黒い水が、静かに宙を漂っていた。
その下では、濁った泥が石畳を覆い尽くしている。
マグノリアの大通り。
先ほどまで一対一だった戦いは、今や二対一へと変わっていた。
「……さて」
セヴェル・アクエリスが、穏やかな笑みを浮かべる。
「今度はこちらから始めましょうか」
「おうよ!」
ガルド・ヴォルグが再生した右拳を握り締めた。
その視線は、イリスの聖剣へ向けられている。
一度は斬り落とされた右腕。
すでに傷は完全に塞がっているが、あの瞬間の感覚までは消えていなかった。
白銀の刃が閃いたと思った次の瞬間には、腕がなくなっていた。
あの剣を、まともに受けてはならない。
それだけは、嫌というほど理解していた。
「……ガルド」
「ああ?」
「今度は不用意に近づかないことです」
「分かってるよ!」
吐き捨てるように答えながら、ガルドは両手を地面へ向けた。
「泥竜の泥兵!」
沼地が盛り上がる。
次々と生まれた泥人形が、イリスを取り囲むように広がっていった。
しかし、今度は闇雲に突進してこない。
泥人形たちは距離を保ち、イリスの退路を塞ぐように配置されていく。
(……先ほどとは違いますね)
イリスは光剣の上から、その様子を見下ろした。
ガルドは一度の敗北から学んでいる。
そして、その背後にはセヴェルがいる。
「水神の裂刃」
黒い水が、細く鋭い刃へと変化した。
一つではない。
十数本もの水刃が、異なる角度からイリスへ放たれる。
同時に、泥人形たちが動いた。
空中へ伸びる泥の腕。
左右から迫る黒い水刃。
さらに足元では、沼地から泥の柱が噴き上がる。
「……なるほど」
イリスは小さく呟いた。
「そういう戦い方ですか」
聖剣が閃く。
正面から迫った水刃が、刀身に触れた瞬間に消滅した。
イリスは光剣を蹴り、風をまとって横へ跳ぶ。
追いかけてきた泥の腕を斬り払い、背後から迫る水刃をもう一度切断する。
だが、その着地点には泥人形が待ち構えていた。
「捕まえたぜ!」
ガルドが叫ぶ。
泥人形の両腕が、イリスへ伸びた。
その瞬間。
イリスの背後に浮かんでいた光剣が、鋭く飛翔した。
白銀の光が泥人形を貫く。
身体を崩した泥人形の上を、イリスが軽やかに飛び越えた。
「チッ!」
「焦らないことです、ガルド」
セヴェルの声が響く。
「彼女を一度の攻撃で仕留める必要はありません」
「……分かってる!」
ガルドは歯を食いしばり、さらに泥を操った。
イリスは空中の光剣を次々と踏みながら、二人の攻撃を捌いていく。
黒い水と濁った泥。
二つの魔法が、絶え間なく襲いかかってくる。
それでも、イリスの動きに乱れはなかった。
聖剣で斬れるものは斬る。
回避できるものはかわす。
そして、必要な場面では防御魔法を展開する。
その一つ一つの判断に、迷いはない。
「……ふむ」
セヴェルが、興味深そうに目を細めた。
「やはり、素晴らしいですね」
「何がだよ!」
「彼女の判断力ですよ」
セヴェルは黒い水を操りながら答えた。
「膨大な魔力量に頼るだけではない。あの少女は、自分の能力を極めて合理的に使い分けています」
「だったら、どうすんだ!」
「もちろん――」
セヴェルが微笑む。
「その合理性を、利用するのです」
◇
黒い水が、再びイリスへ迫った。
今度は刃ではない。
巨大な水の塊が、空中で弾けるように広がった。
無数の黒い水滴が、雨のように降り注ぐ。
イリスは即座に防御魔法を展開した。
透明な障壁が水滴を受け止める。
黒い水が障壁の表面で弾け、飛沫となって散っていった。
「……やはり」
セヴェルが呟いた。
その声には、確信に近いものが宿っていた。
「貴女の魔法が、分かりました」
イリスは障壁を維持したまま、視線を向ける。
「……何でしょう?」
「その剣です」
