今回は、補習授業部の第一次試験の結果発表です!
原作より早い段階から勉強を始めていた四人ですが、果たして結果はどうなったのでしょうか?
それでは、お楽しみください!
翌日――午後三時。
「……あっ、先生!」
「……ん?」
廊下を歩いていると、見慣れた姿を見つけた。
シャーレの先生だ。
「ナギサ。こんにちは」
「ごきげんよう、先生」
俺は、軽く頭を下げた。
「……ところで、先生」
「どうしたの?」
「補習授業部の第一次試験ですが、結果はいかがでしたか?」
「ああ、ちょうどよかった」
先生が、手にしていた書類を軽く持ち上げた。
「今から、みんなに結果を伝えに行くところなんだ」
「……そうなのですか?」
「うん」
先生が、微笑んだ。
「それじゃあ、ナギサも一緒に聞く?」
…………。
それは、ありがたい。
「……よろしいのですか?」
「もちろん。ナギサもみんなのことを気にかけてくれていたしね」
「ありがとうございます。それでしたら、私もご一緒させていただきます」
「うん。行こうか」
…………。
俺は、先生と並んで歩き始めた。
(……さて、どうなったかな)
…………。
できれば、全員合格していてほしい。
今回は、原作より早い段階から勉強が始まっている。
きっと、その成果は出ているはずだ。
……ただ。
(……ハナコは、どうするつもりなんだろうな)
…………。
あの子の実力なら、元々合格するのは難しくない。
問題は、本人がそれを望むかどうかだ。
…………。
……まあ。
考えていても仕方ないな。
(……まずは、結果を見てからだ)
◇
――補習授業部、教室。
コンコン。
「はーい!」
扉の向こうから、ヒフミの声が返ってきた。
「みんな、お疲れさま」
「あっ、先生!」
先生が扉を開くと、ヒフミが嬉しそうに顔を上げた。
そして。
「……えっ!?」
俺の姿を見て、目を丸くした。
「ナ、ナギサ様!?」
「皆さん、ごきげんよう」
俺は、微笑んだ。
「試験、お疲れさまでした」
「ご、ごきげんよう!」
ヒフミが、慌てて頭を下げた。
「ナギサ様までいらっしゃるなんて……!」
「ふふっ。皆さんの結果が気になりまして」
「……あら」
ハナコが、いつもの柔らかな笑みを浮かべた。
「ナギサさんも、私たちのことが気になっていらしたんですね?」
「ええ。もちろんですよ」
「……ふふっ。それは嬉しいですね♡」
ハナコが、少しだけ身を乗り出した。
「でしたら、私のことも、しっかり見ていてくださいね?♡」
…………。
随分と自信がありそうだな。
「ええ。楽しみにしていますね」
「……ふふっ。約束ですよ?♡」
…………。
……うん。
相変わらず、ハナコとの会話は楽しいな。
「……わ、私だって頑張りましたから!」
コハルが、慌てたように声を上げた。
「ナギサ様、私の結果も見ていてください!」
「もちろんですよ、コハルさん」
「……は、はい!」
…………。
……うん。
コハルも元気そうだな。
と。
「…………」
アズサが、こちらをじっと見つめていた。
……ん?
