妖精と聖剣使い   作:使い手なない

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第77話「おかえりなさい」

 

X701年。

 

フィオーレ王国、マグノリア。

 

秋の柔らかな陽射しが、石畳の街路を照らしていた。

 

街を行き交う人々の声。

 

店先から漂う焼きたてのパンの香り。

 

遠くで鳴り響く教会の鐘。

 

五年前と変わらないものもあれば、見覚えのない建物や新しい店も増えている。

 

そんな街を見下ろす小高い丘に、二人の少女が立っていた。

 

「……帰ってきましたね」

 

黒髪を風になびかせながら、イリス・アストレアが微笑む。

 

その隣では、金色の髪を持つ少女が、懐かしそうに街並みを眺めていた。

 

メイビス・ヴァーミリオン。

 

妖精の尻尾の初代マスター。

 

そして、五年前の悲劇を境に、愛する仲間たちのもとを離れた少女だった。

 

「……はい」

 

小さく答えたメイビスの声には、喜びと不安が入り混じっていた。

 

イリスは、その横顔を静かに見つめる。

 

五年間。

 

二人は世界各地を旅しながら、ゼレフを探し続けてきた。

 

そして、ようやく再会を果たし、呪いについて語り合うこともできた。

 

けれど。

 

メイビスが本当に向き合わなければならないものは、まだ残っている。

 

「……イリス」

 

「はい」

 

「私……少し、怖いです」

 

メイビスは胸元で両手を握り締めた。

 

「みんなに会いたいんです。ユーリにも、プレヒトにも、ウォーロッドにも……」

 

「……はい」

 

「でも、ユーリに会ったら……何を言えばいいのか、わからなくて」

 

その声が震える。

 

「リタさんは……私のせいで……」

 

言葉が途切れた。

 

五年という歳月は、悲しみを消してはくれなかった。

 

あの日、ギルドで起きた出来事。

 

命を奪われたリタ。

 

泣き崩れたユーリ。

 

そして、何も知らずに生まれてきた小さな命。

 

忘れられるはずがない。

 

イリスは、そっとメイビスの手を握った。

 

「……無理に、何かを言おうとしなくてもいいと思います」

 

「……でも」

 

「ユーリさんが、今どんな気持ちなのか。私たちには、まだわかりません」

 

イリスは優しく続けた。

 

「だからこそ、会って、お話ししましょう」

 

「……イリス」

 

「私も一緒です」

 

メイビスが顔を上げる。

 

イリスは、いつもの穏やかな笑みを浮かべていた。

 

「五年前も、今も。これから先も」

 

握った手に、ほんの少し力を込める。

 

「私は、メイビスの隣にいますから」

 

「…………はい」

 

メイビスは目元を拭い、小さく頷いた。

 

そして、もう一度マグノリアを見つめる。

 

「……行きましょう」

 

「はい!」

 

二人は、懐かしい街へと歩き出した。

 

◇

 

街へ入る前に、二人は人通りのない森へ立ち寄った。

 

木々に囲まれた静かな場所。

 

メイビスは周囲に人や動物がいないことを確かめると、ゆっくりと目を閉じた。

 

淡い光が、その身体を包む。

 

次の瞬間。

 

彼女の隣に、もう一人のメイビスが現れた。

 

姿も、声も、表情も同じ。

 

高度な幻影魔法によって生み出された、実体を持つ分身だった。

 

「……これで大丈夫ですね」

 

幻影のメイビスが、自分の手を握ったり開いたりする。

 

「はい。いつもどおりです」

 

イリスは頷いた。

 

メイビスの本体は、呪いの影響が周囲へ及ばないよう、人の立ち入らない森の奥に留まる。

 

街へ向かうのは、実体を持った幻影だけ。

 

この五年間、何度も繰り返してきた方法だった。

 

「……それでは、行ってきます」

 

幻影のメイビスが、静かに残された本体へ告げる。

 

イリスは森の周囲に防御魔法を施し、安全を確かめた。

 

そして、二人はマグノリアへ向かった。

 

◇

 

妖精の尻尾。

 

その建物が見えた瞬間、メイビスの足が止まった。

 

「…………」

 

五年前と、少しだけ違う。

 

