その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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捜索には入りませんが……


犯人を捜せ

 犯人が分かったところで、その人を捕まえなければ問題は解決とはいかない。前に尾行させた式神は早々に打ち破られちゃったし、教頭を訊問したところで何も言わないだろうしな……

 

「おーい、元希、お昼にしようぜ」

 

「そうだね。ところで何で僕がここにいるって分かったの?」

 

 

 今日は休日で、僕は雑木林に出来たパイプから向こう側の様子を伺っていた。もちろん、誰にもその事は伝えていない。

 

「御影がお前の気配を探ったんだよ」

 

「かなり苦労したけど、元希君の気配は間違えない」

 

 

 何故か自信満々にそう告げる御影さんに、僕はどう反応しようかに困った。確かに気配察知は御影さんの得意分野だし、今は僕も気配を消してないけども、間違えるってどういうことだろう?

 

「この辺りはまだ不安定らしくて、御影さんも気配を掴むのが大変だったようですよ」

 

「あぁ、そう言うことですか……って、僕何も言ってませんよ?」

 

「顔に書いてありましたから。元希さんは、たまに分かりやすいですもん」

 

「そうなのかなぁ」

 

 

 バエルさんに考えていた事を言い当てられ、その理由を告げられた僕は、それでも納得出来なくて首を傾げた。この前はリーナさんに心を読まれた気がしたし、僕って分かりやすいのかな……

 

「今日はここでお昼にしましょう。元希様、こちらで手をお洗いください」

 

「ありがとう、水奈さん」

 

 

 魔法で出された水で手を洗い、僕はポケットからハンカチを取り出そうとして――

 

「わたしの風で乾かしますよ」

 

 

――美土さんの魔法で自然乾燥(?)したお陰で使う必要がなくなってしまった。

 

「それにしても許せないわね。あの自然を汚そうと考えるなんて」

 

「秋穂は自然好きだもんな。まぁ、あたしも意味もなく汚す事はしたくないけど」

 

「犯人は分かってるんですよね? 捕まえられませんの?」

 

「雲隠れされちゃったからね……今は大人しくしてるみたいだけど、多分まだ動いてくるだろうから警戒はしているよ」

 

「わたしたちにも手伝えればいいのですが」

 

「皆には十分手伝ってもらってるし、また何かあったら頼むよ。あの魔法師の狙いは理恵さんと涼子さん、そして僕みたいだしね」

 

 

 正確には全属性魔法師を狙った教頭の思惑で動いているんだけども、詳しい事はまだ話していないのでそこは伏せて説明する。だって炎さんとかは、犯人が教頭の息のかかった者だって知ったら、その教頭を捕まえて何をしでかすか分からない気がするんだよね……恵理さんも今は言わない方が良いって言ってたし。

 

「そう言えば学校で、見覚えのないおっさんが教頭と話してたけど、元希の名前を言ってた気がしたぞ。知り合いか?」

 

「顔見てないから分からないけど、僕に知り合いなんていないよ……こっちに来るまでほとんど交友なんてなかったんだから……」

 

 

 若干自虐ネタ気味だが、事実なので仕方ないのだ。僕は霊峰学園に来るまで、友達と呼べる相手などいなかったし、ましてや村の外に知り合いなんていなかった。だからそのおじさんが誰なのかは分からないけど、おそらくリーナさんが言ってた議員の人なんだなとは推測出来た。ましてや僕の名前を知っているなんて、明らかに怪しいもんね。




クラスメイトは皆自然保護に前向きです
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