今回はハナコとアズサの面談です。
楽しんでもらえたら嬉しいです!
――午後一時三十分。
「……ふふっ。ナギサ様に直接お呼びいただけるなんて、光栄です」
三人目の面談相手が、柔らかな笑みを浮かべながら椅子に腰を下ろした。
桃色がかった長い髪。
上品な雰囲気。
そして、どこか人を試すような瞳。
(……ハナコだ)
浦和ハナコ。
原作でも屈指の頭脳を持ち、補習授業部の中でも特に重要な役割を果たす少女。
その頭の回転の速さは、俺もよく知っている。
さらに、彼女にはもう一つ厄介な特徴があった。
(……たしか、人をからかうのが大好きなんだよな)
独特な言い回しで相手を困惑させ、その反応を楽しむ。
原作でも、何度となく見てきた光景だった。
(……変に反応したら、絶対に遊ばれる)
ただでさえ、今の俺は中身が男だ。
そんなことを悟られれば、何を言われるか分かったものではない。
(……よし。ここは冷静に対応しよう)
俺は表情を整えた。
「……浦和ハナコさんですね」
「はい。お会いできて嬉しいです、ナギサ様」
「こちらこそ。本日は学業について、少しお話を伺いたくて」
「まあ。私のお勉強について、ですか?」
「はい」
「ふふっ。それでしたら、私も色々と教えていただきたいことがあります」
「……教えていただきたいこと?」
「ええ。例えば……二人きりで行う、特別授業について、とか♡」
(……来た!)
予想通りだった。
ハナコは柔らかく微笑みながら、こちらの反応を窺っている。
こういうとき、まともに動揺してしまえば相手の思うつぼだ。
かといって、同じようにからかい返せば、余計に話が長くなるかもしれない。
(……だったら、こうしよう)
俺は、できるだけ何も分かっていないような笑顔を浮かべた。
「ええ、もちろんです」
「……え?」
「個別指導ということですね。確かに、一対一の方が苦手な分野を重点的に教えられますから」
「…………」
「ただ、私も準備が必要ですので、まずは苦手科目を教えていただけますか?」
ハナコの笑顔が固まった。
「……あの、ナギサ様?」
「はい?」
「……私が申し上げたのは、そういうお勉強ではなくてですね……」
「……?」
俺は不思議そうに首を傾げた。
(……もちろん、分かってるけどな)
しかし、ここで表情を崩してはいけない。
「もしかして、勉強の仕方そのものについてでしょうか?」
「……えっ?」
「でしたら、まずは普段の学習時間から見直してみましょうか。効率的な勉強方法でしたら、私も多少はお力になれると思いますよ」
「…………」
ハナコが珍しく言葉を失っている。
(……よし、効いてるな)
俺は内心で笑いながら、さらに続けた。
「それとも、もっと高度な内容をご希望でしょうか?」
「……こ、高度な内容?」
「はい。ハナコさんは非常に優秀だと伺っていますので、通常の授業では物足りないのかもしれませんね」
「…………」
「必要でしたら、上級生向けの教材もご用意しますよ」
ハナコは、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。
そして、ゆっくりと口を開く。
「……ナギサ様」
「はい?」
「……もしかして、本当に分かっていらっしゃらないのですか?」
(……いや、もちろん分かってる)
ここで認めたら台無しだ。
俺は何食わぬ顔で微笑んだ。
「……? 何のことでしょう?」
「…………」
「お勉強のお話でしたよね?」
「……っ」
ハナコは一瞬だけ口を開きかけた。
しかし、何かを言おうとして、すぐに閉じる。
そして、困ったように笑った。
「……ふふっ。そうですね。お勉強のお話でした」
