試験期間なんていうものは、あっという間に過ぎてしまうもので、今日は期末の結果が廊下に貼り出される日だ。ちなみに、普通科も魔法科も同じ場所に貼り出されるので、興味がある人は自分の属さない科の結果も見ることが出来るのだ。
「相変わらずすごいなぁ、健吾君は……」
普通科一年の一番上、つまりトップには健吾君の名前。しかも二位に五十点の差をつけてのぶっちぎりの一位だ。毎回思うのは、健吾君はもっと高いレベルの高校に行けたんじゃないかなってことだ。
「元希だって、相変わらずの一位だろ?」
「僕は二位の炎さんと五十点も離れてないよ」
魔法科のテスト結果は二種類あり、筆記試験と実技試験の両方の結果が貼り出されるのだ。
「筆記で二十点、実技で二十五点か。殆ど五十点差じゃねぇかよ」
「健吾君みたいに、一種類で五十点差と比べられるのはね……」
ちなみに、実技試験は、僕が本気でやると計測計が壊れるとかで、かなり加減してやったのであてにはならないと炎さんが怒っていた。てか、S組のみんなや秋穂さんやバエルさんも加減してたし、この結果はあくまでも参考でしかない。
「計測計振り切るって、どんだけ魔力があるんだよ」
「色々と経験して、それに応じて魔力も上がってるんだよ」
普通ならありえない程密度の濃い一年だったからね……成長スピードが他の生徒と違くても仕方ないって涼子さんが言っていた。
「とりあえずこれで、二学期は終わりか」
「まだ終業式とかが残ってるけどね」
「式典は普通科も魔法科も関係なく同じ場所だからな……人口密度がやばいんだよ」
「それは仕方ないよ。理事長は恵理さんなんだからさ」
教師は普通科と魔法科で若干異なるが、理事長と教頭はどちらも共通なのだ。魔法科だけに偏らないように、前の教頭は選出されたらしいのだが、今は結局早蕨姉妹が理事長と教頭を務めている。はじめは文句も上がって来ていたようだが、今ではそれも無くなっている。
「元希は年末、実家に……っと、悪い」
「ん? 別に気にしてないよ」
健吾君は恐らく、僕に実家と呼べるものが無くなったことを思いだして反省したのだろうが、僕はそこまで気にしていない。気にしていないというか、気にしないことにしたのだ。
「そう言えば元希、お前確か、気になってる子がいるとか言ってなかったか? あれから進展あったのか?」
「っ!? ごほごほ……いきなり何さ」
突然話が代わった所為で、僕は思いっきり咽てしまった。健吾君も手を合わせて謝ってから、もう一度話の流れを戻した。
「ほら、相談された身としては、その後の進展とか気になるだろ?」
「そう言われても……特に進展はしてないよ」
そもそもそれどころじゃなかったしな……一つ屋根の下で生活してるからと言って、部屋は別なのだから進展も何もないだろう……
「とりあえず、冬休みにどこも行く予定がないのなら、その子をどっかに誘ってみるのもいいんじゃねぇの? 相手の予定が無ければ、だけどな」
「そう…だね……考えておくよ」
健吾君、異性に興味がないとか言ってたけど、アドバイスはさすがなんだよね……これも全教科満点の頭脳がなせる業なのかな……
試験なんてそんなものです……