ブルーアーカイブ二次創作短編集(健全版) 作:ダルメシアン0426
ふぅ……なんだか今日は懺悔室に来る方が多かったですね。
それに似たような相談も多かったような……? いえ、きっと気のせいですね。
そろそろ時間ですね。懺悔室から出て施錠します。
ステンドグラスが夕日に照らされて綺麗ですね。
祈りを捧げます。平和と安寧が皆さんと共にありますように……。
大聖堂を後にします。本来なら掃除をしてから帰る予定だったのですが、皆さんから「今日は掃除は大丈夫。私たちがするから」と言われてしまいましたし……どうしてでしょうか?
今日はこれから先生と会う予定があるのですが、まだ約束の時間には早い。でも、遅れるよりは良いでしょうね。シャーレへの道を歩きながらスマホを取り出し先生とのモモトークの履歴を確認します。
『明日、会えないかな?』
『はい、いいですよ』
『ありがとう。じゃあ、夕方……17時にシャーレでどうかな?』
『わかりました。では、その時間までにシャーレにお邪魔しますね』
嬉しい。先生が私に会いたい、そう言ってくれて。
でもどうして? 何かあったのでしょうか? それとも懺悔したいことが? いえ、それなら先生はここに来る筈……。
あ、も、もしかして、私の誕生日を知っていてそれで……?
そうだったら嬉しいですね。頬が緩くなっているのが自分でもわかりました。いけない、そう思うも中々元に戻りません。こんな緩んだ顔じゃ先生と会うのは恥ずかしいです。
そんなことを考えながら歩いていたらシャーレへと着いてしまいました。
やっぱり、約束の時間にはまだ早いですね。中に入って待ってましょうか。
ロビーを抜けて、先生が仕事をしているオフィスへと。
そこでは忙しなく仕事をしている先生が居ました。その姿が普段の何倍もかっこよくて、思わず見惚れてしまいました。
大きく伸びをした先生と目が合います。
先生は何故か何度も目を擦り「幻覚?」と呟いていました。どういうことでしょうか?
「あの、先生。すみません、約束の時間よりも早く来てしまいました。お仕事の邪魔をしてしまいすみません」
「幻覚、じゃない⁉」
「先生?」
「ああ、うん。大丈夫大丈夫。ちょっとびっくりしただけ。マリーが邪魔だなんてことはないから安心して」
「ふふ、わかりました。……あの、お手伝いいたしましょうか?」
「ありがとうね、でも大丈夫だから」
「ですが……」
山のように積み重なっている書類を見遣る。
「あはは……大丈夫大丈夫……これくらい……これ、くらい…………。はぁ~……」
段々と声が小さくなって最後には深い溜め息が……だ、大丈夫なんでしょうか……?
先生が大丈夫、と言っている以上、私が出来ることはありませんね……。
「ああ、でも休憩しようかな。そろそろ約束の時間だしね」
「あ、ではコーヒーを入れてきますね」
「マリー」
給湯室へと向かう私を呼び止めるかのような先生。
「はい、なんでしょうか?」
「ちょっと屋上で話したいことがあるんだ」
「屋上で、ですか?」
「うん」
「わかりました」
「じゃあ、行こうか」
「はい」
そう言って歩き出す先生へと返事をし着いていきます。
屋上から見える風景はとても綺麗で。夕日に照らされて茜色に染まった街並み。シャーレのビルから見える景色がこんなに素晴らしいものだっただなんて知らなかったです。
「マリー」
「先生」
「誕生日おめでとう」
「ぁ……覚えててくれたのですね……ありがとうございます」
嬉しい。予想が当たっていたことも、先生がこうしてお祝いしてくれことが何よりも嬉しい。
「当たり前だよ。だって可愛い生徒だからね」
「ふふっ、ありがとうございます」
「それと、これを君に」
先生がそう言って包装された四角い箱を私に手渡します。
「あ、あの、これって⁉」
「マリーへの誕生日プレゼントだよ」
「誕生日プレゼント、ですか……? 私への?」
「うん」
「わぁ……ありがとうございます……!」
包装を丁寧に剥がしていく。包装を剥がし終え、箱を開けるとそこには──花の刺繍が施されたとても可愛いハンカチがありました。
「……可愛い。あ、あの、私がこんな可愛いハンカチを貰ってもいいんでしょうか……?」
「もちろん。マリーへのプレゼントだからね。むしろ貰ってくれないと先生困っちゃうな」
おどけるように言う。
「あ、ありがとうございます! ずっと大事にします!」
さっきからずっと頬が緩んでいるのが自分でもわかります。
「はは、そんなに喜んでもらえると嬉しいな」
「先生からのプレゼントだなんて嬉しいに決まってますよ」
「そっか。あのさ、マリーはさ、これからまだ時間ある? いや、私がマリーともう少し一緒に居たいだけなんだけどね」
「はい、大丈夫ですよ」
「でも、私のお誕生日を祝ってこうして先生と一緒にいられるだなんて……幸せ過ぎてなんだか、あとで罰が下ってしまわないか心配です」
「それはないから大丈夫だよ」
断言するかのようにきっぱりと言う先生。
それから私は先生とお話しをしました。今日あった不思議なことについて。
先生はそれを聞いて「なるほどね」と笑っていました。どういうことなのか聞いてみるも、寮に帰ればわかる、の一点張りで教えてもらえませんでした。
話している内に門限の時間が刻一刻と近づいてきてしまったので、名残り惜しいですが寮に戻ることになりました。
そして、寮に戻ったら、盛大に祝われました。そのお陰で日中にあった似たような相談が多かったことについての疑問が解消したのでした。でもそれはまた別のお話──。
マリー誕生日おめでとう!(遅
2026/10/12 追記:もう少しお祝い感を出せれば良かったなぁ、と今にして思う。