一人で一晩考えた結果、ここで生活している人たちには、本当の事を話そうと決心した。本当は怖くて、出来る事なら言わないでおきたかったけども、何時までも隠し通せるなんて思えないし、何より秘密を抱えてる事が心苦しいのだ。
「それで、元希はアタシたちを呼んで何がしたいんだ?」
「まぁまぁ炎さん、そう急かすことは無いのでは? 元希様も何か言いにくい事なのでしょうし」
「元希さんが言いにくいのでしたら、無理に言わなくてもいいとわたしは思いますが」
美土さんの言葉に、僕は救われた気分になった。無理に聞き出そうとするのではなく、僕が言えるまで待ってくれるという意味だからだ。
「ううん、大丈夫。言うって決めたから」
深呼吸をして、僕はみんなに言う決心をつけた。昨日の夜言うって決めたのに、やっぱりいざとなると緊張するんだな……でも、何時までも黙ってちゃわざわざ集まってくれたみんなに失礼だし、何より決めたことを出来ないのは男として情けない。
「実は昨日、リーナさんから僕の出自について分かったことがあったって話があったんだ」
「あぁ、そんなこと言ってたな。別にアタシたちは元希がどんな生まれだろうが気にしないが」
「そうですわ。どんな生まれであろうと、元希様は元希様ですもの」
「まぁ、元希君も言うか言わないかで相当悩んだんだろうし、とりあえずは聞きましょうよ」
秋穂さんがみんなを黙らせて、僕が話しやすい環境を作ってくれた。
「リーナさんの調査では、僕が育った田舎で、人工魔法師実験が行われてたらしくて、そこに残っていた記録では僕や恵理さん、涼子さんはその被験者だったらしいんだ。だから、そこだけ見れば、僕たちは『造られた』魔法師なんだ。でも、僕たちがどこで生まれたのか、それはまだ分かってないんだ。元々魔法の才能があったから被験者になったのか、それとも存在自体を造られたのかはまだ分からないけど、僕はみんなと違う存在であることには違いない。本当は怖くて言いたくなかったけど、みんなに隠し事をして上手く生活していく自信がなかったし、何よりいつまでも隠し通せる秘密でもない。みんなに気味悪がられるかもしれないけど、これだけはちゃんと言いたかったんだ」
僕は一気に言いたかったことをみんなに告げた。水奈さんとバエルさんは口を押えているけど、他のみんなはノーリアクションだ。
「あ、あれ?」
「だから言っただろ? アタシたちは『元希がどんな生まれだろうが気にしない』って。人工魔法師だか何だかは知らねぇが、元希はアタシたちの大事な仲間だ」
「そうだよ。ボクたちだって普通とは違う生まれだし、元希君だけが特別異常なわけじゃないよ」
「そうそう。魔法師なんて、何処かしら特別な所があるんだから。元希君は人より特別の度合いが違うだけだよ」
「みんな……」
何の抵抗もなく受け入れてもらえることが、こんなにも嬉しいなんて思ってなかった。口を押えていた水奈さんとバエルさんも、すぐに僕の事を受け入れてくれた。
「とりあえず、元希はアタシたちを心配させたバツで、一緒にお風呂な」
「今日は全員で元希さんを洗って差し上げますね」
「逃げられるとは、思わない方が良いよ」
嬉しいけど、なんとなく逃げ出したいと思ってしまうのは幸せなのだろうか。とにかく、僕はここで生活してもいいんだし、今日くらいは諦めようかな。
予約投稿のやり方が変わってた……