投稿するたびにお気に入り登録が増えていく…!
皆さんほんとにありがとうございます!励みになってます!
あ、あともうちょっと感想もいただけると…そしてついでに評価も欲しいかなぁ…そしてpixivの方もよろしくお願いし(((殴
…玄関を飛び出した彼女らは、毎度の如くのヘルメット団と相対していた。
「…ッ!く、クソ…」「で、出たッ…!」
ヘルメット団はひどく狼狽していた。
当然であろう。ただでさえ彼女らは幾度となく、目の前の集団、その一人に蹂躙されてきたのだ。
加え、彼女らは既に度外視していた他の対策委員会のメンバーも増えている。
彼女らからすれば、これ以上ない絶望的な状況と言えるだろう。
…では、何故彼女らは襲撃を辞めようとしないのか?
コガネは疑問に思った。
コガネの知識では、確かヘルメット団は、このアビドスの土地を狙うカイザーに雇われ、アビドス高等学校の校舎を奪うべく襲撃してきていた筈。
あくまでも雇われなのだから、切ろうと思えば切れるものだと思っているのだが…。
…少し思案に浸っていたコガネであったが、戦闘開始の合図を受け、即座に取りやめる。
「やってやるわよ!」
「うへぇ、久しぶりの運動だー」
「覚悟してくださいね♤」
「ん!」
…先もコガネは思ったが、久方ぶりの共闘である。また、彼女らからすればまともな戦闘行為そのものが久方ぶり…今まで考えていなかったが、腕が落ちてしまっている可能性もあるのでは…。
コガネは心配になったが、その心配は次の瞬間には吹き飛んだ。
ヘルメット団の乱射する銃弾の雨を、遮蔽に滑り込み回避、そこから砂狼シロコが機を狙って飛び出し、円を描いて駆け、弾丸を回避しつつ的確に命中させる。
黒見セリカは遮蔽より偶に顔を出し、アサルトライフルをヘルメット団に乱射。敵の意識を己の方に向ける。
敵が投げてきた爆発物は、すかさず前に出た小鳥遊ホシノが盾にて防ぐ。
その後、発生した煙で敵から見えていない内に、十六夜ノノミの機関銃が火を噴いた。
煙に巻かれ見えぬ中から飛来した数多の銃弾は敵の片翼を蹂躙し、多くの敵の鎮圧に成功した。
コガネは一人、別の遮蔽よりその様子を見ていたが、正直感心していた。
腕が落ちているどころか、連携という点においては以前よりも熟達しているのではないか。
…だが、そのように感じた要因を、コガネはすぐに思い出した。
これは恐らく、先生の”指揮”の影響だ。
原作のことはコガネは知らなかったが、先生の指揮は先生の持つオーパーツ、”シッテムの箱”によってなされている。
そしてそのシッテムの箱による指揮は、指揮下にある生徒に対し声を介さずに、遠隔から指揮を飛ばすことが出来た…筈だ。
なれば、少なくとも連携という面において腕が落ちてないように見えることは、それが要因という事だろう。
それならば、何故コガネには未だに指揮が来ていないのか。
これも、コガネはすぐに気が付いた。
…好きに暴れろ。という事であろう。
先生は未だ、コガネの戦闘スタイルについて知らない。なれば、指揮を出そうにも出せない。
よって、一先ずはコガネの戦い方を測るべく、自由に動かせようとしているのではないか。
…考えていたが、答えはすぐに訪れた。
『”よし、今なら大丈夫、好きに暴れて!”』
頭の内に響く、先の、先生の声。
「そういうことなれば…見せてやろう。…落葉コガネの戦いを知るがいい」
コガネはいつもの通りUIを表示し、此度の武器を選択、また、タリスマンの構成も変える。
…此度は先生への初披露としての意味もある。故に、なるべく印象に残りやすい戦い方が望ましい。
ともなれば…この構成が良いだろう。