外壁は綺麗に塗り直され、窓も増えている。

 

入口の看板も新しくなっていた。

 

それでも。

 

そこに刻まれた妖精の紋章だけは、昔と変わらない。

 

「……大きくなりましたね」

 

メイビスが呟く。

 

「そうですね」

 

イリスも懐かしそうに笑った。

 

かつて、ほんの数人で始めた小さなギルド。

 

今では、多くの魔導士が集う場所になっている。

 

建物の中からは、賑やかな笑い声が聞こえてきた。

 

「おい! それ俺の依頼書だろ!」

 

「早い者勝ちだって!」

 

「ちょっと! テーブル壊さないでよ!」

 

「誰かマスター呼んでこい!」

 

騒がしい。

 

実に騒がしい。

 

イリスは思わず吹き出した。

 

「……ふふっ。相変わらずですね」

 

「……はい」

 

メイビスも小さく笑う。

 

けれど、その手はまだ震えていた。

 

イリスは何も言わず、そっと隣に立つ。

 

そして。

 

二人は、ギルドの扉を開いた。

 

◇

 

ぎい、と木製の扉が音を立てた。

 

その瞬間。

 

「いらっしゃーい!」

 

受付にいた女性が、明るい声を上げた。

 

「依頼のご相談ですか? それとも入会希望――」

 

そこまで言って、言葉が止まる。

 

扉の前に立つ二人の少女。

 

黒髪に、青と金の瞳。

 

そして、金色の髪を持つ、小柄な少女。

 

女性は何度も瞬きをした。

 

「……え?」

 

近くにいた魔導士が振り返る。

 

「どうした?」

 

「いや……あの二人……」

 

「……まさか」

 

ざわり。

 

ギルド内の空気が変わった。

 

古くから所属している魔導士たちが、次々と立ち上がる。

 

「……イリス?」

 

「メイビス……マスター?」

 

誰かが、信じられないという声を漏らした。

 

イリスは少し照れくさそうに微笑む。

 

「……皆さん、お久しぶりです」

 

そして、メイビスも。

 

「……お久しぶりです」

 

一瞬の沈黙。

 

次の瞬間。

 

「イリスだああああっ!!」

 

「メイビスさんもいるぞ!!」

 

「本物か!?」

 

「五年ぶりじゃないか!!」

 

歓声が爆発した。

 

何人もの魔導士が駆け寄ってくる。

 

「どこ行ってたんだよ!」

 

「元気だったのか!?」

 

「全然変わってないじゃないか!」

 

「二人とも、帰ってきたんだな!」

 

次々とかけられる言葉。

 

イリスは笑顔で答えながら、懐かしい顔を探した。

 

そのとき。

 

「……イリス?」

 

奥から、聞き覚えのある声がした。

 

振り返る。

 

そこに立っていたのは、一人の男だった。

 

片目を覆う眼帯。

 

普段は冷静なその男も、今ばかりは驚きを隠せずにいた。

 

「……プレヒトさん!」

 

イリスが嬉しそうに声を上げた。

 

プレヒトはしばらく二人を見つめていたが、やがて深く息を吐いた。

 

「……本当に、帰ってきたのか」

 

「はい!」

 

「……そうか」

 

短い言葉。

 

けれど、その表情には確かな安堵が浮かんでいた。

 

「……おかえり、二人とも」

 

その一言に、イリスの胸が温かくなる。

 

「ただいまです、プレヒトさん!」

 

メイビスも、小さく頭を下げた。

 

「……ただいま、プレヒト」

 

プレヒトは、そんな彼女を見つめる。

 

何か言いたそうに唇を開きかけて。

 

けれど、今は何も問わなかった。

 

代わりに、いつもの落ち着いた声で告げる。

 

「ウォーロッドもいる。呼んでこよう」

 

「えっ、プレヒト? 今、僕の名前を呼んだ?」

 

ちょうどそのとき。

 

奥の廊下から、緑色の髪をした男が顔を出した。

 

「何かあったの? さっきから随分と騒がし――」

 

そして。

 

ぴたりと動きを止める。

 

「…………え?」

 

数秒後。

 

「イリス!? メイビス!?」

 

