捕まえた魔法師たちからいろいろと聞き出すために、僕は恵理さん、涼子さん、リーナさんと一緒に転送した場所まで向かった。
「あの、僕が同行する理由はあるんですか?」
自慢ではないが、訊問などを上手く出来る自信など無い。そもそも、訊問なんてした事ないし、僕が声音を変えたところでたかが知れているだろう。
「元希君もターゲットにされてたかもしれないんだから、聞く権利はあると思うわよ。大丈夫、訊問は私とリーナでやるから」
「少し幻覚でも見せれば、ビビッて素直に喋ってくれると思うわよ」
「何をするつもりなんですか……」
最近度々思うけど、この人たちが味方で、本当に良かった……敵に回したらどうなってたか分からないもん。
「私は、その幻覚が元希君に見えないようにサポートしますので、姉さんとリーナは、思う存分やってください」
「任せなさい。あっ、でも元希君を抱きしめて見えなくするのはダメだからね。抜け駆けすると、後で元希君が大変な目に遭うんだから」
「分かってます。ちゃんと魔法でフィルタリングしますから」
大変な目って、何だったんだろう……最近恵理さんと涼子さんに「大変な目」に遭わされたばっかだし、あれの再現だったら……うん、これ以上考えるのは止めておこう。
起こらない未来を考えるのを止めた僕は、恵理さんとリーナさんの訊問が行われる場所から、少し離れた場所で涼子さんと二人で見学する事になった。
「あの……なんだか二人とも楽しそうに見えるんですけど」
「姉さんはあのハゲオヤジの尻尾を掴めるかもと思ってますし、リーナは日本政府に繋がる何かが出てくるかもと思ってるから、二人とも楽しそうなんでしょうね。リーナはあわよくば、そこからアメリカ政府に繋がる何かを探してるのかもしれませんが」
「僕たちに協力した所為で、リーナさんは立場が危ういですしね」
「あんなの、自分たちに都合が悪いから切り捨てたいだけですよ。だいたい、霊峰学園は自治組織なんですから、国に干渉される覚えは無いんですよ」
特に魔法科は、日本政府が介入出来るものではないのだが、教頭が裏で糸を引いて嫌がらせをしてきている、と恵理さんや涼子さんは考えているようだ。まぁ、あの教頭ならやりかねないし、健吾君もなんか胡散臭いと言ってたしね。
「……何であの人たちは震えだしたんですか?」
「姉さんとリーナが幻覚を見せ始めたので」
「僕には何も見えませんが」
「既にフィルタリング済みですので」
何を見せられてるのか気になるけど、涼子さんがどんな魔法を使ったのかが分からなければ、その効果を打ち消す魔法を使う事が出来ないしな……そもそも見せたくないと思って掛けてくれたんだし、それを打ち破るのは涼子さんの心遣いを無に帰す事だしね。
そんな事を考えていたら、訊問されている人たちが大声で泣き喚き、恵理さんたちに何でも答えると言い出したのだった。いったいどんな幻影を見せたらそんな事になるのだろう……見えなくて良かったと思う反面、怖いもの見たさで魔法を打ち消せればと思ってしまったのだった。
元希君は見えなくて良かっただろうな……