第一幕 聖剣使いの反撃
X694年・春。
フィオーレ王国、マグノリア郊外。
春風が吹き抜ける草原に、四人の魔導士が向かい合っていた。
イリス・アストレア。
そして、ユーリ・ドレアー、プレヒト・ゲイボルグ、ウォーロッド・シーケン。
妖精の尻尾を創設した仲間たちによる、三対一の模擬戦。
その戦いは、すでに激しさを増していた。
イリスの右肩には、小さな傷がある。
先ほど、三人の連携によってユーリの雷撃が命中したのだ。
裂けた制服の袖が、風に揺れている。
「……それでは」
イリスは静かに聖剣を構えた。
「続きを始めましょうか」
「おう!!」
ユーリが拳を握る。
「望むところだ!!」
青白い雷が、その全身を包み込んだ。
プレヒトは魔法陣を展開し、ウォーロッドも周囲の植物へ魔力を流し込む。
三人の構えに、油断はない。
先ほどの一撃。
あれは、三人が積み重ねてきた努力の成果だった。
しかし。
イリスもまた、この二年間をただ過ごしていたわけではない。
「……参ります」
小さな声。
次の瞬間。
イリスが地面を蹴った。
「――っ!」
ユーリが反応する。
雷をまとった拳を突き出した。
だが。
イリスは、その拳を避けるために大きく動かなかった。
ほんのわずか。
肩を引き、上体を傾ける。
拳が頬の横を通り過ぎる。
「なっ……!」
そのままイリスは一歩踏み込んだ。
聖剣の柄頭が、ユーリの腹部へ迫る。
「ぐっ!」
ユーリは咄嗟に腕を下げ、防御した。
鈍い衝撃。
身体が後方へ押される。
しかし、その背後から蔓が伸びた。
「ユーリ!」
「おう!」
ウォーロッドの植物魔法。
蔓がユーリの身体を支え、姿勢を立て直させる。
同時に、別の蔓がイリスの足元へ迫った。
だが。
「……!」
イリスは、すでにそこにはいなかった。
蔓が伸びる直前。
わずかに足を滑らせ、包囲の隙間へ移動していたのだ。
「速い……!」
ウォーロッドが呟く。
いや。
単純に速いだけではない。
動き始めるタイミングが、あまりにも正確だった。
「――天照式!」
プレヒトが魔法を放つ。
複数の魔法陣から、黒い魔力が迸った。
イリスは聖剣を構える。
一つ目の攻撃を、剣の平で逸らす。
二つ目は、身体を半歩ずらして回避。
三つ目。
イリスは踏み込みながら聖剣を振るった。
白銀の軌跡。
黒い魔力が切り裂かれる。
そして。
「……っ!」
プレヒトの目が見開かれた。
イリスが、すでに目の前へ迫っていたのだ。
「失礼します!」
聖剣が振り下ろされる。
もちろん、致命傷を与えるような斬撃ではない。
刃を返した、制御された一撃。
プレヒトは咄嗟に防御魔法を展開した。
魔力の障壁が、聖剣を受け止める。
しかし。
衝撃が腕へ伝わった。
「ぐっ……!」
プレヒトは後方へ滑る。
その瞬間。
「させるかあっ!」
ユーリが横から飛び込んだ。
雷をまとった蹴り。
イリスは振り返ることなく、聖剣を引き戻した。
そして。
剣の腹で蹴りを受け流す。
「なっ!?」
ユーリの身体が横へ流れた。
その勢いを利用するように、イリスが回転する。
聖剣の柄が、ユーリの胸元へ迫った。
「くそっ!」
ユーリは両腕を交差させる。
衝撃。
「ぐおっ!」
身体が後方へ吹き飛ばされた。
だが、ウォーロッドの蔓が受け止める。
「大丈夫!?」
「おう!」
ユーリは歯を見せて笑った。
「まだまだ!」
その正面で、イリスは静かに聖剣を構え直した。
呼吸は乱れていない。
足運びにも、無駄がない。
その姿を見つめながら、プレヒトは眉を寄せた。
「……そういうことか」
「何がだ?」
ユーリが尋ねる。
「イリスの剣だ」
プレヒトは静かに答えた。
「以前より速くなったことは間違いない。だが、それ以上に……」
視線を向ける。
「動きの無駄が、ほとんどなくなっている」
「……!」
「こちらが攻撃を仕掛ける前から、最も効率のよい位置へ移動しているんだ」
ウォーロッドも頷いた。
「確かに……僕の植物も、伸びきる前に避けられているね」
「それだけではない」
プレヒトは続ける。
「攻撃を防いだ直後、すでに反撃の態勢が整っている」
防御と攻撃。
本来なら別々の動作。
しかし、今のイリスには、その境界がほとんど存在しなかった。
まるで。
一つの動きが、そのまま次の動きへつながっているかのように。
「……なるほどな」
ユーリが笑った。
「つまり、めちゃくちゃ強くなったってことだろ?」