セヴェルが、白銀の聖剣を指差した。
「通常の斬撃ではありませんね。刀身が触れた魔法の構造を切断し、その魔法そのものを消滅させる」
「……」
「先ほど私の水刃を斬ったとき、魔力の流れが完全に断たれました。単に水を切り裂いたのでは、ああはならない」
セヴェルの瞳が、研究者特有の好奇心に輝く。
「そして、肉体に対しても異常な切断能力を発揮する。ガルドの腕が、その証拠です」
「……よく観察されていますね」
「ありがとうございます」
セヴェルは小さく頭を下げた。
「ですが、一つ疑問があります」
黒い水が、彼の周囲で静かに渦を巻く。
「なぜ、ガルドの咆哮を剣で斬らず、防御魔法で受け止めたのですか?」
イリスの瞳が、わずかに細められた。
「……」
「斬れなかった、というわけではないのでしょう」
セヴェルは続ける。
「剣で斬ることはできる。しかし、あれほど広範囲に広がった攻撃を、刀身一本ですべて処理することは難しい」
その口元に、薄い笑みが浮かんだ。
「違いますか?」
「……概ね、正解です」
イリスは静かに答えた。
「ですが、それだけではありません」
「ほう?」
「ここは街中ですから」
イリスは周囲へ視線を向ける。
泥に覆われた大通り。
その両側には、民家や商店が立ち並んでいる。
「必要以上に周囲を壊したくありません。それに、先ほどの攻撃なら防御魔法で十分でした」
「……なるほど」
セヴェルが頷く。
「では、その剣の能力には名前が?」
イリスは聖剣を構え直した。
「聖剣魔法の権能――『絶対切断』です」
「絶対切断……」
セヴェルは、その言葉をゆっくりと繰り返した。
「実に興味深い」
「……それほど珍しいでしょうか?」
「少なくとも、私の知る魔法体系には存在しませんね」
セヴェルは楽しそうに笑った。
「ですが、名前を知ったところで、攻略できないわけではありません」
その瞬間。
黒い水が、一斉に膨れ上がった。
「水神の大瀑!」
巨大な黒い水の奔流が、横幅を広げながらイリスへ押し寄せる。
通りを覆うほどの水量。
先ほどの水刃とは、比較にならない規模だった。
「……っ!」
イリスは聖剣を振り上げる。
しかし、その刀身を水へ向けることはしなかった。
代わりに、剣を大きく振り抜く。
白銀の斬撃が、空間を駆けた。
飛ぶ斬撃。
聖剣から放たれた魔力の刃が、黒い奔流へと激突する。
轟音。
巨大な水流が中央から切り裂かれ、左右へ大きく割れた。
だが、消滅はしない。
切り裂かれた黒い水が、激しい勢いで周囲へ飛び散る。
イリスは続けざまに聖剣を振るった。
二撃、三撃。
今度は斬撃そのものに膨大な魔力を込め、水流へ正面からぶつける。
凄まじい衝撃が発生した。
黒い水と白銀の魔力が衝突し、互いの威力を削り合う。
やがて、巨大な奔流は押し返され、空中で弾け飛んだ。
しかし。
衝撃波が、大通りを駆け抜ける。
建物の窓が震え、路面に残っていた泥が四方へ吹き飛ばされた。
イリスは眉を寄せた。
(……やはり、余波が出ますね)
飛ぶ斬撃は、遠距離から魔法を迎撃できる。
だが、聖剣の刀身による絶対切断とは違う。
相手の魔法を切り裂くことはできても、その魔法構造を強制的に消滅させるわけではない。
威力をぶつけて相殺すれば、衝撃も生まれる。
街中では、使いどころを選ぶ必要があった。
「……なるほど」
セヴェルが、満足そうに微笑んだ。
「遠距離からも斬撃を放てるとは」
その瞳が、周囲へ向けられる。
震える窓。
飛び散った泥。
大通りに残る、魔力衝突の痕跡。
「ですが、完全に無害化できるわけではない」
「……」
「貴女は強い。しかし、守るべきものが多いようですね」
イリスは静かに聖剣を構え直した。
「……だからといって」
青と金の瞳が、セヴェルを捉える。