「ええ」
「……ナギサ様は、思っていたよりずっと真面目な方なのですね」
「そうでしょうか?」
「はい。もう少し違う反応をしていただけるかと思ったのですが……」
ハナコは少しだけ残念そうに呟いた。
(……なるほど。やっぱり反応を楽しみにしていたわけか)
しかし、俺は最後まで表情を崩さない。
「ふふっ。何かご期待に添えなかったのでしょうか?」
「……いえ」
ハナコは小さく首を振った。
「むしろ、少し驚いてしまいました」
「そうですか?」
「はい。……ふふっ」
彼女は改めて俺の顔を見つめた。
その瞳が、少しだけ細められる。
「……ところで、ナギサ様」
「はい?」
「本当に、何も分かっていらっしゃらないんですか?」
(……おっと)
どうやら、少し疑われているらしい。
さすがに、何度も同じ方法でかわすのは難しいかもしれない。
だが。
「……?」
俺は再び首を傾げた。
「申し訳ありません。私、何かおかしなことを申し上げましたか?」
「…………」
ハナコは、じっと俺の顔を見つめていた。
数秒間の沈黙。
そして。
「……ふふふっ」
小さく笑い始めた。
「……これは、一本取られましたね」
「……?」
「いえ、何でもありません」
ハナコは楽しそうに微笑んだ。
「ナギサ様って、案外意地悪な方なのかもしれませんね」
「……そうでしょうか?」
「ふふっ。さあ、どうでしょう?」
(……バレたか?)
俺は内心で苦笑した。
どうやら、完全に騙せたわけではないらしい。
それでも、少なくとも彼女のからかいを封じることには成功したようだ。
(……まあ、悪くない結果だな)
「さて、そろそろ本題に入りましょうか」
「……はい。そうですね」
ハナコも姿勢を正した。
ただ、その口元には、まだ少し楽しそうな笑みが残っていた。
(……この子、絶対に面白がってるな)
俺は何とか平静を保った。
「以前のあなたは、非常に優秀な成績を収めていたそうですね」
「昔のことですよ」
「しかし、現在の成績は大きく低下しています」
「そうですねぇ。最近は、お勉強が苦手になってしまいまして」
「……本当に?」
そう尋ねると、ハナコの笑みが少しだけ変わった。
「……どういう意味でしょう?」
「一年生の頃の成績を確認しました。これほど優秀だった方が、突然ここまで成績を落とすのは不自然です」
「…………」
「何か、理由があるのではありませんか?」
ハナコは、しばらく俺の顔を見つめていた。
その瞳から、先ほどまでの楽しげな雰囲気が消えていく。
「……ナギサ様は、私を疑っていらっしゃるのですか?」
(……鋭いな)
少しの会話で、そこまで察するのか。
さすがは浦和ハナコ。
しかし、ここで追及するつもりはなかった。
「……いいえ」
「……?」
「私は、あなたが何か困っているのではないかと思っているのです」
「…………」
「成績が落ちた理由が、単なる学力の問題とは思えませんから」
ハナコは少し驚いたように目を見開いた。
「……困っている、ですか」
「ええ」
「…………」
彼女はしばらく黙り込んだ。
そして、ゆっくりと微笑んだ。
「……ふふっ。ナギサ様は、お優しいのですね」
「そうでしょうか?」
「はい。ですが……」
ハナコは、こちらを真っ直ぐに見つめた。
「優しさだけでは、解決できないこともありますよ?」
「……そうですね」
俺は静かに頷いた。
「ですから、私もあなたのことをもっと知りたいのです」
「…………」
「無理にお話しいただく必要はありません。ただ、もし誰かに相談したくなったら、私もその一人に加えていただけると嬉しいですね」
ハナコの表情が、ほんの少しだけ変わった。
