その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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非常に難しいとは思います…


絶妙な力加減とは

 僕の担当は速攻で片付けて、炎さんと水奈さんの戦闘風景を影を飛ばして見学する。炎さんの魔法が完成すれば、大量のモンスターを相手にする時楽になるからね。

 

『炎さん、突っ込み過ぎですわ! 少し落ち着いてください』

 

『さっさと片付けて自慢したいだろ。それじゃあ、中心に着いた事だしいっちょやるか!』

 

『やるって……もう! 防ぎきれるか知りませんからね!』

 

 

 どうやら炎さんは今回もあの魔法を使うらしい。理論上は成功してもおかしくない程の技量を持ってる炎さんだけども、どうしても最初からクライマックスを狙い過ぎて力んで失敗するんだよね……

 

『爆炎よ、力を解放し敵を焼き尽くせ「エクスプロード」』

 

『清らかな水よ、我らを包みその身を守れ「ピュア・フォール」』

 

「(今回も発動は安定してる……だけど問題はここからだ)」

 

 

 敵を焼き尽くすまでは何時も成功する。だけどこの後で大抵の場合その炎が暴走して辺り一面を焼け野原にしてしまったり、味方にまで熱を伝えてしまったりするのだ。

 

『炎さん! 敵は片付きましたので炎を止めてくださいませ』

 

『そんな器用な事出来るわけないだろ。勝手に止まるか何時もみたいに大爆発するかのどっちかしか止まらないんだよ』

 

『何時になったら完全にコントロール出来るようになるんですの!』

 

『そんなのアタシが聞きたいわ! てか、また爆発しそうな雰囲気なんだけど』

 

 

 大爆発の予感がしたのか、炎さんは急いで水奈さんが作り上げた結界の周りに岩の壁を作り出す。仕方ない、遠方で届くか分からないけどあの炎を止めてみよう。

 

「全てのものを凍らせ、その時を止めよ『コキュートス』」

 

 

 あの爆炎までギリギリ射程圏内だし、炎さんの魔力なら何とか止められるかな? 最近メキメキと力を付けてきてるって言ってるし、僕の魔法でも止められるか微妙なんだよね……

 

『ん? 爆発しないぞ……てか、凍ってないか、これ?』

 

『おそらく元希様が何処かで見てるのでしょう。炎さんが魔法開発で失敗するのもお見通しだったのでしょうね』

 

『心配性なんだよ、元希は。失敗してもアタシと水奈が煤塗れの爆発頭になるくらいなのに』

 

『それが嫌なんですよ! あの後どれだけ大変な思いをして元に戻してると思ってますの!!』

 

 

 ……毎回水奈さんの魔法で出した水で身体を清め、その後でその水を使って髪の毛を洗い梳かしてるって美土さんから聞かされたっけ。かなり苦労してるんだよね……

 

『何で何時も爆発するんだろうな……元希が側にいてくれれば成功するんだけど』

 

『それは元希様が炎さんの込め過ぎた魔力を割いてくれてるからですわよ! 余計な力を込めないように元希様から言われてるじゃないですか!』

 

『加減が難しいんだってば! 力を抜き過ぎると敵を倒せないしよ』

 

『その絶妙な力加減を見つけてくださいまし! 毎回全力でやってても完成しませんわよ!』

 

 

 水奈さんはこの魔法を成功させる為の方法を理解してるし、炎さんも分かってはいるんだよね……問題はその力加減を毎回成功させられるほどの正確さが炎さんに求められると言う事。彼女は基本大雑把だし、何度か練習しても修得出来ないと分かってるから全力でやってるんだろうな。

 

『元希! 今度練習に付き合ってくれ! お前の説明を受けながらなら完成出来るかもしれないしよ!』

 

 

 盗み見してるのバレてるから良いけど、終わってから言えば良いのに……まぁそこが炎さんらしいんだけどね。




炎の全力すら包み込む元希の魔法…
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