ウォーロッドが駆け寄ってきた。

 

「本当に!? 本当に帰ってきたの!?」

 

「はい! お久しぶりです、ウォーロッドさん!」

 

「うわあ……!」

 

ウォーロッドは嬉しそうに笑った。

 

「よかった……! 本当によかった!」

 

その声には、五年間の心配が滲んでいた。

 

メイビスも、ようやく自然な笑顔を浮かべる。

 

「……ただいま、ウォーロッド」

 

「うん!」

 

ウォーロッドは大きく頷いた。

 

「おかえり、メイビス!」

 

その言葉に、メイビスの瞳が潤んだ。

 

けれど。

 

まだ、一人。

 

会わなければならない人がいる。

 

◇

 

「……ユーリは?」

 

メイビスが、小さく尋ねた。

 

その瞬間。

 

プレヒトとウォーロッドの表情が、わずかに変わった。

 

「……奥にいる」

 

プレヒトが答える。

 

「今、マカロフと一緒だ」

 

「……マカロフ」

 

メイビスが、その名前を繰り返した。

 

あの日、生まれたばかりだった赤ん坊。

 

リタが命を落とした、あの日。

 

「……もう、五歳なんですね」

 

「……ああ」

 

プレヒトは静かに頷く。

 

「元気に育っているよ」

 

その言葉に、メイビスは少しだけ安心したように微笑んだ。

 

けれど、すぐに俯いてしまう。

 

そんな彼女の手を、イリスがそっと握った。

 

「……行きましょうか」

 

「…………はい」

 

プレヒトが奥の扉へ向かう。

 

ウォーロッドも、静かに道を開けた。

 

ギルド内の魔導士たちは、誰も騒がなかった。

 

皆、何かを察していた。

 

やがて。

 

プレヒトが、奥の部屋の扉を軽く叩いた。

 

「ユーリ」

 

「ん? どうした?」

 

懐かしい声。

 

メイビスの肩が、小さく震えた。

 

「……客だ」

 

「客?」

 

扉が開く。

 

そこに立っていたのは、金髪の男だった。

 

五年前よりも、少し大人びた顔立ち。

 

けれど、その瞳の輝きは、かつてのままだった。

 

ユーリ・ドレアー。

 

妖精の尻尾の創設者の一人。

 

そして。

 

リタの夫だった男。

 

「……誰が来たって?」

 

ユーリは何気なく顔を上げた。

 

その視線が、イリスを捉える。

 

「…………」

 

そして。

 

その隣に立つ、金髪の少女へと移った。

 

「…………メイビス?」

 

声が、掠れた。

 

メイビスは、何も言えなかった。

 

五年ぶりに見るユーリの顔。

 

ずっと会いたかった。

 

けれど、ずっと怖かった。

 

「……ユーリ……」

 

ようやく、その名前を呼ぶ。

 

ユーリは、しばらく動かなかった。

 

その表情には、驚きがあった。

 

懐かしさがあった。

 

そして。

 

決して消えることのない、深い悲しみがあった。

 

「…………」

 

長い沈黙。

 

メイビスは、震える唇を開いた。

 

「……私……」

 

言わなければ。

 

謝らなければ。

 

何度謝っても、許されることではない。

 

それでも。

 

「……ごめん、なさい……」

 

声が震える。

 

「……リタさんのこと……私……」

 

それ以上、言葉にならなかった。

 

ぽろぽろと涙が零れ落ちる。

 

ユーリは、そんなメイビスを静かに見つめていた。

 

そして。

 

ゆっくりと、目を閉じた。

 

「……メイビス」

 

「…………はい」

 

「俺は……今でも、リタに会いたい」

 

その言葉に、メイビスの胸が締めつけられる。

 

「……あいつがいなくなって、五年経った」

 

ユーリは、静かに続けた。

 

「マカロフが笑うたびに、あいつにも見せてやりたいって思う」

 

「…………」

 

「初めて歩いた日も、初めて俺を父ちゃんって呼んだ日も……」

 

その声が、少しだけ揺れた。

 

「……全部、リタにも見せたかった」

 

メイビスは、俯いたまま涙を流した。

 

イリスも、何も言わなかった。

 

ユーリの言葉を、ただ静かに聞いていた。

 

