妖精と聖剣使い   作:使い手なない

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第81話「メイビスの決断」

 

 X701年。

 

 フィオーレ王国、マグノリア。

 

 魔導士ギルド「妖精の尻尾」。

 

 研究室の窓から、柔らかな午後の日差しが差し込んでいた。

 

 机の上には、何枚もの設計図が広げられている。

 

「……よし。これなら、ある程度は対応できそうだな」

 

 プレヒトが筆を置いた。

 

 その隣で、セヴェルが新しく書き加えられた術式を確認している。

 

「ええ。魔力の供給量に上限を設ければ、本体から必要以上に魔力を取り出す危険は抑えられるでしょう」

 

「異常が起きた場合は、供給を自動的に停止する仕組みも組み込んだ」

 

「いいですね。ただし、停止後に本体の状態を確認できることも重要です」

 

「ああ。そのための監視術式も用意してある」

 

 二人の会話を聞きながら、イリスは試験用の魔法陣へ視線を向けていた。

 

 金色の瞳に、淡い魔力の流れが映る。

 

「……魔力の流れも、以前より安定していますね」

 

「そうか」

 

「はい。少なくとも、今の試験では不自然な滞留も見られません」

 

 プレヒトが満足そうに頷いた。

 

「ならば、次の段階へ進む準備は整いつつあるな」

 

「とはいえ、実際に本体を封印するとなれば、まだ確認すべきことはあります」

 

 セヴェルが釘を刺す。

 

「もちろんだ。急ぐつもりはない」

 

「……そうですね」

 

 イリスも頷いた。

 

 そして、隣にいるメイビスへ視線を向ける。

 

「メイビス?」

 

「……えっ?」

 

 メイビスが顔を上げた。

 

「どうかしましたか?」

 

「い、いえ! 何でもありませんよ!」

 

 慌てて笑顔を浮かべる。

 

 けれど、その視線はすぐに机の上の設計図へ戻った。

 

 中央に描かれた、大きな封印術式。

 

 それは、やがて自分の本体を包み込むかもしれない魔法だった。

 

「……メイビス」

 

 イリスが何か言いかけた、そのとき。

 

「さて、今日はここまでにしよう」

 

 プレヒトが資料をまとめ始めた。

 

「これ以上続けても、集中力が落ちるだけだ」

 

「賛成です。研究には休息も必要ですからね」

 

 セヴェルも立ち上がる。

 

「……そうですね!」

 

 メイビスは、いつもの明るい声で答えた。

 

 しかし。

 

 イリスには、その笑顔がほんの少しだけ無理をしているように見えた。

 

◇

 

 夕方。

 

 妖精の尻尾の酒場は、今日も賑やかだった。

 

「おーい! マカロフ! そっちに行くと危ねえぞ!」

 

「だいじょうぶだもん!」

 

「大丈夫じゃねえから言ってんだ!」

 

 ユーリの声が響く。

 

 その足元を、小さな男の子が元気よく駆け回っていた。

 

 五歳になったマカロフである。

 

「ははは。元気だね、マカロフは」

 

 ウォーロッドが笑いながら、転びそうになったマカロフを支える。

 

「ありがと、ウォーロッド!」

 

「どういたしまして」

 

「ったく……誰に似たんだか」

 

 ユーリが頭をかく。

 

「ユーリにそっくりだと思うけど?」

 

「お前まで言うか!」

 

 周囲から笑い声が上がった。

 

 そんな光景を、メイビスは酒場の入口から眺めていた。

 

「……ふふっ」

 

「楽しそうですね」

 

 隣に立つイリスが微笑む。

 

「はい!」

 

 メイビスも笑顔を浮かべた。

 

「昔は、こんなに賑やかな場所じゃなかったんですよね」

 

「そうですね。最初は、私たち五人だけでしたから」

 

「それが、今ではこんなにたくさんの仲間がいて……」

 

 メイビスは酒場を見渡した。

 

 依頼の成果を自慢する魔導士。

 

 それをからかう仲間。

 

 料理を囲んで笑い合う人々。

 

