【MMOで〇〇作り】配信で作った川に水竜が住み着いた   作:荼枳尼天

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あーしの打製技術を見せてやろう!

 

 

「それじゃ、初歩的な道具から作っていくよ」

 

 まだまだ耐久力がある石ナイフを取り出しながら木の棒をもう片方の手に持つ。

 

「リスナーのみんなに問題。棒とナイフで何を作るでしょう?」

 

:え?

:槍でも作るんか?

:獣狩れるんか?

:レベルまだ1やろ?

 

「動物は資源の塊ですからこれから触れる要素ではあるよ〜ん。でも!今回は違います」

 

 動物を狩るというのは身一つでサバイバルをする時点でいつか必要になる。文明の進化には必要不可欠だ。

 だが、今回作る道具は少し違う。

 

「ヒント!最古の農具だよん」

 

:あ、なるほど

:え?なに?

:先週までその時代勉強してたからちょうどわかったわ

 

「正解は、ディギングスティック。掘り棒だね」

 

:わかるかよ!!

:誰がわかるん?

 

「授業中に授業受けずに教科書読んでるオタクくんならわかるんじゃない?」

 

:教科書の隅に書いてる道具さんですか

:おっさんにゃわからんよ

:道具の歴史を一から歩こうとしているのはある意味尊敬できる。

 

「まあでも、作り方は木の槍と同じじゃないかな。棒の先を尖らせるだけだしね。【道具作成】」

 

 【道具作成】を発動させてから棒の先をナイフで削る。

 工程は簡単なためすぐに完成する。

 

「掘り棒完成!完成度は相変わらず劣悪ね!それじゃ、掘り棒の限界が来るまではこれで頑張るよ。限界が来たら改造して槍にしまーす」

 

:リサイクルの鑑

:でもすぐに限界は来ると思うよ

 

「確かにねー…石斧のノウハウはあるから鍬を作ってもいいかもだけど、何事も経験。掘り棒を使ってみたいのです!掘り棒を使って根菜を収穫しようか!」

 

 作った道具はとりあえず使いたい。石鍬が作れた段階にいたとしても、この掘り棒を作ること自体がロスだとしても、それを口に出すことはしない。

 ただ使いたいのである。

 

「【自然物鑑定】」

 

【野生の根菜】

・ 食用

・ 栽培可

・ 品質 : 低

・ 備考 : 水分の多い土地で見られる

 

「この根菜を今から収穫していくよ!」

 

 まずは根菜の周りから土を排除していき、土が固くなってきたら掘り棒で根菜を掘り起こしていく。

 傷つけないように、慎重な手つきで根菜を取り出した。

 

「…なんか変わってる、かな?【自然物鑑定】」

 

【野生の根菜】

・ 食用

・ 栽培可

・ 品質 : 中

・ 備考 : 水分の多い土地で見られる

 

「お、おおおおおお!」

 

:品質上昇すんの?

:すげぇ

:丁寧に収穫してもろて

 

「どんどん収穫しよう!」

 

 それから昼前までひたすら収穫していく。

 本拠地での収穫結果は以下の通りである。

【野生の根菜】×6

【野生の薬草】×7

【野生の果菜】×5

 

 野菜を収穫し終わり、残ったのは豊かな土壌。

 土地は広いのだが、ナナイには不満が少しあった。

 

「あの若木邪魔だなぁ…伐採…ウッドデストロイヤーさんの傷があるとはいえなぁ…頑丈に作るにはどうしたらいいんだろう?」

 

:樹木の破壊者さんって片手斧サイズだったよね?

:太くて長い柄とデカイ斧の頭を作ればいい線いくのでは?

