーはスカリエッティと同じように指を鳴らすと、彼の周りに結界が展開された。
「儂は機械なんでね。演算能力はお手のモンなんだよ」
そう言って、彼等も遺跡を脱出した。