その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

26 / 245
元希君の格好が……


休日のお買い物

 水が人間の姿になれるようになってから、授業には水もついてくるようになった。一人でお留守番はつまらないって言い出して、恵理さんが特別に許可を出してくれたんだけどこれって良いのかな? いくら恵理さんが理事長とは言っても、学園の許可とかは一人では出来ないんじゃないの?

 

「大丈夫よ。私に逆らう先生なんてあのクソハゲくらいだから」

 

「姉さん、言葉が悪いですよ。元希君が真似したら如何するんです」

 

「そりゃ大変じゃの。元希はこんな口の悪い大人にはしたく無いからのぅ」

 

「あの……僕は一人でお風呂に入ってたんですけど」

 

 

 何時の間にか三人もお風呂に入ってきていた。落ち着いて考え事が出来る場所が欲しいけど、この寮にはそんな場所無いしなぁ……

 

「あれ? 僕口に出してました?」

 

「ううん、顔に書いてあった」

 

「元希君は考え事がすぐ顔に出ますからね」

 

「愛いヤツじゃの、元希は」

 

「あうぅ……」

 

 

 水にまで愛でられてるよ……せっかく世話をする側になったと思ったのに、人間の姿になってからは水に可愛がられる始末……このままじゃ駄目な気がする! 男として……

 

「明日の休みは水の服を買いに行きましょう。もちろん下着も」

 

「そうじゃのぅ。何時までも窮屈なものじゃ耐えられんからの」

 

「水様が大きいだけです。私は決して小さくありませんからね」

 

「じゃあ僕はお留守番してますよ。その間に掃除とかもしますし……」

 

 

 女性のお買い物に男の僕がついていっても何の役にも立たないだろうし、偶には一人でゆっくりもしたいしね。

 

「何言ってるのよ。水のご主人様は元希君なのよ? 一緒に行くに決まってるじゃない」

 

「そうじゃぞ元希よ。この二人と出かけても何も面白くないじゃろ」

 

「別に面白さは求めなくても良いんじゃないの?」

 

 

 何でお買い物に面白さを? 水の考える事はイマイチ良く分からないな……

 

「それに、元希君の新しいお洋服も買わないといけませんからね。水様が千切ってしまったものもありますし」

 

「カッカッカ、まさかあれが元希の服だとは思わんかった。てっきり雑巾にする布かと思ってのう」

 

「……どうせ僕は小さいですよ」

 

 

 それにお金も無かったから洋服は昔から着ていたものが殆どだ。水がボロ布だと勘違いしても仕方ないのは分かってるけど……

 

「ですが、僕お金ないですよ?」

 

「大丈夫よ。お姉さんたちは高収入だからね」

 

「そうそう。それに、私たちが元希君に買ってあげたいのです」

 

「モテモテじゃの、元希よ」

 

 

 水がからかいながら僕を抱きしめる。お風呂に入っているのでもちろん僕も水も裸だ……

 

「やはり反応は無いが大きいのぅ……身体に行く分の栄養が此処に集まってるんじゃないかのう」

 

「見た目に反して立派よね、元希君のは」

 

「水様! 姉さん!」

 

「何よ、涼子ちゃんだってしっかりと見てるじゃないの」

 

「そういうことではありません!」

 

 

 あぁ、また意識が遠のいてくな……水が人間の姿になってから気を失う頻度が増えてるんだよな……貧血なのかな……僕は現実逃避をしながら意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、僕は恵理さんと涼子さんと水に連れられてお買い物に来ていた。それは良いんだけど、何で僕はこんな格好をさせられてるんだろう……

 

「うん、少し大きいけど炎ちゃんのサイズで大丈夫だったわね」

 

「あの、何で僕は女の子の格好を?」

 

「だって元希君、男の子が下着売り場に居たら変でしょ?」

 

「普通に外で待ってますよ! 何でわざわざ一緒に入るんですか!」

 

「だってねぇ、元希君を一人にしたら誰かに攫われちゃいそうだし」

 

 

 僕はそんな簡単に攫われたりしませんよ……そもそも誘拐したって家にはお金なんて無いんですから……

 

「まぁ良いじゃないか元希よ。お主にワシの下着を選んでもらおうじゃないか」

 

「うえぇ!? 僕が?」

 

 

 正直荷が重い……女性の下着ってどうなってるのかも分からないし、サイズとか言われてもさっぱりだ。

 

「大丈夫よ。候補はこっちで用意するから。元希君は水に似合いそうなものを選んであげて」

 

「でも、僕には無理ですよぅ……」

 

「それじゃあ、元希君がブラとか着けてみる?」

 

「……誰にですか?」

 

「ん? 元希君に」

 

 

 何でそうなるんだろう……水に選ぶか、僕が着けるかの二択なら、僕は水に選ぶ方を選択するしか無いじゃないですか……

 

「これ何か元希君に似合うんじゃない?」

 

「姉さん、元希君は白よりピンクの方が……」

 

「待て! 元希には黒が良いんじゃないか?」

 

「何で僕のを選んでるんですか! 水のを選ぶんじゃないんですか!」

 

 

 答える前に勝手に選択肢を決められそうになり、僕は慌てて大声で叫んだ。その所為で注目されちゃったけども、誰も僕を男だとは思わなかったようだった……この結果はよかったのか悪かったのかは今の僕にはなんとも言えないけど……

 

「じゃあ元希よ、ワシに似合うのはどれじゃ?」

 

「……この青色の」

 

 

 直視出来ないので視線を逸らしながら答える。正直どれも似合いそうだし、僕が選ぶまでも無く恵理さんと涼子さんで選べてたと思うんだけどな……

 

「ではお買い上げじゃ。恵理、勘定を頼むわ」

 

「分かったわ。それじゃあ次は元希君のお洋服ね。涼子ちゃんと先に行ってて」

 

「それじゃあ行きましょ」

 

「は、はい……」

 

 

 この場所から一刻も早く離れたいけど、涼子さんに抱き上げられるのは勘弁してほしかったな……僕だって歩けるんだから。




下着売り場はキツイな……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。