その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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強引に連れて行かれました……


お風呂で作戦会議

 晩御飯の支度をしていたら、いきなり炎さんと御影さんに引っ張られて調理場から移動させられた。恵理さんと涼子さんは心得ていると言わんばかりの顔で僕を見送ったけど、僕自身は何事かさっぱり分からずに混乱している。

 

「な、なに?」

 

「元希、風呂に入るぞ!」

 

「な、何で僕も一緒に……」

 

「明日の作戦会議も含めた入浴。一緒に参加する元希君もこの会議には出るべきだとボクたちが決めた」

 

 

 ……だから僕の事を、僕抜きで決めないでくれなかな。前にも何かで思ったけど、僕の事は僕が決めるからさ。

 

「元希は今日の補習戦闘を見てたんだろ? アタシたちの戦いの問題点とか分かるだろ?」

 

「問題点というかなんというか……足止めがしっかり出来て無いから、攻撃する時に逃げられる。まずは足止めをしっかり出来るようにならなきゃダメだと思うよ」

 

「足止め……水奈やボクが頑張ってたけど、元希君から見たらまだダメって事?」

 

「一年の中では十分だとは思うけどね。恵理さんと涼子さんが求めてるのは、一年の中ではなく実戦魔法師の中でも十分な能力だからさ、今のままじゃダメってさっき言ってたよ」

 

 

 本来は一年生は実戦には出ないんだけども、研究職志望が多い今の状況では、魔法大家の出身である四人とそれに準ずる実力を有している秋穂さんとバエルさんは早急に戦闘魔法師としての実力を高めておきたいらしい。

 色々と言っていたけど、簡単に言えば恵理さんと涼子さんの負担をなるべく減らしたい事らしいんだけども、自分の身を守れるようになる事は大切だと僕も思った。

 

「あっ、漸く来ましたわね。元希様、こちらへどうぞ」

 

「遠慮しないで、お姉さんたちと一緒に考えましょ」

 

「美土、元希君が警戒しちゃうでしょ」

 

 

 脱衣所(女性用)に引っ張り込まれた僕は、水奈さんと美土さんと秋穂さんに服を脱がされた。炎さんと御影さんは僕が逃げ出さないように手足を抑え込んでいた。バエルさんだけは、申し訳なさそうな顔をしていたけど、助けてはくれなかった……まぁ、一対五ではバエルさんでも厳しいだろうし、仕方無かったんだけどさ……

 

「それで元希、明日はどう動けばいいと思う?」

 

「どうって言われても……どの種類のモンスターが選ばれるかにもよるよ。動きが速いのであれば、足止めをしっかりとしなきゃ駄目だし、遅くても攻撃力が高い相手ならば、防御に意識を残しつつ攻撃するとか、色々と作戦が変わってくるからさ」

 

「一番厄介だと思うのは何かしら?」

 

「厄介なのは動きが速くて攻撃力が高い相手、ユニコーンとかケンタロスとかかな」

 

「そんなモンスターが設定される事なんてあるのか?」

 

 

 炎さんの当然の質問に、僕は少し考えてから答えた。

 

「あの二人が今求めているのは、みんなが早急に実戦に耐えられるだけの実力をつける事だからね。多少無理でも強いモンスターを当ててくる可能性は十分にあると思う」

 

「元希さんがいてくれるとしても、私たちは自分たちの役割をシッカリとこなさなければいけないんですよね。不安です……」

 

「バエルさんは気にし過ぎですよ。元希様がいて下さるのでしたら、指示は元希様が出して下さいますので、私たちは自分の役割をシッカリとこなせばいいのです」

 

「でも、元希さんに頼りっきりも良くないわね。その所為でこんな事になってるんだから」

 

「ボクたちに求められているものが大きすぎるだけだとも思うけど、それだけ期待されているって事だもんね」

 

「まぁ、私たちは実戦魔法師になるしかないものね。特に四人は」

 

 

 秋穂さんがしみじみ言った事に、魔法大家出身の四人は複雑な表情を浮かべる。跡取りじゃ無い人もいるけども、家の事情で戦闘魔法師になる道しかないのだ。それだけ今、実戦魔法師の数は減っているのだ。

 

「とにかく、明日は元希の指示に従って動く。これで良いんだな?」

 

「そうだね……僕もなるべく指示は出すよ。その代わり手は出さないけど」

 

「それで構いませんわ。私たちに足りないのは、冷静に状況判断出来、そして的確に指示を出せる人ですものね」

 

「実力以上に足りて無いもんね」

 

 

 御影さんの言葉に、全員が一斉に肩を落とした。今の言葉はかなり毒が利いてたな……




内容は真面目なのに……
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