【MMOで〇〇作り】配信で作った川に水竜が住み着いた   作:荼枳尼天

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やだやだ2時間も待ちたくなぁい!!

 

 

 ダンジョン探しと近辺の調査をするつもりだが、それは獣皮が革になるかを確認したあとである。

 

 煙がもくもくと獣皮にまとわりついている様子をあぐらをかき肉を食べながら見ている。

 

「血生臭いって訳じゃないけど、シンプルにただの肉。美味くもないし不味くもない」

 

 肉を食べるのが2回目となれば、欲が出てくる。

 ゲーム内初めてのまともな食事で美味しく感じていたが、今はそうでもないと感じてしまっていた。

 

「…塩胡椒だけでもほしいなぁ」

 

:どんくらい時間かかんの?

:わからん

:さすがに数分ってことはない

 

「時間…あ〜確かに…」

 

 肉を食べ終わり、刺していた枝を焚き火に放り込んでから乾燥している狼の獣皮に近付く。

 

【乾燥完了まで 02:43:58】

 

「……2分?」

 

:んな訳あるか2時間だよダァホ!!

:なんなら3時間なんだよなあ

:草

 

「やだやだ2時間も待ちたくなぁい!!」

 

:じゃあダンジョンいくんか?

:放置すんのも危なくない?

:3時間な

 

 3時間弱何をするか、ダンジョンに行きたくて仕方ないナナイはその待ち時間すら苦痛だった。

 

「あ〜…」

 

:ダンジョンに行く準備してりゃ直ぐに3時間経つだろ

:確かに

 

「おー準備かぁ」

 

:敵もいるんだし、なんか武器作ったら?

:【投擲】と【斧術】に合わせた武器な

 

「確かに」

 

 狼との戦いを思い出す。

 片手斧で切り上げ、石礫を投げ、最後には斧すら投げた。

 

「…斧投げかぁ」

 

 アイテムボックスから片手斧を取り出して眺める。

 即興だったが【投擲】スキルが片手斧に乗ることはその時に確認できた。

 斧が光り、投擲し、狼の頭に命中した時の光景を思い出す。

 昂るような、胸の内が燃えるような、そんな感覚。

 

 気付けば、ナナイは片手斧の頭に使えような石を数点と、両手斧用の平たく大きい石、長めの棒と短めの棒を取り出した。

 

「イイね。それじゃあ、可能な限り片手斧を作りまくろう!武器用の両手斧も作るよ!」

 

 片手斧に関しては今までとおなじ工程で作っていく。

 3時間も時間があるため丁寧に。

 樹皮を石製ナイフで削ぎ落とし、念の為アイテムボックスに入れ、持ち手を形成。

 作業台に岩を乗せて下敷きにし、頭の石を添えて、そのまた上から石で打っていく。

 いつも通り頭を柄に固定するために紐で固く縛れば完成だ。

 

【石製片手斧】

完成度 : 最高

 

「おぇ?!最高は初めてでは…?」

 

:初めてだなぁ

:すげ

:最高クオリティですわ

 

「完成度ってどこまで上があるの?」

 

:今確認されてるのは傑作ですぬぇ〜

:最高の上が傑作

:でも、傑作よりも上があるんじゃね?って言われてる

 

「うーん奥が深い」

 

 その後もコツコツと片手斧を作っていく。

 

「いよっし、片手斧全部完成!!」

 

 最終的には6本作成し、元々持っていた片手斧を含めると7本になった。

 

「それじゃ、次は両手斧。と言っても伐採斧よりもサイズが大きい斧を作るだけだけどね」

 

 平たくて大きい石を両手で持ち、岩に添えて片手斧よりも強めに力を込めて打ち欠いていく。

 

「ふっ、ふんっ」

 

 どんどん頭が形成されていくが、慣れていないのかそれとも意識してか、どんどん形が斧らしく無くなっていく。

 

:やだ…なにこれ…

:斧…斧…?

:ちょっと待って…?

 

:なんでこんな…命を刈り取る形してんの…?

 

 伐採のための刃ではなく、効率的に敵を傷つける形に変わっていく。

 

「ふへ、ふへへ、なんか楽しくなってきた」

 

:ひぇ

:こわい

:草

 

 鋸刃のようになった斧の頭。

 両手で持ち上げるサイズになったそれを作業台の隅に起き、次は柄の加工に移っていく。

 

 ナイフで樹皮を取り除き、自分の手に収まるように削った。

 

 予め彫ってあった溝に斧頭を取り付け、紐を数本使って振った時にすっぽ抜けないように幾重にも固く縛った。

 

「【道具作成】……完成!」

 

【鋸斧】

完成度 : 傑作

 

「…………傑作ってもしかして簡単?」

 

:んな訳あるか原始人!!

:バァカ!!

:石器の傑作なんて鉄器よりも弱いんだからね!勘違いしないでよね!!

 

「うっさい!!」

 

 出来上がった凶悪な大型斧を両手で持ち上げる。

 明らかに重い。

 レベルアップした筋力、ドワーフの補正値があってもなお重量を感じる。

 

「おっも…」

 

 肩に担ぐ。

 

「イイねぇ」

 

 袈裟懸けに振るい瞬時に右手を逆手に持ち替え切り返す。

 柄を長めに持って振るう。

 身体を回転させながら振るう。

 

 それは演武のようだった。

 踊るように大きな斧を操るその姿はリスナーを驚かせる。

 

:何をされてる方なの…?

:でっけぇ武器だな…

:これ耐久性大丈夫…?石器だけど…

 

「使ってみてじゃない?」

 

 鋸斧をアイテムボックスにしまい、皮に近付く。

 

【乾燥完了】

 

 そう表示された狼の皮を乾燥ラックから取ると、アイテム名が表示された。

 

【狼革】

完成度 : 低

 

「さすがに低いなぁ…」

 

 完成した狼革は厚くそれでいて柔軟。

 ここから加工していくのだろう。

 

「それじゃあポンチョ作ろっ」

 

 今の段階では糸も針もなく、使える衣服用の素材は紐だけだ。

 

「うーん…簡単にしか作れないね」

 

 石ナイフで狼革の首から肩にかけてナイフで穴を開けていく。

 

「ここに紐を交互に通してくよ」

 

 ナイフで開けた穴に紐を通す。

 

「これで…まあ、…ポンチョモドキっす」

 

【狼革のポンチョモドキ】

完成度 : 劣悪

 

「低から劣悪まで叩き落とされたんだが?!?!」

 

:草

:草草の草

:さすがに草

 

 悔しげに歯を食いしばりながらポンチョモドキを身にまとい紐を縛る。

 

「どう?…まあ、裸よりかはマシでしょ?」

 

:単刀直入に言うと、蛮族

:野生児

:まともな服を着る時が来るのか怪しいもんだな

 

「ひどい!!」

 

 リスナーの酷い言い草に地団駄を踏みつつ、夕方に入りつつある空を見る。

 

「…それじゃあ出かけよっか。ダンジョン見つけるぞ!」

 

 拳を空に突き上げて装備を新たに、探索へと向かうのだった。

 

 

 

 




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