「……お前はもう少し考えろ」
「分かりやすくていいじゃねえか!」
ウォーロッドが思わず笑う。
「ははっ。確かに、ユーリらしいね」
そのやり取りを聞いて、イリスも小さく笑った。
「ふふっ」
そして、聖剣を構える。
「まだ、続けますか?」
「当たり前だろ!」
ユーリが拳を握った。
「ここからが面白えんじゃねえか!」
◇
「……すごい」
観客席で、エマが呟いた。
「さっきまでと、全然違います……!」
「ええ」
リタも驚いたように頷く。
「ユーリたちが弱くなったわけじゃないのよね?」
「もちろんです!」
メイビスが嬉しそうに答えた。
「三人とも、本当に強くなっています!」
「じゃあ、どうして……?」
「イリスさんの剣技が、それ以上に成長したんです!」
メイビスは戦場を見つめる。
「二年間、いろんな場所で戦って、考えて、何度も剣を振って……」
その表情には、どこか誇らしげな笑みがあった。
「今のイリスさんの剣は、本当に綺麗なんですよ!」
その隣。
セヴェルも静かに頷いた。
「……同感です」
「セヴェルさん!」
「以前、私が模擬戦を行った時とは、明らかに違います」
セヴェルは目を細めた。
「剣の軌道、重心の移動、魔力の使い方……そのすべてが洗練されている」
そして、わずかに微笑む。
「実に興味深い成長ですね」
――――――――――
第二幕 三人の限界への挑戦
「プレヒト!」
ユーリが叫ぶ。
「次はどうする!?」
「……陣形を変える」
プレヒトが即答した。
「ウォーロッド、広範囲の拘束を頼む!」
「分かった!」
「ユーリは正面から圧力をかけろ。ただし、深追いするな!」
「おう!」
三人が再び動き出した。
ウォーロッドが両手を広げる。
「いくよ!」
大地が震えた。
無数の蔓が地面から伸びる。
しかし、先ほどとは違う。
イリスを直接拘束するのではなく、周囲に複数の壁を形成していく。
戦場を区切るように。
移動できる経路を限定するように。
「……なるほど」
イリスが呟いた。
そこへ。
「おらああっ!」
ユーリが突進した。
雷をまとった拳。
イリスは聖剣で受け流す。
しかし、ユーリはすぐに後退した。
その直後。
「――天照式!」
プレヒトの魔法が、イリスの側面へ放たれる。
イリスは一歩踏み込み、魔法の軌道から外れた。
だが、その先には蔓の壁。
「……!」
イリスは聖剣を振るった。
蔓の一部を切り払い、開いた隙間を抜ける。
ところが。
「そこだ!」
ユーリが再び現れた。
雷撃。
イリスは聖剣を構える。
青白い雷が刃へ衝突した。
火花が散る。
その間に、プレヒトが次の術式を完成させていた。
「――天照式・二十八式!」
黒い魔力が奔流となって迫る。
イリスは即座に風魔法を発動。
身体を斜めへ滑らせた。
魔力の奔流が、すぐ横を通過する。
そして。
イリスが踏み込んだ。
「……っ!」
ユーリの目が見開かれる。
聖剣が、雷をまとった腕の内側へ入り込んだ。
剣の平が、腕を打つ。
「ぐっ!」
続けざまに、柄頭が腹部へ迫った。
ユーリは身体をひねる。
完全には避けられない。
鈍い衝撃。
「がはっ!」
ユーリの身体が後方へ滑った。
しかし。
「まだだ!」
プレヒトの魔法陣が輝く。
イリスは即座に反応した。
聖剣を振るう。
飛ぶ斬撃が魔法陣から放たれた魔力を切り裂いた。
その隙に、ウォーロッドがユーリを引き戻す。
「大丈夫!?」
「……っはあ!」
ユーリは息を吐いた。
「効いたぜ……!」
だが、その顔には笑みがある。
「へへっ……!」
拳を握る。
「やっぱ、強えなあ!」
プレヒトが隣へ並んだ。
「……このままでは、決定打を与えられん」
「そうだね」
ウォーロッドも頷く。
「僕たちの連携は通用している。でも、イリスの動きが正確すぎる」
「だったらよ」
ユーリが笑った。
「もっとでけえのをぶつけりゃいいんじゃねえか?」
「……簡単に言うな」
「いや、待って」
ウォーロッドが顔を上げた。
「もしかして……」
プレヒトも、何かに気づいたように目を細める。
「……あれか」
「おう!」
ユーリがにやりと笑った。
「せっかくだし、試してみようぜ!」
「……まだ一度も成功していないぞ」
プレヒトが言う。
「知ってるって!」
「三人の魔力を完全に同調させる必要がある。少しでも制御を誤れば、術式が崩壊する」
「だから、今やるんだろ!」
ユーリは拳を握った。
「あいつ相手に、出し惜しみなんてしてられねえ!」