「……それは、ティーパーティーのホストとしてのお言葉ですか?」
「……そうですね」
少し考えたあと、俺は微笑んだ。
「一人の生徒を心配する、桐藤ナギサとしての言葉です」
「…………」
ハナコは、しばらく何も言わなかった。
そして、小さく笑った。
「……変わった方ですね」
(……まあ、中身は別人だからな)
心の中で苦笑する。
「……ところで、ハナコさん」
「はい?」
「今後、補習授業部という新しい部活動を設立する予定です」
「補習授業部、ですか?」
「ええ。学業に問題を抱えている生徒を集め、特別な試験を受けていただく予定です」
「……ふふっ」
ハナコは、なぜか楽しそうに笑った。
「それは、面白そうですね」
「そうですか?」
「はい。どのような方々とご一緒できるのか、楽しみです」
(……やっぱり、この子は)
恐らく、何かを察している。
ただ、少なくとも現時点では、原作との大きな違いは見当たらない。
ハナコは相変わらず優秀で、相変わらず本心を隠している。
(……でも、それでいい)
この子が自分の才能を隠す必要がなくなるように。
何より、心から信頼できる友人を作れるように。
(……補習授業部で、少しでも変わってくれたらいいな)
「詳細は、後日お知らせします」
「はい。楽しみにしていますね、ナギサ様」
ハナコは立ち上がった。
そして、扉へ向かいかけたところで足を止める。
「……ああ、そうそう」
「はい?」
「ナギサ様こそ、少しお休みになった方がよろしいのでは?」
「……え?」
「ふふっ。今日は少し、顔色が優れないようでしたので」
(……またか!)
ヒフミに続き、ハナコまで。
「……ご心配ありがとうございます。少し疲れているだけですので」
「そうですか」
ハナコは柔らかく微笑んだ。
「でしたら、どうかご自愛くださいね」
「……ええ」
その言葉を残して、彼女は部屋を出ていった。
扉が閉まる。
「…………」
数秒間の沈黙。
そして。
「……はぁぁぁぁ……!」
俺は机に突っ伏した。
(……疲れた……!)
いや、本当に。
何とか平然とした態度を保てたとは思う。
だが、あの子の前で演技を続けるのは、想像以上に大変だった。
(……あれ、途中から絶対に疑ってたよな)
最後の方なんて、明らかにこちらの反応を観察していた。
もしかすると、わざと天然を装っていたことも見抜かれていたのかもしれない。
(……まあ、いいか)
少なくとも、面談そのものは無事に終わった。
それに、ああいう冗談を交わせる程度には、悪い印象を持たれなかったようだ。
しかし、ハナコは原作でも重要な人物だ。
彼女の存在がなければ、補習授業部は何度も危機に陥っていたはずだ。
それに、彼女自身もまた、トリニティの複雑な事情に苦しんでいた。
(……絶対に、この子にも幸せになってもらいたい)
そう強く思った。
◇
――午後三時。
最後の面談相手は、白洲アズサだった。
最近、トリニティへ転入してきた少女。
そして、原作ではアリウス分校から送り込まれた潜入者でもある。
(……アズサか)
彼女がエデン条約編で果たす役割は非常に大きい。
しかし、だからといって、今すぐ正体を暴くつもりはなかった。
むしろ、彼女が補習授業部へ入り、ヒフミたちと出会うことが重要だ。
(……ここでアズサを排除したら、原作のような友情は生まれないかもしれない)
そう考えていると、扉がノックされた。
「……失礼します」
銀色の髪。
どこか無機質な表情。
(……アズサだ)
白洲アズサ。
彼女は室内へ入ると、一瞬だけ周囲へ視線を向けた。
窓。
扉。
部屋の隅。
(……退路を確認しているのか?)
