妖精と聖剣使い   作:使い手なない

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第33話「広がる妖精の名」

 

第一幕 妖精の噂

 

 マグノリアの街を賑わせた祭りから、数日が過ぎた。

 

 通りに飾られていた色とりどりの布は片づけられ、広場に並んでいた屋台も、今ではすっかり姿を消している。

 

 街はいつもの日常を取り戻していた。

 

 ただし、一つだけ、以前とは違うことがあった。

 

「……また増えてるな」

 

 ギルドの掲示板を眺めていたユーリが、感心したように呟いた。

 

 その視線の先には、何枚もの依頼書が貼られている。

 

「昨日も増えていなかったか?」

 

 隣に立つプレヒトが尋ねると、ユーリは嬉しそうに笑った。

 

「そうなんだよ! 見ろよ、隣町からの依頼まで来てるぜ!」

 

「最近はマグノリアの外からも依頼が届くようになったね」

 

 ウォーロッドも、掲示板を覗き込みながら微笑む。

 

 少し離れた受付では、エマが届いたばかりの書類を整理していた。

 

「皆さん、こちらもお願いします。今朝届いた依頼です」

 

「おっ、まだあるのか!」

 

「ユーリさん、喜ぶのはいいですけど、依頼書を散らかさないでくださいね」

 

「わかってるって!」

 

 そう答えたユーリの手から、一枚の依頼書がひらりと落ちた。

 

「……ユーリ」

 

「わ、悪い!」

 

 プレヒトの呆れた声に、ギルドホールから笑いが起こる。

 

 そんな光景を、イリスはテーブルに座りながら眺めていた。

 

「本当に、賑やかになりましたね」

 

「はい!」

 

 向かいに座るメイビスが、嬉しそうに頷く。

 

「最初の頃は、依頼が一つ来るだけでも大騒ぎでしたから!」

 

「ふふっ。そうでしたね」

 

 思い返せば、ギルドを設立してからまだそれほど長い時間は経っていない。

 

 それでも、マグノリアの人々から寄せられる依頼は確実に増えていた。

 

 魔物の討伐。

 

 商人の護衛。

 

 行方不明になった家畜の捜索。

 

 壊れた建物の修繕を手伝ってほしいという依頼まである。

 

 決して派手な仕事ばかりではない。

 

 けれど、一つ一つの依頼を丁寧にこなしてきたことが、少しずつ信頼につながっているのだろう。

 

「この調子なら、もっとたくさんの人が来てくれるかもしれませんね!」

 

 メイビスが期待に満ちた声で言った。

 

「依頼人の方ですか?」

 

「それもありますけど……新しい仲間です!」

 

 その言葉に、イリスは柔らかく微笑んだ。

 

「そうですね。増えてくれると嬉しいです」

 

 その時だった。

 

 ギルドの扉が勢いよく開いた。

 

「すみませーん!」

 

 聞き慣れない男性の声に、全員の視線が入口へ向かう。

 

 そこには、旅装姿の若い男性が立っていた。

 

「ここが、妖精の尻尾で合ってるか?」

 

 メイビスがぱっと立ち上がる。

 

「はい! ようこそ、妖精の尻尾へ!」

 

 新しい出会いは、そんな何気ない朝に訪れた。

 

――――――――――

 

第二幕 新しい仲間たち

 

 男性の名前は、ダンといった。

 

 二十四歳。

 

 炎魔法を使う魔導士で、これまでは故郷の町を中心に、小さな討伐依頼や護衛の仕事を引き受けていたらしい。

 

「最近、ここの噂をよく聞くんだよ」

 

 ダンは椅子に腰を下ろすと、興味深そうにギルドホールを見回した。

 

「マグノリアで悪い魔導士ギルドを追い払ったって話も聞いたしさ。新しくできたギルドなのに、ずいぶん評判がいいじゃないか」

 

「へへっ! まあな!」

 

 なぜかユーリが得意げに胸を張る。

 

「ユーリさん、まだ何も聞かれていませんよ?」

 