「……だからさ」

 

ユーリは、小さく息を吐いた。

 

「正直、まだ……どうしたらいいのか、わからねえ」

 

「…………はい」

 

「お前を責めたくなる日も、あった」

 

その言葉を、メイビスは受け止めた。

 

目を逸らさずに。

 

「……はい」

 

「でもな」

 

ユーリは、ゆっくりと顔を上げた。

 

「……お前が、あの日からずっと苦しんでることも、わかってる」

 

メイビスの瞳が揺れる。

 

「それに……」

 

ユーリは、ほんの少しだけ笑った。

 

「お前は、俺たちの仲間だろ」

 

「…………っ」

 

「俺たちで作ったんだ。このギルドを」

 

天狼島で出会った日。

 

マグノリアへ向かった日。

 

仲間たちと笑い合った日。

 

たくさんの思い出が、胸をよぎる。

 

「……だから」

 

ユーリは、一歩だけ近づいた。

 

そして。

 

五年間、言えなかった言葉を口にした。

 

「……おかえり、メイビス」

 

その瞬間。

 

メイビスの表情が、くしゃりと歪んだ。

 

「…………っ!」

 

涙が、止まらなかった。

 

「……ユーリ……!」

 

「……ああ」

 

「……私……私……!」

 

言葉にならない。

 

謝罪も、感謝も、悲しみも。

 

何もかもが溢れてしまう。

 

それでも。

 

メイビスは、震える声で答えた。

 

「……ただいま……ユーリ……!」

 

ユーリは、静かに頷いた。

 

許したわけではない。

 

忘れたわけでもない。

 

リタがいない現実は、これからも変わらない。

 

それでも。

 

帰ってきた仲間を、迎えることはできる。

 

その小さな一歩が。

 

五年間止まっていた時間を、ほんの少しだけ動かした。

 

◇

 

「……父ちゃん?」

 

不意に、小さな声がした。

 

部屋の奥。

 

そこから、一人の男の子が顔を覗かせていた。

 

金色の髪。

 

大きな瞳。

 

まだ幼さの残る、五歳ほどの少年。

 

「……マカロフ」

 

ユーリが振り返る。

 

「どうした?」

 

「なんか、みんな泣いてる」

 

少年は不思議そうに首を傾げた。

 

そして、イリスとメイビスを見つめる。

 

「……だれ?」

 

その問いに、メイビスが息を呑んだ。

 

イリスは、そっと彼女の背中に手を添える。

 

ユーリは少し考えてから、息子の頭を撫でた。

 

「……父ちゃんの、大事な友達だ」

 

「ともだち?」

 

「ああ」

 

ユーリは、二人へ視線を向ける。

 

「こっちがイリス。こっちがメイビスだ」

 

マカロフは、ぱちぱちと瞬きをした。

 

「……よろしく!」

 

元気な声。

 

その無邪気な笑顔に、イリスの頬が緩む。

 

「はい。よろしくお願いします、マカロフ君」

 

イリスは膝を折り、少年と目線を合わせた。

 

「私はイリス・アストレアといいます」

 

「イリス!」

 

「ふふっ。はい」

 

そして。

 

メイビスも、ゆっくりと膝を折った。

 

「……私は、メイビス・ヴァーミリオンです」

 

「メイビス!」

 

「……はい」

 

少年は、じっと彼女の顔を見つめる。

 

「……なんで泣いてるの?」

 

メイビスは、少しだけ困ったように笑った。

 

「……嬉しかったんです」

 

「うれしいのに?」

 

「……はい」

 

「ふーん……」

 

マカロフは、しばらく考え込んだ。

 

そして。

 

にっこり笑った。

 

「じゃあ、よかった!」

 

その言葉に。

 

メイビスは、思わず笑ってしまった。

 

「……ふふっ」

 

涙を零しながら。

 

それでも、確かに笑った。

 

ユーリは、そんな二人を静かに見つめていた。

 

◇

 

それからしばらくして。

 

ギルドの広間には、再び賑やかな声が戻っていた。

 

「イリス! 旅の話聞かせてくれよ!」

 

「五年間も何してたんだ!?」

 

「メイビスさん、相変わらず小さいな!」

 