その仕草は、普通の学生とは明らかに違っていた。
「白洲アズサさんですね。どうぞ、お掛けください」
「……分かった」
アズサは椅子に腰を下ろした。
背筋は真っ直ぐ。
表情に変化はない。
しかし、こちらを警戒していることは伝わってきた。
「本日は、転入後の生活について確認させていただきます」
「……分かった」
「最近、他の生徒との間で問題があったと聞いています」
「…………」
アズサの表情が硬くなった。
「何か、事情があるのでしょうか?」
「……必要だった」
「必要?」
「あの状況では、ああするしかなかった」
(……やっぱり、原作通りか)
原作では、アズサが正義実現委員会と衝突した背景には、いじめを受けていた生徒を助けたことが関係していた。
しかし、その事情は周囲に正しく伝わっていなかった。
(……ここで全部知ってるようなことを言ったら、不自然だよな)
俺は書類に目を落とした。
「……そうですか」
「…………」
「事情があることは分かりました。ですが、次に同じようなことが起きたときには、できれば周囲の方々に相談してください」
「……相談?」
「はい。あなた一人ですべてを解決する必要はありませんから」
アズサは少し首を傾げた。
「……だが、誰も助けてくれなかったら?」
「そのときは、私に相談してください」
「…………」
アズサが目を見開いた。
「……ナギサに?」
「ええ」
「…………」
彼女はしばらく黙り込んだ。
そして、小さく呟いた。
「……覚えておく」
(……よかった)
少なくとも、悪い印象は持たれていないようだ。
「それと、学業についてですが……」
「……ああ」
「転入前と現在では、授業の進度が異なるようですね」
「……そうだ」
「慣れるまでは大変だと思います。分からないことがあれば、遠慮なく質問してくださいね」
「……分かった」
俺は微笑んだ。
「今後、補習授業部という新しい部活動を設立する予定です。あなたにも参加していただく可能性があります」
「……補習授業部?」
「はい。他にも複数の生徒が参加することになります」
アズサは少し考え込んだ。
「……分かった」
「……よろしいのですか?」
「必要なら、従う」
あまりにもあっさりした返答だった。
(……まあ、アズサらしいか)
ただ、俺は一つだけ確認しておきたいことがあった。
「……アズサさん」
「……何だ?」
「トリニティでの生活について、何か希望はありますか?」
「…………」
アズサは少し驚いたように目を見開いた。
そして、しばらく考え込む。
「……普通の学校生活」
「……普通の?」
「……ああ」
彼女は窓の外へ視線を向けた。
「授業を受けて、友達と話して……そういう生活を、してみたい」
「…………」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなった。
(……ああ、やっぱり)
この子が本当に望んでいるのは、特別な力でも、地位でもない。
ただ、普通の学生として暮らすこと。
友達と笑い合い、学校生活を楽しむこと。
そんな、ごく当たり前の幸せだった。
(……大丈夫だよ、アズサ)
俺は、できる限り自然な表情を保った。
「……補習授業部では、他の生徒と協力していただくことになります」
「……協力?」
「ええ。試験に合格するためには、互いに助け合う必要があるでしょう」
「…………」
「それも、学校生活の一つではありませんか?」
アズサはしばらく黙り込んだ。
そして、小さく頷いた。
「……そうかもしれない」
「……ええ」
俺は静かに微笑んだ。
「きっと、素敵な友人ができますよ」
「…………」
アズサは何も答えなかった。
しかし、その表情がほんの少しだけ和らいだように見えた。
(……よし)
これで、四人全員との面談が終わった。
少なくとも、重要な部分は原作と一致している。
(……なら、予定通り進めよう)
そう考えながら、最後の書類を閉じた。
「本日はありがとうございました。詳細については、後日お知らせします」
「……分かった」
アズサは立ち上がり、扉へ向かった。
そして、退出する直前。
「……ナギサ」
「……はい?」
「……顔色が悪い」
「…………」
(……また!?)
