その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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タイトル通りです


擬人化する水

 恵理さんと涼子さんが正式に日本支部討伐隊の水竜討伐に関する情報開示を求める事になったらしい。これで再び日本支部との確執が強まるんだろうな……

 

「なんだか大変な事になってるね、水」

 

「グワァ!」

 

「君の親の事だもんね。君も気になるよね?」

 

「グルル」

 

 

 何となく意思疎通は出来るけども、やっぱり何て言ってるのかは分からないな。もう少し成長してくれれば、水も僕たちと会話出来るようになるのかな?

 

「元希、何してるの?」

 

「水にご飯をあげてたんだよ」

 

 

 教室の隅で作業してたので、炎さんが不審がって僕の背後から覗いてきた。気配を掴んでなかったら驚いて水を放り投げてたかもしれないな……

 

「我々魔法の大家四家も、日本支部に情報開示を求める事になりそうです」

 

「わたしたちに喧嘩を売るなんて命知らずですわよね」

 

「別に僕たちに喧嘩を売ったわけじゃないと思うけど……」

 

「ボクたちがいる架空世界に暴走した水を送り込んだのは事実。これはボクたちに対する挑戦だよ」

 

「意図的に送り込んだ訳じゃないと思うけど……」

 

 

 正直僕は魔法師部がどれくらい力を持っているのかも詳しく知らないし、恵理さんと涼子さんに嫌がらせをしてくる理由も良く分かってない。だけど魔法師にとって必要な機関なんだろうって事は分かっている。

 

「一応言っておくけど、壊滅させちゃ駄目だからね?」

 

「別にあんなところ、一回壊滅させて際建築した方が良いって」

 

「炎さん、建物の話じゃないですわよ?」

 

「それくらい分かってるって」

 

「この際秋穂さんにも手伝ってもらいましょうか。あの子も危ない目に遭いかけたんですものね」

 

「仲間は多い方が有利。でも烏合の衆では意味が無い」

 

「向こうが烏合の衆だろ? だから問題ないって」

 

 

 何でここまで好戦的なんだろう……確かに僕も真実は知りたい。だけど魔法師部と戦争紛いの事までしたいとは思って無いんだけどな……

 

「そういえば元希様、これ家に残ってた水竜様にお供えするはずだったものです。よければ水ちゃんに食べさせてあげてください」

 

「よかったね、水」

 

 

 水奈さんから受け取ったお供え物を水に食べさせる。水竜様にお供えしていたものなら、水が食べても大丈夫だろうしね。

 

「グ?」

 

「ん? 如何したの、水」

 

 

 お供え物を口にした水は、少し首を傾げて固まった。あれ、不味かったのかな?

 

「グワァ!!」

 

「うわぁ!」

 

 

 急に大きな声を出しながら水の身体が光り始めた。いったい何が起こってるの?

 

「水奈さん、水が!」

 

「大丈夫ですわ。今水ちゃんに食べてもらったのは水竜様が人の姿になれるようになるものですので」

 

「あ、それであの水竜様は人の姿になってたのか」

 

「わたしも長年の疑問が解決しました」

 

「ボクは前から聞いてたんだけどね」

 

 

 そんな事を話ていたら、水がどんどん大きくなってきた……もしかして怒られるかな?

 

「ふう……この姿では始めましてだな、我が主人よ」

 

「えっと……もしかして水?」

 

「そうだが、どこかおかしいのか?」

 

「いろいろ言いたいけど、何で裸なの?」

 

「? おかしな事を言うな我が主人は。さっきまで裸でいても何も言わなかったではないか」

 

 

 確かにそうだけども……

 

「だって竜の姿の時は兎も角、人の姿になったんだから服は着なきゃ」

 

「我が主人よ……服というものは必要なのか?」

 

「当たり前だよ! 大体女の子が裸でウロウロしてたらおかしいでしょ!」

 

「ムゥ……人間界とやらはややこしいルールがあるんだな」

 

 

 この子は人間世界で生きて来てないから仕方ないけども、やっぱり服は着てもらわないと駄目だよね……

 

「大体生殖行為をする時に、服など邪魔になるだけだろうが!」

 

「せ!?」

 

「して我が主人よ。何時私たちの子供を作るんだ?」

 

「こ、子供!?!」

 

「如何いう事だよ!」

 

「何故元希様と水ちゃんの間に子供が出来るのですか!?」

 

「お姉さんも知りたいわね」

 

「当然ボクも知りたいな」

 

 

 四人からただならぬプレッシャーをかけられている水だけども、全然気にした様子も無く平然と答えた。

 

「我が主人はこの世界でも珍しい魔法師なんじゃないか。だから我が主人には私と生殖行為をし、竜神と最強の魔法師の間に子供を成すのだ!」

 

「理由が分からないぞ! 大体元希は水と生殖行為なんてしないぞ!」

 

「そうなのか、我が主人? 良いものを持っていたではないか」

 

「い、い、い、何時見ましたの?」

 

「? 一緒に風呂とやらに入った時にな。興奮してる感じは無かったので、あれが最大と言う訳ではあるまい?」

 

「元希さん、顔に似合わず立派なモノをお持ちなのですね」

 

「ボクは耐えられるかな……」

 

 

 何の話をしてるんだろう? 僕のことらしいんだけども、水の言っている事がイマイチ理解出来ないんだよね……あと四人が僕の下半身に視線を向けてるけど、何か付いてるのかな?

 

「さあ主人よ、今すぐ生殖行為を……」

 

「あのさ、水。僕のことは元希で良いよ。一々長くない? 今の呼び方だと」

 

「ウム……では我が元希と呼ぼう」

 

「殆ど長さ変わらないじゃん。元希だけで良いよ」

 

「そうか……では元希、今すぐズボンとやらを脱ぐのじゃ」

 

「……何で?」

 

 

 お風呂でもトイレでも無いのに、何でズボンを脱がなきゃいけないの?

 

「お主の立派なモノで我を貫くとよい!」

 

「……えっと?」

 

 

 意味が分からないので四人に助けを求めたのだけど、誰も答えてはくれなかった。

 

「だから子作りじゃ! お主も高校生なら知らない訳なかろう。S○Xと言うヤツじゃ」

 

「!?!? ウキュ~……」

 

 

 直接的な表現を言われ、僕は意識を失った……この間恵理さんがしようとしてた事ってそういう意味だったんだ……




何だこのキャラ……

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