 イリスがそう言うと、ダンは声を上げて笑った。

 

「ははっ! 面白そうなところだな!」

 

 そんな彼に、メイビスが尋ねた。

 

「それで、今日は依頼のご相談ですか?」

 

「いや、違うんだ」

 

 ダンは少しだけ姿勢を正した。

 

「俺、ここに入りたいんだよ」

 

「……えっ?」

 

 メイビスの瞳が丸くなる。

 

「本当ですか!?」

 

「ああ。どうせ魔導士を続けるなら、仲間と一緒にでっかい仕事をしてみたいと思ってさ!」

 

 ダンは照れくさそうに笑った。

 

「もちろん、まだ大した腕じゃないけどな」

 

「そんなことは関係ありません!」

 

 メイビスは即座に答えた。

 

「大切なのは、一緒に頑張っていこうと思ってくれることです!」

 

 その言葉を聞いたダンは、少し驚いたように目を瞬かせる。

 

 やがて、にっと笑った。

 

「……いいな、それ」

 

 こうして、妖精の尻尾に十人目の仲間が加わった。

 

 もっとも、歓迎の騒ぎが落ち着くまでには、しばらく時間がかかった。

 

「よし、ダン! 今度一緒に依頼へ行こうぜ!」

 

「おう! よろしくな、ユーリ!」

 

「最初から無茶な依頼を選ぶなよ」

 

「わかってるって、プレヒト!」

 

「その言葉、何度聞いたかなあ」

 

 ウォーロッドの穏やかな一言に、また笑い声が広がった。

 

 そして、その数日後。

 

 今度は一人の女性がギルドを訪れた。

 

「こちらで魔導士の募集をしていると伺ったのですが……」

 

 落ち着いた声でそう尋ねたのは、二十二歳のミーナだった。

 

 水魔法を得意とする魔導士で、以前は旅商人の護衛などをしていたという。

 

「もちろんです! 歓迎します!」

 

 メイビスが笑顔で答える。

 

「ありがとうございます。実は、以前から仲間と一緒に活動できるギルドを探していたんです」

 

 ミーナはそう言って、ほっとしたように微笑んだ。

 

 加入して間もなく、彼女はエマとも打ち解けた。

 

「ミーナさん、この書類をお願いしてもいいですか?」

 

「ええ。これを種類ごとに分ければいいんですね?」

 

「はい! 助かります!」

 

 受付で二人が並んで作業している姿を見て、セリナが感心したように呟く。

 

「へえ。ずいぶん手際がいいじゃない」

 

「エマさんが丁寧に教えてくださるので」

 

「ふふっ。そんなことないですよ」

 

 エマは少し照れたように笑った。

 

 こうして、十一人。

 

 そしてさらに数日が過ぎた頃、三人目の加入希望者が現れた。

 

 名前はボルク。

 

 三十二歳の、がっしりとした体格の男性だった。

 

 土魔法を使い、長年にわたって護衛や魔物討伐の依頼をこなしてきたという。

 

「……ここが、最近噂のギルドか」

 

 低い声で呟いたボルクは、ギルドホールをゆっくりと見渡した。

 

「ずいぶん若い連中が多いな」

 

「まあな! でも、腕には自信があるぜ!」

 

 真っ先に答えたのはユーリだった。

 

「そうか」

 

 ボルクは短く頷く。

 

 そのまま視線をメイビスへ向けた。

 

「俺もここで働かせてもらいたい。構わないか?」

 

「もちろんです!」

 

 メイビスは迷わず答えた。

 

「よろしくお願いします、ボルクさん!」

 

「……ああ。よろしく頼む」

 

 口数こそ少なかったが、差し出された手を握り返すボルクの表情は、どこか穏やかだった。

 

 こうして、妖精の尻尾の仲間は十二人になった。

 

――――――――――

 

第三幕 十二人の妖精

 

「……なんか、狭くなってきたな」

 

 ある日の昼下がり。

 