ウォーロッドが小さく笑った。
「……僕も、やってみたいな」
「ウォーロッドまで……」
プレヒトは額に手を当てた。
そして。
「……まったく」
小さく息を吐く。
「仕方のない連中だ」
その口元に、わずかな笑みが浮かんだ。
「だが……」
プレヒトは二人を見た。
「やるなら、必ず成功させるぞ」
「おう!!」
「もちろん!」
三人が頷き合う。
その正面。
イリスは、三人の様子を静かに見つめていた。
「……?」
何かを相談している。
それは分かる。
しかし、三人の魔力の流れが、先ほどまでとは違っていた。
それぞれが魔力を練り上げている。
しかも。
互いの魔力を、少しずつ近づけるように。
「……なるほど」
イリスは小さく微笑んだ。
「何か、準備されているようですね」
「へへっ!」
ユーリが笑う。
「とっておきだぜ!」
「それは楽しみです」
イリスは聖剣を構え直した。
その表情には、期待が浮かんでいた。
――――――――――
第三幕 初めてのユニゾンレイド
「……始めるぞ」
プレヒトが静かに告げた。
「おう!」
「うん!」
三人が、それぞれの位置へ移動する。
ユーリが前方。
プレヒトが後方。
ウォーロッドが側面。
三人を結ぶように、魔力が高まっていく。
最初に動いたのは、ウォーロッドだった。
「――いくよ!」
両手を地面へ向ける。
大地が震えた。
次の瞬間。
巨大な植物が、地面を突き破って現れた。
太い幹。
複雑に絡み合う枝。
無数の蔓。
それらが一つの巨大な構造物を形成していく。
「おお……!」
観客たちが息を呑んだ。
「何だ、あれ……!?」
「ウォーロッドさんの魔法か!?」
しかし、それだけではなかった。
「次は俺だ!!」
ユーリが叫ぶ。
全身から青白い雷が噴き出した。
雷は地面を走り、巨大な植物へ流れ込む。
枝葉を駆け巡る雷光。
幹の内部を、青白い魔力が脈動する。
植物と雷。
本来なら、容易に融合するものではない。
強すぎる雷は植物を焼き、植物の魔力が雷の流れを乱してしまう。
「ぐっ……!」
ウォーロッドが顔をしかめた。
「ユーリ! 少し強すぎる!」
「分かってる!」
ユーリが魔力を抑える。
だが、今度は雷の流れが不安定になった。
「くそっ!」
「落ち着いて!」
ウォーロッドが叫ぶ。
「僕の魔力に合わせて!」
「おう!」
二人の魔力が、少しずつ同調していく。
その瞬間。
「――天照式!」
プレヒトが両手を広げた。
巨大な魔法陣が、三人の足元へ展開される。
複雑な紋様が幾重にも重なり、ゆっくりと回転し始めた。
黒い魔力が、植物と雷を包み込む。
三つの異なる魔力。
それらを、一つの術式へ組み込む。
「……っ!」
プレヒトの額に汗が浮かんだ。
魔法陣が激しく明滅する。
「くっ……!」
術式の一部が崩れかけた。
雷が暴れる。
植物の枝が軋む。
「プレヒト!」
ユーリが叫ぶ。
「大丈夫か!?」
「……黙って集中しろ!」
「お、おう!」
プレヒトは歯を食いしばった。
これまで、何度も試してきた。
三人の魔力を一つにする技術。
ユニゾンレイド。
しかし、雷魔法、天照式、植物魔法。
性質の異なる三つの魔力を完全に融合させることは、想像以上に難しかった。
魔力の出力。
流れる速度。
術式の構造。
わずかな違いが、融合を妨げる。
これまでは、必ずどこかで失敗していた。
だが。
「……!」
プレヒトは目を見開いた。
魔力の流れ。
その中に、ある規則性が見えた。
ユーリの雷が、植物の内部を駆け巡る。
ウォーロッドが、その流れに合わせて植物の魔力を調整する。
そして、自分の天照式が、二つの魔力を包み込んでいる。
別々の魔力を、無理に同じ性質へ変える必要はない。
それぞれの役割を保ったまま、一つの流れにすればいい。
「……そうか」
プレヒトが呟いた。
「そういうことか……!」
「プレヒト!?」
「ユーリ! 雷の流れを一定に保て!」
「おう!」
「ウォーロッド! 植物の魔力を雷の流れに合わせろ!」
「分かった!」
プレヒトは両手を広げた。
魔法陣が、さらに大きく展開される。
黒い魔力が三人を結ぶ。
雷が走る。
植物が脈動する。
術式が回転する。
そして。
――三つの魔力が、一つになった。
「……!」
プレヒトの目が見開かれた。
魔法陣の明滅が止まる。
不安定だった雷が、滑らかに流れ始める。
植物の枝葉が、青白い光を放つ。
黒い魔力が、それらを包み込んだ。