「あなた方の好きにはさせません」
「ええ。そうでしょうとも」
セヴェルは微笑んだ。
「だからこそ、興味深いのですよ」
◇
「……おい、セヴェル」
ガルドが低い声で呼びかけた。
「何です?」
「もういいだろ」
その足元で、沼地が大きく波打つ。
「ちまちまやってても埒が明かねぇ」
ガルドの身体から、濁った魔力が噴き上がった。
「ここからは、俺がやる」
セヴェルは一瞬だけ、その魔力を見つめた。
「……奥義ですか」
「ああ」
ガルドが獰猛に笑う。
「こいつを使うのは久しぶりだぜ」
「構いませんよ」
セヴェルは静かに頷いた。
「では、私は少し離れていましょう」
「邪魔すんじゃねぇぞ!」
「ええ。存分にどうぞ」
セヴェルが後退する。
その周囲に漂っていた黒い水も、静かに引いていった。
イリスは二人の様子を見つめた。
(……何か、大きな魔法が来ますね)
金色の瞳には、ガルドの魔力が地面へ流れ込んでいく様子が、はっきりと映っていた。
その量は、先ほどまでとは比較にならない。
大通り全体が、低く震え始めた。
「……見せてやるよ」
ガルドが両腕を広げる。
「泥の滅竜魔法、その真髄ってやつをな!」
沼地が、隆起した。
大量の泥が渦を巻き、空へ向かって噴き上がる。
通りに広がっていた泥だけではない。
周囲の地面からも、次々と泥が集まっていく。
巨大な塊が、ゆっくりと形を成し始めた。
太い四肢。
長く伸びる尾。
巨大な顎。
そして、天を仰ぐ竜の頭部。
「滅竜奥義――!」
ガルドが咆哮した。
「泥竜葬獄!!」
轟音とともに、巨大な泥竜が完成した。
その全長は、大通りを覆い尽くすほど。
建物の屋根を見下ろす高さに、濁った竜の頭がそびえ立っている。
ガルドの姿は、すでに見えない。
巨大な泥竜の内部へと取り込まれていた。
「……これは」
イリスが小さく息をついた。
「随分と、大きいですね」
泥竜の口が開いた。
その奥には、底の見えない泥の渦が広がっている。
『ハハハハハッ!』
泥竜の内部から、ガルドの声が響いた。
『どうだ! これが俺の滅竜奥義だ!』
巨大な頭部が、イリスへ向けられる。
『飲み込まれたら最後だ! 泥の中で身動きも取れず、そのまま死ぬことになるぜ!』
イリスは聖剣を握り直した。
「……なるほど」
泥竜が、動いた。
巨体からは想像できない速度で、巨大な顎が迫る。
イリスは風魔法で横へ跳んだ。
直後。
泥竜の顎が、空中の光剣をまとめて飲み込んだ。
光剣が泥の内部で砕け、淡い光となって消えていく。
「……っ!」
イリスは新たな光剣を足場にしながら、高度を上げた。
しかし、泥竜は追ってくる。
巨大な首が伸び、泥の奔流が空を覆った。
イリスは聖剣を振るう。
白銀の刃が、泥竜の首を深く切り裂いた。
刀身に触れた魔法の泥が、その構造を断たれて消滅する。
巨大な頭部が、胴体から切り離された。
だが。
『ハハハハッ! 無駄だ!』
切り離された首の断面から、新たな泥が噴き上がった。
失われた頭部が、再び形成されていく。
周囲の泥が吸い寄せられ、巨体へと取り込まれていった。
「……再形成、ですか」
イリスは冷静に呟いた。
『そうだ! 斬れるもんなら、いくらでも斬ってみろ!』
泥竜が再び襲いかかる。
イリスは聖剣を振るい、迫る顎を切り裂いた。
だが、泥はすぐに形を取り戻す。
巨大な尾が、横薙ぎに振るわれた。
イリスは防御魔法を展開する。
透明な障壁に泥の尾が激突し、凄まじい衝撃が響いた。
周囲の建物が震える。
(……このままでは)
イリスは視線を巡らせた。
泥竜の巨体。
絶え間なく再形成される泥。
そして、その周囲に広がる街並み。
いくら斬っても、ガルド本人に届かなければ意味がない。
それどころか、戦闘が長引けば周囲への被害が増えてしまう。