 そして、父親に抱き上げられて笑うマカロフ。

 

 どれも、特別な出来事ではない。

 

 妖精の尻尾では、毎日のように繰り返されている光景だった。

 

「……大きくなりましたね」

 

 メイビスが呟く。

 

「ええ」

 

 イリスが頷いた。

 

「メイビスたちが作ったギルドですから」

 

「イリスも一緒ですよ?」

 

「ふふっ。そうでしたね」

 

 二人は顔を見合わせて笑った。

 

 そのとき。

 

「あっ! メイビス! イリス!」

 

 マカロフが二人に気づいた。

 

 ユーリの腕から降りると、嬉しそうに駆け寄ってくる。

 

「おしごと、おわったの?」

 

「はい! 今日はもうおしまいです!」

 

 メイビスがしゃがみ込み、マカロフと目線を合わせた。

 

「マカロフは何をしていたんですか?」

 

「ウォーロッドとあそんでた!」

 

「そうなんですね!」

 

「メイビスもあそぼ!」

 

「えっ?」

 

 メイビスが目を丸くする。

 

 すると、イリスがくすりと笑った。

 

「いいじゃないですか。少し遊んであげたらどうです?」

 

「そ、そうですね!」

 

 メイビスは立ち上がり、指先を軽く振った。

 

 すると。

 

 ぽんっ。

 

 小さな光が弾け、空中に色とりどりの蝶が現れた。

 

「わあっ!」

 

 マカロフが目を輝かせる。

 

 蝶たちは酒場の中をふわふわと飛び回り、やがて小さな妖精の姿へ変わった。

 

「すごい! すごい!」

 

「ふふっ。気に入ってもらえましたか?」

 

「うん!」

 

 嬉しそうに笑うマカロフ。

 

 その姿を見つめながら、メイビスも自然と笑顔になった。

 

 ――ああ。

 

 やっぱり、好きだ。

 

 この場所が。

 

 この賑やかな声が。

 

 大切な仲間たちが。

 

 そして。

 

 隣で優しく微笑んでいる、黒髪の少女が。

 

 メイビスは、そっと自分の手を見つめた。

 

 今ここにあるのは、魔法で作り出した身体。

 

 けれど、この手でマカロフの頭を撫でることもできる。

 

 仲間たちと触れ合うこともできる。

 

 イリスと手を繋ぐこともできる。

 

 ――もし、これからも。

 

 この時間を、守っていけるのなら。

 

 メイビスの胸に、小さな思いが芽生え始めていた。

 

◇

 

 その夜。

 

 マグノリア郊外の森。

 

 街の灯りから離れた静かな場所に、二人の少女がいた。

 

 木々の間から、満天の星空が見える。

 

 夜風が草を揺らし、虫の声が小さく響いていた。

 

 イリスとメイビスは、並んで腰を下ろしている。

 

 今、隣にいるメイビスは実体幻影ではない。

 

 呪いを受けた、本来の身体だった。

 

「……綺麗ですね」

 

 メイビスが空を見上げる。

 

「ええ。今日は雲もありませんから」

 

 イリスも星空を眺めた。

 

 しばらく、二人は何も言わなかった。

 

 ただ、静かな夜を一緒に過ごしていた。

 

 やがて。

 

「……イリス」

 

「はい?」

 

「……少し、聞いてもいいですか?」

 

「もちろんですよ」

 

 メイビスは、膝の上に置いた自分の手を見つめた。

 

「……私の本体を封印することになったら」

 

 少しだけ言葉を切る。

 

「イリスは、寂しくありませんか?」

 

 イリスは、すぐには答えなかった。

 

 メイビスの横顔を見つめる。

 

「……寂しいと思います」

 

「……えっ?」

 

 メイビスが顔を上げた。

 

 イリスは、穏やかに微笑んでいた。

 

「だって、今までずっと、この身体のメイビスと一緒に旅をしてきたんですから」

 

「…………」

 

「一緒に歩いて、一緒に景色を眺めて、時にはこうして星空を見上げて……」

 