コガネは遮蔽より飛び出し、駆ける。その両手には…鉄球がはめられていた。
『”え!?何それ!?”』
”鉄球拳”。鉄球をそのまま拳にはめた武器。
そのまん丸の鉄球は、愚か者が見た時は、滑稽な印象を与える。
が、決して、侮ってはならぬ。
その一撃は…骨をも砕き得るのだ。
”完全なる上位互換”が存在する武器ではあるが、こちらも十分強力である上、キヴォトスの住人に対しなるべく生傷を出さずに制圧するならば、此方が向いているだろう。
コガネは大分数が少なくなったヘルメット団、その一人を標的とし、駆ける。
「くっクソッ!来るんじゃねぇええ!!」
銃弾の乱射を、一瞬の踏み込みにて回避し、肉薄。
戦技”クイックステップ”。此度の鉄球拳に付与した戦技である。
コガネは両の腕を持ち上げ…振り下ろす。
「ふんッ!」
「あがぁッ…!」
…拳武器の十八番。溜め攻撃である。
他の武器種の追従を許さぬ溜め速度を持ち、また、体勢崩しの値も高い。
…頭部を打ち据えられ、気絶したことを視界で確認した瞬間、もう一度クイックステップ。
そのまま放つ右拳を二人目の腹部に放つ。
「ごッフ…!?」
「はぁっ!」
全力で左腕を振りぬき、奥のヘルメット団員に向けて吹き飛ばす。
「…うへぇ、相変わらず凄い暴れっぷりだねぇ…」
「ん…また戦い方が違う…」
「あ…アイツ、一体いくつ戦い方があるのよ…」
彼女らの疑問に答えるならば、コガネの戦闘スタイルは武器種、魔術、祈祷に完全に左右される。
さらに、タリスマンを組み替えれば更に分岐するので…実質的には無限にあると考えていい。
…もっとも、コガネがまともに使ったことがあるのは、その内数十種程度なものなのだが。
ドゴッ!バキッバゴッ!
「ガッ…ク…ソ…」
…コガネが最後の敵を殴り倒し、敵の鎮圧が完了した。
「…終わったぞ」
コガネが淡々と鎮圧完了の意を報告すると、またもや頭に声が響いた。
『”お、お疲れ様。えーと…取り敢えずみんな、こっちに戻って来て”』
コガネは了承の意を込めて、誰もいない空間に向けて頷く。
皆の方を振り返った。
「おつかれー、みんな。じゃ、戻ろっかー」
「はい!コガネちゃんも、お疲れ様です☆」
「コガネもっていうか、後半私たち何もしてないけどね…ま、お疲れ様」
「今日も戦い方が違ってた。あれはどんな戦い方なの?」
「どんな、といっても、普通に殴るだけだがな。距離を一瞬で詰め、一瞬で意識を奪う…これだけだ」
…思えば、このような会話も、大分久しぶりであった。
…コガネ達が部室へ戻り、席に着くと、コガネは先生に話しかけられた。
"君…えーと…"
対策委員会の面々は一体何事だと先生を見たが、すぐに彼女らはまだ名前を言っていなかった事を思い出した。
コガネがちらりと奥空アヤネの方の事を見る。
「…あ、そうですね。では…少し遅れちゃいましたけど、改めてご挨拶します、先生。私たちは、”アビドス対策委員会”です」
そこから、対策委員会のメンバーの紹介が始まった。
「私は、委員会で書記とオペレーターを担当している一年生の奥空アヤネ…こちらは同じく一年のセリカ、」
「どうも」
「二年のノノミ先輩とシロコ先輩。」
「よろしくお願いします、先生~」
「さっき、道端で最初に会ったのが、私。…あ、別にマウントを取ってる訳じゃない」
「こちらが委員長の、三年のホシノ先輩です」
「いやぁ~よろしく、先生ー」
「そして、こちらが…」
奥空アヤネはそこまで言った段階でコガネを見て、コガネは自分を見られた事でこれから自分が紹介されるのだろうと思ったが、何故やら奥空アヤネは焦った様子だ。