「……アズサさん?」
「…………」
アズサの視線が、一瞬だけ俺の足元へ落ちた。
そして、もう一度こちらへ戻ってくる。
「……何かございましたか?」
「……いや」
アズサが、小さく首を振った。
「何でもない」
「……そうですか?」
…………。
……うーん。
何だったんだろうな。
……まあ、いいか。
「それじゃあ、みんな」
先生が、書類を取り出した。
「試験の結果を発表するよ」
…………。
その瞬間。
教室の空気が、少しだけ張り詰めた。
……さて。
いよいよだな。
◇
「今回の合格基準は、100点満点中60点以上だよ」
「……ろ、60点……」
コハルが、小さく呟いた。
…………。
……うん。
さっきまでの自信は、どこに行ったんだろうな。
「それじゃあ、まずはヒフミから」
「は、はいっ!」
「84点。合格だよ!」
「……えっ!?」
ヒフミが、目を見開いた。
そして。
「や、やりましたぁ!」
ぱっと表情を輝かせた。
「先生! ありがとうございます!」
「うん。よく頑張ったね」
…………。
(……84点か)
原作では、もっと低かったはずだ。
やっぱり、早めに勉強を始めてもらって正解だったな。
「ヒフミさん、おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます、ナギサ様!」
「ふふっ。よく頑張りましたね」
「……はいっ!」
……うん。
いい笑顔だ。
「次は、コハル」
「……っ!」
コハルが、びくりと肩を震わせた。
「だ、大丈夫です!」
…………。
……うん。
ものすごく緊張してるな。
「47点。残念だけど、不合格だね」
「…………え?」
コハルが、固まった。
「……よ、47点……?」
「うん。あと13点だね」
「……そ、そんな……」
コハルが、ぎゅっと拳を握った。
「……あんなに、勉強したのに……」
…………。
小さな声が聞こえてきた。
そして。
「……みんなに教えてもらったのに……」
…………。
「コハルさん?」
「……っ!?」
コハルが、慌てて顔を上げた。
「な、何でもありません!」
…………。
……うん。
相当悔しそうだな。
(……でも、47点か)
原作では、もっと苦戦していたはずだ。
頑張った成果は、ちゃんと出ているみたいだな。
……もちろん。
そんなことを本人に説明するわけにはいかないけどさ。
「コハルさん」
「……はい……」
「悔しいですか?」
「…………」
コハルが、少し俯いた。
「……はい」
…………。
……そっか。
「では、その悔しさを次の試験にぶつけましょう」
「……え?」
「合格まで、あと13点です」
俺は、微笑んだ。
「私もお手伝いしますから、一緒に頑張りましょうね」
「……ナギサ様……」
コハルが、目を見開いた。
そして。
「……はいっ!」
勢いよく頷いた。
「次こそは、絶対に合格してみせます!」
「ふふっ。期待していますね」
…………。
……うん。
いい意気込みだ。
「次は、アズサ」
「……ああ」
アズサが、静かに頷いた。
「52点。残念だけど、不合格だね」
「……そうか」
アズサは、少しだけ目を伏せた。
「……あと8点」
…………。
……うん。
惜しかったなぁ。
(……でも、アズサも頑張ったんだな)
慣れない環境で、初めてのことも多かっただろうに。
しっかり勉強してきたんだろう。
「アズサさんも、あと少しですね」
「……ああ」
アズサが、こちらを見つめた。
「次は、合格する」
「ええ。応援していますよ」
…………。
……よし。
二人とも、まだ十分に可能性はある。
次の試験では、ぜひ合格してほしいな。
…………。
さて。
残るは、一人。
「最後は、ハナコ」
「……はい♡」
ハナコが、にっこりと微笑んだ。
「……ふふっ。どうだったのでしょうね」
…………。
……ハナコか。
(……さて、どうなるかな)
…………。
あの子なら、満点だって取れるはずだ。
……ただ。
原作のことを考えると、少し気になるんだよな。
「ハナコは……」
先生が、書類に目を落とした。
「100点。満点だよ!」
…………。
…………。
(……えっ!?)
……100点?
…………。
(……原作2点だったハナコが!?)
…………。
ヒフミも、コハルも、アズサも。
今回は、原作より早い段階から勉強を始めていた。
だから、点数が上がっているのは納得できる。
……でも。
ハナコは、違う。
…………。
(……ほ、本当に、満点を取ってきたのか……)
…………。
「……ひゃ、100点!?」
コハルが、思わず立ち上がった。
「ハナコ!? あなた、満点だったの!?」
「……ふふっ」
ハナコが、楽しそうに笑った。
「はい。今日は、少し頑張ってみました」
「少しって……!」
…………。
……うん。
まあ、そうなるよな。
「ハナコさん、すごいです!」
ヒフミも、嬉しそうに声を上げた。
「満点だなんて!」
「ありがとうございます、ヒフミさん」
ハナコが、微笑んだ。
そして。
「……ナギサさん?」
「……はい?」
「私、頑張りましたよ?」
…………。
「ええ。満点、おめでとうございます」
俺は、微笑んだ。
「素晴らしい結果ですね」
「……ふふっ。ありがとうございます♡」
ハナコが、嬉しそうに目を細めた。
「……実は、ですね」
「……はい?」
「今日は、絶対に満点を取りたいと思っていたんです」
…………。
……わざわざ満点を?
「……それは、またどうしてですか?」
「……ふふっ」
ハナコが、こちらを見つめた。
「ナギサさんに、たくさん褒めていただきたかったので♡」
…………。
(……えっ?)
…………。
……褒めてもらいたかったから?
