書きながら自分で泣きそうになっちゃった()
…というか!お気に入り登録が100を突破しました!嬉しすぎます!
いつも見てくださる皆さま、本当にありがとうございます!
これからもどうか、俺の駄文で良ければ、見て行ってください!
「…私は、どうすれば」
コガネは一人、呟く。
ずっと、会えないと思っていた、自分にとっての最上、ラニ。
己を受け入れて、仲間としてくれた、対策委員会の皆。
私は、どちらに着けば。
いや、無論…ラ二なのだろう。
先の話、本当ならば…いや、あれは本当だ。
エルデンリングの考察すらも嗜んでいたコガネは、星の世紀エンドの後、”大いなる意思”含む”外なる神”に常に狙われる結果となる。
それを打ち払うのが己の役割であると、その様な考察を、何度か見たことがある。
それに対し、己は確かに納得した。
エルデンリングを持ち出し、全てから遥か遠くに思われる。
そのようなことを、確かに”大いなる意思”が許す筈がない。
かの意思は既に狭間の地を見捨てたらしいが、それでも己の生み出したものが己の手の届かぬところにあるのは、かの意思なら決して気に入らないだろう。
…確かに、納得してしまったのだ。
そして今、それは最悪の形で現実となった。
確かに納得してしまったからこそ、コガネは、皆の事を想うのならば、ラニに着かねばならない。
…でも、何故だろうか。
コガネは、迷っていた。
己が例え死のうと、皆から離れようと、皆が助かるのならば、それで良い筈であった。
それでも、迷っていた。
”己”と”皆”。
天秤にかけるならば、到底均等にはならないその二つ。
だが、揺らいでいた。
それはついに傾くことは無く…突然に、天秤に手を置かれた。
”…コガネは、どうしたい?”
振り向くと、そこには、先と同じく己の肩に手を置く、先生の姿があった。
…少し前。
先生は、焦っていた。
なにせ、此方の悉くの攻撃が効かない。ただ攻撃性能が高いだけならば、幾らでも挽回できた。
だが、これはそのような次元の話ではない。
…と、その時、シッテムの箱のAI…アロナから通信が入る。
『せ、先生!分析の結果が出ました!どうやらあの方には、実体があるようでそこにないようです!』
”…実態が、無い?”
先生が零した呟きに、ラニは冷ややかな、だが少し予想外そうな視線を向けた。
「…ほう、どうやって気付いたのか知らんが…その通り、私はあくまでこの人形に宿った、魂のみの存在だ。故に、俗世のあらゆる干渉は無駄…さっさと諦めろ」
…ラ二が、再び”アデューラの月の剣”を杖に出現させ、薙ぎ払う。
”ッ!ホシノ!”
「分かってる!」
…小鳥遊ホシノが、先程と同様に斬撃を防ぐ。
が。
「…暗月よ。その力の一片を、理外の冷気と成せ」
ラニの体が浮かび、その体が丸ごと月となるが如く、冷気の塊が現れた。
…それは、つい先ほど、コガネがトープスの力場にて消し去った、冷たき権化。
月の王女の名を冠したその冷気の塊は、大きな冷気の爆発を起こし、あらゆるものを氷に閉ざす。
”ラニの暗月”。
『ち、超高エネルギー反応ッ!?』
『ダメです!あれは防げません!?』
奥空アヤネとアロナから同時に悲鳴が上がる。
”!?みんな!急いで避けて!”
先生は慌てて指揮を飛ばす。
その甲斐あって、なんとか直撃は免れたが…。
「な…ッ!?」
「…冷た…い゛!?」
…状態異常、”凍傷”。
その効果は、最大HPに応じた割合ダメージと、凍傷の発症後、30秒間は対象の受けるダメージが20%増加するというもの。
狭間の地にて、有用と謳われた状態異常の一角である。
だが、ラニの暗月の最大の特徴はそれではない。
対象の、魔力のカット率を10%低下させる。それが、暗月の最大の特徴。
”アデューラの月の剣”にて小鳥遊ホシノの背後に纏めさせ、そこに”ラニの暗月”を放つ。
…見事としか言いようのない、戦略。
状況は、さらに絶望的となった。
…最終手段として、”大人のカード”を用いる選択肢もあった。
が、これは超常を発生させ、正にどのような状況であろうと覆せるが、そこには多大な代償が伴う。
…それでも、最早迷っている暇など無い。
先生が大人のカードを取り出そうとした、その時。
視界の隅に、茫然と戦闘を見る、コガネの姿が映った。
…先生には、放っておく事など出来なかった。
”…みんな、ごめん。少しの間、任せてもいいかな”
その問いに、真っ先に小鳥遊ホシノが答えた。
「…ハァ…ハァ…フゥ。…うへぇ、分かってるよ、先生。コガネちゃんと話をするんでしょ?」
”うん…。ごめん、無茶なことだとは分かってるんだけど…”
「…うるさいッ!良いから早く行きなさいよ!」
「ここは…私たちに任せて…ッ!コガネちゃんを助けてあげて下さい!」
「ん…世話が焼ける後輩。…でも、それで良い。一人で抱え込むなんて、絶対に間違ってるから」
『指揮は私が代わります!ですから…先生!』
”ッ!分かった!ありがとう!”