 ギルドホールを見回していたユーリが、ぽつりと呟いた。

 

「何がですか?」

 

 イリスが尋ねる。

 

「いや、この建物だよ。前はもっと広く感じたんだけどな」

 

 その言葉に、イリスも周囲を見渡した。

 

 掲示板の前では、レオンとダンが依頼書を眺めながら話している。

 

「この討伐依頼、二人で行けば十分そうだな」

 

「おっ、いいじゃないか! 俺の炎魔法の出番だな!」

 

「森の中だから、火の扱いには気をつけろよ」

 

「わ、わかってるって!」

 

 その近くでは、セリナとボルクが別の依頼について相談していた。

 

「この護衛依頼、あんたも来る?」

 

「……そうだな。人数がいた方が安全だ」

 

「決まりね!」

 

 受付では、エマとミーナが依頼の確認を進めている。

 

 ウォーロッドは持ち込まれた植物の相談に乗り、プレヒトは依頼書の内容に不備がないか確かめていた。

 

 そしてリタは、そんな皆の様子を楽しそうに眺めている。

 

「本当に賑やかになったわね」

 

「はい」

 

 イリスは頷いた。

 

「でも、私はこのくらい賑やかな方が好きですよ」

 

「ふふっ。私もよ」

 

 リタが微笑む。

 

 そこへ、メイビスがやってきた。

 

「皆さん! 少しだけ集まってもらってもいいですか?」

 

 その声に、ギルドホールのあちこちから返事が上がる。

 

「どうした、メイビス?」

 

「何かあったのか?」

 

「新しい依頼ですか?」

 

「違います!」

 

 メイビスは笑顔で首を振った。

 

「今日は、皆さんにお礼を言いたいんです!」

 

「……お礼?」

 

 ユーリが首を傾げる。

 

「はい!」

 

 メイビスは集まった仲間たちを見渡した。

 

「最近、妖精の尻尾にはたくさんの依頼が届くようになりました。マグノリアの人たちだけじゃなく、ほかの町の人たちも、私たちを頼ってくれるようになっています」

 

 その声には、隠しきれない喜びが滲んでいた。

 

「それは、皆さんが一つ一つの仕事を頑張ってくれているからです!」

 

 ダンが照れくさそうに頭を掻く。

 

「俺なんて、まだ入ったばっかりだけどな」

 

「これから頑張ってくれればいいんです!」

 

「おう!」

 

 メイビスは嬉しそうに頷くと、言葉を続けた。

 

「私は、このギルドを作ってよかったと思っています」

 

 その場が、少しだけ静かになった。

 

「最初は、たった五人でした」

 

 イリスは、メイビスの言葉に耳を傾ける。

 

 天狼島で出会った仲間たち。

 

 ブルースカルとの戦い。

 

 マグノリアの街に、初めて掲げたFAIRY TAILの名。

 

 あの頃は、こんな日が訪れることなど想像もしていなかった。

 

「でも、今は十二人です!」

 

 メイビスが両手を広げる。

 

「これからも、もっとたくさんの人と出会えるかもしれません!」

 

「おう! 百人くらい集めようぜ!」

 

 ユーリが勢いよく叫んだ。

 

「百人も集まったら、この建物には入りきらないだろう」

 

 プレヒトが即座に突っ込む。

 

「じゃあ、もっとでっかい建物にすればいいじゃねえか!」

 

「簡単に言うな」

 

「ふふっ。でも、いつか本当にそうなるかもしれないね」

 

 ウォーロッドの言葉に、皆が笑った。

 

「そうなったら、私も受付をもっと頑張らないといけませんね」

 

 エマが微笑む。

 

「その時は私もお手伝いします」

 

 ミーナが答えた。

 

「じゃあ、俺はでっかい依頼をどんどん片づけるぜ!」

 

「まずは目の前の依頼をきちんと終わらせなさいよ」

 

 セリナの言葉に、ダンが苦笑する。

 

「……悪くないギルドだな」

 

 ボルクが小さく呟いた。

 