「……できた?」
ウォーロッドが呟いた。
「……ああ」
プレヒトが答える。
「成功だ……!」
「マジか!?」
ユーリが叫ぶ。
「やったのか!?」
「ああ!」
プレヒトの声にも、興奮が混じっていた。
「初めて……成功した!」
「よっしゃあああっ!!」
ユーリが笑った。
その瞬間。
巨大な複合魔法が、さらに魔力を高めた。
大地が震える。
空気が唸る。
青白い雷と黒い魔力が、巨大な植物の内部を駆け巡る。
◇
「……っ!」
観客席で、メイビスが立ち上がった。
「すごいです!!」
「メイビスさん!?」
エマが驚く。
「あれは……!」
「三人の魔力が、一つになっています!」
メイビスの瞳が輝いた。
「雷魔法と植物魔法、それに天照式……!」
その声には、抑えきれない興奮があった。
「三人で一つの魔法を完成させたんです!」
「……そんなことが」
リタが息を呑む。
その隣で、セヴェルが目を細めた。
「……ユニゾンレイドですか」
静かな声。
しかし、その表情には明確な驚きがあった。
「しかも、三人による融合……」
セヴェルは戦場を見つめる。
「これは、相当な威力になりそうですね」
次の瞬間。
セヴェルが片手を上げた。
黒い水が、激しく流れ始める。
観客席を囲む障壁が、さらに厚みを増した。
「皆さん、障壁から離れてください」
その声は、いつもより少しだけ鋭かった。
「これから、非常に強力な魔法が放たれます」
観客たちが息を呑む。
◇
一方。
イリスは、静かにその光景を見つめていた。
金色の瞳には、三人の魔力の流れが鮮明に映っている。
雷。
植物。
天照式。
三つの異なる魔力が、互いを補い合いながら一つの巨大な術式を形成していた。
「……すごい」
思わず、言葉がこぼれた。
その表情には、心からの驚きが浮かんでいる。
「本当に……素晴らしいです」
イリスは聖剣を構えた。
正面から迫るであろう魔法。
その魔力量は、三人が個別に放つ攻撃を単純に足し合わせたものではない。
融合によって、互いの魔力が高め合っている。
極めて強力な複合魔法。
普通に斬り裂けば、膨大な魔力が周囲へ飛散するだろう。
この草原にも。
観客席にも。
大きな被害が及ぶ可能性がある。
だからこそ。
「……それなら」
イリスは、小さく息を吐いた。
「私も、二年間の成果をお見せします」
聖剣の刀身に、静かに魔力が流れ込む。
白銀の輝き。
しかし、その光は決して激しくない。
むしろ。
驚くほど、穏やかだった。
◇
「いくぜえええっ!!」
ユーリが叫んだ。
「おう!」
プレヒトが頷く。
「うん!」
ウォーロッドも笑った。
三人の魔力が、さらに高まる。
そして。
「「「――ユニゾンレイド!!!」」」
巨大な複合魔法が、放たれた。
---
第四幕 妖精の聖剣の進化
轟音。
巨大な植物が、雷をまといながら前方へ伸びる。
その周囲を、黒い魔力の術式が取り囲んでいた。
青白い雷光。
漆黒の魔力。
生命力に満ちた緑の輝き。
三つの魔法が融合した、巨大な一撃。
それが、一直線にイリスへ迫った。
「……っ!」
イリスの黒髪が、魔力の圧力によって激しく揺れる。
制服の裾が翻った。
その青と金の瞳が、迫る魔法を捉える。
金色の瞳には、無数の魔力の流れが見えていた。
複雑に絡み合う三つの魔力。
互いを補強しながら、一つの巨大な奔流となっている。
単純に切断するだけでは、魔力が周囲へ飛散する。
かといって、防御魔法で受け止めれば、衝撃は地面へ伝わる。
それでは意味がない。
必要なのは。
魔法そのものを、完全に消し去ること。
「……!」
イリスは聖剣を両手で握った。
ゆっくりと、構える。
刃に流れる魔力が、さらに精密に制御されていく。
強引に押し潰すのではない。
魔力の流れを捉え、その結びつきへ干渉する。
膨大な魔力を、無駄なく刀身へ集中させる。
そして。
「――はっ!」
聖剣が振り抜かれた。
白銀の一閃。
それが、巨大なユニゾンレイドへ触れた。
次の瞬間。
――静寂。
「…………え?」
誰かが呟いた。
轟音が、消えていた。
雷も。
黒い魔力も。
巨大な植物を包んでいた魔法の輝きも。
すべてが、静かに消えていく。
爆発は起きない。
衝撃波も発生しない。
魔力の破片すら、周囲へ飛び散らない。
ただ。
巨大な複合魔法が、聖剣の一閃によって静かにほどけ、消滅していった。
「…………」
草原に、沈黙が広がった。
ユーリが目を見開く。