…………。
(……あっ)
……そういえば。
以前、ハナコとキャンバスの話をしたよな。
(……もしかして、あの時の言葉が届いたのかな)
…………。
……そっかぁ。
(……嬉しいなぁ)
自分でやりたいことを決めて。
そのために頑張って。
こうして、結果まで出してきたんだ。
…………。
(……うん。偉いぞ、ハナコ!)
…………。
……よし。
だったら、ちゃんと褒めてあげないとな。
「それでは、改めまして」
俺は、ハナコへ向き直った。
「ハナコさん。本当によく頑張りましたね」
「……ふふっ。ありがとうございます♡」
「満点という結果も素晴らしいですが……」
俺は、ハナコの目をまっすぐに見つめた。
「ご自分で目標を決めて、そのために努力されたことが、私は何より嬉しいです」
「…………!」
ハナコが、目を見開いた。
「……あ……」
「ふふっ。本当に、立派ですよ。ハナコさん」
「…………っ」
…………。
ハナコの頬が、少しずつ赤くなっていく。
「……あ、ありがとう……ございます……」
…………。
……あれ?
さっきまでの勢いは、どこに行ったんだ?
「……ハナコさん?」
「……は、はい……?」
…………。
(……もしかして、照れてる?)
…………。
……へぇ。
普段はあんなに堂々と人をからかっているのに。
真正面から褒められると、こんな反応になるのか。
(……ふふっ。可愛いところもあるんだなぁ)
…………。
……よし。
ちょっと、からかってみるか。
「……ふふっ。どうかなさいましたか?」
「……えっ?」
「先ほどまで、あんなに褒めてほしそうにしていらっしゃったのに」
俺は、少しだけ首を傾げた。
「もしかして、照れていらっしゃるんですか?」
「…………っ!」
ハナコの頬が、さらに赤くなった。
「……も、もう……ナギサさん……」
…………。
(……本当に照れてる)
……いやぁ。
これは珍しいものを見たなぁ。
「……?」
ふと見ると、ヒフミがハナコの方を見つめていた。
「……ヒフミさん?」
「……あっ! い、いえ!」
ヒフミが、慌てて首を振った。
「何でもありません!」
…………。
……そうか?
……まあ、いいか。
「……ふふっ」
ハナコが、小さく息を整えた。
そして、いつもの笑みを浮かべる。
「……でも、ナギサさん?♡」
「……はい?」
「女の子をこんなに照れさせてしまったんですから……」
ハナコが、いたずらっぽく目を細めた。
「ちゃんと責任を取っていただかないといけませんね?♡」
…………。
(……そう来たか)
……ふふっ。
いいねぇ。
それじゃあ、こう返してみるか。
「……ふふっ。もちろんです」
「……あら?」
「では、責任を取って、もう一度褒めさせていただきましょうか?」
「…………え?」
「ハナコさんのように、頑張りたいことを見つけて、きちんと努力できる方は、本当に素敵だと思いますよ」
「……っ!?」
ハナコが、再び頬を赤くした。
「ちょ、ちょっと……ナギサさん……!」
「……おや。どうかなさいましたか?」
「……も、もう……!」
…………。
(……ふふっ)
……うん。
やっぱり、ハナコとの会話は楽しいなぁ。
「……ふふっ。分かりました」
ハナコが、少し困ったように微笑んだ。
「これ以上褒められてしまうと、私の方が困ってしまいそうです♡」
「ふふっ。それは残念ですね」
「……ですが、ナギサさん」
「……はい?」
「満点を取ったご褒美は、別にいただいてもよろしいんですよね?♡」
…………。
……そっちは忘れてないのか。
「ええ。何か考えておきますね」
「……本当ですか?」
「もちろんです。満点ですからね」
「……ふふっ。楽しみにしています♡」
…………。
……うん。
せっかく頑張ったんだしな。
それに、ハナコが自分から頑張ろうと思ってくれたことが、何より嬉しい。
(……何か喜んでもらいたいなぁ)
◇
「さて。それじゃあ、今後の予定について話そうか」
先生が、四人を見渡した。
「今回の試験は、ヒフミとハナコが合格。コハルとアズサが不合格という結果になったね」
…………。
ヒフミ、84点。
コハル、47点。
アズサ、52点。
ハナコ、100点。
…………。
全員合格とはいかなかったけれど、悪くない結果だと思う。
何より、みんながそれぞれ頑張っていたことが分かった。