 その言葉を聞いたメイビスは、満面の笑みを浮かべた。

 

「はい! 自慢のギルドです!」

 

 イリスも、思わず笑みをこぼした。

 

 仲間が増えた。

 

 依頼が増えた。

 

 そして、妖精の尻尾の名前を知る人々も、少しずつ増えている。

 

 それは、まだ小さな変化かもしれない。

 

 けれど、確かに前へ進んでいる証だった。

 

――――――――――

 

第四幕 変わらない願い

 

 その日の夕方。

 

 依頼を終えた仲間たちが帰ってくると、ギルドホールは再び賑やかになった。

 

 報酬の確認をする者。

 

 今日の仕事について語り合う者。

 

 明日の依頼を選ぶ者。

 

 そんな光景を眺めながら、イリスは窓際に立っていた。

 

 夕日に染まるマグノリアの街。

 

 石畳の道を歩く人々。

 

 遠くから聞こえてくる、子供たちの笑い声。

 

 どれも、今ではすっかり見慣れた景色だった。

 

「……イリスさん?」

 

 背後から声がした。

 

 振り返ると、メイビスが立っていた。

 

「メイビスさん。どうかしましたか?」

 

「いえ。何を見ているのかなと思いまして」

 

「街を、少し」

 

 イリスは再び窓の外へ目を向けた。

 

「最初にマグノリアへ来た頃とは、ずいぶん印象が変わりましたね」

 

「そうですね」

 

 メイビスも隣に並ぶ。

 

「前は、街の人たちも不安そうでしたから」

 

「はい。でも今は、皆さん楽しそうです」

 

 イリスは微笑んだ。

 

「私たちが頑張ってきたことも、少しは役に立っているのでしょうか」

 

「少しどころじゃありませんよ!」

 

 メイビスが勢いよく答えた。

 

「イリスさんがいなかったら、今の妖精の尻尾はありません!」

 

「それは大げさですよ」

 

「大げさじゃありません!」

 

 頬を膨らませるメイビスに、イリスは小さく笑った。

 

「ふふっ。ありがとうございます」

 

 それから、二人はしばらく並んで夕暮れの街を眺めた。

 

 背後では、ユーリたちの賑やかな声が響いている。

 

 その声を聞きながら、イリスはふと、遠い故郷のことを思い出した。

 

 魔法学院。

 

 慣れ親しんだ街並み。

 

 かつて自分が歩いていた、あの世界の景色。

 

 こちらの世界へ来てから、どれほどの時間が過ぎただろう。

 

 今では大切な仲間がいる。

 

 帰る場所もある。

 

 それでも、故郷へ帰る方法を探したいという気持ちが消えたわけではなかった。

 

「……イリスさん」

 

「はい?」

 

 メイビスが、そっと顔を上げる。

 

「何か、考え事ですか?」

 

 イリスは少しだけ驚いた。

 

 けれど、すぐに柔らかく微笑む。

 

「……ええ。少しだけ」

 

「そうですか」

 

 メイビスは、それ以上尋ねなかった。

 

 ただ、隣に立ったまま、同じ夕焼けを眺めている。

 

 その優しさが、イリスには嬉しかった。

 

「メイビスさん」

 

「はい!」

 

「……このギルド、本当に素敵な場所になりましたね」

 

 メイビスは一瞬だけ目を丸くした。

 

 そして、嬉しそうに笑った。

 

「はい! もっともっと、素敵な場所にしていきましょう!」

 

「ふふっ。そうですね」

 

 夕日が、二人の頬を優しく照らす。

 

 ギルドホールからは、今日も仲間たちの笑い声が聞こえていた。

 

 かつて五人で始めた、小さな妖精たちの物語。

 

 その輪は今、十二人へと広がっている。

 

 そして、妖精の名は少しずつ、マグノリアの外へも届き始めていた。

 

 まだ誰も知らない。

 

 この小さなギルドが、いつか多くの人々にその名を知られる存在になることを。

 

