偽りの夢
(何かがおかしい。)
私はそう思った。
私は岸波白野、この月海原学園の生徒の筈だけどなんだか違和感を感じる。
そう感じたけど何をすれば良いのかわからない。
捜査の基本は足からという事で少し校舎を探索してみたら教室の一つに
「あら、せっかくの内装替えを楽しんでいたのにもう終わりなの?」
「いや何をしているんですか?」
彼女は全能の少女、私を夢の中からサポートしてくれる人なんだけどそんな彼女がここにいるという事はここは夢の中なの?
「その通りだけど少し違うわ。これは私が見せている夢ではないの。これは夢の形をしただけの安寧の牢獄、なんらかのきっかけがなければ起きる事すら出来ないの。」
つまりはこのままだと永眠し続けると?
「その通りよ。だけど私なら簡単に目覚めさせられるわ。では重要な部分は思い出させてあげる。」
全能がそう言うと同時に私の事を思い出した、本来ならロックとかをされてそうだけど全能にとってはその程度は簡単に解けるものらしい。
「ではサーヴァントを呼ぶと言いたい所なんだけど少々問題があってね。貴女のサーヴァントは私が用意したイレギュラーなサーヴァント、この事態になった時にムーンセルによって排除されてしまったの。」
全能と私の関係は並行世界の私らしい、全能は私を観測してその人生を楽しむがその代わりに私をサポートしてくれるという関係だ。
サーヴァントは全能によって用意された訳だからイレギュラーとして聖杯によって排除されてしまったらしい。
「代わりに別のサーヴァントという訳だけどこの事態に干渉しようとする私がいてね。その子をサーヴァントとして送る事になったの。」
少々困った様子で全能が言うからどんな問題児なんだ?
「簡単に言えば未来の貴女ね。聖杯戦争に勝利して権限を得た貴女というべき貴女ね。干渉する理由はこの事態を引き起こした者の情報を得る事。」
そう聞き私は納得した。
確かこの聖杯は全能が言うにはこういったイレギュラーなどのデータはなかった事にするらしい。
「ではサーヴァント契約ね。」
全能はそう言ってきたので私は令呪を刻まれた手を出した。
その時教室の外が黒いノイズに覆われた。
「あら、気づかれてしまったわ。」
全能がそう言うと黒いノイズと私の間に防壁が張られた。
「では呼びなさい、クラスは…
その声に私はすぐに反応して呼び出した。
「来て!ムーンキャンサー!」
私の呼び声に令呪が光りサーヴァントが呼び出された。
「やっと召喚されたか。少々待ちくたびれていたんだけど。」
呼び出したサーヴァントは当たり前だが並行世界の未来の私の為私にそっくりだった。
「では既にわかっていると思うけど自己紹介を、私は貴女のサーヴァント。クラスはムーンキャンサー。真名は【岸波白野】よろしくね。」
「サーヴァントを召喚したわね、ではお目覚めの時間よ。」
そう全能が言うと同時に意識が薄くなっていき私は夢から覚めた。