「ど、どうしましょう…コガネさんの学年が分かりません…!?」
…考えてみれば、コガネは己の学年を未だ定義していない。
「え?普通に一年生で良いんじゃないの?私はそう思って接してたんだけど」
コガネは、以前歓迎パーティーの際に、黒見セリカに更衣室まで案内されたことを思い出した。
…今になって考えてみれば、あれは会場の準備をするため、態々更衣室まで連れて行って着替えさせたのだろう。
コガネは思いもよらぬタイミングで気が付いた。
「ありゃ、確かに。コガネちゃんって何年生にするべきなんだろ~…」
「はい!私は、コガネちゃんは可愛いので、一年生がいいと思います☆」
「私も一年生がいいと思う。学年だけでも勝ちたい」
「学年は可愛いかどうかでは決まりませんよ!シロコ先輩に至っては私利私欲じゃないですか!」
「か、可愛いのか…?この顔が…?」
コガネは以前、鏡にて己の顔を見たことがあるが、この体は顔までも己が作ったキャラクターと同じであった。
コガネの作ったキャラクターは、俗にいう”クール系イケメン女子”をイメージして作ったものである。
故に可愛いとは少し異なると思っていたのだが、どうやら十六夜ノノミは可愛いと思っているらしい…。
「はい、コガネちゃんは可愛いですよ!」
「そ、そうか…?」
「え?そう?どっちかと言ったらカッコイイ系じゃない?」
コガネは、この話題はコガネと十六夜ノノミで完結すると思っていたのだが、何故やら黒見セリカも割り込んできた。
「ん、私もそう思う。多対一をものともせずに戦ってたコガネはすごく格好良かった」
「これそういう話…?」
「うへぇ、おじさんは可愛い派かなぁ。コガネちゃんは普段はクールだけど、意外と感情的で可愛いよ~?」
…気付けば、砂狼シロコと小鳥遊ホシノも混ざってきていた。
「ちょっと!皆さん!そんなこと話してる場合じゃ…!」
「アヤネちゃんはどう思う~?コガネちゃんが可愛いかカッコいいか~」
「え、うぅん…」
…どうやら、唯一免れていた奥空アヤネもついには巻き込まれてしまったらしい。
奥空アヤネはコガネの顔をまじまじと見つめる。
「…」
「…ぞ、存外気恥ずかしいものがあるな…」
「…あッ!?す、すみません!」
「いや、構わんが…」
コガネが少し言うと、奥空アヤネは顔を赤くして目を背けてしまった。
「…え、アヤネちゃん、嘘でしょ」
「あら~!二人とも可愛いですね~☆」
「うへぇー!若いねぇ二人とも~!」
…目まぐるしく変わる、会話の論点。
決して建設的ではない、だが、無意味でも決して無い。
コガネはこのような状況には慣れていなかったが、それでも、今が楽しいのだということは理解できた。
…ふと、コガネは先生のことを大分置き去りにしている気がして、先生の方を見たが。
先生は、優し気な微笑みを浮かべているのみであった。
”うん。やっぱり青春はこうじゃなきゃね”
コガネは対策委員会のメンバーに囲まれ、その喧騒の中に居ても、確かに聞いた。
…今決めるには早計かもしれないが、どうやら、この世界の先生が悪人である可能性は低そうだ。
コガネはそのことを確認すると、再び小気味の良い喧騒に身を投じるのであった。
百合喰らい(接種)の王笏
てぇてぇを喰らわん(接種)とする大蛇の王笏
百合の君主が、いつか掲げんとする象徴
「伝説の武器」のひとつ
その様は、時間に追われた寿司丸が
執筆時に垣間見た、コガ×アヤの幻視であるという
…アッ、pixivはこちらになります…
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=29420121