 イリスは、そっとメイビスの手を取った。

 

「この手の温かさも、私は大好きですよ」

 

「……イリス」

 

「だから、寂しくないと言ったら嘘になります」

 

 メイビスの緑色の瞳が、わずかに揺れた。

 

 けれど、イリスは続けた。

 

「でも、それ以上に大切なことがあります」

 

「……何ですか?」

 

「メイビスが、これからも笑っていられることです」

 

 夜風が、二人の髪を揺らした。

 

「封印しなくても、一緒に旅を続ける方法はあるかもしれません」

 

「……はい」

 

「だから、無理に決める必要はありませんよ」

 

 イリスは、繋いだ手を優しく握った。

 

「メイビスがどんな道を選んでも、私は隣にいます」

 

「…………」

 

「それだけは、変わりません」

 

 メイビスは俯いた。

 

 しばらく、何も言わなかった。

 

 そして。

 

「……私、怖かったんです」

 

 小さな声が、夜の森に響いた。

 

「本体を封印したら、もう元には戻れないかもしれないって」

 

「……はい」

 

「今までみたいに、こうしてイリスと一緒に座ることも、手を繋ぐことも……」

 

 メイビスは、自分の手を見つめる。

 

「……できなくなるのかなって」

 

 イリスは、黙って耳を傾けていた。

 

「でも……」

 

 メイビスは顔を上げた。

 

「今日、ギルドのみんなを見ていたら、思ったんです」

 

「……何をですか?」

 

「私、これからもあの場所に帰りたいです」

 

 その声には、先ほどまでとは違う強さがあった。

 

「マカロフが大きくなるところも見たいです。ユーリたちと、また笑い合いたいです」

 

「……はい」

 

「それに、まだ見たことのない景色も、たくさんあります!」

 

 メイビスの瞳が、星明かりを映して輝いた。

 

「イリスと一緒に、もっといろいろな場所へ行きたいです!」

 

 イリスが微笑む。

 

「私もですよ」

 

「……だから」

 

 メイビスは、一度だけ深く息を吸った。

 

「私、決めました」

 

 イリスは、静かに彼女を見つめた。

 

「……私の身体を封印しようと思います」

 

 その言葉は、夜の森に静かに響いた。

 

「……メイビス」

 

「もちろん、怖くないわけじゃありません」

 

 メイビスは、少しだけ笑った。

 

「でも、怖いからって、何もしないままでいたくないんです」

 

 そして、イリスの手を握り返す。

 

「私、自分の未来を、自分で選びたいです」

 

 その瞳に、もう迷いはなかった。

 

「呪いを受けたから、仕方なく封印されるんじゃありません」

 

「…………」

 

「これからも、イリスと一緒に生きていくために」

 

 メイビスは、まっすぐにイリスを見つめた。

 

「私は、この道を選びます」

 

 イリスは、しばらく何も言わなかった。

 

 やがて。

 

「……わかりました」

 

 優しく微笑む。

 

「それがメイビスの選んだ道なら、私は応援します」

 

「……はい!」

 

「ただし」

 

 イリスは、少しだけ真剣な表情になった。

 

「安全だと確認できるまでは、絶対に無理をしないでくださいね?」

 

「もちろんです!」

 

「本当ですね?」

 

「ほ、本当ですってば!」

 

 メイビスが慌てて答える。

 

 その様子に、イリスがくすりと笑った。

 

「ふふっ。なら、安心です」

 

「もう! イリスったら!」

 

 二人の笑い声が、静かな森に響いた。

 

 やがて、メイビスはイリスの肩へそっと寄りかかった。

 

「……イリス」

 

「はい?」

 

「……ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

「……これからも、よろしくお願いしますね」

 

 イリスは、繋いだ手を少しだけ握った。

 

「ええ。こちらこそ」

 

 そして、二人は再び星空を見上げた。

 

 そこには、数え切れないほどの星が輝いていた。

 

 これから先、どれほど長い年月が流れるのか。

 

 どんな景色を見ることになるのか。

 