「……は?」
ウォーロッドも、呆然としていた。
「……消えた?」
プレヒトは、言葉を失っていた。
自分たちが初めて成功させたユニゾンレイド。
あれほどの魔力量。
あれほど複雑な術式。
それが。
爆発することもなく、消えた。
「……馬鹿な」
プレヒトが呟いた。
「そんなことが……」
◇
「……!」
セヴェルが目を見開いた。
そして、ゆっくりと息を吐く。
「……なるほど」
その口元に、わずかな笑みが浮かんだ。
「そういうことですか」
「セヴェルさん?」
リタが尋ねる。
「今のは……?」
「……魔法を切断したのではありません」
セヴェルは静かに答えた。
「魔法の構造そのものへ干渉し、魔力の流れを崩したのです」
「……え?」
「しかも、周囲へ余波を発生させずに」
セヴェルは戦場を見つめる。
「普通なら、あれほどの魔法を破壊すれば、膨大な魔力が周囲へ飛散します」
しかし。
それが起きなかった。
「……極めて高度な魔力制御です」
その声には、隠しきれない感嘆があった。
「以前のイリスさんには、できなかった技術ですね」
メイビスが嬉しそうに笑った。
「えへへ!」
「メイビスさん?」
「イリスさん、ずっと練習していたんです!」
その瞳が輝く。
「強い魔法を打ち消す時、周りに被害を出さないようにって!」
そして、戦場を見つめる。
「……成功しましたね、イリスさん!」
◇
草原の中央。
イリスは、ゆっくりと聖剣を下ろした。
「……ふう」
小さく息を吐く。
額には、うっすらと汗が浮かんでいた。
聖剣を握る指先にも、わずかな疲労が残っている。
今の一撃。
決して、簡単なものではなかった。
三人のユニゾンレイドは、それほどまでに強力だったのだ。
「……すごいですね」
イリスは顔を上げた。
そして、三人へ微笑む。
「本当に、素晴らしい魔法でした」
「……おいおい」
ユーリが苦笑する。
「それ、こっちの台詞だろ……!」
ウォーロッドも笑った。
「ははっ……あんなふうに消されるなんて、思わなかったよ」
プレヒトは、しばらく黙っていた。
そして。
「……イリス」
「はい?」
「今の技術は、いつ身につけた?」
「ギルティナ大陸での旅の途中です」
イリスは答えた。
「最初は、魔法を打ち消しても周囲に余波が残ってしまって……」
少し困ったように笑う。
「何度も失敗しました」
「……そうか」
プレヒトは小さく頷いた。
「だが、今の一撃は見事だった」
「ありがとうございます」
イリスが微笑む。
「でも……」
その視線が、三人へ向けられる。
「皆さんの魔法も、本当にすごかったです」
「へへっ!」
ユーリが笑う。
「だろ!」
「はい!」
イリスは嬉しそうに頷いた。
「三人の魔力が、あんなに綺麗に重なるなんて……」
その言葉に、ウォーロッドが笑った。
「実は、初めて成功したんだ」
「……え?」
イリスが目を丸くする。
「そうなんですか?」
「ああ」
プレヒトが頷いた。
「これまで何度も練習してきたが、完全な成功は一度もなかった」
「へへっ!」
ユーリが胸を張る。
「今日が初成功ってわけだ!」
「……!」
イリスの表情が、ぱっと明るくなった。
「それは……!」
そして、心から嬉しそうに笑った。
「おめでとうございます!」
三人は、一瞬だけ顔を見合わせた。
そして。
「……ははっ!」
ユーリが笑った。
「敵に祝われちまったぜ!」
「模擬戦の相手だろう」
プレヒトが呆れたように言う。
「細けえことはいいんだよ!」
ウォーロッドも笑う。
「でも、嬉しいね」
その言葉に、イリスも頷いた。
「はい!」
しかし。
次の瞬間。
ユーリが、再び拳を握った。
「……さて」
「……?」
イリスが首を傾げる。
「ユーリさん?」
「まだ終わってねえよな?」
その顔には、楽しそうな笑みが浮かんでいた。
「……ふふっ」
イリスも微笑む。
「ええ」
聖剣を構え直す。
「まだ、勝負はついていませんね」
――――――――――
第五幕 最後の一撃
春風が、再び草原を吹き抜けた。
三人は、大きく息を整えていた。
ユニゾンレイド。
初めて成功した強大な複合魔法。
しかし、その代償は小さくなかった。
ユーリの雷は、先ほどより弱まっている。
ウォーロッドの植物も、動きが鈍くなっていた。
プレヒトの魔法陣も、形成にわずかな時間を要している。
三人とも、相当な魔力を消費していた。
だが。
「……まだいけるな?」