「誰ですか今の!」

 

「うわっ! 聞こえてた!」

 

笑い声が響く。

 

プレヒトは呆れたように肩をすくめ、ウォーロッドは楽しそうに笑っていた。

 

ユーリも、マカロフと一緒に少し離れた席へ腰を下ろしている。

 

すべてが元どおりになったわけではない。

 

けれど。

 

確かに、何かが変わり始めていた。

 

イリスは、そんな光景を眺めながら、隣の少女へ声をかけた。

 

「……メイビス」

 

「はい?」

 

「……帰ってきて、よかったですね」

 

メイビスは、ゆっくりと広間を見渡した。

 

懐かしい仲間たち。

 

新しく増えた魔導士たち。

 

笑い声。

 

温かな灯り。

 

そして。

 

五年前と変わらず、そこにある妖精の紋章。

 

「…………はい」

 

メイビスは、胸元に手を当てた。

 

ずっと、帰りたかった。

 

けれど、帰ってはいけないと思っていた。

 

自分には、もう居場所などないのだと。

 

そう思っていた。

 

でも。

 

「……イリス」

 

「はい」

 

「……ありがとうございます」

 

イリスは、少しだけ首を傾げた。

 

「何がですか?」

 

「……一緒に、帰ってきてくれて」

 

その言葉に。

 

イリスは、優しく微笑んだ。

 

「……当たり前ですよ」

 

そして、メイビスの手を取る。

 

「ここは、私たちの帰る場所ですから」

 

「…………はい」

 

メイビスは、涙の残る瞳で微笑んだ。

 

その視線の先には、仲間たちの笑顔があった。

 

かつて、天狼島で始まった小さな出会い。

 

そこから生まれた、一つのギルド。

 

悲しみも。

 

後悔も。

 

喜びも。

 

何もかもを抱えながら。

 

それでも、ここに帰ってくることができた。

 

メイビスは、静かに呟いた。

 

「……ただいま、妖精の尻尾」

 

その声は、賑やかな広間の中に溶けていった。

 

けれど。

 

隣にいたイリスには、確かに届いていた。

 

そして、彼女もまた。

 

大好きな仲間たちを見つめながら、そっと微笑んだ。

 

五年ぶりの帰還。

 

それは、失われたものを取り戻す旅ではない。

 

失ったものを抱えたまま、それでも未来へ歩き出すための。

 

新しい一歩だった。

 

――第77話 おわり。

 




【こそこそ妖精話】

~五年ぶりの大騒ぎ~

ウォーロッド「それにしても、二人とも本当に変わらないね!」

イリス「ふふっ。ウォーロッドさんたちは、少し大人っぽくなりましたね」

ユーリ「少しって何だよ、少しって! こっちは五年も経ってんだぞ!」

メイビス「ユーリは、昔よりお父さんらしくなりましたね!」

ユーリ「そりゃ父親だからな!」

マカロフ「父ちゃん、いつも朝寝坊するぞ!」

ユーリ「マカロフ!? それは言わなくていい!」

ウォーロッド「あはは! ユーリ、昔から朝は弱かったもんね」

プレヒト「五年経っても、そこは変わらんらしい」

ユーリ「お前らなぁ……!」

メイビス「ふふっ。懐かしいですね!」

イリス「はい。やっぱり、妖精の尻尾は賑やかです」

マカロフ「なあなあ! イリスとメイビスは強いのか!?」

ウォーロッド「ものすごく強いよ!」

マカロフ「父ちゃんより!?」

ユーリ「おい、何でそこで俺と比べる!?」

イリス「ええと……どうでしょう?」

メイビス「ふふっ。今度、ユーリに確かめてみましょうか!」

ユーリ「おい待て! 帰ってきて早々、俺を巻き込むな!」

マカロフ「父ちゃん、がんばれー!」

プレヒト「……相変わらず、騒がしい連中だ」

ウォーロッド「でも、嬉しそうだね。プレヒトも」

プレヒト「……否定はせん」

イリス「ふふっ!」

メイビス「やっぱり、帰ってきてよかったです!」

――おしまい。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

今後とも『妖精と聖剣使い』をよろしくお願いいたします。
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