 まだ、何もわからない。

 

 けれど。

 

 その未来を、一人で歩くわけではない。

 

 それだけは、確かだった。

 

◇

 

 翌日。

 

 妖精の尻尾の研究室。

 

「……本当に、いいんだな?」

 

 プレヒトが静かに尋ねた。

 

 机の向こうには、メイビスが立っている。

 

 その隣にはイリス。

 

 そして、セヴェルも二人を見つめていた。

 

「はい!」

 

 メイビスは、はっきりと頷いた。

 

「私、本体を封印することに決めました!」

 

 プレヒトは、しばらくメイビスを見つめていた。

 

「……そうか」

 

 そして、ゆっくりと頷く。

 

「ならば、私たちも全力を尽くそう」

 

「ありがとうございます!」

 

「ただし、実行は安全性を十分に確認してからだ」

 

「はい!」

 

 続いて、セヴェルが口を開いた。

 

「メイビスさん。一つだけ、約束してください」

 

「何でしょうか?」

 

「研究の途中で、身体に少しでも異常が確認された場合は、必ず中断すること」

 

「……はい」

 

「それから、封印後に異常が起きた場合にも対応できるよう、解除手段を用意する必要があります」

 

「わかりました!」

 

 セヴェルは小さく頷いた。

 

「ならば、私も最後まで協力しましょう」

 

「ありがとうございます、セヴェルさん!」

 

 メイビスが嬉しそうに笑う。

 

 イリスも、穏やかな表情で三人を見つめていた。

 

「……では」

 

 プレヒトが机の上へ一枚の設計図を広げた。

 

「残る課題を整理しよう」

 

 そこには、四人がこれまで研究してきた術式が描かれていた。

 

 封印。

 

 蓄積。

 

 循環。

 

 供給。

 

 そして、監視。

 

 それぞれの魔法が、一つの大きな仕組みとして繋がっている。

 

「……そういえば」

 

 メイビスが、ふと顔を上げた。

 

「この魔法、まだ名前がありませんよね?」

 

「……名前?」

 

 プレヒトが尋ねる。

 

「はい!」

 

 メイビスは設計図を見つめた。

 

「せっかく、みんなで作っている魔法なんです。名前をつけませんか?」

 

「……なるほど」

 

 セヴェルが小さく微笑む。

 

「確かに、いつまでも『あの封印術式』では味気ないですね」

 

「でしょう?」

 

 メイビスが嬉しそうに頷く。

 

「何か、いい名前はないでしょうか……」

 

 しばらく考え込む。

 

 そのとき、イリスが口を開いた。

 

「……メイビス」

 

「はい?」

 

「この魔法は、メイビスがこれからも生きていくためのものですよね」

 

「……はい」

 

「そして、妖精の尻尾の仲間たちと、これからも繋がっていくための魔法でもあります」

 

 メイビスは、静かに頷いた。

 

 イリスは微笑む。

 

「なら、私たちのギルドにちなんだ名前でもいいかもしれませんね」

 

「……妖精の尻尾に?」

 

「ええ」

 

 メイビスは、机の上の設計図を見つめた。

 

 複雑な術式の中心。

 

 そこには、魔力を蓄え、循環させ、必要な場所へ送り出すための機構が描かれている。

 

 まるで。

 

 身体の隅々へ、命を送り届ける心臓のように。

 

「……あ」

 

 メイビスが、小さく声を上げた。

 

「……思いつきました!」

 

 ぱっと顔を上げる。

 

 その緑色の瞳が、嬉しそうに輝いていた。

 

「この魔法の名前は……」

 

 イリスが微笑む。

 

 プレヒトとセヴェルも、静かに耳を傾けた。

 

 そして。

 

「――妖精の心臓(フェアリーハート)!」

 

 メイビスは、満面の笑顔で告げた。

 

「私たちのギルドの名前と、魔力を送り続ける心臓を合わせた名前です!」

 

 しばし、沈黙が落ちた。

 

 最初に口を開いたのは、イリスだった。

 

「……素敵な名前ですね」

 