プレヒトが尋ねた。
「おう!」
ユーリが笑う。
「もちろんだ!」
「僕も大丈夫!」
ウォーロッドが頷いた。
プレヒトは小さく笑う。
「……なら、最後までやるぞ」
「おう!!」
三人が、再び構えた。
その正面。
イリスも聖剣を握り直す。
彼女もまた、ユニゾンレイドの完全相殺によって魔力を消費していた。
決して、無傷でも無疲労でもない。
右肩には、先ほど受けた傷が残っている。
それでも。
その立ち姿に、揺らぎはなかった。
「……参ります」
イリスが告げた。
「来い!!」
ユーリが叫ぶ。
次の瞬間。
三人が動いた。
「――はあああっ!!」
ユーリが雷をまとって突進する。
ウォーロッドが蔓を伸ばす。
プレヒトが天照式を展開する。
これまで何度も繰り返してきた連携。
しかし、その動きには、最後まで乱れがなかった。
イリスは聖剣を構える。
ユーリの拳が迫る。
身体をわずかに傾け、回避。
続けざまに伸びる蔓。
足を滑らせ、隙間を抜ける。
そこへプレヒトの魔法。
聖剣を振り抜き、魔力を切り裂く。
そして。
イリスが踏み込んだ。
「……っ!」
ユーリの目が見開かれる。
聖剣が、雷をまとった腕の内側へ入り込んだ。
剣の平が、腕を打つ。
「ぐっ!」
ユーリの身体が揺れる。
だが、すぐに反撃した。
「まだだあっ!!」
雷をまとった拳が、再び迫る。
イリスは、その拳を聖剣で受け流した。
そして。
身体を回転させる。
白銀の軌跡。
聖剣の柄頭が、ユーリの腹部へ迫った。
「……っ!」
ユーリは腕を下げ、防御する。
しかし、衝撃を完全には殺しきれなかった。
「ぐおっ!」
身体が後方へ滑る。
その瞬間。
「ユーリ!」
ウォーロッドが叫ぶ。
蔓が伸び、ユーリを支えようとした。
だが。
イリスは、すでに動いていた。
蔓が届く前に、ユーリとの距離を詰める。
そして。
聖剣を振り上げた。
「……!」
ユーリが目を見開く。
プレヒトが叫ぶ。
「ユーリ、下がれ!!」
ウォーロッドも蔓を伸ばす。
しかし。
間に合わない。
白銀の聖剣が、振り下ろされた。
――ピタリ。
その刃が、ユーリの肩の寸前で止まった。
「…………」
静寂。
ユーリは、目の前の聖剣を見つめていた。
あと、ほんのわずか。
その距離で、刃は完全に停止している。
イリスの手は、微動だにしない。
そして。
「――そこまで」
セヴェルの声が響いた。
四人が振り返る。
セヴェルは静かに頷いた。
「勝負ありです」
その視線が、イリスへ向けられる。
「勝者、イリス・アストレア」
次の瞬間。
「うおおおおおおっ!!」
草原に、大歓声が響き渡った。
「すげえええっ!!」
「なんて戦いだ!!」
「ユーリさんたちも、イリスさんも、強すぎる!!」
「ユニゾンレイド、初めて見たぞ!!」
「最後の剣もすごかった!!」
観客たちが立ち上がり、拍手を送る。
その中心で。
「……っはあ!」
ユーリが大きく息を吐いた。
「負けたあああっ!!」
そして。
豪快に笑った。
「ははははっ!!」
イリスも聖剣を下ろし、微笑む。
「ありがとうございました、ユーリさん」
「おう!」
ユーリが拳を突き出した。
「めちゃくちゃ楽しかったぜ!」
「ふふっ。私もです」
イリスは、その拳へ自分の拳を軽く合わせた。
そこへ、プレヒトとウォーロッドが歩いてくる。
「……まったく」
プレヒトが小さく息を吐いた。
「最後まで勝てなかったか」
「ははっ。でも、いい勝負だったと思うよ」
ウォーロッドが笑う。
「そうだね」
イリスも頷いた。
「皆さん、本当に強くなりました」
そして。
少しだけ、表情を柔らかくする。
「……嬉しかったです」
「……?」
ユーリが首を傾げる。
「何がだ?」
「皆さんと、こうしてまた戦えたことです」
イリスは微笑んだ。
「二年間、離れていましたから」
春風が、四人の間を吹き抜ける。
「帰ってきて、皆さんがこんなに強くなっていて……」
その青と金の瞳が、優しく細められた。
「本当に、嬉しかったんです」
「……イリス」
ウォーロッドが微笑む。
プレヒトも、静かに頷いた。
そして。
「へへっ!」
ユーリが笑った。
「だったら、またやろうぜ!」
「……え?」
「今度こそ勝ってやる!」
「お前は少し休め」
プレヒトが即座に言った。
「何でだよ!?」
「さっきまで魔力を使い果たしかけていただろう」
「まだいけるって!」
「その台詞は、立ってから言え」
「ぐっ……!」
