その少年全属性魔法師につき   作:猫林13世

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延期になった歓迎会です


歓迎会

 僕が気絶してしまった為、今日に延期されたバエルさんの歓迎会。その会には炎さんたちも招待されていたらしく、早蕨荘は普段の倍以上の人間が集まっていた。

 

「遅いぞ元希! もう始まるから早くしなよ」

 

「元希様は色々あるんですよ。炎さん、あんまり急かすのは良くありませんわ」

 

「そうそう。炎はもう少し落ち着きを持った方がいいわよ~」

 

「そう言いながら美土だって元希君を抱きしめようとしてる。落ち着いた方がいいのは美土も一緒」

 

「あっおじゃましてます」

 

 

 恵理さんが呼んだのだろうか? それとも涼子さん? どちらにしても事前に教えてほしかったな……

 

「元希君、悪いけど追加の料理作るの手伝ってくれますか?」

 

「良いですけど、みんなを呼んだのは恵理さんですか?」

 

「ううん。なんでも水様が呼んだらしいんですよ。でもまぁ、歓迎会ですし多少にぎやかの方がいいですよね」

 

 

 多少……なんだろうか? まぁ同級生が僕一人で、あとの三人が教師、一人は水神の歓迎会よりかはバエルさんも嬉しいだろう。僕は自分の中でそう結論付けて追加の料理を作る為に台所に向かう。

 

「そういえば……昨日の料理って大丈夫なんですか?」

 

「ちゃんとラップしておいたし。魔法で保存しておいたから心配ないわよ」

 

「そうですか、良かった」

 

 

 冷蔵庫で保存でも問題は無かっただろうけども、魔法で保存されていたと聞いた方が安心出来るのは、おそらく僕が魔法師だからだろうか。魔法で食材を保存するのは戦闘魔法師の必須技術だけども、日常生活で使っちゃダメってわけでもないしね。

 

「さてと、ジャンジャン作るわよ!」

 

「涼子さん、なんだか気合い入ってますね……」

 

 

 大勢に食べてもらえるのが嬉しいのかな? 涼子さんの勢いにちょっとついていけない感じではあったけども、調理を始めちゃえばそんな事も気にならないだろう。僕はそう思い調理を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追加の料理も完成し、恵理さんたちも何処からか帰ってきたので早速歓迎会を開始する事にした。

 

「それでは、バエルさんの入寮を祝して……乾杯!」

 

 

 コップに入った飲み物を掲げそう宣言する恵理さん。ちなみに学生たちはジュース、教師陣は発泡酒らしい。さっきまで居なかったのはお酒を買いにいっていたのか……

 

「水は? 何飲んでるの?」

 

「ワシは恵理が用意してくれた炭酸水なるものを飲んでおる。なかなかに刺激的じゃのぅ」

 

 

 炭酸水か……僕は飲むと頭が痛くなるから飲まないけど、結構人気らしいのだ。

 

「元希さん。こっちに来て一緒に食べましょうよ」

 

「あ、うん。今行く」

 

 

 美土さんに手招きされ、僕はみんなのところに移動した。水は一人で炭酸水を飲むのに忙しいからと同行を拒否したのだ。

 

「これ、美味しいねー。正直アタシは元希に負けたかもしんない」

 

「ボクも……元希君は料理上手だね」

 

「田舎で作ってたからかな。早蕨荘でも家事は分担・交代でやるから」

 

 

 最近は恵理さんやリーナさんが買い出しやら庭掃除やらをやるから、炊事は僕と涼子さんが担当する事が多くなっている。それもあってか、僕の料理の腕は順調に成長しているのだった。

 

「バエルっちも食べなって」

 

「……何時の間にバエルさんに渾名を?」

 

 

 随分と仲良くなったんだなと思う反面、僕には渾名をつけてくれないのかなーっと思ってしまった。まぁ渾名と言えるか如何かは微妙なところだが……

 

「正直ここ迄美味しい料理は初めてです」

 

「そうですか? そう言ってもらえると作った甲斐があります」

 

 

 お弁当の時よりも気合いを入れて作ったからか、バエルさんは本当に美味しそうに僕が作った料理を食べてくれている。

 

「こりゃ、元希は好いお嫁さんになりそうだね」

 

「炎さん……僕は男なんだけど」

 

「じゃあ主夫だね!」

 

「うん……字は合ってるけど何でそっちなの?」

 

 

 僕は魔法師として世界を飛び回る運命がほぼ確定している身なのだが、みんなはその事をあまり意識していないようだった。

 

「大丈夫ですわ、元希様。私たちの家は魔法の大家。日本政府もその家に招いた婿を戦闘魔法師として世界に派遣する事は不可能ですので」

 

「誰と結婚しても大丈夫よ~。わたしを選んでくれてもいいのよ?」

 

「何アピールしてるのさ! 元希、アタシでも良いんだぞ?」

 

「ボクでも大丈夫。こんな見た目だけどちゃんと子供は産める!」

 

「な、何の話してるのさー!」

 

 

 結婚とか子供とか、僕にはまだ当分関係ない話をされても反応に困る。それに如何してみんな僕を婿だの主夫だの言うんだろう……そんなに頼りないのかな?

 

「いいわねーみんなは。私の家は別に大家でも無いし、元希君をかくまう事は出来ないしなー」

 

「……だから僕はまだ結婚とかそういうのは……ムグゥ!?」

 

 

 考えてないと言おうとしたら何かで口を塞がれた。

 

「な、なにさいったい……」

 

 

 押し込まれたものを確認すると、それは僕が作った料理だった。

 

「だ、誰?」

 

「随分と楽しそうね、元希ちゃん」

 

「リーナさん!? 別に楽しい訳じゃ……」

 

 

 酔っ払ってるらしく、リーナさんは僕に必要以上に絡んできた。炎さんたちは危機を察知したのか、既に十分の距離を取っていた。涼子さんも恵理さんに絡まれていて助けを求める事は出来ず、結局僕はそのままリーナさんに絡まれ続けるのだった……




元希君ハーレムですが、本人は居心地が悪いだけ……えてしてそんなものなんでしょうね。
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