 

「あー!ハンドアックスじゃなくて伐採斧を作るイメージか!」

 

 シンプルな解決方法ゆえにナナイの理解も早い。

 元々、ハンドアックスのノウハウがあるため、手早く素材の選定に移る。

 

「両腕で握っても問題ない大きさの棒かな〜…あ、あれかな!」

 

 軽々と木に登ってから目星をつけた枝に石ナイフで傷を付ける。

 

「なんだかんだ言ってハンドアックスって便利だったなぁ〜っと!!」

 

 バキバキッ

 

 傷をつけた枝に遠心力をかけながら全体重をかけて若木から剥ぎ取る。

 

:ワイルドすぎん?

:野生児ですから

:大人しくハンドアックス作らん?

 

「そのうち!」

 

 大きな枝を柄に加工していく。

 なかなかに酷使されている石ナイフの耐久力も心配だが現時点では問題なさそうだ。

 

 それなりの力をかけて樹皮を取り除いて手に馴染む形で加工しようとするが当然上手くはいかない。

 斧頭を取り付けるための隙間を彫り込んでから石ナイフをしまう。

 

「完成!」

 

:ほんまにこれで大丈夫?

 

「斧の頭パーツを挟んでから紐で無理やり固定するよ!圧迫して固定する形にするから…まあ、多分上手くいく!!」

 

 ふわっふわな推論にリスナーも頭を抱えるが、この推論の果てに何があるか気になるのも事実なのであまり核心をつくことは言わない。

 

 その間に、アイテムボックスに入れてあった岩と、もう2つ丁度いい大きさの石を取り出す。

 

「あーしの打製技術を見せてやろう!」

 

 岩に石を乗せ手で固定したあと、石で打ち据える。

 カチン、カチンと音がする度に石が欠けていく。

 

「あっ」

 

 打ち据えた石が指に当たりポリゴンが舞った。

 

「…いっったそう!!」

 

 思わず石を取り落として指を抑える。

 現実で同じことが起こったらどれほど痛いのかを想像して顔を青くしていた。

 

:反応がリアル

:怖いよ

:やめてね

 

「見てよ!ズタズタなんだけど!」

 

:見せないで

:草

:鳥肌立つ

 

 爪と指の間に傷があるようでゲーム的な表現でマイルドになってはいるがグロいと思えばモザイクがあろうとなかろうとグロいのだ。

 

:ゲームだけど手指欠けちゃうから気をつけてね

 

「ひぇ…みんなも気をつけてね…」

 

 気を取り直してナナイは作業を再開した。

 今までよりも3割程増して慎重になったナナイは、直上から太陽が少し過ぎて言った頃にアックスヘッドを完成させた。

 

「いよし!【道具作成】!からの…」

 

 柄に彫ってあった隙間を広げてからヘッドを入れて、紐で縛る。

 可能な限り力を込めて圧迫し簡単にヘッドが外れないように工夫する。

 

「伐採斧、完成だー!」

 

 ナナイのアバターに対して大きめの伐採斧が完成した。

 天に掲げて得意げに笑っている。

 

【石製伐採斧】

・完成度 : 中

 

「中?!ほんとに?!劣悪から一足飛びだー!」

 

 ナナイがもつ現状最高の道具。

 そしてこれまでで1番手間をかけた相棒になる。

 ウッドデストロイヤー以上の愛着を持ってしまうのも当然だった。

 

 そしてそれ以外に学んだこともある。

 

「手間をかければ完成度は上がる!これからが楽しみだね!!この若木を伐採して、石鍬を作って畑作り本格開始ね!!リスナー!!」

 

:おーー!!

:やったー!

:楽しみ。

 

「というわけで。ログアウトします」

 

:え?

:置いてかないで

:そんなー!

 

「あーし、最近は忙しいからさ。えーっと…現実であしたの18時にログインするからね〜。ゲーム内だとお昼ぐらいかな。そんじゃ、リスナーたち、長い間ありがとう!」

 

 

:おつ

:おつ

:おつ

:おつ

 

「それじゃ、ログアウトします!えーっと…ナナイでした!ばいばーい!」

 

 

『【MMOでテント作り】サバイバー!!』

#ギャル #ドワーフ #サバイバル #バッカロア湖

最終総視聴者数 : 406人

チャンネル登録者数 : 369人




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