 けれど、その未来へ続く道は、確かにここから伸びていた。

 

 ――妖精たちの物語は、今日も続いていく。

 

 ――第33話 完――

 




【こそこそ妖精話】

~祭りの後の苦労人たち~

 マグノリアのお祭りが終わった、その日の夜。

 賑やかだった広場には静けさが戻り、住民たちも少しずつ帰路についていた。

 そんな中、二人の魔導士が広場に残っていた。

 プレヒトとウォーロッドである。

ウォーロッド「ふふっ。今日は楽しかったね」

プレヒト「ああ。街の連中も喜んでいたな」

ウォーロッド「うん。ブルースカルがいた頃を考えると、随分変わったよ」

プレヒト「……そうだな」

 プレヒトは広場を見渡した。

 昼間、皆で飾り付けた屋台や花々が、祭りの名残を残している。

ウォーロッド「それにしても、僕たちのギルドも賑やかになったね」

プレヒト「最初は五人だったからな」

ウォーロッド「それが今では九人だよ」

プレヒト「……ユーリ一人でも十分騒がしかったがな」

ウォーロッド「ふふっ。それは否定できないね」

プレヒト「レオンまで加わって、余計に騒がしくなった」

ウォーロッド「でも、楽しそうじゃないか」

プレヒト「……まあな」

 プレヒトは小さく笑った。

ウォーロッド「これから、もっと仲間が増えるといいね」

プレヒト「ああ。ただし、ユーリみたいなのばかり増えるのは勘弁してほしいが」

ウォーロッド「あははっ! それは大変そうだね」

 その時だった。

「おーい!!」

 遠くから、聞き慣れた声が響いた。

ユーリ「プレヒトー! ウォーロッドー!」

プレヒト「……噂をすれば」

ウォーロッド「ふふっ。どうしたんだろう?」

 広場の向こうから、ユーリが勢いよく駆けてくる。

ユーリ「お前ら、まだここにいたのか!」

プレヒト「ああ。少し片付けを手伝っていた」

ユーリ「そうか! ちょうどよかったぜ!」

ウォーロッド「何かあったのかい?」

ユーリ「いやあ、実はよ!」

 ユーリは満面の笑みを浮かべた。

ユーリ「来年の祭り、俺たちも屋台を出そうぜ!」

プレヒト「……は?」

ウォーロッド「屋台?」

ユーリ「おう! FAIRY TAIL特製の料理とか売るんだよ!」

プレヒト「……誰が作るんだ?」

ユーリ「そりゃ、みんなで!」

プレヒト「材料は?」

ユーリ「買えばいいだろ!」

プレヒト「費用は?」

ユーリ「ギルドの金で!」

プレヒト「却下だ」

ユーリ「早えよ!!」

 ウォーロッドが思わず吹き出した。

ウォーロッド「ふふっ。まだ一年も先の話じゃないか」

ユーリ「だから今から考えるんだろ!」

プレヒト「だったら、まず自分で材料費を稼いでこい」

ユーリ「おっ! それなら任せろ!」

プレヒト「……本当にわかっているのか?」

ユーリ「当たり前だろ!」

 ユーリは得意げに胸を張った。

ユーリ「よーし! 明日から依頼を十件くらい受けてくるぜ!」

プレヒト「……待て」

ユーリ「何だよ?」

プレヒト「一日に十件も受けるな」

ユーリ「何でだよ!?」

プレヒト「ほかの連中の仕事がなくなるだろうが!」

ユーリ「じゃあ二十件にするか!」

プレヒト「増やすな!!」

 静かな広場に、プレヒトの怒鳴り声が響き渡った。

 その隣で、ウォーロッドはお腹を抱えて笑っていた。

ウォーロッド「あははっ! やっぱり賑やかな方がいいね!」

プレヒト「……お前は気楽でいいな」

 ――どうやら、妖精の尻尾の苦労人たちに、平穏な夜はまだ訪れそうになかった。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

今後とも『妖精と聖剣使い』をよろしくお願いいたします。
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