「……でしたら」
イリスの金色の瞳が、淡く輝いた。
視界の中に、無数の魔力の流れが浮かび上がる。
泥竜を構成する魔力。
周囲の泥を吸い上げる流れ。
そして、その中心へと集まる、ひときわ濃密な魔力。
(……見つけました)
泥竜の胸部。
分厚い泥の奥に、ガルド本人の魔力が存在していた。
「……そこですね」
『ああ!?』
イリスは聖剣を構えた。
その背後に、無数の光剣が現れる。
一本、十本、百本。
白銀の光が、空を埋め尽くした。
『またそれかよ!』
ガルドが吠える。
『そんなもんで、俺の奥義が止められるか!』
「……止める必要はありません」
イリスが静かに答えた。
「道を作るだけです」
左手が振り下ろされた。
無数の光剣が、一斉に泥竜へ降り注ぐ。
巨大な身体に、次々と光の刃が突き刺さった。
泥が弾け飛ぶ。
しかし、泥竜は崩れない。
むしろ、失われた部分を補うように周囲の泥が集まっていく。
『無駄だっつってんだろ!』
ガルドが笑う。
だが、次の瞬間。
イリスが動いた。
光剣を蹴り、風魔法で一気に加速する。
無数の光剣が泥竜の表面を崩し、再形成されるまでのわずかな隙間を作り出していた。
その隙間へ、イリスが飛び込む。
『なっ――!?』
泥竜の胸部。
分厚い泥の壁が、目前に迫る。
イリスは聖剣を振り抜いた。
絶対切断。
白銀の刃が、魔法の泥を断ち切る。
切断された魔法構造が崩れ、泥の壁に大きな裂け目が生まれた。
その奥。
ガルドの姿が、見えた。
「……見つけました」
「て、てめぇ!?」
ガルドが目を見開く。
咄嗟に泥の壁を形成しようとする。
だが、遅い。
イリスの聖剣が、閃いた。
「ぐあああああああっ!!」
鮮血が、泥の内部に飛び散った。
ガルドの身体に、深い斬撃が刻まれる。
魔力の制御が乱れた。
巨大な泥竜が、悲鳴を上げるように震える。
そして。
崩壊が始まった。
巨大な頭部が崩れ、四肢が泥へと戻っていく。
空を覆っていた泥の巨体が、滝のように地上へ落ちていった。
イリスは崩れゆく泥の中から飛び出し、空中へ跳躍した。
その背後で、泥竜が完全に崩れ落ちる。
轟音。
大量の泥が、大通りへ降り注いだ。
ガルドの身体もまた、崩れた泥とともに地面へ落下する。
「がっ……!」
男は泥の中へ倒れ込み、そのまま動かなくなった。
胸元には深い傷。
しかし、まだ息はある。
イリスは空中の光剣へ着地した。
「……終わりましたね」
そう呟いた、その瞬間。
――轟ッ!!
漆黒の奔流が、イリスを直撃した。
「――っ!?」
防御魔法を展開する暇もない。
聖剣を振るうことさえできなかった。
凄まじい水圧が少女の身体を飲み込み、空中に浮かんでいた光剣が次々と砕け散る。
白銀の光が、黒い水の中へ消えていった。
轟音が、マグノリアの大通りを揺るがす。
漆黒の奔流は勢いを失わず、空中を一直線に貫いていく。
その光景を、セヴェル・アクエリスは静かに見つめていた。
突き出した右腕の先には、なお黒い水の残滓が渦巻いている。
ガルドが泥竜となって戦っていた間。
セヴェルは攻撃を控え、膨大な魔力を一点へと圧縮し続けていた。
そして、泥竜が崩壊する瞬間。
イリスの意識がガルドへ向いた、ほんのわずかな隙を狙っていたのだ。
「……滅神奥義」
セヴェルが静かに呟く。
「黒瀑滅神砲」
その口元に、薄い笑みが浮かんだ。
「……さて」
セヴェルは、漆黒の水流が消えていった先へ視線を向ける。
「絶対切断とやらも、剣を振るえなければ意味がありませんね」
黒い水飛沫が、ゆっくりと地上へ降り注ぐ。
しかし。
その中に、イリスの姿はなかった。
――第21話 完――
【こそこそ設定資料】
~聖剣使いの少女~
今回は特別編として、主人公イリス・アストレアのプロフィールをご紹介します!