「それでは、コハルさんとアズサさんは、明日から強化合宿ですね」
俺がそう言うと、コハルが小さく肩を落とした。
「……はい……」
「……分かった」
アズサも、静かに頷いた。
「次こそは、必ず合格する」
「ええ。頑張りましょうね」
…………。
……さて。
(……ここは、昨日考えていたとおりにするか)
せっかく、四人で仲良くなってきたんだ。
合格した二人にも、一緒に来てもらえたら嬉しい。
「……それと」
俺は、残る二人へ視線を向けた。
「ヒフミさん、ハナコさん」
「……はい?」
「何でしょう、ナギサさん?」
「もしよろしければ、お二人も、強化合宿に参加してみませんか?」
…………。
「……えっ?」
ヒフミが、目を丸くした。
「私たちも、ですか?」
「ええ」
俺は、頷いた。
「コハルさんとアズサさん、お二人だけでは少し寂しいでしょう?」
…………。
「それに、皆さんはこれまで一緒に勉強してきた仲間ですから」
俺は、微笑んだ。
「よろしければ、これからも一緒に頑張っていただければと思いまして」
…………。
もちろん。
「強制ではありませんよ。お二人は既に合格していますから」
…………。
「……私、参加します!」
ヒフミが、すぐに手を上げた。
「コハルちゃんもアズサちゃんも、まだ頑張っていますから!」
ヒフミが、二人へ視線を向けた。
「私も、できることがあればお手伝いしたいです!」
…………。
……ああ。
ヒフミらしいなぁ。
「……ヒフミ……」
コハルが、驚いたように目を瞬かせた。
「……ありがとう」
アズサも、小さく頷いた。
「……えへへ」
ヒフミが、照れたように笑った。
…………。
……うん。
いい光景だ。
「……ふふっ」
すると、ハナコも微笑んだ。
「もちろん、私も参加しますよ」
「……よろしいのですか?」
「はい♡」
ハナコが、少し身を乗り出した。
「大切なお友達ですから。私も、最後までご一緒したいです」
…………。
……うん。
いい話だなぁ。
「……それに」
「……はい?」
「ナギサさんも、合宿にいらっしゃるのでしょう?」
「ええ。私も、できる限り顔を出すつもりです」
「……ふふっ。それでしたら、なおさら参加したいですね♡」
「私も、皆さんと一緒に過ごせるのを楽しみにしていますよ」
「……ふふっ。ありがとうございます♡」
ハナコが、嬉しそうに微笑んだ。
「それでしたら、ナギサさん。一つお願いしてもよろしいでしょうか?♡」
「ええ。もちろんですよ」
「明日の合宿では、ナギサさんのお隣の席を予約してもよろしいでしょうか?♡」
「ふふっ。いいですよ」
「……あら?」
ハナコが、少し驚いたように目を瞬かせた。
「そんなに簡単に、よろしいんですか?♡」
「もちろんです。ハナコさんですから」
俺は、微笑んだ。
「私も、ハナコさんとはもっとお話ししたいと思っていましたし、お隣に座っていただけるなら嬉しいですよ」
「…………!」
ハナコが、一瞬だけ目を見開いた。
そして。
「……ふふっ。ありがとうございます、ナギサさん♡」
嬉しそうに微笑んだ。
…………。
……うん。
ハナコなら、一緒に勉強するのも楽しそうだ。
それに、あの子は頭がいい。
他の子に勉強を教える時も、きっと頼りになるだろう。
「それに、せっかくの合宿ですから、皆さんとももっと仲良くなりたいですね」
…………。
(……特に、アズサとはな)
もちろん、他の三人とも仲良くなりたい。
それは間違いない。
ただ、今後のことを考えると、アズサとの信頼関係は特に大切だ。
「ハナコさんも、一緒に皆さんと仲良くしていただけたら嬉しいです」
「…………」
ハナコが、ほんの少しだけ唇を尖らせた。
「……ふふっ。ナギサさんは、欲張りですね♡」
「ふふっ。そうかもしれませんね」
「せっかく、お隣を予約できたと思いましたのに……」
少し拗ねたような声。
…………。
……ふふっ。
ハナコにも、こんな一面があるんだな。
「大丈夫ですよ。お隣の席は、ハナコさんのために空けておきますから」
「……本当ですか?♡」
「ええ。約束です」
「……ふふっ」
ハナコが、ぱっと表情を明るくした。
「それでしたら、もう一つお願いしてもよろしいでしょうか?♡」
「何でしょう?」
「休憩時間は、少しくらい独り占めさせてくださいね?♡」
…………。
……ふふっ。