…先生は、駆けだした。
”コガネは、どうしたい?”
突然に問いかけられ、コガネは狼狽えながらも…それにより、漸く己の本心を吐き出せた。
「…私は…わ、たし…は…ラニも、みんなも、大切なんだ…」
だが、それは質問への答えとはならない、ただの剝き出しの本心。
”…それなら、両方取らなきゃね”
「…え?」
”責任は、全部私が取る。全部、私が何とかするから…。…コガネは、「両方取りたい」んでしょ?”
「…ッ!」
先生に言われて、漸く気が付いた。
先の己の返答とも呼べぬ何かは、この先生にとっては、立派な”答え”だったのだ。
”…私は、子供はなるべく、欲深く、我儘であるべきだと思ってる。そりゃあ、度が過ぎることは流石に駄目かもしれないけど…大丈夫。「私を信じて」”
「…」
コガネは、泣いていた。
そのような場ではないと、そのような暇は無いと分かっていても、止まらなかった。
それは、あの時、歓迎パーティーの際に流れた涙とは、また別のもの。
…”安心”によるものだった。
ずっと、聞きたかった。
義父を喪い、全てを背負う羽目になった、家庭。
居場所を失い、逃げ出した、学校。
あの頃より、心のどこかで探していたのだ。
”逃げ場”、もとい、”信頼できるもの”を。
…あの頃の”彼女”は、それをゲームに求めた。
だが、”コガネ”は、違う。
…漸く”信頼できる人”、”信頼しても許してくれる人”、と出会えた。
それによる、安心。
コガネは、涙ながらに、嗚咽と、言葉を吐く。
「…う…い、いのか…?信頼しても、しん、じても…」
”勿論!”
…コガネは、涙を拭いた。
「…すまない。見苦しいところを見せた。礼を言うぞ、先生よ」
”いや、全然いいんだけど…正直、今、ちょっと厳しい状況でね…どうにかできたりする…?”
先程とは打って変わり、少し自身のなさそうな表情と声音。
「無論だ。…先生よ、今こそ、貴公との約束を果たそう」
”え、約束って…”
「…ああ。…見せてやろう、我が魔術ッ!」
コガネは、ルーサットの輝石杖を構えた。
…その先端が。或いは全体が。或いは周囲が、輝きを帯びる。
コガネは一瞬のみ、武器を適当なダガーに切り替え付与された戦技を使う。
”黄金樹に誓って”。その効果は、80秒間の与ダメージ約15%アップ、全カット率約10%アップを付与。
そして、杖を地面に突き立て、そこを起点に陣を足元に生じた。
”魔術の地”。その効果は、陣の中の味方の魔力の攻撃力の底上げ。
左手に、クラゲをそのまま盾とした”クラゲの盾”を一時出現させ、戦技”伝染する怒り”を使用。
それにより、全攻撃力を20%上昇。
左手に次は”指の聖印”を出現させ、祈祷”シャブリリの叫び”を使用。その効果は、付与ダメージの25%上昇。
さらに、懐より取り出した”霊薬の聖杯瓶”をぐいっと飲み干した。
それにより、一時魔術の消費を完全に帳消しにし、威力を底上げする。
…準備は、完全に整った。
コガネは、ルーサットの輝石杖を大きく引き、突き出した。
「”彗星アズール”」
…溢れ出る、青く輝く魔力の奔流。
それらは全ての強化を受け、正しく究極の域に辿り着いた、とある源流の魔術師の名を冠した、彗星である。
そして、それが出ずる元は”ルーサットの輝石杖”。その、最終強化版。
最終強化に用いる道具は、”古竜岩の喪色鍛石”。
それは、古竜の王の鱗であり、古竜の王は、時の狭間に座すという。
この石もまた、僅かに時を歪めており…
故にこそ、
”神殺しの武器を鍛える”
「…なッ!?!?」
…神をも殺す魔術。その奔流は確かに、ラニに直撃した。