その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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帰路につく学生たち……


討伐後

 日本支部の人たちとはとりあえず分かり合えないって事が分かったので、僕たちは再び車に揺られながら霊峰学園へと戻る事になった。

 

「それにしてもアイツら、やっぱりアイツの部下ってだけあってムカつくわね」

 

「姉さん、学生の前で言葉が汚いですよ」

 

「だって涼子ちゃん! アイツら元希君を見て化け物とか言ったのよ! せっかく助けてあげようって思ったのにあんならなアイツらも纏めてブラック・ホールで飲み込んじゃえば良かったわよ」

 

「それは同感ですね。私たちなら兎も角、元希君まで化け物呼ばわりだなんて許せませんし」

 

 

 僕としたら恵理さんや涼子さんの事を化け物呼ばわりしたほうが許せないんだけどな……もちろん言葉にしたら大変な目に遭うと分かってるから言わないけど。

 

「アタシも許せないです。家を通じて日本支部に抗議するつもりです」

 

「炎さんがそうするなら、私たちも抗議しますわ」

 

「そうね~。元希さんを傷付けた代償は大きいですわよ」

 

「ボクも許せない。結界を構築してなかったらすぐにでも消してたよ」

 

 

 何だか発言一つで大問題に発展しそうな感じになってきたな……別に僕はそこまで気にしてないんだけどな……

 

「のぅ元希や」

 

「ん? どうかしたの水?」

 

「お主は考えが顔に出やすい。じゃが今のお主の考えはワシには分からん。いったい何を考えておるんじゃ?」

 

「別に何も考えてないよ。ただちょっと疲れたと思ってるくらいかな」

 

 

 ヤマタノオロチ討伐の前には、授業で大型モンスターと戦ってたからなぁ……いくら架空世界での戦闘でダメージは負わないといっても、体力は実戦同様に消耗するからね。禁忌魔法を合計で四発、Aランク魔法も放ったし体力が空っぽになってもしょうがないと思うんだよね。

 

「あれ……何だか真っ暗に……」

 

 

 そこで僕の意識は途切れた。アドレナリンが切れたんだろうな、このタイミングで寝るなんて普通ならありえないし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に僕が目を覚ましたのは早蕨荘の自分の部屋だった。もしかしたら恵理さんが居るかなと思って辺りを見回したけども、如何やら大人しく寝かせてくれたようだった。

 

「今何時だろう……」

 

 

 討伐の要請を受けてから討伐までで確かお昼くらいだったから、まだ授業中かな? そうなると僕だけ授業に出られなかった事になっちゃうな……

 

「とりあえず起きなきゃ」

 

 

 僕の部屋には時計が無い為に、慌てて携帯を探す事にした。一応ポケットにしまっておいたんだけども、触った限りではポケットには入ってなかったし……

 

「あら、起きたの元希君」

 

「あっ恵理さん……僕の携帯知りませんか?」

 

「それなら机の上に置いておいたけど?」

 

「そうですか……って、何で僕の部屋に恵理さんが?」

 

 

 全然気配を感じなかったんだけど……

 

「私だけじゃないわよ。涼子ちゃんと水も一緒なんだから」

 

「ごめんなさい、元希君」

 

「グッスリ寝とる元希を眺めるのはなかなかに楽しかったぞ」

 

 

 ちょっと恥ずかしいような事を水に言われて、僕は自分の顔が赤くなっていくのを感じていた。寝顔をじっくりと見られるのは男でも恥ずかしいものなんだな……

 

「それで元希君、何で携帯を探してるの?」

 

「時間が分からなくて……今何時なのかなって思いまして」

 

「今は午後の六時よ」

 

「僕、六時間近く意識を失ってたんですか?」

 

 

 僕的に言わせてもらえば、さっきまでのは寝ていたと表現するよりかは意識を失ってたと表現した方が正しいと思える。だからあえてそう言ったのだ。

 

「仕方ないわよ。初めての実戦で禁忌魔法をその前から連発、挙句の果てには暴言まで言われて精神的にダメージを負ったのだから」

 

「さっき心配してた授業ですが、今日は休講って事になりましたので心配はいらないわよ」

 

「そうなんですか……良かった」

 

 

 ただでさえ僕は入学前までの知識量で他の四人に負けているのだ。教科書通りの解答なら出来るんだけども、応用だったりその反応を実際に見たことが無かったりするから授業には出来るだけ参加したいからね。

 

「それじゃあ、元希君も起きた事だしお風呂にしましょうか」

 

「そうですね。もう準備は出来てますから、元希君も行きましょ」

 

「えっと……一人で入ったりは……駄目ですよね、はい」

 

 

 恵理さんと涼子さんだけではなく、水まで怖い目で僕を見てきたので途中で反論を諦めた。だってホントに怖かったから……

 

「それじゃあ元希君の着替えを用意しないとね」

 

「恵理さん? それって女の子の服ですよね?」

 

「私たち以外にこの早蕨荘には人は居ないんだし、私たちに心配かけた罰よ」

 

 

 罰って……まぁいきなり気絶して心配かけたのは申し訳無いと思うけど……でも僕が女の子の服を着て心配かけた事がチャラになるとは思えないんだけどな……

 

「どの服が良いかしら?」

 

「これなんて如何です?」

 

「待て、こっちも捨てがたいじゃろ」

 

「………」

 

 

 心なしかみんな楽しそうに見えるのは、きっと僕が寝起きだからだよね……涼子さんや水まで嬉々として僕が着る女の子の服を選んでるなんて、きっと寝起きで感性がまだ正常じゃないからそう見えるだけだよね。

 などと自分の中で何とか納得しようとしたけれども、やっぱり恵理さんも水も嬉々として僕の服を選んでる事には変わりなかった……罰を与える事に喜んでるんじゃなくって、僕が女の子の服を着る事に喜んでるんだよね、あれは……




次回新キャラ登場予定です
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