相変わらず、上手いことを言うなぁ。
「ええ。もちろんですよ」
「……ふふっ。本当ですか?♡」
「私も、ハナコさんとゆっくりお話ししたいですから」
「…………っ」
ハナコの頬が、少しだけ赤くなった。
「……ふふっ。約束ですよ、ナギサさん♡」
「はい。楽しみにしていますね」
…………。
……うん。
やっぱり、ハナコとの会話は楽しいな。
それに。
(……こうして、素直にお願いしてくれるのも嬉しいなぁ)
…………。
さて。
そういえば、ご褒美の話もあったな。
…………。
(……ちょうどいいか)
実は、明日の合宿に向けて、ちょっとした計画を立てていたんだ。
みんな、これまで一生懸命勉強してきたしな。
それに、せっかく四人とも合宿へ参加することになったんだ。
(……うん。せっかくだし、ご褒美ってことにするか)
「……では、皆さん」
俺は、四人を見渡した。
「明日からの合宿で、ちょっとしたご褒美を用意しましょうか」
…………。
「……えっ!?」
ヒフミが、目を丸くした。
「ご、ご褒美ですか!?」
「ええ」
「……私たちにも、ですか?」
コハルが、驚いたように尋ねた。
「もちろんですよ」
俺は、微笑んだ。
「合格したお二人はもちろん、コハルさんとアズサさんも、よく頑張っていらっしゃいましたから」
「……ナギサ様……!」
コハルが、嬉しそうに表情を明るくした。
「……ご褒美」
アズサが、小さく呟いた。
「……何をするんだ?」
「ふふっ。それは明日のお楽しみです」
「……そうか」
アズサが、真剣な表情で頷いた。
「……楽しみにしている」
…………。
……うん。
アズサも結構乗り気だな。
「……ふふっ」
ハナコも、嬉しそうに微笑んだ。
「ナギサさんからのご褒美……楽しみにしていますね♡」
「ええ。期待していてください」
…………。
……よし。
これは、ちゃんと準備を整えないとな。
◇
「それでは、皆さん」
俺は、改めて四人を見渡した。
「明日の午前十時に、合宿地へ集合してください」
「……午前十時ですね!」
ヒフミが、頷いた。
「はい!」
「……分かりました! 遅れないようにします!」
コハルも、元気よく答えた。
「……了解した」
アズサが、静かに頷く。
「……ふふっ。楽しみにしていますね、ナギサさん♡」
ハナコも、嬉しそうに微笑んだ。
…………。
……よし。
「それと、こちらを」
俺は、先生から預かったプリントを四人に配った。
「合宿の持ち物をまとめてありますので、忘れずに準備してくださいね」
「はい! ありがとうございます!」
ヒフミが、丁寧に受け取った。
「……分かりました!」
コハルも、元気よく頷いた。
「……準備しておく」
アズサが、プリントを受け取る。
「……ふふっ。確認しておきますね♡」
ハナコも、にっこりと微笑んだ。
…………。
……うん。
これで、明日の予定も決まったな。
『……ナギさん』
(……ん?)
『……ご褒美は、何を用意されるおつもりなのですか?』
(……ああ。それはな)
俺は、ナギサにだけ、こっそりと考えを伝えた。
…………。
『……まあ!』
ナギサが、嬉しそうに目を輝かせた。
『……ふふっ。それでしたら、皆さんもきっと喜んでくださいますね』
(……だろ?)
……うん。
俺も、そう思う。
…………。
さて。
そうと決まれば、準備を進めないとな。
(……今日のうちに、色々と相談しておくか)
…………。
なかなか楽しみになってきたぞ。
……それにしても。
(……ハナコ、か)
…………。
あの子が、自分から満点を取りたいと思ってくれた。
そして、実際に100点を取ってきた。
…………。
(……うん。本当に嬉しいなぁ)
……よし。
明日は、ハナコにも、みんなにも。
思いっきり楽しんでもらおう。
…………。
勉強も大変になるだろうけど。
だからこそ。
(……楽しい思い出も、作ってもらわないとな)
…………。
明日が、楽しみだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
今回は、補習授業部の第一次試験でした!
まさかのハナコ100点!
そして、次回からは四人全員での強化合宿です!
それと、ここ数日は少し忙しいため、投稿が1日1話になったり、お休みする日があったりするかもしれません。
引き続きよろしくお願いします!