いつの間にか、ユーリは膝に手をついていた。
ウォーロッドが笑う。
「ははっ。僕も、しばらく休みたいかな」
「……同感だ」
プレヒトも頷いた。
そんな三人を見て。
「ふふっ」
イリスは、楽しそうに笑った。
――――――――――
終幕 妖精たちの帰り道
「ユーリー!!」
聞き慣れた声が響いた。
「おっ?」
ユーリが振り返る。
そこには、リタが立っていた。
「リタ!」
「もう!」
リタは腰に手を当てる。
「最後まで無茶して!」
「へへっ!」
ユーリが笑う。
「でも、すごかっただろ?」
「……ええ」
リタは、少しだけ表情を柔らかくした。
「すごかったわ」
「だろ!」
「特に、三人で使った魔法」
「ああ!」
ユーリが嬉しそうに頷く。
「初めて成功したんだぜ!」
「知ってるわよ」
リタが笑う。
「ずっと練習していたものね」
「へへっ!」
その言葉に、ユーリは照れくさそうに鼻をこすった。
◇
「イリスさーん!」
今度は、メイビスが駆け寄ってきた。
「メイビスさん!」
イリスが振り返る。
メイビスは満面の笑みを浮かべていた。
「すごかったです!!」
「ふふっ。ありがとうございます」
「最後の魔法の相殺も、完璧でしたね!」
「……はい」
イリスは少し照れくさそうに笑った。
「でも、かなり魔力を使ってしまいました」
「それだけ、三人の魔法が強かったということですね!」
「ええ」
イリスは頷いた。
「本当に、驚きました」
その言葉に、メイビスも嬉しそうに笑う。
「えへへ! 私もです!」
そして、ふとイリスの右肩へ視線を向けた。
「……あっ」
「……?」
「イリスさん、怪我!」
「ああ……」
イリスは小さく笑った。
「大丈夫ですよ。小さな傷ですから」
「でも、ちゃんと治してくださいね!」
「はい」
イリスは素直に頷く。
「ありがとうございます、メイビスさん」
その隣へ、セヴェルが歩いてきた。
「……イリスさん」
「セヴェルさん」
「右肩を見せていただけますか」
「はい」
イリスが頷くと、セヴェルは黒い水を静かに展開した。
水が傷口へ触れる。
柔らかな魔力の光。
裂けた皮膚が、ゆっくりと再生していく。
「……ありがとうございます」
「いえ」
セヴェルは頷いた。
そして、わずかに微笑む。
「それにしても……」
「……?」
「見事な戦いでした」
その言葉に、イリスが目を丸くする。
「……セヴェルさん?」
「以前の模擬戦から、さらに成長されましたね」
セヴェルは静かに続けた。
「特に、あの魔法の相殺技術」
「……はい」
「あれほどの魔力量を、余波なく消滅させるとは」
その瞳に、研究者らしい好奇心が浮かぶ。
「実に興味深い」
「ふふっ」
イリスは笑った。
「また、今度お話ししましょうか」
「ぜひ」
セヴェルは即答した。
その様子を見て、メイビスが笑う。
「えへへ! また魔法談義が始まりそうですね!」
「……否定はしません」
セヴェルが静かに答える。
その言葉に、イリスも思わず笑った。
◇
やがて。
春の日差しが、少しずつ傾き始めた。
観客たちは、興奮した様子で今日の戦いを語り合っている。
「いやあ、すごかったな!」
「三人のユニゾンレイド、もう一度見たいぜ!」
「イリスさんの剣も、何が起きたのか分からなかった!」
「次は俺も模擬戦してみたい!」
そんな声が、あちらこちらから聞こえてくる。
その中心で。
イリス、メイビス、ユーリ、プレヒト、ウォーロッド。
五人が並んで歩いていた。
「いやあ!」
ユーリが大きく伸びをする。
「今日は最高だったぜ!」
「お前は、いつもそれだな」
プレヒトが呆れる。
「いいじゃねえか!」
「ははっ。僕も楽しかったよ」
ウォーロッドが笑う。
メイビスも嬉しそうに頷いた。
「はい! 皆さん、本当にすごかったです!」
「ふふっ」
イリスは、そんな仲間たちを見つめた。
八年前。
天狼島で出会った仲間たち。
何もなかったところから始まった、小さなギルド。
あの頃は、まだ誰も魔法を満足に扱えなかった。
それが今では。
これほどまでに強くなった。
これほどまでに、多くの仲間が集まった。
そして。
こうして、笑い合っている。
「……イリスさん?」
メイビスが顔を覗き込む。
「どうしました?」
「……いえ」
イリスは微笑んだ。
「少し、昔のことを思い出していました」
「昔?」
「はい」
イリスは、隣を歩く三人へ視線を向ける。
