その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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ネタが尽きたので次に進みます


特訓終了

 色々と試してみたけど、やっぱり光と闇の属性に対する防御陣は完成しなかった。お互いが弱点な為、御影さんは絶対に陣の中にいてもらうとしても、どう他の魔法を組み合わせても攻撃を防ぐに至らなかったのだ。

 

「やっぱり光と闇はキツイな……岩でも炎でも氷でも水でも土でも風でも防げないなんて……」

 

「殆ど貫通しちゃいますからね……私たちでは太刀打ち出来ませんわ」

 

「御影さんが辛うじて防げますけど、元希さんが本気を出されたら無理ですわね」

 

「うーん……こればっかりは仕方無いかな……」

 

 

 光属性や闇属性の魔物なんて、滅多に現れる事は無いし……それにグループに必ず光と闇の魔法師は連れて行く事になってるから大丈夫かな……

 

「とりあえずこれですべての属性に対する陣のテストが出来ましたわね。後はどれだけ改良を加えられるかと、強度を高める方法ですが、さすがにこれ以上は魔力が持ちそうにありませんわね」

 

「情けない……って言いたいけど、実はアタシもそろそろ限界なんだよね」

 

「わたしもですわ。さすがに元希さんの魔法に対抗する為に全力で魔法を発動させていた反動は厳しいです」

 

「ボクはまだそれ程じゃないけどね。相殺するにしても、ボクの魔法は比較的楽に相殺出来るから」

 

 

 光と闇は、強度では無く威力だからね……同程度の威力に抑えておけば確実に相殺する事が出来るのだ。それ故に光と闇の魔物が現れた場合、その魔物が強力だったらグループ全員がやられる、なんて事もあり得るのだけど……何せ他の魔法で対抗する事が出来ないのだから……

 

「攻撃に集中すればいいんだろうけど、魔物が強力だとそれも難しいだろうしな……」

 

「今度この全員で近くの山に行ってみませんか? 何やら魔物が出没するらしいとの噂がありますし」

 

「危なくないですかね? 理事長先生か早蕨先生に同行を求めた方がいいのでは?」

 

「元希君がいるし、それ程強力な魔物だったら日本支部の魔法師が動いてると思う」

 

「御影の言う通りかもね。元希さんはどう思う?」

 

 

 秋穂さんに訊ねられ、僕は少し考える素振りを見せてから答えた。

 

「一応恵理さんと涼子さんには言っておいた方がいいと思う。でも、同行してもらう必要は無いと思うよ。僕も恵理さんも涼子さんも式紙を飛ばせるし、何かあればそれで報告すれば良い」

 

「ですが、元希さんが動けなくなってしまった場合はどうするのでしょう? 私たちは誰も式紙を使えませんが」

 

「その時は……うん、諦めましょう。死ぬ時は全員一緒ですし」

 

 

 さすがにそれ程強力な魔物が生息しているとは思えないし、僕が動けなくなるってなると、それはかなりのピンチなんだろうしね……何せ今の僕には二柱の神様が宿ってるんだから……

 

「元希と一緒に死ぬのか。悪くは無いな」

 

「ですが、どうせなら一緒に生きたいですわね」

 

「悪い方にばっかり考えを向けないで、前向きに行きましょう」

 

「そうだね。元希君がピンチなら、最悪ボクたちはもう死んでいるかもしれないし」

 

「縁起でもない事言わないの」

 

「ふふ、楽しみですね」

 

 

 特訓でへろへろなはずなのに、全員が全員、今度の事で頭がいっぱいのようだった。まぁ、僕も今の実力を知る為にも実際の魔物と戦うのは有効だと思うし、弱い魔物だとしても普通の人にはそれだけで脅威なのだから。それを取り除いておくのは必要な事だろう。小さすぎて日本支部が動かないという事もあるかもしれないので、僕は今度のお出かけをどこか楽しみにしているのだった。




腕試しは大切だな……死亡フラグではありませんよ、念の為。

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