思わず叫びそうになった。
ヒフミ。
ハナコ。
そしてアズサまで。
四人中三人に心配されるとは。
「……お気遣いありがとうございます。少し疲れているだけですので」
「……そうか」
アズサは短く頷いた。
「……無理はしない方がいい」
「……ええ」
その言葉を残して、彼女は部屋を出ていった。
扉が閉まる。
「……はぁぁ……」
俺は深く息を吐いた。
(……本当に、みんないい子だな)
こんな子たちを退学させようとしていたなんて。
原作のナギサがどれほど追い詰められていたのか、改めて考えさせられた。
◇
――午後四時。
「……終わったぁ……」
最後の面談を終えた俺は、椅子にもたれかかった。
身体が重い。
頭が痛い。
そして何より、眠い。
(……さすがに、無理しすぎたな)
朝から四人の面談をこなした。
合間には、ティーパーティーの仕事に関する書類も確認していた。
当然、身体への負担は大きい。
「……うぅ……」
机に突っ伏しそうになる。
(……もう、休みたい……)
しかし、仕事のことを考えると、どうしても落ち着かなかった。
机には、まだ未処理の書類が残っている。
エデン条約に関する資料。
学園内の警備計画。
各派閥との調整記録。
(……ああ、これがナギサの日常だったのか)
頭の奥に、妙な焦りが生まれる。
早く終わらせなければ。
自分がやらなければ。
皆に迷惑をかけてしまう。
「……っ」
思わず首を横に振った。
(……違う。今は休んでいいんだ)
今の俺には、ナギサの記憶も感情も残っている。
だからこそ、彼女の考え方に引きずられてしまうのかもしれない。
(……本当に、救わないとな)
俺は一度目を閉じた。
そして、今日会った四人の顔を思い浮かべる。
ヒフミ。
コハル。
ハナコ。
アズサ。
いずれも、原作で見た彼女たちと大きな違いはなかった。
ヒフミは優しく、少し抜けている。
コハルは強がりだが、真面目で責任感がある。
ハナコは頭が良く、周囲をよく観察している。
そして、アズサは不器用ながらも、普通の学校生活を望んでいる。
(……よかった)
少なくとも、今のところ原作との大きな違いは確認できていない。
ナギサが自殺を図ったかもしれないことを除けば、すべてが原作とほぼ一致している。
(……なら、やっぱり補習授業部は原作通りに進めよう)
四人を集める。
先生に指導を任せる。
特別学力試験を実施する。
そして、彼女たちが一緒に勉強し、友情を育めるようにする。
それだけではない。
ヒフミには、趣味と学業を両立する方法を。
コハルには、基礎から学ぶことの大切さを。
ハナコには、自分の才能を隠さなくても良いと思える居場所を。
そしてアズサには、普通の学校生活と、心から信頼できる友人を。
(……補習授業部で、全部解決できたら最高だな)
もちろん、簡単ではないだろう。
だが、四人が力を合わせれば、きっと乗り越えられる。
(……それに、先生もいる)
シャーレの先生。
この世界で、数多くの生徒たちを救ってきた大人。
原作では、彼が補習授業部を導いていた。
ならば、今回も協力してもらおう。
(……ただし、原作のような悲劇は起こさせない)
ミカの裏切り。
セイアの苦しみ。
アリウスによる襲撃。
そして、エデン条約の締結式で起こる惨劇。
それらを、できる限り防ぎたい。
(……そのためなら、多少嫌われても構わない)
いずれは、四人に対して厳しい態度を取る必要があるかもしれない。
先生からも、疑われるかもしれない。
けれど、それで彼女たちが仲良くなり、最後には全員が笑っていられるのなら。
(……俺は、悪役にだってなってやる)
ただし、本当に誰かを傷つけるつもりはない。
原作のナギサが犯した過ちを、そのまま繰り返す必要はないのだから。
そして、元のナギサが戻ってきたとき。
今日会った四人が、彼女を笑顔で迎えてくれるような関係を築いておきたい。
(……ナギサにも、もっと友達ができたらいいな)
そんなことを考えていた、その時だった。
コンコン。
「……ナギサ様」
扉の向こうから声がした。
「はい。どうしましたか?」
「聖園ミカ様がお見えになっています」
「…………え?」
思わず、間の抜けた声が出た。
(……ミカ?)
心臓が跳ねた。
今日、彼女と会う予定はなかったはずだ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
ハナコのからかいを何とか乗り切ったナギサ様でした
次回はついにミカとの対面です!
よかったら評価やコメントもいただけると嬉しいです!