念話の練習をするために涼子さんを探すが、なぜか見つからない……気配を消しているのだろうか?
「うーん……僕が探れる範囲には、涼子さんの気配は無いな……まぁ、本気を出されたら僕じゃ見つけられないんだけどね……」
この間の事もあるし、僕も気配察知の精度を上げておきたいんだけども、恵理さんと涼子さんが本気で気配を消したら気づけないからなぁ……
「考え事ですか?」
「ちょっと涼子さんを探して……涼子さん!?」
突如僕の背後に現れた気配、それは間違いなく涼子さんのものであり、声も涼子さんの声だった。
「結構前から後ろにいたんですけど、気づきませんでした?」
「涼子さんの気配遮断は、僕の気配察知の上限を超えていますからね……近くても気づけませんよ」
「そちらも要精進ですね」
まったくだ……まさかずっと後ろにいたなんて……さぞかし間抜けに見えたんだろうな、さっきまでの僕は……
「それじゃあ、今日は念話をしながら気配察知の練習をしましょうか」
「どうやってですか?」
「あの雑木林、結構な広さですから、あそこを使って、私は元希君から隠れます。もちろん、念話の練習ですので念話をしながらですが」
「一定以上離れれば、念話は通じなくなりますからね……それも涼子さんを探すヒントになる、と言う事ですよね」
「まぁ、そんなところです。どうやら元希君は、私の気配が見つからないと可愛い反応を見せてくれるみたいですしね」
な、なんて悪趣味な事を考えるんだろう……僕が心配してるのを楽しんでいるとは……やっぱり、恵理さんの妹さんなんだなって思わされるよ……
「(こんなこと恵理さんに知られたら、何言われるか分からないけど……)」
心の中でそう呟いて、僕は涼子さんと一緒に雑木林へ向かうことにした。多分、この間の調査の続きも兼ねての提案なんだろうけども、さすがに別次元には逃げないよね?
雑木林に到着して数分、あっという間に僕は涼子さんの気配を見失った……目に見える範囲には当然いないし、今回は背後も確認したからさっきと同じパターンはあり得ない……
「しかし、この場所も不安定だからな……いつ何かが起きてもおかしくはないんだよね……今のところは恵理さんと涼子さんが対処してくれてるから大丈夫だろうけども……」
向こうの山の調査も、ゆっくりとではあるけども進めているし、何か分かればすぐにでも対処出来るように、炎さんたちも特訓を重ねている。
「後は僕が成長しなきゃ……」
目に見えて成長しているみんなと比べれば、僕はあまり成長していないような気もする……体力はついたけども、魔法力はあまり変わってないんだよね……
「とりあえず、念話で涼子さんの状況を確認して……?」
『元希君、ちょっと不穏な気配を感じます。そちらはどうですか?』
念話をつなげっぱなしだからおかしくないけど、まさか同じタイミングで話そうと思ったとは……
「こっちは特に感じない……いえ、今掴みました。ですが、これはパイプから流れてくる向こうの山の気配ではないですか?」
『つまり、向こうで何かがあったと考えるべきですね』
「式神を飛ばします。涼子さんはこちらに悪い気が流れてこないようにしてください」
『分かりました。それと、私は元希君のすぐ側にいますからね』
そういわれて前後左右を見回したけども、涼子さんを見つけることは出来なかった……いったいどこにいるんだろう?
色々とハイレベルな教師陣……