「初めて皆さんと出会った頃のことです」
「おっ!」
ユーリが笑う。
「懐かしいな!」
「そうだね」
ウォーロッドも頷いた。
「もう八年も経つんだね」
「……早いものだ」
プレヒトが静かに呟く。
メイビスは、嬉しそうに笑った。
「えへへ! でも、これからも一緒ですよ!」
「……はい」
イリスは頷いた。
その青と金の瞳が、柔らかく細められる。
「そうですね」
春風が、五人の間を吹き抜けた。
遠くには、マグノリアの街並みが見える。
その街には、彼らが築き上げたギルドがある。
妖精の尻尾。
仲間たちが集う場所。
帰るべき場所。
イリスは、そっと微笑んだ。
「……帰りましょうか」
「おう!」
ユーリが笑う。
「腹減ったしな!」
「お前はそればかりだな」
プレヒトが呆れる。
「ははっ。今日はたくさん動いたからね」
ウォーロッドが笑う。
「えへへ! 帰ったら、みんなでご飯にしましょう!」
メイビスも嬉しそうに言った。
「ふふっ。いいですね」
イリスが頷く。
五人の笑い声が、春の草原に響いていく。
かつて、天狼島で出会った五人。
八年という月日を経て、それぞれが成長し、強くなった。
けれど。
変わらないものもある。
仲間を信じる心。
共に笑い合える時間。
そして、妖精たちの絆。
その絆は、これからも続いていく。
――そう、誰もが信じていた。
春の陽光が、帰路につく五人を優しく照らしていた。
――第62話 完――
【こそこそ妖精話】
~祝勝会のはずが……~
模擬戦を終えた、その日の夜。
妖精の尻尾では、三人のユニゾンレイド初成功を祝う小さな宴会が開かれていた。
ユーリ「かんぱーい!!」
ウォーロッド「乾杯!」
プレヒト「……乾杯」
メイビス「皆さん、おめでとうございます!」
イリス「ふふっ。本当に素晴らしい魔法でした!」
ユーリ「へへっ! だろ! あれは俺たち三人の最高傑作だぜ!」
ウォーロッド「今まで何度も失敗してきたからね。成功して嬉しいよ!」
セヴェル「……ところで、一つ質問があるのですが」
プレヒト「何だ?」
セヴェル「三属性の魔力融合について、術式の構造を詳しく教えていただけませんか?」
プレヒト「……ほう」
プレヒトの目が光った。
プレヒト「実は、私も今回の成功について分析したいと思っていたところだ」
セヴェル「それは好都合ですね」
プレヒト「まず、雷魔法と植物魔法の魔力循環だが……」
セヴェル「なるほど。そこへ天照式を重ねるわけですね」
プレヒト「そうだ。だが、魔力の位相を調整する必要があってな」
セヴェル「興味深い。では、術式の安定化には……」
十分後。
ユーリ「……なあ、ウォーロッド」
ウォーロッド「……何?」
ユーリ「俺たち、何のために集まったんだっけ?」
ウォーロッド「……祝勝会、だったはずなんだけどね」
目の前では、プレヒトとセヴェルが紙いっぱいに魔法陣を書き始めていた。
プレヒト「いや、ここは三重構造にした方が効率的だ」
セヴェル「ですが、それでは雷魔力の伝達速度が低下します」
プレヒト「……確かに」
セヴェル「むしろ、こちらの術式を……」
ユーリ「おーい! 主役は俺たち三人だぞー!」
プレヒト「……少し静かにしてくれ」
ユーリ「俺も主役なんだけど!?」
その様子を見て、メイビスが目を輝かせた。
メイビス「わあ! 面白そうな研究ですね!」
イリス「ふふっ。私も少し興味があります」
セヴェル「では、お二人にも意見を伺いましょう」
プレヒト「ちょうどいい。イリス、あの相殺技術についても聞きたい」
イリス「はい。魔力の流れを捉えて、術式の結合部分に干渉するんです」
メイビス「なるほど! それなら空間魔法の術式にも応用できるかもしれません!」
さらに十分後。
ウォーロッド「……ユーリ」
ユーリ「……何だ?」
ウォーロッド「僕たち、帰ってもいいのかな?」
ユーリ「……帰ろうぜ」
リタ「二人とも、料理のおかわりは?」
ユーリ「食う!!」
ウォーロッド「僕もいただこうかな!」
こうして、妖精の尻尾の祝勝会は――。
四人の魔法研究会と、二人の食事会に分裂したのだった。
ユーリ「……なあ、俺たちの祝勝会だよな!?」
ウォーロッド「ははっ。一応、そのはずだよ!」
――こそこそ妖精話、おしまい。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
今後とも『妖精と聖剣使い』をよろしくお願いいたします。