黄金のアーカイブ   作:寿司神 寿司丸

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七話目です。
今回もいつもよりボリュームは少ないですが、ある意味ではいつもより多いと思います…。
…アッ、一応閲覧注意です…。


『黄金の立志、そして嘗ての記憶』

…コガネ達は体育館へと戻って来ていた。

 

そして…。

 

「___という訳です!分かりましたか!?」

 

コガネは当然に、説教されていた。

 

曰く、学校を守ってくれたことに感謝はするが、せめて思惑ぐらいは先に話して欲しい…とのこと。

 

その間、小鳥遊ホシノはずっと、何かを考えるような仕草をしていた。

 

「…あ、ああ…本当に…すまなかった…」

 

「…まぁ、さっきも言った通り、この学校を守ろうと必死になってくれた事には感謝します」

 

明らかに弱々しくなっていたコガネの口調に、流石に言い過ぎたと感じたのか、奥空アヤネは励ますように言った。

 

「次からはせめて…次なんてあってほしくはないですが…せめて何か言ってから行動してほしいです」

 

それは怒りというよりも、どこかコガネを心配しているような色も滲んでいた。

 

周囲を囲うように居る対策委員会の面々も、どうやら同じらしい。

 

「…分かった。今後一切、勝手な行動はしないと約束しよう」

 

…コガネは、そう言うしか無かった。

 

必ずしも守れる約束ではないと知っていても。

 

だが、同時に酷く嬉しくもあった。

 

こんな自分のことをここまで心配してくれる者など、恐らく、この子達以外に存在しないだろう。

 

…少なくとも、向こうにはいなかったはずだ。

 

コガネは改めて、必ずこの子達を守らねばと思い直すのであった。

 

 

 

 

 

「…じゃ、ハプニングもあったけど、改めて始めよっか~」

 

少し経ち、彼女らは再びそれぞれの席に着いていた。

 

目的は勿論、コガネの歓迎パーティーである。

 

先程、途中でヘルメット団の襲撃があり有耶無耶になってしまったが…中止などという無粋な真似は、彼女らはしない。

 

小鳥遊ホシノは自分の前に置かれた、ジュースが注がれた紙コップを持ち上げ、掲げた。

 

合わせて皆も、そしてコガネも、紙コップを取る。

 

「うへ、コガネちゃん、入学おめでとう!そして、これからよろしくね~!」

 

「「「「コガネ(ちゃん)、これからよろしく(お願いします!)!」」」」

 

…有頂天、とは正にこのことであろう。

 

コガネはこれ以外の表現が見つからなかった…正に、胸がいっぱいになった。

 

ずっと、ずっと夢見ていたのだ…。

 

再び涙が溢れそうとなったが、此度は何とか堪え、口を開く。

 

「あぁ…よろしく頼もう」

 

彼女らは紙コップを軽くぶつけた。

 

ある者は身を乗り出し、ある者は笑顔を湛え、ある者は恥ずかし気に。

 

コガネは、漸くの歓迎を迎えたのだ。

 

 

 

 

 

…これは、嘗ての記憶。

 

彼女の朝は早い。

 

義父が事故で亡くなってから、義妹、義弟達の世話は彼女一人に任せられた。

 

…義父はどうやら、相当に恨みを買っていたらしい。

 

親戚は誰も彼も受け入れてはくれず、故に年長者である彼女が世話をする必要があった。

 

一応、最低限の支援はされていたし、自分でもアルバイトをしていたため、生活は出来た。

 

この生活を続けてから数か月。見違えるほど上げた家事の腕が、増え続ける傷が、目に見えて変わっていった数少ない事柄であった。

 

彼女はまだ、高校二年生。

 

本来彼女が享受すべき青い春など、もはや夢想の中でのみ。

 

彼女は…学校でも居場所が無かったのだ。

 

きっかけは、彼女が元々いたグループの内、クラスでもリーダー格の女を、怒らせたこと。

 

これは彼女の持論だが、この世界はどうやら、性根が悪い者ほど人気となれるらしい。

 

それは、彼女が居場所を失ってから見出した論であった。

 

傷はどんどんと増え続けた。

 

彼女は元来内気であったため、元々頼ることが出来る人もいなかった。

 

…そんな日々の中、唯一彼女を癒した物。

 

それが、ゲームであった。

 

勉強などする気になれず、かといって寝付けなかったある夜、彼女は義父が遺した、ゲームをやった。

 

そのタイトルは、”DARK SOULS”。その、最初期版のリマスター。

 

…彼女が気付いたころには、朝になっていた。

 

正に、時間を忘れてプレイしていたのだ。

 

彼女は、その後も空いた時間はDARK SOULSをプレイした。

 

どれだけ世話が大変であろうと、どれだけ学校が辛かろうと、これがあるから頑張ることが出来た。

 

気が付いたら、クリアしてしまっていた。

 

…彼女は途方に暮れた。

 

これをなくして、一体何を拠り所にすればよいのだ。

 

何時にも増して心に深い影が差した時、閃き、という名の当然の気付きが、突如に降りた。

 

…買えば、良いではないか。

 

DARK SOULSを制作した、”フロムソフトウェア”…聞けば、この会社のゲームは、名作揃いであるという。

 

確かに金に余裕はないが、己に関する金の使用量を極限まで減らせば、或いは…。

 

そこで彼女は、即座に行動に移した。

 

まず、以前まで頑張っていた学校を正式に辞めた。それだけで彼女の精神的負担は驚くほど軽くなった。

 

…何故、もっと早くからこうしていなかったのか。

 

アルバイトの数を増やし、昼間の時間の全てを捧げた。

 

自身の食事代を極限まで削った。

 

義妹と義弟達の食事代は削るわけにはいかなかったので、そのままで。

 

…彼女は、漸く一作目、”DARK SOULS 2”を購入できた。

 

暫くの間は、その素晴らしき体験を享受できたが、やはりそれでもいつかは終わりが訪れる。

 

彼女は二作目を買った。三作目、四作目、五作目…。

 

彼女は不死人となった。火の無い灰となった。狩人となった。独立傭兵となった。忍びとなった。

 

幾年もの年月が流れ、義妹、義弟達もある程度は自分達で自分達の事を出来るようになった頃。

 

彼女は、そのゲームを購入した。

 

その名は…

 

 

 

”ELDEN RING”。

 




なんか嘗ての記憶パートに入ってからいつもより筆が乗ってたな()
ちなみに主人公の表記に困ったので書きませんでしたが、デモンズソウルも勿論全クリしてます。
というかそうなるとコイツフロムゲー全作全クリしてんだな…。
アッ、pixivはこちらになります…
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=29403825
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