※第21話までに判明した情報を中心にまとめています。
---
【基本プロフィール】
名前: イリス・アストレア
年齢: 17歳
身長: 160cm
体重: 48kg
出身: 異世界
職業: 魔法学院生/元・最高位冒険者
容姿: 黒髪のハーフツインテールと、青と金のオッドアイが特徴的な少女。細身ながら健康的で、しなやかな体つきをしている。
服装: 出身世界の魔法学院の制服を着用。左腰には専用の鞘に収めた聖剣を佩いている。
---
【性格・人物像】
真面目で礼儀正しく、基本的に敬語で話す少女。
一人称は「私」。相手を「さん」付けで呼ぶことが多い。
普段は穏やかで、親しい相手には自然な笑顔を見せる。
各地の景色を眺めることが好きで、未知の土地や文化にも興味を示す。
仲間を非常に大切にしており、危険な状況では自分が前に出て守ろうとする。
一方で、大切な仲間を傷つけようとする敵には厳しく、必要と判断すれば命を奪う覚悟も持っている。
魔法の扱いには優れているが、自分の感覚で習得してきた部分も多く、他人に魔法を教えることはあまり得意ではない。
---
【経歴】
元々は別の世界で暮らしていた魔法学院生。
学生でありながら冒険者としても活動しており、出身国に数人しか存在しない最高位冒険者の一人だった。
ある日、原因不明の出来事によって異世界へ転移。
X686年、天狼島で目を覚まし、メイビス・ヴァーミリオンと出会う。
その後、ユーリ、プレヒト、ウォーロッドとも行動を共にするようになり、仲間たちとの絆を深めていく。
---
【使用魔法】
① 生活魔法
日常生活を便利にするための魔法。
飲み物の用意など、戦闘以外の場面で使用することが多い。
② 風魔法
風を自在に操る魔法。
主に移動速度の向上や空中での姿勢制御、落下時の衝撃軽減などに使用する。
③ 光魔法
光を操る魔法。
特に得意とするのは、光の剣を複数生成する戦闘方法。
生成した光剣は自在に操作でき、敵への投射だけでなく、空中での足場としても利用できる。
なお、光剣は聖剣とは異なるため、絶対切断の権能は持たない。
④ 防御魔法
魔力による障壁を展開する魔法。
敵の攻撃を防ぐだけでなく、周囲への被害を抑える目的でも使用する。
⑤ 聖剣魔法
イリスが使用する特殊な魔法。
専用の聖剣へ魔力を通すことで、その力を発揮する。
近接戦闘を中心に、強力な斬撃や特殊な権能を用いて戦う。
---
【聖剣魔法の権能】
絶対切断
聖剣の刀身に魔力を通すことで発揮される特殊能力。
魔力を持たない物質であれば、その硬度や強度に関係なく、すべて切断することができる。
魔力を持つ対象に対しても切断能力を発揮するが、対象の魔力量に応じて必要な魔力消費量が変化する。
また、聖剣の刀身が魔法そのものに触れた場合、その魔法構造を切断して消滅させることができる。
ただし、刀身が触れていない範囲まで無条件に消滅させるわけではない。
広範囲に及ぶ魔法攻撃に対しては、防御魔法や回避を選択する場合もある。
---
【主な戦闘技術】
飛ぶ斬撃
聖剣から魔力を込めた斬撃を放つ遠距離攻撃。
離れた相手にも攻撃でき、敵の魔法と衝突させて迎撃することも可能。
ただし、絶対切断の権能は付与されていない。
強力な魔法と衝突した場合には衝撃波や余波が発生するため、周囲の状況に応じた判断が必要となる。
光剣操作
複数の光剣を同時に生成し、自在に操る技術。
攻撃、牽制、移動補助など、幅広い用途に対応する。
大量の光剣を一斉に放つこともでき、空中戦では足場として活用することで立体的な戦闘を可能にしている。
剣術
イリスの戦闘の基本となる技術。
聖剣の切断能力だけに頼らず、優れた身体能力と剣術によって敵の攻撃を見切り、反撃する。
---
【特殊な瞳】
金色の瞳
イリスの金色の瞳には、魔力の流れや残滓を視認する特殊な能力が備わっている。
通常では見えない魔力の動きを捉えることができ、魔法の発動や構造を把握する際にも役立つ。
第21話では、この能力を利用して巨大な泥竜の内部に潜むガルドの位置を見抜いた。
---
【戦闘スタイル】
聖剣を使用した近接戦闘を主体とする万能型。
風魔法による機動力、光剣による遠距離攻撃、防御魔法による守りを組み合わせ、さまざまな状況に対応する。
非常に高い魔力量と戦闘能力を持つが、力任せに戦うわけではない。
敵の能力や周囲の環境を観察し、適切な手段を選択することを重視している。
特に市街地では、周囲への被害を最小限に抑えるため、強力な攻撃の使用を慎重に判断する。
---
【ちょっとした補足】
・本人は自分の実力を必要以上に誇示しない。
・魔法の実践は得意だが、理論的な説明は少し苦手。
・聖剣と光剣は別物であり、光剣に絶対切断の能力はない。
・出身世界では、魔法学院に通いながら最高位冒険者として活動していた。
・仲間と過ごす穏やかな時間を大切にしている。
---
以上、イリス・アストレアの設定資料でした!
まだ明かされていない能力や秘密もありますが、それらは今後の物語で少しずつ描いていく予定です。
引き続き『妖精と聖剣使い』をよろしくお願いいたします!