「本当ですか!?」

 

「ええ。メイビスらしいと思います」

 

 メイビスが嬉しそうに笑う。

 

 プレヒトも、小さく頷いた。

 

「……悪くない」

 

「ふふっ。プレヒトさん、それは褒めているんですか?」

 

「もちろんだ」

 

 セヴェルも微笑んだ。

 

「ええ。よい名前だと思いますよ」

 

「やりました!」

 

 メイビスが両手を上げる。

 

 その姿を見て、イリスが楽しそうに笑った。

 

 研究室には、穏やかな空気が流れていた。

 

 まだ、魔法は完成していない。

 

 安全性の確認も、残されている。

 

 それでも。

 

 四人が目指す未来には、確かな名前が与えられた。

 

 妖精の心臓。

 

 それは、少女を閉じ込めるための魔法ではない。

 

 大切な人たちと、これからも共に生きていくための魔法。

 

 そして。

 

 長い孤独を知る二人の少女が、新しい未来へ踏み出すための希望だった。

 

 ――第81話 終――

 




【こそこそ妖精話】
~ふたりのお姉ちゃん~

 X701年。

 妖精の尻尾の酒場。

 今日も元気いっぱいのマカロフが、イリスとメイビスのもとへ駆け寄ってきた。

マカロフ「イリス! メイビス! あそぼ!」

メイビス「ふふっ、いいですよ! 何をして遊びましょうか?」

マカロフ「まほう!」

イリス「魔法ですか? ふふっ、いいですね」

メイビス「それじゃあ、まずは私から!」

 メイビスが指先を振ると、色とりどりの蝶が現れた。

 蝶たちは空中を舞い、やがて小さな妖精へと姿を変える。

マカロフ「わあっ! ようせいだ!」

メイビス「ふふふっ! まだまだですよ!」

 今度は小さな妖精たちが輪になって踊り始めた。

マカロフ「すごーい! メイビス、すごい!」

メイビス「えへへっ! ありがとうございます!」

イリス「では、私も少しだけ」

 イリスが手をかざすと、淡い光が集まり、小さな星々が生まれた。

 星々はマカロフの周囲をゆっくりと巡り、きらきらと輝く。

マカロフ「おほしさまだ!」

イリス「ふふっ。気に入ってもらえましたか?」

マカロフ「うん! イリスもすごい!」

メイビス「むむっ……イリス、なかなかやりますね!」

イリス「ふふっ。メイビスこそ」

マカロフ「もっと! もっと!」

 その言葉に、二人は顔を見合わせた。

メイビス「それなら……!」

イリス「一緒にやってみましょうか?」

 二人が同時に魔法を使う。

 光の星々が舞う中を、小さな妖精たちが飛び回る。

 やがて、星々が集まって大きな光の輪を作り、その中央を妖精たちがくぐり抜けた。

マカロフ「わあああっ!」

 マカロフは目を輝かせ、何度も手を叩いた。

マカロフ「ふたりとも、だいすき!」

メイビス「……!」

イリス「……ふふっ」

 突然の言葉に、メイビスは嬉しそうに頬を染めた。

メイビス「わ、私もマカロフが大好きですよ!」

イリス「私もですよ、マカロフ」

マカロフ「えへへ!」

 マカロフは二人の手をぎゅっと握った。

マカロフ「イリスとメイビス、ぼくのおねえちゃん!」

メイビス「お、お姉ちゃん……!」

イリス「ふふっ。可愛い弟ができましたね、メイビス」

メイビス「そ、そうですね!」

 そこへ、様子を見ていたユーリが近づいてきた。

ユーリ「おいおい、マカロフ。父ちゃんはどうした?」

マカロフ「とうちゃんも、だいすき!」

ユーリ「おう! そうかそうか!」

マカロフ「でも、とうちゃんはおねえちゃんじゃない!」

ユーリ「そりゃそうだろ!!」

 酒場に、楽しそうな笑い声が響いた。

 ――おしまい。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

今後とも『妖精と聖剣使い』をよろしくお願いいたします。
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